UTL_RECOMPパッケージは、データベースに含まれている無効なPL/SQLモジュール、無効なビュー、Javaクラス、索引タイプおよび演算子を、順次またはパラレルに再コンパイルします。
この章では、次の項目について説明します。
概要
使用上の注意
例
通常、メジャー・アップグレードの後はPL/SQLおよびJavaオブジェクトがすべて無効化されているため、そのタイミングでこのスクリプトを実行すると特に効果的です。無効になったオブジェクトを使用するときは自動的に再コンパイルされますが、操作前にあらかじめこのスクリプトを実行しておくと、ランタイム時にオンデマンドによる自動再コンパイルが実行されても待機時間を解消または短縮できるので便利です。
パラレルな再コンパイルでは複数のCPUを活用できるので、無効なオブジェクトの再コンパイル時間が削減されます。並列度は、RECOMP_PARALLELプロシージャに対する最初の引数で指定します。
通常の初期設定としては、使用可能なCPU 1台につき1スレッドの並列設定にしておけば十分です。ただし、無効化されたオブジェクトを再コンパイルすると、システム表に大量のデータが書き込まれ、I/Oがきわめて集中的に行われるので注意してください。ディスク・システムの速度が遅い場合は、それが重大なボトルネックとなって、並列度に大きい値を設定しても高速化されない可能性があります。
このパッケージは、ジョブ・キューを使用して再コンパイルをパラレルに行います。
このパッケージは、SQL*PLUS
を使用して実行してください。
このスクリプトを実行するには、AS
SYSDBA
と接続している必要があります。
このパッケージでは、次のパッケージがVALIDステータスで作成されていることが前提です。
STANDARD
(standard
.sql
)
DBMS_STANDARD
(dbmsstdx
.sql
)
DBMS_JOB
(dbmsjob
.sql
)
DBMS_RANDOM (dbmsrand.sql)
このパッケージでエントリを実行している間は、他のDDLをデータベースで実行しないでください。この推奨事項に従わないとデッドロックになる可能性があります。
すべてのオブジェクトを順次再コンパイルする場合:
EXECUTE UTL_RECOMP.RECOMP_SERIAL();
スキーマSCOTT
のオブジェクトを順次再コンパイルする場合:
EXECUTE UTL_RECOMP.RECOMP_SERIAL('SCOTT');
4つのスレッドをパラレルで使用し、すべてのオブジェクトを再コンパイルする場合:
EXECUTE UTL_RECOMP.RECOMP_PARALLEL(4);
JOB_QUEUE_PROCESSES
パラメータに指定されたスレッド数を使用し、スキーマJOEのオブジェクトを再コンパイルする場合:
EXECUTE UTL_RECOMP.RECOMP_PARALLEL(NULL, 'JOE');
表234-1 UTL_RECOMPパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
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指定されたスキーマの無効なオブジェクト、またはデータベース内のすべての無効なオブジェクトをパラレルに再コンパイルします。 |
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指定されたスキーマの無効なオブジェクト、またはデータベース内のすべての無効なオブジェクトを再コンパイルします。 |
このプロシージャはDBA_Dependencies
ビューに表示された情報を使用して、データベース内または指定されたスキーマ内の無効なオブジェクトをパラレルに再コンパイルします。
構文
UTL_RECOMP.RECOMP_PARALLEL( threads IN PLS_INTEGER DEFAULT NULL, schema IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, flags IN PLS_INTEGER DEFAULT 0);