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Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド
リリース3.2
B53794-04
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フォームおよびレポートでのBLOBサポートについて

Oracle Application Expressでは、リリース3.1から宣言的なBLOBサポートが提供されているため、開発者はフォームでのファイルのアップロード、およびレポートでのファイルのダウンロードや表示を行うことができます。BLOBの表示とダウンロードは、PL/SQLを使用して手続き的に作成することもできます。このセクションでは、ファイルのアップロード、ダウンロードおよび表示を行う方法と、BLOB列に格納されているファイルを正しく管理するために重要となる追加のファイル属性(MIMEタイプやファイル名など)の管理方法について説明します。この機能を使用すると、簡単にOracle Application Expressアプリケーションを拡張して、イメージ、ドキュメント、ビデオなどのファイルを管理できます。

この項に含まれる内容は次のとおりです。

フォームでのBLOBについて

フォームを作成する場合(アプリケーションの作成ウィザードを使用して、フォーム型またはレポートおよびフォーム型のページを作成するか、フォーム型のリージョンを作成)、または既存のフォームにアイテムを追加する場合、BLOB型のデータベース列がソースであるアイテムは、ファイル参照型のアイテムになります。フォームがINSERTにコールされる場合、ユーザーが選択したファイルは、BLOB列にロードされます。フォームが更新にコールされる場合、ダウンロード・リンクが「参照」ボタンの右に表示されます。ユーザーは、このリンクを使用してファイルをダウンロードできます。

BLOBの移入とダウンロードの提供

デフォルトのBLOBサポートでは、一般的なアプリケーションでBLOBを効果的に管理するために必要とされるすべての情報が提供されているわけではありません。列がBLOBであるという情報に加えて、ファイルの詳細情報も提供されると、エンド・ユーザーの使いやすさが向上します。この追加情報の管理を簡単に行うために、(DB_COLUMNに加えて)追加コンポーネントを使用できるようにアイテムのソース属性が拡張されています。

位置 属性 必須 説明
1 BLOBを含む列 はい BLOBタイプの列の名前(大/小文字が区別されます)。
2 MIMEタイプ列 いいえ MIMEタイプを格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。
3 ファイル名列 いいえ BLOBのファイル名を格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。ユーザーがファイルをダウンロードするときにNULLの場合は、この列名がデフォルトで使用されます。
4 最終更新列 いいえ BLOBの最終更新日付を格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。これを指定すると、ファイルをダウンロードする際のHTTPヘッダーに最終変更日が示され、BLOBをブラウザにキャッシュできるようになります。指定しない場合は、ファイルをブラウザにキャッシュできない場合があります。
5 キャラクタ・セット列 いいえ BLOBのキャラクタ・セットを格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。キャラクタ・セットのエンコーディングを維持する必要がある場合など、アジア言語で最も使用されます。
6 コンテンツ配置 いいえ inlineまたはattachmentを指定します。その他の値はすべて無視されます。attachmentがデフォルト値です。inlineMIMEタイプが指定されている場合のみ指定できます。
7 ダウンロード・テキスト いいえ ダウンロード・リンクに使用する文字列。何も指定されていない場合は、Downloadが使用されます。これは置換をサポートしています(翻訳されたアプリケーションに有効です)。

次に例を示します。

RESUME:RESUME_MIMETYPE:RESUME_FILENAME:RESUME_LAST_UPDATE::attachment:Resume

ファイル参照タイプのアイテムを使用しており、そのソースが1つ以上のコロンを含むデータベース列(RESUME:など)である場合、 「ソース」の下にリンク「BLOBダウンロードの書式マスク」が表示されます。このポップアップは、BLOB書式に必要なすべてのパラメータを入力するために役立ちます。

最低でも、1つ以上の末尾のコロンを使用してデータベースのBLOB列を指定する必要があります(RESUME:など)。これにより、Oracle Application Expressリリース3.0.1との互換性が維持されます。


ヒント:

実際の例を確認するには、サンプル・アプリケーションのページ6 (「Add/Modify Products」)に移動し、アイテムP6_PRODUCT_IMAGEを確認します。「デモンストレーション・アプリケーションの実行」を参照してください。

