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Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド
リリース3.2
B53794-04
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ページ・プロセスおよびページ・レンダリングの理解

アプリケーション・ビルダーにアプリケーションを作成する際に、タブ、ボタンまたはハイパーテキスト・リンクを使用して複数のページをリンクできます。各ページにはボタンおよびアイテムを配置でき、アプリケーション・ロジックを含めることができます。ページでは、条件付きナビゲーションを使用したあるページから次のページへのブランチ、計算および検証の実行、およびレポート、カレンダおよびチャートの表示を行うことができます。組込みウィザードを使用してレポート、チャートおよびフォームを生成したり、静的HTMLを生成したり、PL/SQLプログラミングによってカスタム・レンダリングを行うことができます。

この項に含まれる内容は次のとおりです。

Application Expressエンジンがページをレンダリングおよび処理する方法

Application Expressエンジンは、Oracle Database表に格納されたデータに基づいて、ページを動的にレンダリングおよび処理します。レンダリングされたアプリケーションを表示するには、Application Expressエンジンから、それをリクエストします。アプリケーションを実行すると、Application Expressエンジンによって次の2つのプロセスが使用されます。

  • ページ表示は、ページ・レンダリング・プロセスです。このプロセスによって、すべてのページ属性(リージョン、アイテム、ボタンなど)が表示可能なHTMLページに編成されます。

  • ページ受入れでは、ページの処理が行われます。このプロセスによって、すべての計算、検証、プロセスおよびブランチが実行されます。

URLを使用してページをリクエストする場合、エンジンはページ表示を実行します。ページを送信すると、Application Expressエンジンはページ受入れまたはページ・プロセスを実行します(その間に、送信された値をセッション・キャッシュに保存し、計算、検証または処理を実行します)。

条件付きのレンダリングおよびプロセスの理解

条件とは、リージョン、アイテム、ボタンおよびタブの表示と、プロセス、計算および検証の実行を制御するために役立つ論理単位です。たとえば、ボタンに条件を適用すると、レンダリング・エンジンによって、レンダリング(ページ表示)プロセス中にその条件が評価されます。条件に合格するかどうかによって、そのページ・コントロール(この場合はボタン)が表示されるかどうかが決まります。

条件を指定するには、条件タイプを選択します。条件タイプは、コントロールまたはコンポーネントを最初に作成するときに選択するか、コントロールまたはコンポーネントを編集する場合に条件タイプ属性から選択します。選択した条件タイプに応じて、「式」フィールドに適切な値を入力します。条件は、「式」フィールドに入力した値に基づいて、trueまたはfalseに評価されます。


注意:

「式」フィールドを使用するかどうかは、選択した条件タイプによって決まります。いずれのフィールドの値も必要としない条件タイプ、「式1」の値のみが必要な条件タイプ、両方のフィールドの値が必要な条件タイプなどがあります。これらのフィールドは「式1」および「式2」とラベル付けされていますが、指定した条件タイプの値がという用語の公式の定義に準拠していない場合があります。これらの値は、選択した条件タイプに適したテキスト値です。

condition.gifの説明が続きます
図condition.gifの説明

任意のコンポーネントまたはコントロールに使用可能なすべての条件のリストを表示するには、「条件タイプ」リストの右側にある矢印をクリックします。リストのすぐ下に、一般的な選択項目へのショートカットが表示されます。条件に式が必要な場合は、該当するフィールドにその式を入力します。

次の項では、一般的に使用されるいくつかの条件タイプの例について説明します。


関連項目:

使用可能な条件 タイプの詳細なリストは、付録A「使用可能な条件」を参照してください。

カレント・ページ=式1

式1のカレント・ページは、カレント・ページ番号が、「式1」内のカンマで区切られたページ・リストに含まれている場合にtrueと評価されます。次に例を示します。

3,100,203

カレント・ページが100である場合、この条件はtrueに評価され、条件に合格します。

存在

「存在する(SQL問合せが1行以上を戻す)」は、SQL問合せとして表現されます。問合せで1行以上が戻される場合、この条件はtrueと評価されます。次に例を示します。

SELECT 1 FROM employees WHERE department_id = :P101_DEPTNO

この例では、アイテムP101_DEPTNOがバインド変数として参照されます。アプリケーション・プロセスおよびSQL問合せリージョン内でバインド変数を使用すると、アイテムのセッション・ステートを参照できます。P101_DEPTNOの値に指定した部門に1人以上の従業員が存在する場合、この条件はtrueと評価されます。

PL/SQL式

「PL/SQL式」は、trueまたはfalseを評価する式を有効なPL/SQL構文で指定するために使用します。次に例を示します。

NVL(:MY_ITEM,'NO') = 'YES'

前述の例のように、:MY_ITEMの値が「はい」であれば、この条件はtrueと評価されます。:MY_ITEMが「いいえ」であれば、この条件はfalseと評価されます。

ユーザー・アイデンティティの確認

認証は、ユーザーのアプリケーションへのアクセスを可能にするために、ユーザーのアイデンティティを証明するプロセスです。認証では、ユーザーにユーザー名とパスワードの入力を求めたり、デジタル証明書や保護キーを使用する場合があります。

Oracle Application Expressは、モジュール認証をサポートしているため、必要に応じて認証メソッドを簡単に切り替えられます。ユーザー・アイデンティティの証明は、複数の組込み認証メソッドから選択するか、またはウィザードを使用して独自のカスタム認証方法を作成して実行できます。


関連項目:

詳細は、「認証によるユーザー・アイデンティティの証明」を参照してください。

コントロールおよびコンポーネントへのアクセスの制御

条件はページ上の特定のコントロールまたはコンポーネントのレンダリングおよび処理を制御しますが、認可スキームはユーザーのアクセスを制御します。認可は、ユーザー権限に基づいてリソースへのアクセスを制御することを示す広義語です。

認可スキームは、アプリケーションの認証スキームのセキュリティを強化します。認可スキームは、アプリケーション全体、各ページ、またはリージョン、アイテム、ボタンなどの特定のページ・コントロールに対して指定できます。たとえば、認可スキームを使用して、ユーザーに表示するタブ、リージョンまたはナビゲーション・バー・エントリを選択的に決定できます。