Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド 11gリリース1(11.1) for Microsoft Windows and UNIX Systems E05707-05 |
|
戻る |
次へ |
クラスタ・インストールでは、Oracle Universal Installerを使用して、ネットワーク・アクセスが可能でOracle Clusterwareによりバインドされているクラスタのノードにソフトウェアをインストールします。Oracle Universal Installerを使用して、製品をインストールするOracleホームを拡張し、クラスタ上の追加ノードを含めることができます。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Universal Installerは、Oracle Clusterwareのインストールを容易にします。ほとんどの場合、Oracle Universal Installerに用意されているGUIを使用してソフトウェアをインストールします。ただし、Oracle Universal Installerを使用して、GUIを使用せずに非対話型(サイレント)インストールを実行することもできます。
Oracleインベントリは、Oracleソフトウェアのバージョンおよびパッチの記録を管理します。インストールごとに、Oracleホームが登録されているセントラル・インベントリがあります。Oracleソフトウェア・インストールにはローカル・ホーム・ディレクトリがあり、そのパスの位置はセントラル・インベントリに記録されます。各Oracleソフトウェア・インストールのローカル・インベントリ・ディレクトリには、そのソフトウェアに関連付けられているコンポーネントおよび適用されている個別パッチのリストが含まれています。欠陥のあるインベントリ情報により、Oracleソフトウェア・インストールが破損する可能性があるため、Oracleインベントリに対するすべての読取りおよび書込み操作はOracle Universal Installerで実行する必要があります。セントラル・インベントリまたはOracleホーム・インベントリ内のファイルは変更しないでください。
Oracle ClusterwareまたはReal Application Clustersをインストールする場合、Oracle Universal Installerを実行しているノードにOracleソフトウェアがコピーされます。Oracleホームが共有ファイル・システム上にない場合は、Oracle Universal Installerにより、Oracle Universal Installerインストール・セッションの一部として選択した他のノードにソフトウェアが伝播されます。Oracleインベントリは、Real Application Clustersデータベースのメンバーである各ノードのリストを管理し、各ノードのOracleホームへのパスをリストします。これは、Real Application Clustersデータベースの各メンバー・ノードのパッチおよび更新を管理するために使用されます。
Oracle Universal InstallerでOracleソフトウェアをインストールする場合は、構成済データベースを選択するか、Database Configuration Assistant(DBCA)を対話的に使用してクラスタ・データベースを作成することをお薦めします。次のURLにあるOracle Technical Networkに掲載されている手順に従って、データベースを手動で作成することもできます。
http://www.oracle.com/technology/index.htm
自動ストレージ管理(ASM)を使用することをお薦めします。ASMを使用していない場合、またはクラスタ・ファイル・システムを使用していない場合は、データベースを作成する前に共有RAWデバイスを構成します。
Oracleソフトウェアには、Real Application Clustersを操作するための追加コンポーネントが用意されています。Real Application Clusters固有のコンポーネントの一部を次に示します。
Oracle Clusterware
インストール済のReal Application Clustersコンポーネント
Oracle Universal Installerでは、サード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアが存在することをOracle Universal Installerが検出した各ノードに、Oracle Clusterwareがインストールされます。サード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアが存在しない場合は、Oracle Universal Installerを使用して、Oracle Clusterwareをインストールするノードを入力する必要があります。Oracle Clusterwareホームは、Oracle Universal Installerの実行時の回答に応じて、すべてのノードで共有することも、ノードごとにプライベートにすることもできます。
サード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアが存在する場合、Oracle Clusterwareはサード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアと対話することができます。サード・パーティ・ベンダー・クラスタウェアを使用している場合、Oracle ClusterwareはLinuxとWindows以外のすべてのオペレーティング・システムでサード・パーティ・ベンダー・クラスタウェアと対話できます。Oracle Cluster Registryおよび投票ディスクはすべてのノードで共有する必要があります。
Real Application Clusters環境のすべてのインスタンスは、制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル、REDOログ・ファイルおよびすべてのデータファイルを共有します。これらのファイルは、共有クラスタ・ファイル・システムまたは共有ディスク上にあります。これらのタイプのファイル構成は、どちらもすべてのクラスタ・データベース・インスタンスによりアクセスされます。各インスタンスには、REDOログ・ファイルの固有セットもあります。エラーの際には、REDOログ・ファイルに共有アクセスすることにより、残ったインスタンスがリカバリを実行できます。
Real Application Clustersインストールの一部となる各ノードは、次のハードウェアおよびソフトウェア要件を満たしている必要があります。プラットフォーム固有のインストール前手順として、ハードウェアおよびソフトウェアの検証タスクを順番に実行します。
クラスタ内の各ノードには、次のハードウェアが必要です。
Oracle Clusterwareファイルを格納するための外部共有ディスク。
使用可能なディスク構成オプションの詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。Real Application Clusters環境で使用する記憶域オプションを決定する前に、これらのオプションを確認してください。
プライベート相互接続として機能するノードごとに1つのプライベート・インターネット・プロトコル(IP)アドレス。各プライベートIPアドレスは次の条件を満たしている必要があります。
– パブリック・ネットワークから分離されている必要があります。– 各ノードの同じネットワーク・インタフェースからアクセス可能である必要があります。– ノードごとに一意のアドレスを持つ必要があります。プライベート相互接続は、Oracle ClusterwareとReal Application Clustersの両方によりノード間通信に使用されます。プライベート・アドレスがネットワーク・ネーム・サーバー(DNS)から使用可能な場合は、その名前を使用できます。それ以外の場合、プライベートIPアドレスは、UNIXでは各ノードの/etc/hosts
ファイル、Windowsでは%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts
で入手できる必要があります。
Oracle Clusterwareのインストール時に、プライベートIPアドレスとして入力した情報により、Real Application Clustersデータベース・インスタンスで使用されるプライベート相互接続が決まります。
ノードごとに1つのパブリックIPアドレスをクライアント接続および接続フェイルオーバーの仮想IPアドレスとして使用します。
このパブリック仮想IPアドレス(VIP)は、クラスタに属しているすべてのノードで同じインタフェース名に関連付けられている必要があります。また、クラスタに属しているすべてのノードに使用するIPアドレスは、同じサブネットのものである必要があります。ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)がある場合は、VIPのホスト名をDNSに登録します。仮想IPアドレスは、Oracleが管理する仮想IPアドレスであるため、インストール時には使用されていないことが必要です。
ノードごとに1つのパブリック固定ホスト名アドレス。このアドレスは通常、オペレーティング・システムのインストール時にシステム管理者により割り当てられます。DNSがある場合は、固定IPアドレスとVIPアドレスの両方をDNSに登録します。DNSがない場合は、両方のパブリックIPアドレスがノードのホスト・ファイルにあることを確認する必要があります。
