ZSPELLオプションは、HEADING、REPORTおよびROWコマンドによって生成された出力で、数値としてのゼロを表示するために使用するデフォルトのテキストを保持するオプションです。
データ型
TEXT
構文
ZSPELL = {'text'|'OFF'}
引数
数値としてのゼロ値のデフォルトの表記。テキスト・リテラルではなく式を指定する場合は、一重引用符を省略できます。
(デフォルト)数値としてのゼロ値ごとに、適切な小数点以下の桁数(DECIMAL属性で指定)を持つゼロ(0)の値を表示します。
注意
ゼロ値の代入
ZSPELLは、出力にのみ影響します。ゼロ値の代入方法には影響しません。たとえば、ZSPELLをNONE
に設定した場合でも、ゼロ値は次のように代入します。
var1 = 0
小数点以下の表示
デフォルトのOFFの意味は、DECIMAL属性によって示される小数点以下の桁数を持つ0(ゼロ)としてゼロ値を表示するということです(たとえば、0.00
)。ZSPELLをテキスト文字の0
に設定すると、DECIMALの指定内容にかかわらず、ゼロ値は小数点以下のない0
として表示されます。
ゼロに近い値に対するZSPELLの影響
出力に0.004
などの小さい値がある場合、表示される小数点以下の桁数は、ZSPELLが数値をゼロとして処理するかどうかに影響します。例6-119「非常に小さい数の表示」を参照してください。
例
例6-118 ゼロ値のNONE表示
この例では、DECIMALの変数testvar
のゼロ値がレポート出力でNONEと表示されるように、ZSPELLの値を変更します。ZSPELLをデフォルト値のOFF
に設定して、次のOracle OLAP文を発行します。
testvar = 0.00 ROW testvar
生成される出力は次のとおりです。
0.00
これに対し、次のOLAP DML文を発行します。
ZSPELL = 'NONE' ROW testvar
生成される出力は次のとおりです。
NONE
例6-119 非常に小さい数の表示
この例は、出力における小数点以下の桁数の表示方法が、ZSPELLが非常に小さい数をゼロとして処理するかどうかに影響することを示します。ZSPELLをデフォルト値のOFF
に設定した場合、次のOracle DML文を発行します。
ZSPELL = 'OFF' testvar = 0.004 ROW DECIMAL 3 testvar
生成される出力は次のとおりです。
0.004
次の文では、ZSPELLをNONE
に設定し、出力の小数点以下を2桁に指定します。
ZSPELL = 'NONE' ROW DECIMAL 2 testvar
これらの文によって生成される出力は次のとおりです。
NONE
ZSPELLをNONE
に設定したままの状態で、次の文を発行すると、出力の小数点以下が3桁に指定されます。
ROW DECIMAL 3 testvar
この文によって生成される出力は、次のとおりです。
0.004