この追加情報を提供するには、MIMEタイプ属性とファイル名属性を格納して追跡するための列を実表に追加することをお薦めします。この追加は表を拡張するだけで簡単に行うことができます。次に例を示します。

ALTER TABLE emp ADD 
   (ATTACH_MIMETYPE     VARCHAR2(255),
    ATTACH_FILENAME     VARCHAR2(255),
    ATTACH_LAST_UPDATE  DATE);

フォームを手動で作成している場合も、この機能を利用できます。DML_PROCESS_ROWタイプのDMLプロセスを使用して、ファイル・タイプ(ファイル参照)のアイテム内に記述されている書式をページ上で使用します。この処理により、表名と主キーの列が決定されます。

BLOBの表示

作業中のBLOBがイメージである場合は、そのイメージをフォームでも表示できます。「手続き的なBLOBの使用」を参照してください。

イメージ参照の削除

ファイル参照の使用時はNULLへの設定が存在しないため、イメージ参照を削除するメカニズムを提供する必要がある場合は、イメージを削除する特別なボタン(必要な列を無効化する機能を持つボタン)を含める必要があります。次に例を示します。

UPDATE demo_product_info
   SET product_image = NULL,
       MIMETYPE = NULL,
       FILENAME = NULL,
       IMAGE_LAST_UPDATE = NULL,
       CHARSET = NULL
 WHERE product_id = :P6_PRODUCT_ID;

ヒント:

実際の例を確認するには、サンプル・アプリケーションのページ6 (「Add/Modify Products」)→「Delete Image」プロセスに移動します。「デモンストレーション・アプリケーションの実行」を参照してください。

レポートでのBLOBサポートについて

Oracle Application Expressでは、従来のレポートと対話モード・レポートの両方に対するBLOBサポートが提供されています。ウィザードを使用してレポートを作成し、BLOBタイプの列を含める場合は、基本的なサポートが含まれます。ダウンロード機能を使いやすくするために、生成後に詳細情報を追加する必要があります。

ダウンロード・リンクの提供

レポートにダウンロード・リンクを容易に含めることができるように、レポートにはBLOBの長さ(dbms_lob.getlength(RESUME)など)を選択します。長さが0の場合、BLOBNULLとなり、ダウンロード・リンクは表示されません。同様に、ダウンロード・リンクの書式を設定できる、日付または数に対する書式マスクを指定します。DOWNLOAD書式は、次の例のように3つ以上のパラメータを指定する必要があるという点で他の書式マスクより複雑です。

DOWNLOAD:EMP:RESUME:EMPNO

次の表に、DOWNLOAD書式のパラメータの説明を示します。

位置 属性 必須 説明
1 DOWNLOAD はい DOWNLOADレポート書式マスクを指定します。
2 表名 はい BLOBタイプのターゲット列を含む表の名前(大/小文字が区別されます)。
3 BLOBを含む列 はい BLOBタイプの列の名前(大/小文字が区別されます)。
4 主キー列1 はい 主キー列1の名前。大文字と小文字が区別されます。
5 主キー列2 いいえ 主キー列2の名前。大文字と小文字が区別されます。
6 MIMEタイプ列 いいえ MIMEタイプを格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。
7 ファイル名列 いいえ BLOBのファイル名を格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。ユーザーがファイルをダウンロードするときにNULLの場合は、この列名がデフォルトで使用されます。
8 最終更新列 いいえ BLOBの最終更新日付を格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。これを指定すると、ファイルをダウンロードする際のHTTPヘッダーに最終変更日が示され、BLOBをWebブラウザにキャッシュできるようになります。指定しない場合は、ファイルをブラウザにキャッシュできない場合があります。
9 キャラクタ・セット列 いいえ BLOBのキャラクタ・セットを格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。キャラクタ・セットのエンコーディングを維持する必要がある場合など、アジア言語で最も使用されます。
10 コンテンツ配置 いいえ inlineまたはattachmentを指定します。その他の値はすべて無視されます。MIMEタイプが提供され、ファイルが表示可能なタイプである場合は、ファイルが表示されます。MIMEタイプが提供されていない場合、またはファイルをインラインで表示できない場合、ユーザーはダウンロードを行うように求められます。
11 ダウンロード・テキスト いいえ ダウンロード・リンクに使用する文字列。何も指定されていない場合は、Downloadが使用されます。これは置換をサポートしています(翻訳されたアプリケーションに有効です)。