クラスタ内の各ノードでは、キャッシュ・フュージョンをサポートするため、またOracle Clusterwareポーリングをサポートするために、サポートされている相互接続ソフトウェア・プロトコルを必要とします。使用しているプラットフォームに対して、相互接続がOracleにより保証されている必要があります。Oracle Enterprise Managerを有効にするため、またオンライン・ドキュメントを表示するために、Webブラウザも必要です。Oracle Database 11gの要件に対して、Oracle Clusterwareはサード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアと同じ機能を用意しています。Oracle Clusterwareを使用すると、インストールとサポートの複雑さも軽減されます。ただし、イーサネット以外の相互接続を使用している場合、またはReal Application Clustersをデプロイするのと同じクラスタに、クラスタウェアに依存するアプリケーションをデプロイした場合は、サード・パーティ・ベンダー・クラスタウェアが必要になる場合があります。
Real Application Clustersをインストールする前に、次の手順を実行します。
次のWebサイトにあるMy Oracle Support(以前のOracleMetaLink)動作保証情報を参照して、オペレーティング・システムおよびOracleソフトウェアのバージョンの組合せが保証されていることを確認します。
http://metalink.oracle.com
「動作保証および可用性」をクリックし、「1.製品別の認証の表示」を選択します。
注意: My Oracle Supportサイトのレイアウトおよびサイトの保証ポリシーは変更される可能性があります。 |
プライベート・ネットワークを使用する高速相互接続を構成します。一部のプラットフォームでは、追加の相互接続への自動フェイルオーバーがサポートされます。
システムの記憶域オプションを決定し、共有ディスクを構成します。
ディレクトリ構造がすべてのノードで同様であることを確認します。
クラスタ内のすべてのノードのタイム・ゾーン設定が同じであることを確認します。
Oracleソフトウェアのオペレーティング・システム・パッチをインストールします。詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracle Universal Installerを起動する前に、次のインストール前のタスクを完了する必要があります。
Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとしていくつかのタスクを完了する必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次のいずれかの手順を実行します。
X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからソフトウェアをインストールする場合は、次のようにします。
Xターミナル(xterm)などのローカル・ターミナル・セッションを開始します。
ソフトウェアをローカル・システムにインストールしているのでない場合は、次のコマンドを入力して、リモート・ホストでローカルXサーバーのXアプリケーションを表示できるようにします。
$ xhost +
ソフトウェアをローカル・システムにインストールしているのでない場合は、ssh
、rlogin
またはtelnet
コマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。
$ telnet remote_host
rootユーザーとしてログインしているのでない場合は、次のコマンドを入力して、ユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする場合は、次のようにします。
Xサーバー・ソフトウェアを起動します。
リモート・ホストがローカル・システムのXアプリケーションを表示できるようXサーバー・ソフトウェアのセキュリティ設定を構成します。
ソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステムでXターミナル(xterm)などのターミナル・セッションを起動します。
リモート・システムでrootユーザーとしてログインしているのでない場合は、次のコマンドを入力して、ユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
システムへのOracleソフトウェア製品のインストールが初めてであるかどうかに応じて、またインストールしている製品に応じて、いくつかのUNIXグループおよびUNIXユーザー・アカウントの作成が必要になる場合があります。次のUNIXグループおよびユーザーは、すべてのインストールに必要です。
Oracleインベントリ・グループ(oinstall
)
システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする際に、このグループを作成する必要があります。このグループに対して通常選択される名前は、oinstall
です。このグループは、システムにインストールされているすべてのOracleソフトウェアのカタログであるOracleインベントリを所有します。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle
)
システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする際に、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーは、インストール時にインストールされたすべてのソフトウェアを所有します。このユーザーに対して通常選択される名前は、oracle
です。このユーザーは、プライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループを持っている必要があります。
上で作成したグループとユーザーに加えて、他のグループおよびユーザーを作成する必要があります。必要なグループおよびユーザーの作成の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracleソフトウェア・ユーザーおよびグループが存在し、すべてのクラスタ・ノードで同一である必要があります。これらの同一ユーザーおよびグループを作成するには、それらのユーザーおよびグループを作成したノードで割り当てられたユーザーIDおよびグループIDを識別し、他のクラスタ・ノードで同じ名前とIDを使用してユーザーとグループを作成する必要があります。ローカル・ユーザーおよびグループを使用している場合のみ、他のクラスタ・ノードに同一のユーザーおよびグループを作成する必要があります。NISなどのディレクトリ・サービスで定義されたユーザーおよびグループを使用している場合は、各クラスタ・ノードですでに同一になっています。
Oracle Real Application Clustersをインストールおよび使用する前に、すべてのクラスタ・ノードでoracle
ユーザーに対してセキュア・シェル(SSH)を構成する必要があります。Oracle Universal Installerでは、インストール時にssh
およびscp
コマンドを使用して、リモート・コマンドを実行し、他のクラスタ・ノードにファイルをコピーします。これらのコマンドでパスワードの入力が要求されないようSSHを構成する必要があります。
SSHを構成するには、各クラスタ・ノードで次の手順を実行します。
Oracleユーザーとしてログインします。
必要に応じて、Oracleユーザーのホーム・ディレクトリに.ssh
ディレクトリを作成し、適切な権限を設定します。
$ mkdir ~/.ssh $ chmod 700 ~/.ssh
次のコマンドを入力して、バージョン2のSSHプロトコルのRSAキーを生成します。
$ /usr/bin/ssh-keygen -t rsa
プロンプトで、次の操作を行います。
キー・ファイルのデフォルトの場所を受け入れます。
Oracleユーザーのパスワードとは異なるパス・フレーズを入力し、確認します。
このコマンドは、~/.ssh/id_rsa.pub
ファイルに公開鍵を書き込み、~/.ssh/id_rsa
ファイルに秘密鍵を書き込みます。秘密鍵は決して誰にも配布しないでください。
次のコマンドを入力して、バージョン2のSSHプロトコルのDSAキーを生成します。
$ /usr/bin/ssh-keygen -t dsa
プロンプトで、次の操作を行います。
キー・ファイルのデフォルトの場所を受け入れます。
Oracleユーザーのパスワードとは異なるパス・フレーズを入力し、確認します。
このコマンドは、~/.ssh/id_dsa.pub
ファイルに公開鍵を書き込み、~/.ssh/id_dsa
ファイルに秘密鍵を書き込みます。秘密鍵は決して誰にも配布しないでください。
~/.ssh/id_rsa.pub
および~/.ssh/id_dsa.pub
ファイルの内容を、このノードの~/.ssh/authorized_keys
ファイルおよび他のすべてのクラスタ・ノードの同じファイルにコピーします。
注意: すべてのノードの~/.ssh/authorized_keys ファイルには、すべてのクラスタ・ノードで生成したすべての~/.ssh/id_rsa.pub ファイルおよび~/.ssh/id_dsa.pub ファイルの内容が含まれている必要があります。 |
すべてのクラスタ・ノードで~/.ssh/authorized_keys
ファイルに対する権限を変更します。
$ chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys
この時点で、ssh
を使用して別のノードにログインし、コマンドを実行する場合は、DSAキーの作成時に指定したパス・フレーズの入力を求められます。
Oracle Universal Installerでパス・フレーズの入力を求められずにssh
コマンドとscp
コマンドを使用できるようにするには、次の手順を実行します。
Oracle Universal Installerを実行するシステムで、Oracleユーザーとしてログインします。
次のコマンドを入力します。
$ exec /usr/bin/ssh-agent $SHELL $ /usr/bin/ssh-add
プロンプトで、生成した各キーのパス・フレーズを入力します。
SSHを正しく構成した場合は、パスワードまたはパス・フレーズの入力を求められずにssh
またはscp
コマンドを使用できます。
SSH構成をテストするには、同じターミナル・セッションから次のコマンドを入力し、各クラスタ・ノードの構成をテストします。
$ ssh nodename1 date $ ssh nodename2 date . .
