この章では、クローニングを使用してOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を既存クラスタの追加のノードに拡張する方法について説明します。 ASMおよびOracle RACを新規クラスタのノードに追加する場合は、第5章を参照してください。
関連項目: クローニングの概要およびクローニングのメリットについては、「Oracle ASMおよびOracle Real Application Clustersのクローニングの概要」を参照してください。 |
この項では、Oracleクローニングを使用して既存のOracle RAC環境にノードを追加する方法を、LinuxおよびUNIXシステム環境とWindowsシステム環境について説明します。
クローニング手順は、ノードおよびインスタンスを追加するOracle RAC環境が正常にインストールされ、構成されていることを前提としています。クローニングを使用してOracle RAC環境にノードを追加するには、まず、Oracle Clusterware構成を拡張し、次にOracle RACによってOracle Databaseソフトウェアを拡張し、Oracle Assistantを実行してリスナーとインスタンスを追加します。
クローニング・スクリプトでは、複数のツールが実行されます。これらのツールでは、それぞれ独自のログ・ファイルが生成されます。clone.pl
スクリプトの実行が完了した後、ログ・ファイルを表示してクローニング処理の詳細を参照できます。詳細は、「クローニング時に生成されたログ・ファイルの検索および表示」を参照してください。
LinuxおよびUNIXシステムでOracle DatabaseとOracle RACソフトウェアをクローニングするには、次の手順を実行します。
Oracleホームのコピーを作成し、このコピーを使用して1つ以上のノードでクローニング手順を実行するには、「Oracle ASMおよびOracle Real Application Clustersのクローニングの準備」の手順に従ってください。
共有Oracle Databaseホームがない場合は、既存ノードからOracleホームのtarファイルを作成し、新規ノードにコピーします。新規ノードの宛先Oracleホームの場所が$ORACLE_HOME
であることが前提となっています。それ以外の場合は、この手順を省略します。
共有Oracle Databaseホームがない場合は、新規ノード上で$ORACLE_HOME/clone/bin
ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します。existing_node
はクローニングするノードの名前、new_node2
およびnew_node3
は新規ノードの名前、Oracle_home_name
はOracleホームの名前です。
perl clone.pl '-O"CLUSTER_NODES={existing_node,new_node2,new_node3}"' '-O"LOCAL_NODE=new_node2"' ORACLE_BASE=/opt/oracle ORACLE_HOME=$ORACLE_HOME ORACLE_HOME_NAME=Oracle_home_name '-O-noConfig'
共有Oracle Databaseホームがある場合は、クラスタ・ファイル・システムについて、この手順のコマンド例に-cfs
オプションを追加します。
perl clone.pl '-O"CLUSTER_NODES={existing_node,new_node2,new_node3}"' '-O"LOCAL_NODE=new_node2"' ORACLE_BASE=/opt/oracle ORACLE_HOME=$ORACLE_HOME ORACLE_HOME_NAME=Oracle_home_name '-O-noConfig' '-O-cfs'
既存ノードで、$ORACLE_HOME/oui/bin
ディレクトリから次のコマンドを実行します。existing_node
はクローニングする元のノードの名前、new_node2
およびnew_node3
は新規ノードの名前です。
./runInstaller –updateNodeList ORACLE_HOME=$ORACLE_HOME "CLUSTER_ NODES={existing_node,new_node2,new_node3}"
新規ノードで、$ORACLE_HOME
ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します。
./root.sh
新規ノードで、Net Configuration Assistant(NetCA)を実行してリスナーを追加します。
クローニングしたノードから、Database Configuration Assistant(DBCA)を実行して新規インスタンスを追加します。
WindowsシステムでOracle DatabaseとOracle RACソフトウェアをクローニングするには、次の手順を実行します。
共有Oracle Databaseホームがない場合は、既存ノードのOracle RACを含むOracle Databaseホームのzipファイルを作成し、新規ノードにコピーします。Oracle DatabaseとOracle RACのホームを、新規ノードで同じディレクトリ(既存ノードでOracle RACとともにOracle Databaseホームが配置されていた場所)に解凍します。たとえば、新規ノードのコピー先のOracle RACのホームの場所を%ORACLE_HOME%
とします。共有Oracle Databaseホームがある場合は、この手順をスキップします。
新規ノードで、%ORACLE_HOME%\clone\bin
ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します。Oracle_Home
はOracle Databaseホーム、Oracle_Home_Name
はOracle Databaseホームの名前、existing_node
は既存のノードの名前、new_node
は新規ノードの名前です。
perl clone.pl ORACLE_HOME=Oracle_Home ORACLE_BASE=Oracle_Base ORACLE_HOME_NAME=Oracle_Home_Name '-O"CLUSTER_NODES={existing_node,new_node}"' '-O"LOCAL_NODE=new_node"' -O-noConfig
Oracle RACを含む共有Oracle Databaseホームがある場合は、この手順のコマンド例に-cfs
オプションを追加し、クラスタ・ファイル・システムのフルパスを指定します。
既存のノードのORACLE_HOME\oui\bin
ディレクトリから次のコマンドを実行します。Oracle_home
はOracle RACを含むOracle Databaseホーム、existing_node
は既存のノードの名前、new_node
は新規ノードの名前です。
setup.exe -updateNodeList ORACLE_HOME=Oracle_home "CLUSTER_NODES={existing_node,new_node}" LOCAL_NODE=existing_node
新規ノードで、NetCAを実行してリスナーを追加します。
クローニングしたノードから、DBCAを実行して新規ノードにデータベース・インスタンスを追加します。