ヘッダーをスキップ
Oracle Database 2日でPHP開発者ガイド
11g リリース2(11.2)
B56267-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

2 事前準備

この章では、Oracle DatabaseおよびPHP環境をインストールし、テストする方法について説明します。 内容は次のとおりです。

必要なもの

Oracle DatabaseおよびPHP環境をインストールするには、次のものが必要です。

Oracle Databaseのインストール

Oracle Databaseサーバーをコンピュータにインストールする必要があります。 このチュートリアルで使用するサンプル・データは、デフォルトでインストールされます。 これがサンプル・スキーマのHRコンポーネントとなります。

このチュートリアルでは、Oracle SQL Developerがデータベース・タスクの実行に使用するグラフィカル・ユーザー・インタフェースとなります。 Oracle SQL Developerは、データベース開発用の無料のグラフィカルなツールです。


参照:


HRユーザーのロック解除

PHPアプリケーションは、HRユーザーとしてデータベースに接続します。 DBA権限を持つユーザーとして、HRアカウントをロック解除する必要がある場合があります。 HRユーザーをロック解除するには、次の手順を実行します。

  1. SQL Developerを起動し、Oracle Databaseへの接続をオープンします。

  2. systemユーザーとしてOracleデータベースにログインします。

  3. SQLワークシートまたはSQL*Plusを開き、次のSQL文を実行します。

    alter user hr account unlock;
    
    chap2_unlock.gifの説明が続きます。
    chap2_unlock.gifの説明

Oracle Databaseアカウントのロック解除の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の第6章「ユーザーおよびセキュリティの管理」を参照してください。


参照:


Apache HTTPサーバーのインストール

PHPをインストールする前に、Apacheをインストールする必要があります。 通常、ApacheはLinuxコンピュータにデフォルトでインストールされています。 Apacheソフトウェアをダウンロードする前に、「LinuxでのApacheインストールのテスト」を参照してください。

WindowsまたはLinux用のApache HTTPサーバーを入手するには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザに次のURLを入力します。

    http://httpd.apache.org/download.cgi
    
  2. Windowsの場合は、apache_2.2.12-win32-x86-no_ssl.msiをクリックします。 Linuxの場合は、httpd-2.2.12.tar.bz2をクリックします。

  3. ダウンロードしたファイルを一時ディレクトリ(Windowsの場合はc:\tmp、Linuxの場合は\tmp)に保存します。

WindowsでのApacheのインストール

この項では、WindowsにApache HTTPサーバーをインストールする方法について説明します。

ファイル名および抽出ディレクトリは、現行バージョンに基づいて決定されます。 この手順では、インストールしているバージョンのディレクトリ名を使用するようにしてください。

Apacheをインストールするには、管理者ユーザーである必要があります。

Apacheをインストールするには、ファイルをダブルクリックし、ウィザードに従います。

デフォルトのインストール・ディレクトリは、一般的にC:\Program Files\Apache Groupです。 チュートリアルの例は、このディレクトリを前提としています。 別のディレクトリにインストールする場合は、ディレクトリに注意して、チュートリアルで示されるパスを読み替える必要があります。

WindowsでのApacheの起動と停止

「スタート」メニュー・オプションを使用して、Apacheを起動できます。 コンソール・ウィンドウが開き、エラー・メッセージがあれば表示されます。 エラー・メッセージは、C:\Program Files\Apache Group\Apache2\logs\error.logにも書き込まれる場合があります。

ApacheMonitorユーティリティを使用して、Apacheを起動することもできます。 ApacheMonitorユーティリティはシステム・トレイにアイコンで表示されます。または、Apache binディレクトリに移動してApacheMonitor.exeをダブルクリックして使用します。 デフォルトのインストールでは、Apacheのbinディレクトリはc:\Program Files\Apache Group\Apache2\binです。

Windowsのサービスを使用して、Apacheを起動することもできます。 Windowsのサービスにアクセスするには、Windowsの「スタート」メニューで、「スタート」「コントロール パネル」「管理ツール」「サービス」を選択します。 「標準」タブを選択します。 「Apache2 HTTP Server」を右クリックし、「再起動」を選択します。