これらのコマンドは、各ノードで設定された日付を表示します。いずれかのノードでパスワードまたはパス・フレーズの入力を求められる場合は、そのノードの~/.ssh/authorized_keys
ファイルに適切な公開鍵が含まれていることを確認します。
注意: SSHを使用して特定のシステムからノードに初めて接続する場合に、ホストの真正性を確立できないことを示すメッセージが表示されることがあります。続行するにはプロンプトにyesと入力します。このシステムからそのノードに再び接続する際には、このメッセージは表示されません。日付以外に別のメッセージまたはテキストが表示される場合は、インストールが失敗する可能性があります。必要な変更を加えて、これらのコマンドの入力時に日付のみが表示されるようにしてください。 任意の出力を生成する、または任意の質問を行うログイン・スクリプトの部分が、シェルが対話型シェルの場合にのみ動作するよう変更されていることを確認する必要があります。 |
X11転送が原因でインストールが失敗しないようにするには、次のように、Oracleソフトウェア所有者ユーザーに対してユーザーレベルのSSHクライアント構成ファイルを作成します。
任意のテキスト・エディタを使用して、~oracle/.ssh/config
ファイルを編集または作成します。
次のように、ForwardX11属性がnoに設定されていることを確認します。
Host * ForwardX11 no
別のターミナル・セッションからOracle Universal Installerを起動する前に、このセッションからOracle Universal Installerを実行するか、手順2と3を繰り返す必要があります。
Oracle Clusterwareのインストール時に、Oracle Universal InstallerはSSHを使用して(使用可能な場合)コマンドを実行し、他のノードにファイルをコピーします。インストール時に、システムの隠しファイル(たとえば、.bashrc
または.cshrc
)にstty
コマンドが含まれている場合は、そのファイルが原因でインストール・エラーが発生することがあります。
この問題を回避するために、次の例に示すように、これらのファイルを変更してSTDERR
のすべての出力を抑止することをお薦めします。
Bourne、BashまたはKornシェルの場合:
if [ -t 0 ]; then stty intr ^C fi
Cシェルの場合:
test -t 0 if ($status == 0) then stty intr ^C endif
注意: SSHが使用可能でない場合、インストーラはssh およびscp のかわりにrsh およびrcp コマンドを使用します。リモート・シェルによりstty コマンドを含む隠しファイルがロードされる場合も、このエラーが発生する可能性があります。 |
oracle
アカウントからOracle Universal Installerを実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracle
ユーザーの環境を構成する必要があります。環境の構成の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
各システムは、特定の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。ハードウェア要件の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
いくつかの最小ネットワーキング・ハードウェアおよびインターネット・プロトコル(IP)アドレス要件があります。Oracle Real Application Clustersのインストールに必要なネットワーキング・ハードウェアおよびインターネット・プロトコル(IP)アドレスがあることを確認してください。
クラスタ内の各ノードは、次の要件を満たしている必要があります。
各ノードには少なくとも2つのネットワーク・アダプタが必要です。つまり、パブリック・ネットワーク・インタフェース用に1つ、プライベート・ネットワーク・インタフェース(相互接続)用に1つが必要です。
各ネットワークのネットワーク・アダプタに関連付けられているインタフェース名は、すべてのノードで同じである必要があります。
信頼性を高めるために、各ノードに対して冗長なパブリックおよびプライベート・ネットワーク・アダプタを構成できます。
パブリック・ネットワークの場合、各ネットワーク・アダプタはTCP/IPをサポートしている必要があります。
プライベート・ネットワークの場合、相互接続は、TCP/IPをサポートする高速ネットワーク・アダプタおよびスイッチ(Gigabit Ethernetまたはそれ以上を推奨)を使用してユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)をサポートする必要があります。
注意: UDPはReal Application Clustersのデフォルトの相互接続プロトコルであり、TCPはOracle Clusterwareの相互接続プロトコルです。トークンリングは、相互接続ではサポートされていません。 |
プライベート・ネットワークの場合、指定されたすべての相互接続インタフェースのエンド・ポイントは、ネットワーク上で完全に到達可能である必要があります。
NFSを使用している場合は、NFSバッファ・サイズ・パラメータrsizeおよびwsizeの値を16384以上に設定する必要があります。値32768を使用することをお薦めします。
インストールを開始する前に、各ノードについて次のIPアドレスを識別または取得する必要があります。
IPアドレス、および各パブリック・ネットワーク・インタフェースのドメイン・ネーム・サービス(DNS)に登録されている関連ホスト名。
プライマリ・パブリック・ネットワーク・インタフェースに対して構成する、1つの未使用の仮想IPアドレス、およびDNSに登録されているか、ホスト・ファイルで解決されている、あるいはその両方に該当する関連仮想ホスト名。
仮想IPアドレスは、関連付けられているパブリック・インタフェースと同じサブネット内にある必要があります。インストール後に、仮想ホスト名またはIPアドレスを使用するようクライアントを構成できます。ノードがエラーになった場合は、その仮想IPアドレスが別のノードにフェイルオーバーします。
各プライベート・インタフェースのプライベートIPアドレスおよびオプションのホスト名。
プライベート・インタフェースにはルーティング不能なIPアドレス(たとえば、10.*.*.*または192.168.*.*)を使用することをお薦めします。各ノードで/etc/hosts
ファイルを使用して、プライベートIPアドレスにプライベート・ホスト名を関連付けることができます。
Oracle Universal Installerは、システムでチェックを実行して、プラットフォームに対してリストされている要件が満たされていることを確認します。これらのチェックにパスするために、インストーラを起動する前に要件を確認してください。
インストールするOracle製品に応じて、必要なソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。ソフトウェア要件の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
各クラスタ・ノードは、推奨されるカーネル値を満たしている必要があります。カーネル・パラメータの検証と設定の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracleソフトウェアの次のディレクトリを指定または作成する必要があります。
次の各項では、これらのディレクトリの要件を説明します。
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリとして機能します。このディレクトリは、WindowsシステムでのOracleソフトウェアのインストールに使用されるC:\Oracle
ディレクトリと類似しています。UNIXシステムでは、Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインにより、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用することが推奨されています。
/mount_point/app/oracle_sw_owner
この例では、次のようになります。
mount_point
は、Oracleソフトウェアを含むファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。
このガイドの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01
を使用します。ただし、/oracle or /opt/oracle
など、別のマウント・ポイント・ディレクトリも選択できます。
oracle_sw_owner
は、oracle
など、Oracleソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。
複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは別々のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例のOracleベース・ディレクトリは、すべて同じシステムに存在できます。
/u01/app/oracle /u01/app/orauser /opt/oracle/app/oracle
Oracleベース・ディレクトリを作成するか、既存のOracleベース・ディレクトリを使用するかにかかわらず、環境変数ORACLE_BASE
を設定して、このディレクトリへのフルパスを指定する必要があります。
注意: Oracleベース・ディレクトリは、ローカル・ファイル・システムまたは動作保証されたNASデバイス上のNFSファイル・システムに配置できます。OCFSバージョン1ファイル・システムにはOracleベース・ディレクトリを作成しないでください。 |
Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)は、システムにインストールされているすべてのソフトウェアのインベントリを格納します。このディレクトリは、単一システムのすべてのOracleソフトウェア・インストールにより必要とされ、共有されます。システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合は、Oracle Universal Installerにより、このディレクトリへのパスの指定を求められます。ローカル・ファイル・システムにソフトウェアをインストールする場合は、次のパスを選択することをお薦めします。
