Oracle Streamsパッケージの1つであるDBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージでは、Oracle Streams環境に関する情報を収集し、収集した情報に基づいてデータベース管理者をサポートするインタフェースが提供されています。このパッケージは、Oracle Streamsパフォーマンス・アドバイザの一部です。
この章では、次の項目について説明します。
概要
セキュリティ・モデル
定数
ビュー
関連項目: このパッケージの使用方法は、『Oracle Streams概要および管理』を参照してください。 |
この項では、DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージの使用に関連する項目について説明します。
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージによって、Oracle Streams環境に関する情報を収集および分析できます。この情報は、次の方法で使用できます。
1つ以上のデータベースでのOracle Streamsコンポーネントに関する情報を含むOracle Streamsトポロジを、データ・ディクショナリ・ビューに移入します。
環境内の1つ以上のデータベースでのOracle Streamsコンポーネント、およびこれらのコンポーネントが含まれているストリームでの情報の流れ方を調べます。
環境内のOracle Streamsコンポーネントのパフォーマンスを分析します。
Oracle Streamsコンポーネントのパフォーマンスの問題を検出し、それらの問題を修正します。
関連項目: このパッケージの使用方法は、『Oracle Streams概要および管理』を参照してください。 |
このパッケージのセキュリティは、次のいずれかの方法で制御できます。
選択したユーザーまたはロールに、このパッケージのEXECUTE
を付与する方法
選択したユーザーまたはロールに、EXECUTE_CATALOG_ROLE
を付与する方法
パッケージのサブプログラムをストアド・プロシージャ内から実行する場合、そのサブプログラムを実行するユーザーには、パッケージのEXECUTE
権限を直接付与する必要があります。ロールを通して付与することはできません。
このパッケージ内のサブプログラムを実行するユーザーが必要な権限を所有するには、Oracle Streams管理者を構成し、このパッケージを使用するときにOracle Streams管理者として接続します。
関連項目: Oracle Streams管理者の構成の詳細は、『Oracle Streamsレプリケーション管理者ガイド』を参照してください。 |
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージは、パラメータ値の指定に使用するいくつかの列挙定数を定義します。列挙定数にはパッケージ名を接頭辞として付加する必要があります。たとえば、DBMS_DBMS_ADVISOR_ADM.CAPTURE_TYPE
のように定義します。
表146-1 DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADMパラメータおよび列挙定数
パラメータ | オプション | タイプ | 説明 |
---|---|---|---|
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DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージでは、次のビューを使用します。
DBA_STREAMS_TP_COMPONENT
には、各データベースでの各Oracle Streamsコンポーネントに関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_COMPONENT_LINK
には、Oracle Streamsコンポーネント間をメッセージがどのように流れるかに関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_COMPONENT_STAT
には、各Oracle Streamsコンポーネントに関する一時的なパフォーマンス統計情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_DATABASE
には、各Oracle Streamsコンポーネントを格納する各データベースに関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_PATH_BOTTLENECK
には、ストリームの流れを遅くしている可能性があるOracle Streamsコンポーネントに関する一時的な情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_PATH_STAT
には、Oracle Streamsトポロジ内に存在する各ストリーム・パスに関する一時的なパフォーマンス統計情報が含まれています。
トポロジ情報は、データ・ディクショナリ・ビューDBA_STREAMS_TP_DATABASE
、DBA_STREAMS_TP_COMPONENT
およびDBA_STREAMS_TP_COMPONENT_LINK
に永続的に格納されます。
ただし、ビューDBA_STREAMS_TP_COMPONENT_STAT
、DBA_STREAMS_TP_PATH_BOTTLENECK
およびDBA_STREAMS_TP_PATH_STAT
に、一時的な情報が含まれています。これらのビュー内のデータの一部は、ANALYZE_CURRENT_PERFORMANCE
プロシージャを実行するユーザー・セッションについてのみ保持されます。このユーザー・セッションが終了すると、この一時的な情報はパージされます。
関連項目:
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この項では、DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージの次の使用上の注意について説明します。
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
によって、指定されたデータベースで次のOracle Streamsコンポーネントが分析されます。
取得プロセス
伝播
適用プロセス
キュー
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージによって、次のOracle Streamsコンポーネントは分析されません。
同期取得
メッセージ・クライアント
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージを使用するには、次の一般的な手順を実行します。
情報の収集に使用するデータベースを特定します。
このデータベースの管理ユーザーは、次の要件を満たす必要があります。
ユーザーは、Oracle Streamsコンポーネントを含む各データベースへのデータベース・リンクにアクセスできる必要があります。
ユーザーは、DBMS_STREAMS_AUTH.GRANT_ADMIN_PRIVILEGE
プロシージャを使用して権限が付与されている必要があります。各データベース・リンクは、DBMS_STREAMS_AUTH.GRANT_ADMIN_PRIVILEGE
プロシージャを使用して権限が付与されているリモート・データベースのユーザーに接続する必要があります。
Oracle Streams環境では、Oracle Streams管理者がこのパッケージを使用します。
環境内のデータベースが前述の要件を満たさない場合は中断し、データベースを選択して必要なデータベース・リンクを構成した後、ユーザーに必要な権限を付与します。
手順1で識別したデータベースに管理ユーザーとして接続し、残りの手順を実行する間、セッションに接続したままにします。
ANALYZE_CURRENT_PERFORMACE
プロシージャを実行します。
オプションで、しばらくの間、メッセージが環境内を流れるのを許可します。
オプションで、ANALYZE_CURRENT_PERFORMACE
プロシージャを1回以上再実行します。
「ビュー」にリストされているデータ・ディクショナリ・ビューを問い合せて、Oracle Streams環境を分析します。
データ・ディクショナリ・ビューの情報を更新する場合または環境内のデータベースに新しいOracle Streamsコンポーネントを追加する場合は、手順2から6を繰り返します。
注意: ユーザー・セッションを終了すると、レート、帯域幅、イベントおよびフロー制御統計情報がデータ・ディクショナリ・ビューからパージされます。 |
表146-2 DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADMパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
---|---|
ANALYZE_CURRENT_PERFORMANCEプロシージャ |
環境内の1つ以上のデータベースでOracle Streamsコンポーネントに関する情報を収集し、収集した情報に基づいてOracle Streamsのパフォーマンスを分析します。 |
このプロシージャは、環境内の1つ以上のデータベースでOracle Streamsコンポーネントに関する情報を収集し、収集した情報に基づいてOracle Streamsのパフォーマンスを分析します。
パフォーマンス分析には、次の項目があります。
各ストリームのボトルネック・コンポーネントの計算
各Oracle Streamsコンポーネントのスループットの計算
各Oracle Streamsコンポーネントの待機時間の計算
各Oracle Streamsコンポーネントの最も多い待機イベントの計算
各ストリームのメッセージ・レートの計算
各ストリームのトランザクション・レートの計算
収集された情報は、データ・ディクショナリ・ビューに配置されます。
注意: このプロシージャのパラメータは、すべてNULL 以外か、またはすべてNULL である必要があります。 |
構文
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM.ANALYZE_CURRENT_PERFORMANCE( component_name IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, component_db IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, component_type IN NUMBER DEFAULT NULL);
パラメータ
表146-3 ANALYZE_CURRENT_PERFORMANCEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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分析するOracle Streamsコンポーネントの名前。たとえば、
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これらの定数の詳細は、「定数」を参照してください。
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