エラーが発生した場合は、httpd.confおよびphp.iniファイルを再確認します。

WindowsでのApacheインストールのテスト

Apache HTTPサーバーのインストールをテストするには、次の手順を実行します。

  1. ApacheをインストールしたコンピュータでWebブラウザを起動します。

  2. 次のURLを入力します。

    http://localhost/
    

    Webブラウザに、次のようなページが表示されます。

    chap2_test_install_013.gifの説明が続きます。
    chap2_test_install_013.gifの説明

    このページが表示されない場合は、Apache構成を確認します。 一般的な問題としては、Apacheが実行されていない、Apacheがデフォルト以外のポートをリスニングしているなどの問題が考えられます。

LinuxでのApacheのインストール

この項では、LinuxにApache HTTPサーバーをインストールする方法について説明します。

ファイル名および抽出ディレクトリは、現行バージョンに基づいて決定されます。 この手順では、インストールしているバージョンのディレクトリ名を使用するようにしてください。

通常、ApacheはLinuxにすでにインストールされています。 「LinuxでのApacheインストールのテスト」の後にApacheがインストールされていないことがわかった場合、次の手順を実行してApache HTTPサーバーをインストールします。

  1. httpd-2.2.12.tar.bz2ファイルをダウンロードしたディレクトリに移動します。

  2. rootユーザーとしてログインし、次のコマンドを実行します。

    # tar -jxvf httpd-2.2.12.tar.bz2
    # cd httpd-2.2.12
    # export ORACLE_HOME=/usr/lib/oracle/app/oracle/product/10.2.0/server
    # ./configure \
            --prefix=/usr/local/apache \
            --enable-module=so  \
    # make
    # make install
    

    --enable-module=soオプションは、PHPをDynamic Shared Object(DSO)としてコンパイルすることを許可します。 --prefix=オプションは、make installコマンドで使用されるApacheインストール・ディレクトリを設定します。

LinuxでのApacheの起動と停止

apachectlスクリプトを使用して、Apacheを起動および停止します。

Apacheを起動するには、次のapachectlスクリプトを実行します。

# /usr/local/apache/bin/apachectl start

Apacheを停止するには、次のapachectlスクリプトを実行します。

# /usr/local/apache/bin/apachectl stop

Apacheを起動する場合、ORACLE_HOMEが定義されている必要があります。 他の必須のOracle環境変数も、Apacheの起動前に設定されている必要があります。 これらは、$ORACLE_HOME/bin/oracle_env.shスクリプトまたは/usr/local/bin/oraenvスクリプトで設定される変数と同じです。

次のように、Apacheを起動する便利なスクリプトを作成できます。

#!/bin/sh
ORACLE_HOME=/usr/lib/oracle/app/oracle/product/10.2.0/server
export ORACLE_HOME
echo "Oracle Home: $ORACLE_HOME"
echo Starting Apache
/usr/local/apache/bin/apachectl start

LinuxでのApacheインストールのテスト

Apache HTTPサーバーのインストールをテストするには、次の手順を実行します。

  1. ApacheをインストールしたホストでWebブラウザを起動し、次のURLを入力します。

    http://localhost/
    

    Webブラウザに、次のようなページが表示されます。

    chap2_install_001.gifの説明が続きます。
    chap2_install_001.gifの説明

    このページが表示されない場合は、Apache構成を確認します。 一般的な問題としては、Apacheが実行されていない、Apacheがデフォルト以外のポートをリスニングしているなどの問題が考えられます。

  2. PHPファイルにアクセスできるようにするために、デフォルトのApache HTTPサーバー構成ファイルにパブリック仮想ディレクトリをpublic_htmlと設定します。 任意のエディタを使用してApache構成ファイル/etc/httpd/conf/httpd.conf(Linuxにインストールした場合は、ディレクトリが異なることがあります)を開き、次の行の先頭にあるシャープ記号(#)を削除します。

        UserDir public_html
    

    この例では、Apache httpd.confファイルに次の行が含まれています。

    <IfModule mod_userdir.c>
        #
        # UserDir is disabled by default since it can confirm the presence
        # of a username on the system (depending on home directory
        # permissions).
        #
        #UserDir disable
    
        #
        # To enable requests to /~user/ to serve the user's public_html
        # directory, remove the "UserDir disable" line above, and uncomment
        # the following line instead:
        #
        UserDir public_html
    </IfModule>
    

    これによって、Webブラウザで、システムの登録ユーザーを使用してHTTPリクエストを作成し、そのユーザーの$HOME/public_htmlディレクトリにあるファイルを処理できるようになります。 次に例を示します。

    http://localhost/~user/
    
  3. 新しいApache構成ファイルを使用するには、コマンド・ウィンドウに次のコマンドを入力してApacheを再起動します。

    su -
    Password: <enter your su (root) password>
    apachectl restart
    
    chap2_install_002.gifの説明が続きます。
    chap2_install_002.gifの説明

    Apache HTTPサーバーが起動しない場合は、エラー・ログ・ファイルを調べて原因を特定します。 構成エラーである可能性があります。

  4. コマンド・ウィンドウに次のコマンドを入力して、(root以外で)ログインし、$HOMEディレクトリにpublic_htmlサブディレクトリを作成します。

    mkdir $HOME/public_html
    
    chap2_install_003.gifの説明が続きます。
    chap2_install_003.gifの説明

PHPのインストール

WindowsまたはLinux用のPHPを入手するには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザに次のURLを入力します。

    http://www.php.net/downloads.php
    
  2. Windowsの場合は、「Windows Binaries」の下の「5.2.10 zip package」をクリックします。 Linuxの場合は、「Complete Source Code」の下の「php-5.2.10.tar.bz2」をクリックします。

  3. ダウンロードしたファイルを一時ディレクトリ(Windowsの場合はc:\tmp、Linuxの場合は\tmp)に保存します。

WindowsでのPHPのインストール

この項では、WindowsにPHPをインストールする方法について説明します。

ファイル名および抽出ディレクトリは、現行バージョンに基づいて決定されます。 この手順では、インストールしているバージョンのディレクトリ名を使用するようにしてください。

PHPをインストールするには、管理者ユーザーである必要があります。 PHPをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Windowsのエクスプローラで、PHP 5.2.10 zipファイルをダウンロードしたディレクトリに移動します。

  2. C:\php-5.2.10というディレクトリにPHPパッケージを解凍します。

  3. php.ini-recommendedC:\Program Files\Apache Group\Apache2\conf\php.iniにコピーします。

  4. php.iniを編集して、次の変更を行います。

    • extension_dirC:\php-5.2.10\extに変更します。このディレクトリにはphp_oci8.dllなどのPHP拡張モジュールが含まれています。

    • 行頭のセミコロンを削除します。

      extension=php oci8.dll

    • PHPディレクティブdisplay_errorsOnに設定します。 この設定は、テスト時にコードの問題点の確認に役立ちます。

  5. ファイルhttpd.confを編集して、次の行を追加します。 必ず、バックスラッシュ(\)ではなくスラッシュ(/)を使用してください。

            #
            # This will load the PHP module into Apache
            #
            LoadModule php5_module c:/php-5.2.10/php5apache2.dll
    
            #
            # This next section will call PHP for .php, .phtml, and .phps files
            #
            AddType application/x-httpd-php .php
            AddType application/x-httpd-php .phtml
            AddType application/x-httpd-php-source .phps
    
            #
            # This is the directory containing php.ini
            #
            PHPIniDir "C:/Program Files/Apache Group/Apache2/conf"
    
  6. Apacheサーバーを再起動すると、PHPインストールのテストが可能になります。

    「スタート」メニュー・オプションを使用して、Apacheを起動できます。 コンソール・ウィンドウが開き、エラー・メッセージがあれば表示されます。 エラー・メッセージは、C:\Program Files\Apache Group\Apache2\logs\error.logにも書き込まれる場合があります。

    ApacheMonitorユーティリティを使用して、Apacheを起動することもできます。 ApacheMonitorユーティリティはシステム・トレイにアイコンで表示されます。または、Apache binディレクトリに移動してApacheMonitor.exeをダブルクリックして使用します。 デフォルトのインストールでは、Apacheのbinディレクトリはc:\Program Files\Apache Group\Apache2\binです。

    Windowsのサービスを使用して、Apacheを起動することもできます。 Windowsのサービスにアクセスするには、Windowsの「スタート」メニューで、「スタート」「コントロール パネル」「管理ツール」「サービス」を選択します。 「標準」タブを選択します。 「Apache2 HTTP Server」を右クリックし、「再起動」を選択します。

    エラーが発生した場合は、httpd.confおよびphp.iniファイルを再確認します。

LinuxでのPHPのインストール

この項では、LinuxにPHPをインストールする方法について説明します。

ファイル名および抽出ディレクトリは、現行バージョンに基づいて決定されます。 この手順では、インストールしているバージョンのディレクトリ名を使用するようにしてください。

PHPをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. php-5.2.10.tar.bz2ファイルをダウンロードしたディレクトリに移動します。

  2. rootユーザーとしてログインし、次のコマンドを実行します。

    # tar -jxvf php-5.2.10.tar.bz2
    # cd php-5.2.10
    # export ORACLE_HOME=/usr/lib/oracle/app/oracle/product/10.2.0/server
    # ./configure \
            --with-oci8=$ORACLE_HOME \
            --with-apxs2=/usr/local/apache/bin/apxs \
            --with-config-file-path=/usr/local/apache/conf \
            --enable-sigchild
    # make
    # make install
    

    ORACLE_HOMEの値を確認して、Oracleのバージョンとインストールが反映されていることを確認します。

    ファイアウォールの内側にいる場合、make installを実行する前に環境変数http_proxyを使用しているプロキシ・サーバーに設定する必要があります。 この設定によって、PHPのPEARコンポーネントのインストールが可能になります。

  3. PHPの提供する初期化ファイルをコピーします。

    # cp php.ini-recommended /usr/local/apache/conf/php.ini
    

    このphp.iniは、テスト時にコードの問題点を確認できるように、PHPディレクティブdisplay_errorsOnに設定する際に役立ちます。

  4. /usr/local/apache/conf/httpd.confのApacheの構成ファイルを編集して、次の行を追加します。

    #
    # This next section will call PHP for .php, .phtml, and .phps files
    #
    AddType application/x-httpd-php .php
    AddType application/x-httpd-php .phtml
    AddType application/x-httpd-php-source .phps
    
    #
    # This is the directory containing php.ini
    #
    PHPIniDir "/usr/local/apache/conf"
    

    PHPのインストールでLoadModule行が挿入されていなかった場合は、次のように追加します。

    LoadModule php5_module modules/libphp5.so
    
  5. PHPインストールをテストするために、次のコマンドを実行してApacheサーバーを再起動します。

    # /usr/local/apache/bin/apachectl start
    

    エラーが発生した場合は、画面に表示されます。 エラーは、/usr/local/apache/logs/error_logにも書き込まれる場合があります。 問題があった場合は、httpd.confおよびphp.iniを再確認します。

PHPインストールのテスト

PHPのインストールをテストするには、次の手順を実行します。

  1. chap2というサブディレクトリを作成します。 アプリケーション・ファイル用のディレクトリを作成し、新しく作成したディレクトリに変更するには、コマンド・ウィンドウに次のコマンドを入力します。

    Windowsの場合:

    mkdir "c:\program files\Apache Group\Apache2\htdocs\chap2"
    cd c:\program files\Apache Group\Apache2\htdocs\chap2
    

    Linuxの場合:

    mkdir $HOME/public_html/chap2
    cd $HOME/public_html/chap2
    

    別の場所にファイルを作成する場合は、作業ディレクトリ名およびURLと一致するように、ファイルの編集および実行の手順を変更する必要があります。

  2. 次のHTMLテキストを含むhello.phpというファイルを作成します。

    <?php
      echo "Hello, world!";
    ?>
    
  3. Webブラウザを開き、次のURLを入力します。

    Windowsの場合:

    http://localhost/chap2/hello.php
    

    Linuxの場合:

    http://localhost/~<username>/chap2/hello.php
    

    ブラウザに「Hello, world!」という行が表示されます。

    chap2_hello_001.gifの説明が続きます。
    chap2_hello_001.gifの説明