oracle_base/oraInventory
Oracleベース・ディレクトリがクラスタ・ファイル・システムまたはNASデバイス上のNFSファイル・システムにある場合は、ローカル・ファイル・システム上のOracleインベントリ・ディレクトリのパスを指定する必要があります。すべてのノードが別々のインベントリを持つようにするには、Oracleベース・ディレクトリがローカル・ファイル・システムにある必要があります。
Oracle Universal Installerにより、指定したディレクトリが作成され、そのディレクトリに対して適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーがディレクトリを作成する必要はありません。
注意: すべてのOracleソフトウェア・インストールは、Oracleベース・ディレクトリに依存します。このディレクトリは定期的にバックアップしてください。システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除しないかぎり、Oracleベース・ディレクトリは削除しないでください。 |
Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリは、Oracle Clusterwareのソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。Oracle Clusterwareは独立したホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスに加えて、このディレクトリを識別する名前の指定を求められます。Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。
/u01/crs/oracle/product/11.1.0/app
注意: ソフトウェアのインストール後にOracle Clusterwareホーム・ディレクトリのすべての親ディレクトリの権限を変更してrootユーザーにのみ書込みアクセス権を付与する必要があるため、Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリをOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリにすることはできません。 |
Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品をインストールするために選択するディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、別々のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスに加えて、このディレクトリを識別する名前の指定を求められます。指定するディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリである必要があります。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。
oracle_base/product/11.1.0/db_1
Oracle Universal Installerにより、指定したディレクトリ・パスがOracleベース・ディレクトリの下に作成されます。そのディレクトリの適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。
インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを指定するか、必要に応じて作成する必要があります。Oracleベース・ディレクトリの指定または作成の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracle Universal Installerにより、Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリが作成されます。インストールを開始する前に、Oracle Clusterwareディレクトリ用の十分なディスク領域がファイル・システムにあり、Oracle Clusterwareディレクトリ領域の親ディレクトリがOracleユーザーにより書込み可能であることを確認します。
Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリを作成し、そのディレクトリに対して適切な所有者、グループおよび権限を指定するには、次の手順を実行します。
次のようなコマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、それらのサブディレクトリに対して適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
# mkdir -p /mount_point/crs/oracle_sw_owner/product/11.1.0/crs # chown -R root:oinstall /mount_point/crs # chmod -R 775 /mount_point/crs/oracle_sw_owner
識別したマウント・ポイントが/u01
の場合、推奨されるOracle Clusterwareホーム・ディレクトリ・パスは次のようになります。
/u01/crs/oracle/product/11.1.0/crs
必要に応じて、上の手順でリストしたコマンドを繰り返して、クラスタ内の他のノードに同じディレクトリを作成します。
Oracle Clusterwareのインストールの準備として、次のようなコマンドを入力して環境変数ORACLE_BASE
およびORACLE_HOME
を設定します。
Bourne、BashまたはKornシェルの場合:
$ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle $ ORACLE_HOME=/u01/crs/oracle/product/11.1.0/crs $ export ORACLE_BASE $ export ORACLE_HOME
Cシェルの場合:
% setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle % setenv ORACLE_HOME /u01/crs/oracle/product/11.1.0/crs
次のコマンドを入力して、環境変数TNS_ADMIN
が設定されないようにします。
Bourne、BashまたはKornシェルの場合:
$ unset TNS_ADMIN
Cシェルの場合:
% unsetenv TNS_ADMIN
環境が正しく設定されていることを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ umask $ env | more
umask
コマンドで値22、022または0022が表示されること、また、この項で設定した環境変数に適切な値が設定されていることを確認します。
Oracle Universal Installerを起動する前に、次のインストール前のタスクを完了して、Microsoft WindowsシステムにOracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersをインストールする必要があります。
My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)Webサイトの動作保証マトリックスで、Oracleソフトウェアに対して保証されているハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを確認することをお薦めします。このWebサイトでは、パッチおよび不具合の対処方法も提供されます。My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)サイトへのアクセスの詳細は、「パッチのダウンロードおよびインストール」を参照してください。
各システムは、最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。ハードウェア要件、およびそのチェックに必要な手順については、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
各システムは、最小ソフトウェア要件を満たしている必要があります。ソフトウェア要件、およびそのチェックに必要な手順については、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
いくつかの最小ネットワーキング・ハードウェアおよびインターネット・プロトコル(IP)アドレス要件があります。Oracle Real Application Clustersのインストールに必要なネットワーキング・ハードウェアおよびインターネット・プロトコル(IP)アドレスがあることを確認してください。これらの要件のチェックに必要な手順については、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
クラスタ内の各ノードは、次の要件を満たしている必要があります。
各ノードには少なくとも2つのネットワーク・アダプタが必要です。つまり、パブリック・ネットワーク・インタフェース用に1つ、プライベート・ネットワーク・インタフェース(相互接続)用に1つが必要です。
プライベートおよびパブリック・ネットワーク・インタフェース名は、相互に異なる必要があり、マルチバイト言語の文字を含むことができません。名前の大/小文字は区別されます。
プライベート・ネットワーク・インタフェース名は、すべてのノードで同じである必要があります。
パブリック・ネットワーク・インタフェース名は、すべてのノードで同じである必要があります。
パブリック・インタフェースは、ipconfigリストで最初に記載されている必要があります。
Oracleは、パブリックおよびプライベート・ネットワークに対してTCP/IPプロトコルをサポートしています。
インストールを開始する前に、各ノードについて次のIPアドレスを識別または取得する必要があります。
IPアドレス、および各パブリック・ネットワーク・インタフェースのドメイン・ネーム・サービス(DNS)に登録されている関連ホスト名。
プライマリ・パブリック・ネットワーク・インタフェースに対して構成する、1つの未使用の仮想IPアドレス、およびDNSに登録されている関連仮想ホスト名。
