APEX_INSTANCE_ADMIN
パッケージには、Oracle Application Expressのランタイム環境を管理するためのユーティリティが用意されています。APEX_INSTANCE_ADMIN
パッケージを使用すると、電子メール設定、ウォレット設定、レポート出力設定などの取得と設定を行い、スキームとワークスペースのマッピングを管理できます。APEX_INSTANCE_ADMIN
は、SYS
、SYSTEM
、APEX_030200
のデータベース・ユーザーに加え、ロールAPEX_ADMINISTRATOR_ROLE
が付与されているすべてのデータベース・ユーザーが実行できます。
このセクションの構成は次のとおりです。
ADD_SCHEMA
プロシージャは、ワークスペースとスキーマのマッピングにスキーマを追加します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_SCHEMA( p_workspace IN VARCHAR2, p_schema IN VARCHAR2);
パラメータ
表7-1に、ADD_SCHEMA
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-1 ADD_SCHEMAのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
スキーマ・マッピングを追加するワークスペースの名前。 |
|
スキーマとワークスペースのマッピングに追加するスキーマ。 |
例
次の例に、ADD_SCHEMA
プロシージャを使用してスキーマをワークスペースにマッピングする方法を示します。
BEGIN
APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_SCHEMA('MY_WORKSPACE
','FRANK');
END;
ADD_WORKSPACE
プロシージャは、Application Expressインスタンスにワークスペースを追加します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_WORKSPACE( p_workspace_id IN NUMBER DEFAULT NULL, p_workspace IN VARCHAR2, p_primary_schema IN VARCHAR2, p_additional_schemas IN VARCHAR2 );
パラメータ
表7-2に、ADD_WORKSPACE
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-2 ADD_WORKSPACEのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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Application Expressインスタンス内でワークスペースを一意に識別するID。これをNULLのままにすると、新しい一意のIDが割り当てられます。 |
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追加するワークスペースの名前。 |
|
新しいワークスペースに関連付けるプライマリ・データベース・スキーマ。 |
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このワークスペースに関連付ける追加スキーマを列挙したコロン区切りのリスト。 |
例
次の例に、ADD_WORKSPACE
プロシージャを使用して、HRおよびOE用の追加のスキーマ・マッピングとともにSCOTT
というプライマリ・スキーマを使用するMY_WORKSPACE
という新しいワークスペースを追加する方法を示します。
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_WORKSPACE(8675309,'MY_WORKSPACE','SCOTT','HR:OE'); END;
GET_PARAMETER
ファンクションは、ランタイム環境の管理に使用されるパラメータの値を取得します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER( p_parameter IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;
パラメータ
表7-3に、GET_PARAMETER
ファンクションで使用可能なパラメータを示します。
例
次の例に、GET_PARAMETER
ファンクションを使用して、Oracle Application Expressインスタンスに対して現在定義されているSMTP_HOST_ADDRESS
パラメータを取得する方法を示します。
DECLARE L_VAL VARCHAR2(4000); BEGIN L_VAL :=APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER('SMTP_HOST_ADDRESS'); DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('The SMTP Host Setting Is: '||L_VAL); END;
GET_SCHEMAS
ファンクションは、特定のワークスペースにマッピングされているスキーマのカンマ区切りリストを取得します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_SCHEMAS( p_workspace IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;
パラメータ
表7-4に、GET_SCHEMAS
ファンクションで使用可能なパラメータを示します。
例
次の例に、GET_SCHEMA
ファンクションを使用して、ワークスペースにマッピングされた基礎となるスキーマを取得する方法を示します。
DECLARE L_VAL VARCHAR2(4000); BEGIN L_VAL :=APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_SCHEMAS('MY_WORKSPACE'); DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('The schemas for my workspace: '||L_VAL); END;
REMOVE_SAVED_REPORTS
プロシージャは、特定のアプリケーションまたはインスタンス全体に対してユーザーが保存したすべての対話モード・レポートの設定を削除します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SAVED_REPORTS( p_application_id IN NUMBER DEFAULT NULL);
パラメータ
表7-5に、REMOVE_SAVED_REPORTS
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-5 REMOVE_SAVED_REPORTSパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
ユーザーが保存した対話モード・レポートの情報を削除する対象アプリケーションのID。このパラメータをNULLのままにしておくと、インスタンス全体に対してユーザーが保存したすべての対話モード・レポートが削除されます。 |