次に例を示します。

DOWNLOAD:EMP:RESUME:EMPNO::RESUME_MIMETYPE:RESUME_FILENAME:RESUME_LAST_UPDATE::attachment:Resume

DOWNLOAD:で始まる書式マスクを使用するレポート列がある場合、書式の下にリンク「BLOBダウンロードの書式マスク」が表示されます。このポップアップは、DOWNLOAD書式に必要なすべてのパラメータを入力するために役立ちます。


ヒント:

実際の例を確認するには、サンプル・アプリケーションのページ29 (「Master Detail」)→「Items for Order #&P29_ORDER_ID.」リージョン→「Product Image」列に移動します。「デモンストレーション・アプリケーションの実行」を参照してください。

BLOBの表示

作業中のBLOBがイメージである場合は、レポートでも表示できます。そのためには、新しいレポート書式マスク「IMAGE」を使用します。MIMEタイプに関係なく、レポートでは常にBLOBの表示が試行されます。BLOBのレンダリングを行うことができない場合は、壊れたイメージが表示されます。

次の表に、IMAGE書式マスクのパラメータの説明を示します。

位置 属性 必須 説明
1 IMAGE はい IMAGEレポート書式マスクを指定します。
2 表名 はい BLOBタイプのターゲット列を含む表の名前(大/小文字が区別されます)。
3 BLOBを含む列 はい BLOBタイプの列の名前(大/小文字が区別されます)。
4 主キー列1 はい 主キー列1の名前。大文字と小文字が区別されます。
5 主キー列2 いいえ 主キー列2の名前。大文字と小文字が区別されます。
6 MIMEタイプ列 いいえ MIMEタイプを格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。
7 ファイル名列 いいえ IMAGE書式には使用しませんが、IMAGEとDOWNLOAD間で書式を簡単に変更する場合に必要です。
8 最終更新列 いいえ BLOBの最終更新日付を格納するために使用する列名(大/小文字が区別されます)。これを指定すると、ファイルをダウンロードする際のHTTPヘッダーに最終変更日が示され、BLOBをWebブラウザにキャッシュできるようになります。指定しない場合は、ファイルをブラウザにキャッシュできない場合があります。
9 キャラクタ・セット列 いいえ IMAGE書式には使用しませんが、IMAGEとDOWNLOAD間で書式を簡単に変更する場合に必要です。
10 コンテンツ配置 いいえ IMAGE書式には使用しませんが、IMAGEとDOWNLOAD間で書式を簡単に変更する場合に必要です。
11 代替テキスト いいえ イメージに関連付けられている代替タグに使用する文字列です。

次に例を示します。

IMAGE:EMP:RESUME:EMPNO::RESUME_MIMETYPE:RESUME_FILENAME:RESUME_LAST_UPDATE::attachment:Resume

書式マスクがIMAGE:で始まるレポート列がある場合、書式「BLOBダウンロードの書式マスク」の下のリンクを参照してください。このポップアップはIMAGE書式に必要なすべてのパラメータの入力に役立ちます。

手続き的なBLOBの使用

ダウンロード・リンクを指定した組込み方式を使用するかわりに、APEX_UTIL.GET_BLOB_FILE_SRCファンクションを使用できます。この方法を使用すると、イメージの表示形式をより具体的に設定できます(高さタグおよび幅タグを使用)。この方法は、有効なOracle Application Expressセッションからコールされた場合のみ有効であることに注意してください。また、BLOBを記述するパラメータを、アプリケーション内の有効なアイテムの書式としてリストする必要もあります。この項目は後でファンクションが参照します。


関連項目:

Oracle Application Express APIリファレンスの「GET_BLOB_FILE_SRCファンクション」