仮想IPアドレスは、関連付けられているパブリック・インタフェースと同じサブネット内にある必要があります。インストール後に、仮想ホスト名またはIPアドレスを使用するようクライアントを構成できます。ノードがエラーになった場合は、その仮想IPアドレスが別のノードにフェイルオーバーします。
各プライベート・インタフェースのプライベートIPアドレスおよびオプションのホスト名。
プライベート・インタフェースにはプライベート・ネットワークのIPアドレス(たとえば、10.*.*.*または192.168.*.*)を使用することをお薦めします。各ノードで%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts
ファイルを使用して、プライベートIPアドレスにプライベート・ホスト名を関連付けることができます。
Oracle Universal Installerを起動する前に、特定の記憶域構成タスクを実行する必要があります。記憶域構成タスクの詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
この項では、Oracle Universal Installerを使用してUNIXにOracle Clusterwareをインストールする方法に関する情報を示します。
次の手順を実行して、クラスタにOracle Clusterwareをインストールします。インストール中の任意の時点で、求められている処理に不明点がある場合は、Oracle Universal Installerページで「ヘルプ」をクリックします。
Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)CD-ROMのメイン・ディレクトリから、-formCluster
オプションを使用してrunInstaller
コマンドを起動します。このCDは、Oracle Clusterwareソフトウェアを含む独立したCDです。Oracle Universal Installerに「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。
Oracle Universal Installerに、「インストール前提条件のチェック」ページが表示されます。この画面には、インストールに対して指定されているすべての前提条件チェックの名前、タイプおよびステータスが表示されます。「次へ」をクリックします。
Oracle Universal Installerに、「ノードを追加するクラスタ・ノードの指定」ページが表示されます。このページでパブリック、プライベート、仮想IPを指定し、「次へ」をクリックします。
Oracle Universal Installerに、「ローカル・ホスト名の指定」ページが表示されます。このページで少なくとも1つのパブリック・インタフェースと1つのプライベート・インタフェースを指定し、「次へ」をクリックします。
Oracle Cluster Registryの場所オプションを指定して、冗長なOCRの場所を指定し、「次へ」をクリックします。
Oracle Universal Installerに、「サマリー」ページが表示されます。「インストール」をクリックし、先に進みます。
インストールの完了後、Oracle Universal Installerにより、orainstRoot.sh
およびroot.sh
の実行を求められます。これらのスクリプトを実行し、「OK」をクリックする必要があります。
すべてのノードでroot.sh
を実行した後で、Oracle Universal InstallerはOracle Notification Server Configuration AssistantおよびOracle Private Interconnect Configuration Assistantを実行します。これらのアシスタントは、ユーザーと対話せずに実行されます。
Oracle Universal Installerに、「インストールの終了」ページが表示されます。「終了」をクリックします。
次のコマンドを入力することにより、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行して、Oracle Clusterwareをインストールできます。
./runInstaller -silent -responseFile <response file path>
Oracle Clusterwareの場合は、-formCluster
フラグを使用する必要があります。サイレント・インストールでは、nodelist、ocr、voting disk locationなどのセッション変数をコマンドラインから渡すことができます。
Oracle Clusterwareを機能させるには、Oracle Clusterwareのインストール後に環境で次のプロセスを実行する必要があります。
oprocd
: クラスタのプロセス・モニター。
evmd
: コールアウトを管理するためのracgevt
プロセスを起動するイベント・マネージャ・デーモン。
ocssd
: クラスタ・ノード・メンバーシップを管理し、Oracleユーザーとして実行します。このプロセスに失敗した場合はノードが再起動されます。
crsd
: OCRのメンテナンスなど、高可用性リカバリおよび管理操作を実行します。また、アプリケーション・リソースも管理し、rootユーザーとして稼働し、エラー時に自動的に再起動します。
この項では、Oracle Universal Installerを使用してWindowsにOracle Clusterwareをインストールする方法に関する情報を示します。
次の手順を実行して、クラスタにOracle Clusterwareをインストールします。インストール中の任意の時点で、求められている処理に不明点がある場合は、Oracle Universal Installerページで「ヘルプ」をクリックします。
管理権限を使用してWindowsにログインし、Oracle Clusterwareメディアでsetup.exe
コマンドを実行します。これにより、Oracle Universal Installerの「ようこそ」ページが開きます。
「ようこそ」ページで「次へ」をクリックした後、「ファイルの場所の指定」ページで、Oracle Clusterware製品について表示されているパス名を受け入れるか、別のパス名を選択できます。クラスタウェア・ホームの場所に対してデフォルトのディレクトリおよびパス名を受け入れるか、別のディレクトリおよびインストール先を参照することもできます。このインストールの一部である各クラスタ・ノードに存在するインストール先を選択する必要があります。「次へ」をクリックして選択内容を確認し、「言語の選択」ページに進みます。
「言語の選択」ページでOracle Clusterwareインストールに対して1つまたは複数の言語を選択し、「クラスタ構成」ページに対して「次へ」をクリックします。
システムにOracle10gリリース2クラスタウェアがインストールされていることがOracle Universal Installerにより検出された場合は、「クラスタ構成」ページに定義済ノード情報が表示されます。それ以外の場合、Oracle Universal Installerには、定義済ノード情報が表示されていない「クラスタ構成」ページが表示されます。
Oracle Universal Installerに用意されている名前を使用しない場合は、独自のクラスタ名を指定します。選択したクラスタ名は企業全体でグローバルに一意である必要があり、クラスタ名に使用できるキャラクタ・セットはホスト名のキャラクタ・セットと同じです。つまり、アンダースコア(_)、ハイフン(-)およびシングルバイトの英数字(a〜z、A〜Zおよび0〜9)です。
各ノードに対してパブリックおよびプライベート・ホスト名を入力します。パブリック名とプライベート名のどちらにもドメイン修飾子は不要です。パブリック・ホスト名を入力する場合は、各ノードのプライマリ・ホスト名、つまりhostname
コマンドで表示される名前を使用します。プライベート・ノードは、このクラスタ内の他のノードからのみアクセス可能なアドレスを参照します。Oracleは、このアドレスをキャッシュ・フュージョン処理に使用します。各ノードに対してプライベート・ホスト名またはプライベートIPアドレスを入力できます。
クラスタ構成情報を入力した後で、「次へ」をクリックします。これにより、入力が保存され、「ネットワーク・インタフェースの使用方法の指定」ページが開きます。
「ネットワーク・インタフェースの使用方法の指定」ページで、Oracle Universal Installerによりクラスタ全体のインタフェースのリストが表示されます。このページのドロップダウン・メニューを使用して、各インタフェースを「パブリック」、「プライベート」または「使用しない」として分類できます。各インタフェースのデフォルト設定は「使用しない」です。少なくとも1つの相互接続を「パブリック」として分類し、1つの相互接続を「プライベート」として分類する必要があります。選択が終了したら「次へ」をクリックして、「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページを開きます。
「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページで、Oracle Universal InstallerでフォーマットするOCFSを指定します。
フォーマット・オプションは次のとおりです。
「データ格納とソフトウェア格納用に2つの論理ドライブをフォーマット」。この場合、Oracle Universal Installerでは2つのクラスタ・ファイル・システムが作成されます。1つはデータベース・ファイル用で、1つはOracleホーム用です。OCRおよび投票ディスクはデータ・ファイル・ディレクトリに作成されます。
「ソフトウェア格納用に1つの論理ドライブをフォーマット」。この場合、Oracle Universal InstallerではOracleホーム用に1つのクラスタ・ファイル・システムが作成され、2つの追加パーティションが必要になります。1つはOCR用で、1つは投票ディスク用です。このオプションを選択した場合は、インストールを進める前にパーティションを構成しておく必要があります。これらのパーティションは、OCRに対してはocrcfg、投票ディスクに対してはvotedskというスタンプが付けられます。
「データファイル格納用に1つの論理ドライブをフォーマット」。この場合、Oracle Universal Installerでは、OCRおよび投票ディスクの格納にも使用されるデータベース・ファイル用の1つのクラスタ・ファイル・システムが作成されます。