例
次の例に、REMOVE_SAVED_REPORTS
プロシージャを使用して、IDが100のアプリケーションに対してユーザーが保存した対話モード・レポートの情報を削除する方法を示します。
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SAVED_REPORTS(100); END;
このREMOVE_SCHEMA
は、ワークスペースからスキーマへのマッピングを削除します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SCHEMA( p_workspace IN VARCHAR2, p_schema IN VARCHAR2);
パラメータ
表7-6に、REMOVE_SCHEMA
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-6 REMOVE_SCHEMAのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
スキーマ・マッピングを削除するワークスペースの名前。 |
|
スキーマとワークスペースのマッピングから削除するスキーマ。 |
例
次の例に、REMOVE_SCHEMA
プロシージャを使用して、ワークスペースとスキーマのマッピングMY_WORKSPACE
からFrank
というスキーマを削除する方法を示します。
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SCHEMA('MY_WORKSPACE','FRANK'); END;
REMOVE_WORKSPACE
プロシージャは、Application Expressインスタンスからワークスペースを削除します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_WORKSPACE( p_workspace IN VARCHAR2, p_drop_users IN VARCHAR2 DEFAULT 'N', p_drop_tablespaces IN VARCHAR2 DEFAULT 'N' );
パラメータ
表7-7に、REMOVE_WORKSPACE
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-7 REMOVE_WORKSPACEのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
削除するワークスペースの名前。 |
|
|
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'Y'を指定すると、ワークスペースに関連付けられているデータベース・ユーザーに関連付けられた表領域も削除されます。デフォルトは |
例
次の例に、REMOVE_WORKSPACE
プロシージャを使用して、関連するデータベース・ユーザーおよび表領域とともにMY_WORKSPACEという既存のワークスペースを削除する方法を示します。
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_WORKSPACE('MY_WORKSPACE','Y','Y'); END;
SET_PARAMETER
プロシージャは、ランタイム環境の管理に使用されるパラメータを設定します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER( p_parameter IN VARCHAR2, p_value IN VARCHAR2 DEFAULT 'N');
パラメータ
表7-8に、SET_PARAMETER
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-8 SET_PARAMETERのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
設定するインスタンス・パラメータ。 |
|
パラメータの値。 「使用可能なパラメータ値」を参照してください。 |
例
次の例に、SET_PARAMETER
プロシージャを使用して、Oracle Application ExpressインスタンスのSMTP_HOST_ADDRESS
パラメータを設定する方法を示します。
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER('SMTP_HOST_ADDRESS','mail.mycompany.com'); END;
表7-9に、APEX_INSTANCE_ADMIN
パッケージ内で設定可能なすべてのパラメータ(電子メール、ウォレット、レポート出力用のパラメータなど)の値を示します。
表7-9 使用可能なパラメータ
パラメータ名 | 説明 |
---|---|
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割当てリクエストの承認や、パスワードのリセットなど、電子メールを作成する管理タスクに対する送信元アドレスを定義します。 有効な電子メール・アドレスを入力します。次に例を示します。
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SMTPサーバーのサーバー・アドレスを定義します。別のサーバーをSMTPリレーとして使用する場合は、このパラメータをそのサーバーのアドレスに変更します。 デフォルト設定: localhost |
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メール・リクエスト用にSMTPサーバーが待機するポートを定義します。 デフォルト設定: 25 |
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ファイル・システムでのウォレットへのパス。次に例を示します。
file:/home/<username>/wallets
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ウォレットに関連付けられているパスワード。 |
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標準サポートまたは拡張サポートのいずれかを指定します。拡張サポートの場合は、Oracle BI Publisherの使用許諾が必要です。有効な値は、次のとおりです。
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有効な値は、次のとおりです。
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プリント・サーバー変換エンジンのホスト・アドレス( |
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プリント・サーバー・エンジンのポート( |
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プリント・サーバー・エンジンのスクリプトを定義します。次に例を示します。 /xmlpserver/convert |
参照: 『Oracle Application Express管理ガイド』の「ランタイム環境での電子メールの構成」、「ランタイム環境でのウォレットの構成」および「ランタイム環境でのレポート出力設定の構成」 |