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Oracle® Spatialトポロジおよびネットワーク・データ・モデル開発者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B72088-04
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トポロジ・データ・モデルおよびネットワーク・データ・モデルの新機能

ここでは、Oracle Spatialのトポロジ・データ・モデルおよびネットワーク・データ・モデルについて、Oracle Databaseリリース11の新機能および変更された機能について説明します。

リリース11.2の変更内容

ここでは、Oracle Spatialのトポロジ・データ・モデルおよびネットワーク・データ・モデルについて、Oracle Database 11g リリース2(11.2)の新機能および変更された機能について説明します。

Java APIにおける新しいネットワーク分析機能

oracle.spatial.network.lodNetworkAnalystクラスには、新しいメソッドが多数含まれています。このクラスは、分析に対するネットワーク・データ・モデルのロード・オンデマンド(LOD)方式によってサポートされているすべてのネットワーク分析操作へのシングル・エントリ・ポイントです。新しいメソッドは次のとおりです。

  • 階層最短パス分析(NetworkAnalyst.shortestPathHierarchical)は、複数のリンク・レベルを持つネットワークの階層最短パス分析をサポートしています。

  • 最短パスA*分析(NetworkAnalyst.shortestPathAStar)は、ユーザー定義のヒューリスティックなコスト機能を持つA*最短パス・アルゴリズムをサポートしています。ほとんどのノードは探索されないため、ダイクストラ法よりもパフォーマンスが向上します。

  • ネットワーク上の操作として、ネットワーク・バッファ・ゾーン(NetworkAnalyst.networkBuffer)(影響範囲とも呼ばれる)がサポートされています。カバレッジおよびコスト情報が含まれています。

  • TSP(巡回セールスマン問題)の分析(NetworkAnalyst.tsp)は、すべての指定されたノードを含む最低コスト・ツアーをサポートしています。閉じたツアーおよび開いたツアーの両方をサポートしています(開始または終了(あるいはその両方)は固定)。

  • 最低コスト・スパニング・ツリー分析(NetworkAnalyst.mcst)は、最低リンク・コストの合計を持つリンクを検出して、すべてのノードを接続します。

  • 最低コスト・ポリゴン生成(NetworkAnalyst.withinCostPolygon)は、最低コスト・ネットワーク・カバレッジに基づいた空間表現(ポリゴン)を提供します。たとえば、運転時間ポリゴンは、移動時間をリンク・コストとして使用する空間表現の1つです。

  • K最短パス分析(NetworkAnalyst.kShortestPaths)は、2つのノード間のk最短パスを検出します。

サポートされているすべてのパッケージおよびクラスの関連情報(Javadoc)は、『Oracle Spatial Java APIリファレンス』を参照してください。ネットワーク・データ・モデルJava APIは、5.11.2項を参照してください。

べき乗則(スケールフリー)ネットワーク

新しいSDO_NET.LOGICAL_POWERLAW_PARTITIONプロシージャ(6章を参照)は、論理的なべき乗(スケールフリーとも呼ばれる)ネットワークをパーティション化し、パーティション表に情報を保存します。(べき乗則ネットワークでは、ノードの度数の値に、べき乗則情報が含まれます。)

空間ネットワークの新しい機能

次の新しいファンクションは、空間(LRSを含む)ネットワークとともに使用できます。

  • SDO_NET.GET_PERCENTAGEは、点ジオメトリの、リンクの線ストリング・ジオメトリに沿った距離の割合を戻します。

  • SDO_NET.GET_PTは、リンクの線ストリング・ジオメトリに沿った、指定された割合の距離に存在する点ジオメトリを戻します。

これらの機能については、第6章を参照してください。

その他の新しいサブプログラム

SDO_NET.GENERATE_NODE_LEVELS (第6章を参照)は、指定した階層(マルチレベル)ネットワークのノード・レベルを生成し、その情報を表に格納します。

既存のサブプログラムの変更内容

既存のサブプログラムの重要な変更内容(第6章を参照)は次のとおりです。

ネットワーク・メタデータ・ビューの変更内容

NODE_LEVEL_TABLE_NAME列がUSER_SDO_NETWORK_METADATAおよびALL_SDO_NETWORK_METADATAビューに追加されています(5.10.1項を参照)。

リリース11.1の変更内容

ここでは、Oracle Spatialのトポロジ・データ・モデルおよびネットワーク・データ・モデルについて、Oracle Database 11g リリース1(11.1)の新機能および変更された機能について説明します。

ロード・オンデマンド分析およびネットワークのパーティション化

ネットワーク分析を実行するために、ネットワークをパーティション化して、ネットワーク分析中に必要なパーティションを必要なときに自動的にロードできるオプションが提供されるようになりました。この方法は、以前にネットワークの編集と分析をするために使用していたインメモリー方式を補うものです。


注意:

インメモリー方式は、次のリリースのSpatialでは非推奨になる予定です。今後の開発では、インメモリー方式のかわりに使用が推奨されているロード・オンデマンド方式が強化されます。

ロード・オンデマンド方式では、最初にネットワークを管理可能なサイズのパーティションにパーティション化し、ロード・オンデマンドJava APIを使用して分析を実行しますが、これにより、分析中に必要なパーティションが自動的にロードおよびアンロードされます。この方式により、Spatialは、重大な要因となるメモリー制限の影響を受けずに非常に大規模なネットワークでネットワーク分析を実行することができます。

ロード・オンデマンド分析およびネットワークのパーティション化については、5.7項を参照してください。

サブパス

サブパスは、パスに沿った部分的なパスであり、ネットワーク分析操作の結果として作成されたり、ユーザーによって明示的に作成されます。サブパスの開始点および終了点は、リンクの索引と、パスにおける次のノードまでの距離の割合として定義されます。サブパスについては、5.3.1項を参照してください。

ユーザー・データのサポート

ユーザー独自のデータはユーザー・データ・メタデータ・ビューで定義することができ、Spatialによりユーザー・データと接続性情報が管理されます。各ユーザー・データ・エントリは、ノード表、リンク表、パス表およびサブパス表に列として格納されます。Spatialでは現在、VARCHAR2、INTEGER、NUMBER、SDO_GEOMETRYなどの単純なデータ型をサポートしています。

SDO_NET.GENERATE_PARTITION_BLOBSDO_NET.GENERATE_PARTITION_BLOBSおよびSDO_NET.GET_PARTITION_SIZEの各サブプログラムのinclude_user_dataパラメータに関する情報を参照してください。

ネットワーク分析用のXML API

ネットワーク・データ・モデルのXML APIを使用してネットワーク分析を実行できます。Webサービス・リクエストは、Oracle SpatialのWebサービス(『Oracle Spatial開発者ガイド』を参照)を介してサポートされます。

ネットワーク・データ・モデルのXML APIのXMLスキーマについては、次のファイルを参照してください。

$ORACLE_HOME/md/doc/sdondmxml.zip