「論理ドライブをフォーマットしない」。この場合、Oracle Universal Installerには2つのパーティションが必要です。1つはOCR用で、1つは投票ディスク用です。このオプションを選択した場合は、インストールを進める前にパーティションを構成しておく必要があります。これらのパーティションは、OCRに対してはocrcfg、投票ディスクに対してはvotedskというスタンプが付けられます。
「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページでの選択が終了したら、「次へ」をクリックします。Oracle Universal Installerで次に表示されるページは、次の手順で説明するように、「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページでの選択に応じて異なります。
「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページで「データ格納とソフトウェア格納用に2つの論理ドライブをフォーマット」オプションを選択した場合は、手順aおよびbの説明に従って「ソフトウェア格納ドライブの選択」ページおよび「データ格納ドライブの選択」ページに入力する必要があります。
「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページで「ソフトウェア格納用に1つの論理ドライブをフォーマット」オプションを選択した場合は、手順a、cおよびdの説明に従って「ソフトウェア格納ドライブの選択」ページ、「ディスク構成 - Oracle Cluster Registry(OCR)」ページおよび「ディスク構成 - 投票ディスク」ページに入力する必要があります。
「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページで「データファイル格納用に1つの論理ドライブをフォーマット」オプションを選択した場合は、手順bの説明に従って「データ格納ドライブの選択」ページに入力する必要があります。
「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページで「論理ドライブをフォーマットしない」オプションを選択した場合は、手順cおよびdの説明に従って「ディスク構成 - Oracle Cluster Registry(OCR)」ページおよび「ディスク構成 - 投票ディスク」ページに入力する必要があります。
「ソフトウェア格納ドライブの選択」ページで、共有ドライブを選択して、そのドライブで使用可能なパーティションのリストを表示します。Oracleホームを保持するために十分な領域のあるパーティションを選択し、パーティションのディスク番号とパーティション番号をリストから選択します。「次へ」をクリックして先に進みます。
「データ格納ドライブの選択」ページで、共有ドライブを選択して、そのドライブで使用可能なパーティションのリストを表示します。データベース・ファイルを保持するために十分な領域のあるパーティションを選択し、パーティションのディスク番号とパーティション番号をリストから選択します。「次へ」をクリックして先に進みます。
「ディスク構成 - Oracle Cluster Registry(OCR)」ページで、OCRを保持するために十分な領域のあるパーティションを選択し、パーティションのディスク番号とパーティション番号をリストから選択します。「次へ」をクリックして先に進みます。
「ディスク構成 - 投票ディスク」ページで、投票ディスクを保持するために十分な領域のあるパーティションを選択し、パーティションのディスク番号とパーティション番号をリストから選択します。「次へ」をクリックして先に進みます。
注意: この手順で説明したOracle Universal Installerの各ページには論理ドライブが表示され、これらの論理ドライブから選択する必要があります。選択が有効となるには、論理ドライブがプライマリ・パーティションのないディスクにある必要があります。 |
「次へ」をクリックした後、Oracle Universal Installerにより、リモート・インベントリが設定されているかどうかがチェックされます。設定されていない場合は、Oracle Universal Installerにより、レジストリ・キーを設定することでリモート・インベントリが設定されます。Oracle Universal Installerでは、リモート・ノード上のインベントリ・ディレクトリへの書込みを有効にする権限も確認されます。これらのアクションを完了した後、Oracle Universal Installerに「サマリー」ページが表示され、クラスタ・ノード情報とともに領域要件と可用性が示されます。Oracle Universal Installerで実行しようとしているインストールを確認し、「終了」をクリックします。
「終了」をクリックすると、Oracle Universal Installerにより、OCFSおよびOracle Clusterwareソフトウェアがローカル・ノードにインストールされ、インストールが再び検証されます。Oracle Universal Installerにより、必要なOCFSファイル・システムも作成されます。インストールの検証後、Oracle Universal Installerにより、Oracle Clusterwareソフトウェアのインストールおよび構成がリモート・ノードで実行されます。
次のコマンドを入力することにより、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行して、Oracle Clusterwareをインストールできます。
./setup.exe -silent -responseFile <response file path>
Oracle Clusterwareの場合は、-formCluster
フラグを使用する必要があります。サイレント・インストールでは、nodelist、ocr、voting disk locationなどのセッション変数をコマンドラインから渡すことができます。
Oracle Clusterwareを機能させるには、Oracle Clusterwareのインストール後に環境で次のプロセスを実行する必要があります。
oprocd
: クラスタのプロセス・モニター。
evmd
: コールアウトを管理するためのracgevt
プロセスを起動するイベント・マネージャ・デーモン。
ocssd
: クラスタ・ノード・メンバーシップを管理し、Oracleユーザーとして実行します。このプロセスに失敗した場合はノードが再起動されます。
crsd
: OCRのメンテナンスなど、高可用性リカバリおよび管理操作を実行します。また、アプリケーション・リソースも管理し、rootユーザーとして稼働し、エラー時に自動的に再起動します。
Oracle Clusterwareホームをクラスタ内の別のノードにコピーすることによりクラスタにノードを追加する場合は、次の手順を実行します。
シングルノード・クラスタのOracle Clusterwareのインストールをnode1で実行します。次の手順では、変数$CRS_HOME
は正常にインストールされたOracle ClusterwareソフトウェアのOracle Clusterwareホーム・ディレクトリを表します。
ディレクトリ$CRS_HOME/oui/bin
に移動し、スクリプトaddNode.sh
を実行します。
ノード選択ページが表示されます。追加するノードを選択し、「次へ」をクリックします。
「サマリー」ページが開きます。「サマリー」ページに正しいノード情報が表示されていることを確認し、「次へ」をクリックします。
プロンプトが表示されたら、ローカル・ノードでスクリプトrootaddnode.sh
を実行します。
プロンプトが表示されたら、別のOracle Clusterwareホーム・ディレクトリを作成しているノードでスクリプトorainstroot.sh
を実行します。
別のOracle Clusterwareホーム・ディレクトリを作成しているノードでroot.sh
スクリプトを実行します。
追加ノード上に作成したOracle Clusterwareホーム・ディレクトリのパス$CRS_HOME/bin
で、次のコマンドを実行します。
./racgons add_config node2:4948
上の構文例では、変数node2は追加のOracle Clusterwareホーム・ディレクトリを構成しているノードの名前です。
クラスタウェアがインストールされ、インストール前のタスクを完了すると、クラスタ対応の製品をクラスタにインストールする準備ができます。この処理を行う場合、Oracle Universal Installerを対話モード、コマンドライン・モードまたはレスポンス・ファイルを使用したサイレント・モードで使用できます。
「ファイルの場所」ページで入力したインストール先がクラスタの一部であることがOracle Universal Installerにより検出された場合、次の2つのダイアログのいずれかが表示されます。
入力したOracleホーム名が新規の場合は、「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ページが表示されます。このページを使用して、クラスタ・インストールと非クラスタ・インストールのどちらかを選択します。
クラスタ・インストール: クラスタウェアがインストールされているノードのリストから、インストールを実行するノードを選択します。
非クラスタ・インストール: ノードがクラスタの一部である場合でも、シングルノードのみにインストールします。
入力したOracleホーム名が既存のホームの場合は、「選択されたノード」ページが表示されます。このページは、Oracleホームに関連付けられているノードを表示する情報表示専用のページです。インストールは、選択したすべてのノードで実行されます。選択したいずれかのノードが停止している場合は、インストールを続行することができません。
注意: Oracle Universal Installerで、「インストールされた製品」をクリックして、インストールされているすべてのOracleホームをリストする「インベントリ」パネルを表示します。クラスタ化されたOracleホーム、つまり複数のクラスタ・ノードにインストールされているホームには、そのホームに関連付けられているすべてのノードをリストする「クラスタ・ノード」という属性があります。 |
ユーザーが「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ページまたは「選択されたノード」ページで「次へ」をクリックすると、Oracle Universal Installerにより、ノードに対する次の可用性チェックが実行されます。
ネットワーク到達性: リモート・クラスタ・ノードが起動して稼働中かどうかをテストします。
ネットワーク構成: リモート・クラスタ・ノードのネットワーク構成が正しいかどうかをテストします。
