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Oracle Database Real Application Testingユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
B51856-01
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4 データベース・ワークロードの事前処理

ワークロードを取得し、テスト・システムの設定が完了したら、取得したデータを事前処理する必要があります。 取得したワークロードを事前処理すると、取得したデータがリプレイ・ファイルに変換され、必要なすべてのメタデータが作成されます。事前処理は、取得したワークロードをリプレイする前に、ワークロードごとに1回行う必要があります。 取得したワークロードは、事前処理を行うと、リプレイ・システムで繰り返しリプレイできるようになります。

取得したワークロードを事前処理するには、まず、取得したすべてのデータ・ファイルを取得システムの格納先のディレクトリから、事前処理を実行するインスタンスのディレクトリに移動する必要があります。 事前処理は、リソースを大量に必要とするため、次の条件を満たすシステムで実行する必要があります。

Oracle RACでは、事前処理用にリプレイ・システムのデータベース・インスタンスを1つ選択します。 このインスタンスは、ローカル・ファイル・システムまたは共有ファイル・システムに格納可能な、事前処理を必要とする取得済データ・ファイルにアクセスできる必要があります。 取得システムの取得ディレクトリ・パスがインスタンスごとに別々の物理ディレクトリに解決される場合、これらの各ディレクトリに作成されたすべての取得ファイルは、事前処理を実行する単一のディレクトリに移動する必要があります。

通常、取得したワークロードはリプレイ・システムで事前処理します。 取得したワークロードをリプレイ・システムから切り離されたシステムで事前処理する場合は、事前処理完了後に、すべての事前処理済データ・ファイルを、事前処理を行ったシステムの格納先ディレクトリからリプレイ・システムのディレクトリに移動する必要があります。

内容は次のとおりです。


ヒント:

取得したワークロードを事前処理する前に、本番システムでワークロードを取得する必要があります。詳細は、第3章「データベース・ワークロードの取得」を参照してください。

Enterprise Managerを使用したデータベース・ワークロードの事前処理

この項では、取得したワークロードをEnterprise Managerを使用して事前処理する方法について説明します。 取得したワークロードを事前処理するための主要ツールは、Oracle Enterprise Managerです。 なんらかの理由でOracle Enterprise Managerを使用できない場合は、APIを使用してワークロードの取得を事前処理できます。詳細は、「APIを使用したデータベース・ワークロードの事前処理」を参照してください。

取得したワークロードをEnterprise Managerを使用して事前処理するには、次の手順を実行します。

  1. 「ソフトウェアとサポート」ページの「Real Application Testing」で、「データベース・リプレイ」をクリックします。

    「データベース・リプレイ」ページが表示されます。

  2. 「タスクに移動」列で、「取得されたワークロードの前処理」タスクに対応するアイコンをクリックします。

    「取得されたワークロードの前処理」ページが表示されます。

    dbr_process_empty.gifの説明が続きます。
    dbr_process_empty.gifの説明

  3. 「ディレクトリ・オブジェクト」リストで、事前処理する取得済のワークロードが含まれているディレクトリを選択します。

    ディレクトリを選択すると、「取得されたワークロードの前処理」ページがリフレッシュされて「取得サマリー」セクションが表示されます。このセクションには、選択したディレクトリ内の取得済のワークロードに関する情報が表示されます。

    dbr_process_capture3.gifの説明が続きます。
    dbr_process_capture3.gifの説明

    取得済のワークロードのその他の詳細を表示するには、「詳細の取得」を開きます。 開いた「詳細の取得」セクションに、ワークロードのプロファイルおよび取得したワークロードの詳細が表示されます。

  4. 「ワークロードの事前処理」をクリックします。

    「取得されたワークロードの前処理: データベース・バージョン」ページが表示されます。

    dbr_process_dbversion.gifの説明が続きます。
    dbr_process_dbversion.gifの説明

  5. 表示された現在のデータベース・バージョンが目的のリプレイ・システムのデータベース・バージョンと一致することを確認し、「次へ」をクリックします。

    事前処理は、リプレイ・システムと同じバージョンのOracle Databaseが実行されているシステムで行う必要があります。

    「取得されたワークロードの前処理: スケジュール」ページが表示されます。

  6. 事前処理ジョブのパラメータを定義します。

    • 「ジョブ・パラメータ」で、ジョブの名前および説明を入力します。

    • 「開始」で、ジョブを即時実行する(「即時」を選択)か、ジョブを後で実行する(「後で」を選択して「日付」および「時間」フィールドで希望するタイミングを指定)かを選択します。

    • 「ホスト資格証明」で、事前処理に使用するデータベース・ホストのユーザー名およびパスワード情報を入力します。

    ジョブのパラメータを定義したら、「次へ」をクリックします。

    「取得されたワークロードの前処理: 確認」ページが表示されます。

  7. 事前処理ジョブに対して選択したオプションを確認します。

    取得したワークロードを事前処理するには、「発行」をクリックします。変更する場合は、「戻る」をクリックします。 変更を保存せずに事前処理を取り消す場合は、「取消」をクリックします。


ヒント:

取得したワークロードを事前処理したら、テスト・システムでリプレイできます。詳細は、第5章「データベース・ワークロードのリプレイ」を参照してください。

APIを使用したデータベース・ワークロードの事前処理

この項では、取得したワークロードをDBMS_WORKLOAD_REPLAYパッケージを使用して事前処理する方法について説明します。 取得したワークロードは、Oracle Enterprise Managerを使用して事前処理することもできます。詳細は、「Enterprise Managerを使用したデータベース・ワークロードの事前処理」を参照してください。

取得したワークロードを事前処理するには、次のようにPROCESS_CAPTUREプロシージャを使用します。

BEGIN
  DBMS_WORKLOAD_REPLAY.PROCESS_CAPTURE (capture_dir => 'dec06');
END;
/

この例では、dec06ディレクトリに格納されている取得済ワークロードが事前処理されます。

この例のPROCESS_CAPTUREプロシージャでは、必須パラメータcapture_dirを使用します。このパラメータは、事前処理する取得済ワークロードが含まれているディレクトリを指定します。


ヒント:

取得したワークロードを事前処理したら、テスト・システムでリプレイできます。詳細は、第5章「データベース・ワークロードのリプレイ」を参照してください。


参照:

DBMS_WORKLOAD_REPLAYパッケージについては、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。