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Oracle® Airlines Data Model実装およびオペレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B72456-01
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A Oracle Airlines Data Modelウェアハウスのサイズ設定および構成

この付録では、Oracle Airlines Data Modelウェアハウスのサイズ設定および構成について説明します。この付録には、次の項があります。

Oracle Airlines Data Modelウェアハウスのサイズ設定

企業は、より迅速により多くの情報を求め、エンタープライズ・データ・ウェアハウス(EDW)から常に拡大する一連のユーザーおよびアプリケーションに至るまで分析を行っています。この需要の増加に対応していくため、EDWはほぼリアルタイムで高可用性を実現する必要があります。データ・ウェアハウスの設計または実装に関係なく、優れたパフォーマンスの最初の秘訣は、使用するハードウェア構成にあります。これは、市場のデータ・ウェアハウス・アプライアンスの数の最近の増加から何よりも明白です。

ただし、このようなシステムのサイズ設定はどうすればよいでしょうか。システムに必要なスループット量および構成の個々のCPUまたはコアで実行できるスループット量を最初に理解する必要があるため、最優先の課題は、データ・ウェアハウスのデータベース領域要件を計算することです。

データ・ウェアハウス環境には、2つのデータ量の見積もりリソースがあります。

Oracle Airlines Data Modelウェアハウスのデータ量の計算を行う場合の計算要素

データ量の計算を行う場合、次の計算要素を検討します。

Oracle Airlines Data Modelウェアハウスの最小ディスク領域要件を決定する式

Oracle Airlines Data Modelウェアハウスの最小ディスク領域要件を決定するため、「Oracle Airlines Data Modelウェアハウスのデータ量の計算を行う場合の計算要素」に概説された要素に基づいて、次の式を使用します。

ディスク領域の最小要件 = RAWデータ・サイズ * データベース領域要素 * (1+GrthperY)nY*OSおよびファイル・システム要素 * 圧縮要素 * ストレージ冗長要素

説明:

Oracle Airlines Data Modelのバランスのとれたシステムの構成

多くのデータ・ウェアハウス操作は、大規模な表スキャンおよび大量のランダムI/Oを実行する他のI/O集中型操作に基づいています。最適なパフォーマンスを達成するため、ハードウェア構成のサイズをエンド・ツー・エンドで設定して、このレベルのスループットを維持する必要があります。このタイプのハードウェア構成は、バランスのとれたシステムと呼ばれます。バランスのとれたシステムでは、CPUからディスクに至るまでのすべてのコンポーネントをまとめて編成して、利用可能な最大のI/Oスループットを保証します。データ・ウェアハウスの設計者および管理者は、I/Oのパフォーマンスを常に考慮します。データ・ウェアハウスにおける典型的なワークロードとして特にあげられるのは、I/Oの集中です。I/Oの集中は、大量のデータ・ロード、索引の構築、マテリアライズド・ビューの作成、大量のデータに対する問合せなどの操作で発生します。データ・ウェアハウスの基礎となるI/Oシステムを設計して、これらの厳しい要件を満たします。

バランスのとれたシステムを作成するには、次の質問に回答します。

各コンポーネントにはバランスのよくとれたI/Oシステムにするために十分なI/Oバンド幅が提供される必要があります。

次のトピックでは、Oracle Airlines Data Modelのバランスのとれたステムの構成について説明します。

Oracle Airlines Data Modelウェアハウスの高いスループットの維持

データのサイズが大規模であるため、データ・ウェアハウスに必要とされるハードウェア構成とデータ・スループットは一意です。データ・ウェアハウスのハードウェア構成のサイズ設定を開始する前に、最も高いスループット要件を見積もり、現在または提案済のハードウェア構成で必要なパフォーマンスを提供できるかどうかを決定します。スループットを見積もる場合、次の基準を使用します。

  • ピーク時に問合せによりアクセスされるデータ量および許容できるレスポンス時間。

  • 一定期間内にロードされるデータ量。

容量ではなくバンド幅のOracle Airlines Data ModelのI/Oの構成

計算されたデータ量と最も高いスループット要件に基づいて、時間単位でバックエンドETLプロセスおよびフロント・エンド・ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションとともにI/Oスループットを見積もることができます。通常、コアごとのI/Oスループットの秒単位の約200MBの値は、バランスのとれたシステムを設計するための適切な計画値です。I/Oパスのすべての後続の重要なコンポーネント、ホスト・バス・アダプタ、ファイバ・チャネル接続、スイッチ、コントローラおよびディスクのサイズを適切に設定する必要があります。

Oracle Real Application Cluster(Oracle RAC)のデータ・ウェアハウスを実行する場合、I/Oサブシステムのスループットと同じように慎重にクラスタ・インターコネクトのサイズを設定することは重要です。

データ・ウェアハウスのストレージ・サブシステムを構成する場合、単純、効率的、高可用性およびスケーラブルにする必要があります。これを達成する簡単な方法は、S.A.M.E(Stripe and Mirror Everything)方法を適用することです。S.A.M.Eは、ハードウェア・レベルまたはOracle ASM(Automatic Storage Management)の使用あるいは両方の組合せで実装できます。I/Oシステムのサイズ設定に関する変数は数多くありますが、基本的な経験則として、データ・ウェアハウス・システムでパフォーマンスを最適化するには、CPUごとに複数のディスク(各CPUに少なくとも2台のディスク)が必要というルールがあります。

Oracle Airlines Data Modelの拡張計画

データ・ウェアハウスの設計者は、データ・ウェアハウスの将来的な拡張を考慮して計画を立てます。システムの拡張に対応するためのアプローチは複数ありますが、特に考慮する必要があるのは、I/O帯域幅を損うことなくI/Oシステムを拡張できるようにすることです。たとえば、20台のディスクで構成された既存のシステムに4台のディスクを追加し、4台の新しいディスクのみにわたってストライプ化された表領域を追加しても、データベースを拡張できません。より適切な解決策は、24台のディスクすべてにわたってストライプ化された表領域を新たに追加し、20台のディスクにストライプ化された既存の表領域を、24台のディスクすべてにストライプ化されるように徐々に変換していくことです。

Oracle Airlines Data Modelウェアハウスを作成する前のI/Oシステムのテスト

新しいシステムにデータ・ウェアハウスを構築する際は、すべてのデータベース・データ・ファイルを作成する前にI/O帯域幅をテストして、必要なI/Oレベルを達成できるかどうかを調べます。ほとんどのオペレーティング・システムでは、サイズの大きいテスト・ファイルの読取り/書込みパフォーマンスを計測する単純なスクリプトで、テストを実行できます。

Oracle Airlines Data Modelのバランスのとれたハードウェア構成のガイドライン

バランスのとれたハードウェア構成には、次のヒントを参照できます。

  • 全体のスループット = コア数 X 100-200MB(チップ・セットに依存)

  • 全体のホスト・バス・アダプタ(HBA)のスループット = 全体のコア・スループット


    注意:

    全体のコア・スループットが1.6GBの場合、4つの4GビットHBAが必要です。

  • HBAポートごとに1つのディスク・コントローラを使用します(スループット量を同じにする必要があります)。

  • スイッチは、HBAおよびディスク・コントローラの機能が必要です。

  • コントローラごとに最大10個の物理ディスクを使用します(つまり、小さいドライブ146または300GBを使用します)。

  • コアごとに最小4GBのメモリー(圧縮を使用する場合は8GB)を使用します。

  • インターコネクト・バンド幅は、I/Oバンド幅(インフィニバンド)と同じです。

現在、OracleのOracle Database 11gリリース2の業界標準ハードウェアを結合したOracle Database Machine, Exadataおよび高速の様々なデータベース・マシンを作成するOracle Exadata Storage Server Softwareが用意されています。すべてのデータ管理、特にデータ・ウェアハウスに対する完全にスケーラブルで耐障害性のあるパッケージです。

また、顧客によってOracleデータ・ウェアハウスの設計およびデプロイのリスクを回避できる一連のOptimized Warehouse Reference Configurationsもあります。広範囲の現場経験および専門知識を利用して、Oracleおよびハードウェア・パートナは、様々なサイズ、ユーザー集団およびワークロードをサポートできる選択可能なデータ・ウェアハウス参照構成を開発しました。これらの構成は高速で信頼性があり、数十から数千のユーザーをサポートする単一のサーバーおよびクラスタ化されたサーバーで500GBから100TBを超えるサイズを簡単に設定できます。