インベントリ設定: インベントリがリモート・ノードに設定されているかどうかをテストします。設定されていない場合、UNIXでは、Oracle Universal Installerがユーザーに、リモート・ノード上のルート・スクリプトを実行してインベントリを設定するよう求めます。Windowsでは、Oracle Universal Installerによりインベントリの場所がWindowsレジストリに設定されます。
インベントリ権限: ユーザーがセントラル・インベントリの場所に書込み可能かどうかをテストします。
Oracleホーム権限: ユーザーがOracleホームに書込み可能かどうかをテストします。
選択したすべてのノードが使用可能な場合は、インストール・プロセスが次の手順に進みます。1つまたは複数のノードが使用可能でない場合は、ページが再表示され、「ステータス」列にチェックの結果が示されます。次に進むには、ユーザーが問題を修正するか、別のノード・セットを選択する必要があります。
いずれかのリモート・ノードが到達不能な場合は、それらのノードが起動して稼働中かどうか、また正しくネットワーク構成されているかどうかをチェックします。インベントリまたはOracleホームが書込み可能でない場合は、リモート・ノード上のこれらのディレクトリに対する適切な権限をチェックします。
通常のクラスタ・インストールでは、クラスタウェアが存在する場合に、Universal Installerにより、Oracle Universal Installerが実行されているノードにOracleソフトウェアがインストールされ、ローカル・ノード・インストールからインストールの一部である他のノードにOracleホームが伝播されます。次に、Universal Installerは、リモート・ノードで-attachHome
を実行してインベントリを更新します。この後で、orainstRoot.sh
(必要な場合)およびroot.sh
をローカル・ノードおよびリモート・ノードで実行する必要があります。スクリプトの実行後、構成手順が実行されます。
クラスタが、マウントされているクラスタ・ファイル・システム(CFS)またはネットワーク・ファイル・システム(NFS)である場合、ファイルはノード間で共有され、インストールが共有ディスクに存在するため、Oracle Universal InstallerはOracleホームを他のノードに伝播しません。
注意: クラスタ・インストールでは、クラスタの各ノードでoraInstRoot.sh を実行して、インベントリを設定する必要があります。 |
Real Application Clustersインストールでは、-local
フラグ、およびCLUSTER_NODES
、REMOTE_NODES
、LOCAL_NODE
の各セッション変数を指定して、インストールを行う必要のあるノードを指定できます。
クラスタ・インストールで-local
フラグを使用した場合、インストールまたはインベントリ操作はローカル・ノードでのみ実行する必要があります。CLUSTER_NODES
セッション変数は、指定したノードがクラスタの一部であることを指定します。
./runInstaller -local "CLUSTER_NODES={a,b,c,d}"
前述の例では、インストールはローカル・ノードで実行され、ノードa、b、cおよびdはクラスタの一部とみなされます。
クラスタ・インストールでREMOTE_NODES
セッション変数を使用した場合、インストールまたはインベントリ操作はローカル・ノードおよびローカル・ノード以外のノードで実行する必要があります。
./runInstaller "REMOTE_NODES={c,d}" "CLUSTER_NODES={a,b,c,d}"
前述の例では、インストールはローカル・ノードa、およびノードcとdで実行されます。ノードa、b、cおよびdはクラスタの一部とみなされます。
Oracle Universal Installerを抑止モードまたはサイレント・モードで使用する場合は、次のオプション・フラグを使用して、クラスタ・インストールに使用するローカル・ノード上のリモート・コピーまたはリモート・シェル・プログラムのパスを使用します。
-remoteShell <path to program> -remoteCopy <path to program>
remoteShell
のデフォルトは/usr/local/bin/ssh
です。remoteCopy
のデフォルトは/usr/local/bin/scp
です。これらが存在しない場合、Oracle Universal Installerによりデフォルトがそれぞれrsh
およびrcp
に設定されます。
Oracle Universal Installerにより、製品をあるバージョンから別のバージョンにアップグレードできます。アップグレードとは、メジャーな製品拡張であり、多くの場合、アップグレードされたソフトウェアのインストールが必要になります。たとえば、Oracle10gデータベースをOracle11gリリース1データベースに変換する場合、これをアップグレードと呼びます。
パッチ・セットはパッチのグループで構成されます。たとえば、Oracle11gリリース1をリリース11.1.1からリリース11.1.2に変換する場合、これをパッチ・セットの適用と呼びます。
Real Application Clustersのインストールを完了した後で、次のタスクを実行することをお薦めします。
Oracle製品とReal Application Clustersのインストールが完了した後で、各ノードの$ORACLE_HOME/Opatch
に移動し、次のコマンドを実行します。
$ORACLE_HOME/OPatch/opatch lsinventory -detail
このコマンドは、Oracleホームの内部にインストールされたコンポーネントをリストし、ホームのローカル・ノードおよびリモート・ノードもリストします。この情報を確認してください。インストール・ログ、inventory.xml
およびoraclehomeproperties.xml
も参照してください。
チェックに失敗した場合は、「Real Application Clusters/Oracle Clusterwareのインストールのトラブルシューティング」を参照してください。
Oracle製品とReal Application Clustersのインストールが完了し、システムが正しく機能していることを確認した後で、ディスクの内容をバックアップします。
ノードの追加またはノードの削除を完了した後、またいずれかの削除手順を実行した後も、ディスクの内容をバックアップします。
インストールに必要なパッチは、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)Webサイトを参照してください。必要なパッチをダウンロードするには、次のようにします。
Webブラウザを使用して、My Oracle Support Webサイトを表示します。
http://metalink.oracle.com
My Oracle Supportにログインします。
メインのMy Oracle Supportページで、「パッチ」をクリックします。
パッチ検索領域の選択ページで、「新規MetaLinkパッチ検索」をクリックします。
簡易検索ページで、「拡張」をクリックします。
「拡張検索」ページで、製品または製品ファミリ・フィールドの横の検索アイコンをクリックします。
検索と選択: 製品ファミリ・フィールドで、対象フィールドにOracle製品名を入力し、「実行」をクリックします。
結果ヘッダーの下でOracle製品を選択し、「選択」をクリックします。製品名が製品または製品ファミリ・フィールドに表示され、現在のリリースが「リリース」フィールドに表示されます。
「プラットフォーム」フィールドのリストからプラットフォームを選択し、「実行」をクリックします。
使用可能なパッチが結果ヘッダーの下に表示されます。
ダウンロードするパッチの番号をクリックします。
パッチ・セット・ページで、「READMEの表示」をクリックし、表示されるページを一読します。READMEページには、パッチ・セットに関する情報と、インストールへのパッチの適用方法が表示されます。
パッチ・セット・ページに戻り、「ダウンロード」をクリックし、システムにファイルを保存します。
Oracleソフトウェアに付属しているunzipユーティリティを使用して、My Oracle SupportからダウンロードしたOracleパッチを圧縮解除します。unzipユーティリティは、$ORACLE_HOME/bin
ディレクトリにあります。
注意: デフォルトでは、パッチはOracleソフトウェア・インストールが実行されたノードにのみ適用されます。ノード・リストは、-enableRollingUpgrade オプションを使用して変更できます。 |
Real Application Clustersソフトウェアを削除する必要がある場合は、Oracle Universal Installerを実行して、インストールを実行したものと同じノード上のソフトウェアを削除する必要があります。Oracle Clusterwareソフトウェアを削除する前に、まずOracle製品を削除する必要があります。
次の各項で説明する手順を実行して、Oracle製品およびOracle Clusterwareソフトウェアを削除します。
次の手順では、Oracle Universal Installerを使用してUNIXシステム上のOracleホームからOracleソフトウェアを削除する方法を説明します。
注意: 必ずOracle Universal Installerを使用してOracleソフトウェアを削除してください。最初にOracle Universal Installerを使用してソフトウェアを削除していないかぎり、Oracleホーム・ディレクトリは削除しないでください。 |
必要に応じて、oracle
ユーザーとしてログインします。
$ su - oracle
環境変数ORACLE_HOME
を設定して、削除するOracleホーム・ディレクトリのパスを指定します。
Bourne、BashまたはKornシェルの場合:
$ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1 $ export ORACLE_HOME
Cシェルの場合:
$ setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1
このOracleホームで実行しているすべてのプロセスを停止します。
-deinstall
フラグを指定してOracle Universal Installerを起動します。このフラグのみを使用した場合は、指定したコンポーネントに対してのみ削除が行われます。Oracleホームはセントラル・インベントリから削除されません。この処理は、GUIでコンポーネントのみを選択し、「削除」をクリックすることと同じです。構文は次のとおりです。
./runInstaller -deinstall ORACLE_HOME=<LOCATION_OF_ORACLE_HOME>
REMOVE_HOMES
変数を使用して、削除するOracleホームの場所を指定できます。この変数を使用した場合、指定したコンポーネントに対して削除が行われ、Oracleホームがセントラル・インベントリから削除されます。この処理は、GUIでOracleホームを選択し、「削除」をクリックすることと同じです。構文は次のとおりです。
./runInstaller -deinstall ORACLE_HOME=<LOCATION_OF_ORACLE_HOME> "REMOVE_ HOMES={<LOCATION_OF_ORACLE_HOME_TO_BE_REMOVED>}"
-removeallfiles
フラグをREMOVE_HOMES
変数とともに使用して、コンポーネントを完全に削除し、セントラル・インベントリからOracleホームを削除し、Oracleホーム・ディレクトリを削除することもできます。構文は次のとおりです。
./runInstaller -deinstall ORACLE_HOME=<LOCATION_OF_ORACLE_HOME> "REMOVE_ HOMES={<LOCATION_OF_ORACLE_HOME_TO_BE_REMOVED>}" -removeallfiles
Oracle製品の削除の詳細な手順は、それぞれのOracle製品のインストレーション・ガイドを参照してください。
次の手順では、Oracle Universal Installerを使用して、Windowsシステム上のOracleホームからOracleソフトウェアを削除する方法を説明します。
注意: 必ずOracle Universal Installerを使用してOracleソフトウェアを削除してください。最初にOracle Universal Installerを使用してソフトウェアを削除していないかぎり、Oracleホーム・ディレクトリは削除しないでください。 |
このOracleホームで実行しているすべてのOracleサービスを停止します。
「スタート」メニューで「プログラム」→「ORACLE_ HOME_NAME」→「Oracle Installation Products」→「Oracle Universal Installer」の順に選択して、Oracle Universal Installerを起動します。
Oracle Universal Installerの「ようこそ」画面が開きます。
「製品の削除」をクリックします。
「インベントリ」画面が表示されます。
削除するコンポーネントが見つかるまで、インストールしたコンポーネントのツリーを展開します。たとえば、「Enterprise Edition」オプションを指定してデータベースをインストールした後で、「カスタム」オプションを指定して追加コンポーネントをインストールした場合は、Oracleホーム・コンポーネントを展開して、Oracleホームにインストールされているすべてのコンポーネントを表示します。
削除するコンポーネントを選択します。
「削除」をクリックします。
「確認」画面が表示されます。
選択したコンポーネントを削除するよう「はい」をクリックし、削除プロセスを開始します。
コンピュータからコンポーネントが削除された後、削除されたコンポーネントが表示されていない「インベントリ」画面が表示されます。
「閉じる」をクリックして「インベントリ」画面を閉じます。
Oracle Universal Installerを終了するには「取消」をクリックします。
「はい」をクリックして終了を確認します。
Oracle製品の削除の詳細な手順は、それぞれのOracle製品のインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracleクラスタ・ソフトウェアを削除する前に、前述の手順に従って、各ノードのそれぞれのOracle製品のホームを削除してください。次の項では、WindowsとUNIXでの削除について説明します。
前述の手順を実行することにより、各Oracle製品のReal Application Clustersホームを削除します。その後、次の手順に従ってOracle Clusterwareソフトウェアを削除して、削除を完了します。
コマンド$CRS_HOME/install/rootdelete.sh
を実行して、クラスタ・ノードで稼働しているOracle Clusterwareアプリケーションを無効にします。rootdelete.sh
スクリプトには、3つの引数が必要です。このコマンドをクラスタのリモート・ノードで実行している場合は、最初の引数としてremote
を使用します。それ以外の場合は、最初の引数としてlocal
を使用します。ocr.loc
ファイルが共有ファイル・システムにある場合は、sharedvar
を使用します。それ以外の場合は、第2引数としてnosharedvar
を使用します。Oracle Clusterwareホームが共有ファイル・システムにある場合は、第3引数としてsharedhome
を使用し、それ以外の場合はnosharedhome
を使用します。Oracle Clusterwareを削除するクラスタの各ノードで、この手順を繰り返します。
ローカル・ノードでスクリプト$CRS_HOME/install/rootdeinstall.sh
を実行して、OCRを削除します。このスクリプトを実行する必要があるのは1回のみです。
Oracle Universal Installerを起動します。「ようこそ」ページで「製品の削除」をクリックして、インストールされている製品のリストを表示します。削除するOracle Clusterwareホームを選択します。
前述の手順を実行することにより、各Oracle製品のReal Application Clustersホームを削除します。その後、次のいずれかの手順に従ってOracle Clusterwareソフトウェアを削除して、削除を完了します。
次の手順に従って、Oracle11gクラスタウェア・ソフトウェアをWindows環境から削除します。
「スタート」をクリックし、「設定」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」の順に移動します。サービスoracleremexec
を停止します。
Oracle Universal Installerを起動します。「ようこそ」ページで「製品の削除」をクリックして、インストールされている製品のリストを表示します。削除するOracle Clusterwareホームを選択します。
OracleCRSTokenname
などの名前のサービスがある場合は、次のコマンドを実行することにより、それらのサービスを削除します。
crsuser remove user_name where user_name is a user name.
クラスタのメンバーである各ノードを停止し、再起動します。
クラスタ・ファイル・システムを使用していない場合は、各ノードでWindowsエクスプローラを使用して、Oracleディレクトリ、そのサブディレクトリおよびそれらの内容を削除します。
次の手順に従って、リリース10.2のReal Application ClustersもインストールされているWindows環境からOracle11gクラスタウェア・ソフトウェアを削除します。
OCRの格納にOCFSを使用していない場合は、$CRS_HOME\bin\GuiOracleOBJManager.exe
を実行して、srvcfg
というシンボリック・リンクが存在し、ディスク・パーティションを示していることを確認します。
Oracle10gリリース10.2のクラスタウェアでOracle CFS(クラスタ・ファイル・システム)を使用している場合は、すべてのノードで次の条件が満たされていることを確認します。
レジストリ・キーHKLM\SOFTWARE\Oracle\osd9i\ocr
が存在すること。レジストリ・キーHKLM\SOFTWARE\Oracle\osd9i\ocr
には、リリース10.2のOCR(CFS)の場所を示す文字列値CfsOcrRoot
が含まれます。
$CRS_HOME\bin\ocrconfig -downgrade
を実行して、クラスタ・レジストリをOCRリリース10.2にダウングレードします。
各ノードで、$CRS_HOME\cfs\OcfsFindVol.exe
を%SYSTEMROOT%\system32\osd9i\cfs
にコピーします。
$CRS_HOME\oui\bin\setup.exe
を実行してOracle Universal Installerを起動します。「ようこそ」ページで「製品の削除」をクリックして、インストールされているすべての製品をリストします。表示されている製品からOracle Clusterwareホーム名を選択し、「削除」をクリックして製品を構成解除および削除します。
各ノードで、%SYSTEMROOT%\system32\osd9i\olm\OracleOBJService.exe /install
を実行してリリース10.2のOracleオブジェクト・サービスを再インストールします。その後で、Oracleオブジェクト・サービスを起動します。
各ノードで、%SYSTEMROOT%\system32\osd9i\cfs\OcfsFindVol.exe /i:%SYSTEMROOT%\system32\osd9i\cfs\OcfsFindVol.exe
を実行してOracle Cluster Volumeサービスを再インストールします。その後で、Oracle Cluster Volumeサービスを起動します。
各ノードのリリース10.2のReal Application Clusters Oracleホームから、コマンドORACLE_HOME\bin\gsdservice.exe -install
を実行します。その後で、OracleGSDService
を起動します。
各ノードで、%SYSTEMROOT%\system32\osd9i\orafencedrv.sys %SYSTEMROOT%\system32\drivers\orafenceservice.sys
をコピーします。
Oracle Universal Installerを使用して、単一インスタンス・ノードをReal Application Clustersに変換できます。単一インスタンス・ノードからReal Application Clustersへの変換の詳細は、プラットフォーム固有のOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。