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Oracle Database Real Application Testingユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
B51856-01
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1 Oracle Real Application Testingの概要

Oracle Real Application Testingオプションを使用すると、Oracle Databaseを現実的な環境でテストできます。Oracle Real Application Testingは、本番環境へのデプロイメントを行う前に、本番環境でのワークロードを取得し、システムの変更による影響を評価することで、その変更が原因で不安定になるリスクを最小限にします。

Oracle Real Application Testingは、次の2つのコンポーネントで構成されています。

データベース・リプレイおよびSQLパフォーマンス・アナライザは、Real Application Testingで使用可能な補完ソリューションです。 システム変更の性質とその影響、およびテストを実行するシステム(本番システムまたはテスト・システム)に応じて、テストの実行にいずれかのソリューションを使用できます。


注意:

データベース・リプレイおよびSQLパフォーマンス・アナライザの使用には、Oracle Real Application Testingライセンス・オプションが必要です。詳細は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。

データベース・リプレイ

ハードウェアやソフトウェアのアップグレードなどのシステム変更を行う前に、通常は、テスト環境で広範囲にわたるテストを実行して変更を検証します。しかし、テストしたにもかかわらず、新しいシステムは本番環境で予期しない動作を起こすことがよくあります。これは、現実的なワークロードを使用してテストを実行していないためです。テスト時に現実的なワークロードをシミュレートできないことは、システム変更を検証する際の最も大きな課題の1つです。

データベース・リプレイでは、テスト・システムで本番環境のワークロードを実質的に再現し、システム変更の現実的なテストを可能にします。データベース・リプレイを使用すると、本番システムのワークロードを取得して、それを元のワークロードとまったく同じタイミング、同時実行性およびトランザクション特性に従ってテスト・システムでリプレイできます。これにより、変更の影響(望ましくない結果、新しい競合ポイント、計画の品質低下など)を詳細に評価できます。広範な分析およびレポートを利用して、新しく発生したエラーやパフォーマンスの相違など、起こりうる問題の特定に役立てることができます。

データベース・リプレイでは、外部クライアントのワークロードについて、データベース・レベルでワークロードを取得し、パフォーマンス・オーバーヘッドはごくわずかです。 本番ワークロードを取得することで、シミュレーション・ワークロードやスクリプトを開発する必要がなくなり、コストと時間を大幅に節約できます。データベース・リプレイを使用すると、以前であれば負荷シミュレーション・ツールを使用して何か月もかかっていた複雑なアプリケーションの現実的なテストが、数日で完了します。これにより、より高度な信頼性をより少ないリスクで確保しながら、変更を迅速にテストして新しいテクノロジを導入できます。

データベース・リプレイを使用すると、次のような重要なシステム変更をテストできます。


参照:


SQLパフォーマンス・アナライザ

システム変更(データベースのアップグレードや索引の追加など)を行うと、SQL文の実行計画が変更され、SQLパフォーマンスに大きな影響を与える場合があります。 システム変更によってSQL文が低下し、パフォーマンスの低下につながる場合もあります。 システム変更によってSQLパフォーマンスが改善される場合もあります。 システム変更がSQLパフォーマンスに与える可能性がある影響を正確に予測できると、SQL文の低下に備えてシステムを事前にチューニングしたり、SQL文のパフォーマンスが改善された場合のパフォーマンスの向上を検証し、評価することができます。

SQLパフォーマンス・アナライザは、SQL文ごとのパフォーマンスの相違を識別することで、すべてのSQLワークロードに対する変更の全体的影響を評価するプロセスを自動化します。レポートには、変更によるワークロード・パフォーマンスへの最終的な影響が示されます。 パフォーマンスの低下したSQL文については、SQLパフォーマンス・アナライザによって、適切な実行計画の詳細とチューニング推奨事項も提供されます。 これによって、エンド・ユーザーに影響が及ぶ前に、望ましくない結果を修正することができます。 また、時間とコストを大幅に節約しながら、本番環境のシステム変更が最終的なパフォーマンス向上につながることを検証できます。

SQLパフォーマンス・アナライザを使用すると、次に示す変更を含むあらゆるタイプのシステム変更のSQLパフォーマンスに対する影響を分析できます。


参照: