Oracle Databaseに接続するJavaアプリケーションを開発するには、必要に応じていくつかのコンポーネントをインストールしておく必要があります。この章では、次の項目について説明します。
サンプル・アプリケーションを開発するには、次の製品およびコンポーネントをインストールする必要があります。
次の項目では、これらの要件について詳細に説明します。
Javaアプリケーションを作成するには、Oracle DatabaseサーバーをHR
スキーマ(データベースに付属)とともに有効にインストールする必要があります。クライアントのインストールを選択した場合、Oracle Databaseクライアントをインストールする前に、Oracle Databaseサーバーをインストールする必要があります。インストールにより、Oracle Databaseインスタンスが作成され、このデータベースを管理するためのツールが提供されます。サーバーのインストールは、プラットフォーム固有です。詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
HR
ユーザー・アカウント(このマニュアルのJavaアプリケーションで使用するサンプルHRスキーマの所有者)は、最初はロックされています。HR
としてログインするには、まず管理権限を持つユーザー(SYS
)としてログインし、アカウントのロックを解除する必要があります。
データベースがローカルにインストールされている場合は、コマンド・プロンプトまたはコンソール・ウィンドウを使用して、次のようにアカウントのロックを解除します。
DBA権限を持つユーザーとしてSQL*Plusにログインします。次に例を示します。
> SQLPLUS SYS/ AS SYSDBA
Enter password: password
次のコマンドを実行します。
> PASSWORD HR Changing password for HR New password: password Retype new password: password
> CONNECT HR
Enter password: password
データベースに接続したことを示すメッセージが表示されます。
注意: Oracle Databaseでのセキュアなパスワードの作成および使用の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 |
また、HR
スキーマにある制約およびトリガーの一部は、このマニュアルで作成するJavaアプリケーションの目的に合っていません。次のSQL文を使用して、これらの制約およびトリガーを削除する必要があります。
DROP TRIGGER HR.UPDATE_JOB_HISTORY; DROP TRIGGER HR.ADD_JOB_HISTORY; DROP TRIGGER HR.SECURE_EMPLOYEES; ALTER TABLE EMPLOYEES DROP CONSTRAINT JHIST_EMP_FK; DELETE FROM JOB_HISTORY;
Oracle Databaseクライアントのインストールは任意ですが、インストールすることをお薦めします。Oracle Databaseクライアントをコンピュータにインストールすると、そのシステムからOracle Databaseに簡単にアクセスできます。インストールには、次の開発ツールも含まれます。
クライアントのインストールは、プラットフォーム固有です。クライアントのインストールの詳細は、次のOracle Databaseクライアント・インストレーション・ガイドを参照してください。
『Oracle Database Clientインストレーション・ガイド 11gリリース2(11.2)for Linux』
『Oracle Database Clientインストレーション・ガイド 11g リリース2(11.2)for Microsoft Windows』
Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、Java 2 Platform, Standard Edition, Software Development Kit(J2SE SDK)(以前のJava Development Kit(JDK))がすべて必要です。データベースにアクセスするアプリケーションを作成およびコンパイルするには、J2SEに付属のJDBC APIがすべて必要です。このダウンロードには、Java Runtime Environment(JRE)も含まれています。
注意:
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関連項目:
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アプリケーションの開発を簡単にするため、統合開発環境(IDE)でアプリケーションを開発することができます。このマニュアルでは、Oracle JDeveloperを使用して、このアプリケーションのファイルを作成します。JDeveloperのインストールの詳細は、「Oracle JDeveloperのインストール」を参照してください。
このマニュアルで開発するサンプル・アプリケーションは、JavaServer Pages(JSP)テクノロジを使用して情報を表示し、ユーザーからの入力を受け入れます。これらのページをデプロイするには、サーブレットおよびJSPコンテナを使用するWebサーバー(Apache Tomcatアプリケーション・サーバーなど)が必要です。
このマニュアルでは、JSPページのデプロイに、JDeveloperの Oracle WebLogicサーバーという埋込みサーバーを使用します。Oracle JDeveloperをインストールしない場合でも、任意のWebサーバーを使用してJSPページをデプロイできます。
JDeveloperでは、次の本番アプリケーション・サーバーへの直接デプロイメントがサポートされています。
これらのサーバーの詳細は、ベンダー固有のドキュメントを参照してください。
Oracle Databaseクライアントのインストールは、プラットフォーム固有です。サンプル・アプリケーションの作成に進む前に、クライアントのインストールが成功したことを検証する必要があります。この項では、Oracle Databaseクライアントのインストールを検証する手順について説明します。
Oracle Java製品をインストールすると、次のディレクトリが作成されます。
表2-1に示すディレクトリがORACLE_HOME
ディレクトリ内に作成されているどうかを確認します。
表2-1 ORACLE_HOMEディレクトリ内のディレクトリおよびファイル
ディレクトリ | 説明 |
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このファイルには、ドライバに関する最新情報およびリリース固有の情報が含まれています。これらの情報は、製品の他のドキュメントには含まれていない場合があります。 |
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このディレクトリには、 |
注意: SunのWebサイトからもこれらのファイルを入手できます。しかし、Oracleドライバでテスト済のOracle提供のファイルを使用することをお薦めします。 |
この項では、JDBC Thinドライバに対して設定する必要がある環境変数について説明します。インストールされているJDBC Thinドライバをクラスパスに設定する必要があります。JDK 5の場合、次の値をCLASSPATH
変数に設定する必要があります。
ORACLE_HOME
/jdbc/lib/ojdbc5.jar
ORACLE_HOME
/jlib/orai18n.jar
CLASSPATH
変数に設定したJDBCクラス・ファイル(ojdbc6.jar
など)とグローバリゼーション・クラス・ファイル(orai18n.jar
)は1つのみであることを確認します。
Oracle Database 11gリリース1を起動し、次のように、データベースでのJDBCサポートの詳細を確認します。
> java -jar ojdbc6.jar Oracle 11.1.0.0. JDBC 4.0 compiled with JDK6
また、OracleDatabaseMetaData
クラスのgetDriverVersion
メソッドをコールすることによって、インストールしたJDBCドライバのバージョンを確認できます。
注意: JDBC Thinドライバでは、データベースがインストールされているコンピュータでTCP/IPリスナーが実行されていることが必要です。 |
例2-1に、ドライバ・バージョンを確認する方法を示します。
例2-1 JDBCドライバ・バージョンの確認
import java.sql.*; import oracle.jdbc.*; import oracle.jdbc.pool.OracleDataSource; class JDBCVersion { public static void main (String args[]) throws SQLException { OracleDataSource ods = new OracleDataSource(); ods.setURL("jdbc:oracle:thin:hr/hr@localhost:1521/XE"); Connection conn = ods.getConnection(); // Create Oracle DatabaseMetaData object DatabaseMetaData meta = conn.getMetaData(); // gets driver info: System.out.println("JDBC driver version is " + meta.getDriverVersion()); } }
このマニュアルでは、JDBCを使用するサンプルJavaアプリケーションを作成するための統合開発環境(IDE)として、Oracle JDeveloperリリース11.1.1を使用します。このリリースのJDeveloperは、Microsoft Windows Vista、Windows XP、Windows 2003、Windows 2000、LinuxおよびMac OS Xオペレーティング・システムでサポートされています。JDeveloperのインストールの詳細は、Oracle Technology Networkの次の場所からオンラインで入手できるOracle JDeveloperインストレーション・ガイド リリース11.1.1.0.0に記載されています。
http://download.oracle.com/docs/cd/E12839_01/install.1111/e13666/toc.htm
このマニュアルでは、JDeveloperのシステム要件やサポートされているプラットフォームへのJDeveloperのインストールについて詳細に説明しています。また、Oracle Technology Networkの次の場所からオンラインで入手できるJDeveloper 11gリリース・ノートも参照する必要があります。
http://www.oracle.com/technology/products/jdev/htdocs/11/index.html
JDeveloper 11.1.1には2つのエディションがあります。Studio Editionには、このマニュアルで作成するマスター・ディテール・アプリケーションの開発に必要なOracle ADFが含まれています。
JDeveloper Studio Editionの基本インストールまたは完全インストールをインストールします。完全インストールには、JDeveloper以外に、必要なバージョンのJava、専用のOracle Java Virtual Machine for JDeveloper(OJVM)およびオンライン・ドキュメントが含まれているため、ダウンロードされるファイル・サイズが大きくなります。迅速にダウンロードするには、JDeveloperの基本インストールをインストールします。
基本インストールをインストールする場合、マシン上にJ2EEバージョン1.6.0_05が必要です。完全インストールをインストールする場合、このJ2EEは含まれています。インストール・プロセスの概要は、次のとおりです。
Oracle Technology Networkの次の場所から、JDeveloperバージョン11.1.1 Studio Editionをダウンロードします。
http://www.oracle.com/technology/software/products/jdev/htdocs/soft11.html
基本インストール(jdevjavabase11110.zip
)、または完全インストール(jdevstudio11110install.exe
)をダウンロードします。すべての機能を使用するには、Studio Editionをダウンロードすることをお薦めします。
基本インストール用インストーラを起動するには、コマンドラインで次のコマンドを入力します。
java -jar jdevstudio11110install.jar
完全インストール用インストーラを起動するには、jdevstudio11110install.exe
をダブルクリックして、指示に従います。
注意: Middleware Homeディレクトリを選択する場合は、空白を含まないディレクトリを選択してください。たとえば、Middleware HomeとしてC:\Program Files を使用しないでください。 |
以前に指定したJDKの場所を変更するには、jdev.conf
ファイルを変更する必要があります。<install_dir>
/jdeveloper/jdev/bin/jdev.conf
ファイル内のSetJavaHome
変数を、Javaをインストールした場所に設定します。ここで、<install_dir>
はMiddleware Homeディレクトリを表しています。たとえば、UNIX環境で、JDKが/usr/local/java
という名前のディレクトリ内にある場合、jdev.conf
内のエントリは次のようになります。
SetJavaHome /usr/local/java
この他に実行する必要がある作業は、すべてのJDeveloperファイルの読取り権限を設定することと、すべてのユーザーに、JDeveloperディレクトリにあるファイルに対する書込み権限と実行権限を付与することです。
基本インストールを使用する場合は、さらにいくつかの設定作業があります。JDeveloper構成ファイルにJavaのインストール先を設定する、オプションでOJVMをインストールする、オンライン・ドキュメントをローカルで使用できるようにダウンロードする、などです。
関連項目:
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Windows上でJDeveloperを起動するには、「スタート」をクリックして「すべてのプログラム」を選択し、「Oracle Fusion Middleware」を選択してから、「JDeveloper Studio 11.1.1.0.0」を選択します。また、<install_dir
>\jdeveloper\jdev\bin\jdevw.exe
ファイルを実行することもできます。内部診断情報を表示するためにコンソール・ウィンドウを使用するには、jdevw.exe
ではなく、同じディレクトリ内のjdev.exe
ファイルを実行します。
その他のプラットフォームでJDeveloperを起動するには、<install_dir
>/jdeveloper/jdev/bin/jdev
ファイルを実行します。