この章では、デフォルトの事前構成済データベースについてのOracle Databaseのアカウント、パスワード、ファイルの場所などの情報を提供します。内容は次のとおりです。
次の手順を使用して、Oracle Universal Installerで、Oracle Databaseインストールの内容とディレクトリの場所を確認できます。
次のコマンドを実行してOracle Universal Installerを起動します。
$ ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
「ようこそ」画面で「インストールされた製品」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを表示します。
インストールした内容を確認するには、リストからOracle Database製品を選択します。
インストールした製品の詳細情報を見るには、「詳細」をクリックします。
「閉じる」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを閉じます。
Oracle Universal Installerを終了するには、「取消」をクリックして、「はい」をクリックして確認します。
インストール時にOracle Enterprise Manager Database Control(Database Control)を構成した場合は、それをデータベースの管理に使用できます。Oracle Enterprise Manager Grid Controlを使用してデータベースを管理することもできます。Database Controlの表示方法は次のとおりです。
最初に、次のコマンドを使用してDatabase Controlのステータスを確認します。
emctl status dbconsole
Webブラウザを使用して、次のDatabase ControlのURLにアクセスします。
https://host:port/em
各項目の意味は次のとおりです。
hostは、Oracle Databaseをインストールしたコンピュータ名です。
portは、インストール時にDatabase Control用に予約されたポート番号です。
使用する正しいポート番号がわからない場合は、$ORACLE_HOME/install/portlist.ini
ファイルの次の行を確認してください。
Enterprise Manager Console HTTP Port (db_name) = 1158
インストール時には、5500から5519までのうち、空いている最初のポートを予約します。たとえば、ホストmgmt42
にOracle Databaseをインストールし、Database Controlがポート1158を使用していた場合は、次のURLを使用します。
https://mgmt42:1158/em
Oracle Enterprise ManagerにDatabase Controlのログイン・ページが表示されます。
ユーザー名SYSTEM
を使用してデータベースにログインし、SYSDBA
として接続します。Oracle Enterprise Managerで「データベース・ホーム」ページが表示されます。
インストール時にSYSTEM
アカウントに対して指定したパスワードを使用してください。
注意: SYS 、SYSTEM またはSYSMAN の各アカウントを使用してもDatabase Controlにログインできます。また、他のデータベース・ユーザーにログイン権限を付与することもできます。SYS としてログインする場合、SYSDBA として接続する必要があります。 |
関連項目: Oracle Enterprise Manager Database Controlの詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の第3章「データベース管理の概要」を参照してください。 |
SYSMAN
ユーザー・アカウントを使用してOracle Enterprise Manager Database Controlにログインする場合、Oracle Enterprise Managerスーパーユーザーとしてログインします。SYSMAN
アカウントにはロールおよび権限が自動的に付与されます。これらはDatabase Controlで提供されているすべての管理機能へのアクセスに必要です。
Database Controlへのログインには、SYS
およびSYSTEM
アカウントを使用することもできます。また、次のとおりログイン権限を他のデータベース・ユーザーに付与することもできます。
Database Controlへログインします。
Database Controlホームページの最上部にある「設定」をクリックします。
左ナビゲーション・バーの「管理者」をクリックします。
「作成」をクリックしてEnterprise Managerユーザーを作成します。
「名前」フィールドに既存のデータベース・ユーザー名を入力するか、検索アイコンをクリックしてウィンドウでユーザーを選択します。
「電子メール・アドレス」フィールドに、1つ以上の電子メール・アドレスを指定します。
「管理者権限」リストで、「すべてのターゲットで表示」、「すべてのターゲットで完全」、「スーパー管理者」、のいずれかを選択します。
「SELECT_CATALOG_ROLEの付与」オプションも選択できます。
このユーザー用のパスワードを入力して「確認」をクリックします。
プロパティ・ページで、「終了」をクリックします。
Oracle Enterprise Managerにより指定したユーザーにログイン権限が割り当てられ、このユーザーが管理者の設定ページのEnterprise Managerユーザーのリストに組み込まれます。
この項では、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)インストールの管理について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
Oracle ASMを起動および停止するには、『Oracle Database管理者リファレンス for Linux and UNIX-Based Operating Systems』を参照してください。
Oracle ASMの管理には、次のツールを使用できます。
asmcmd: このコマンドライン・ツールを使用して、Oracle ASMディスク・グループのファイルおよびディレクトリを管理できます。
ASMCA: Oracle Automatic Storage Managementコンフィギュレーション・アシスタント(Oracle ASMCA)は対話型ユーティリティで、Oracle ASMインスタンスの作成または既存Oracle ASMインスタンスのアップグレードを実行できます。
Oracle Enterprise Manager Grid Control: Oracle Enterprise Managerがインストールされている場合は、Grid Controlを使用してOracle ASM機能を管理できます。たとえば、Oracle ASMへの既存のデータベースの移行、Oracle ASMインスタンスのステータス・チェック、Oracle ASMディスク・グループのパフォーマンス・チェック、Oracle ASMディスク・グループの作成または削除などを実行できます。
Oracle Enterprise Manager Database Control: このユーティリティは、Grid Controlと同様の機能を実行できます。
SQL*Plus: Oracle ASM固有のコマンドは、これらのツールのいずれかから実行できます。Oracle ASMインスタンスに接続する場合は、Oracleデータベース・インスタンスへの接続と同じ方法を使用します。
関連項目:
|
SQL文およびPL/SQL文を実行してOracle Databaseにアクセスするには、SQL*Plusを使用できます。このツールを使用すると、同じデータベース管理操作を実行できるだけでなく、データベースに対して直接、データの問合せ、挿入、更新、または削除を行うことができます。
注意:
|
次の文を使用して、SQL*Plusを開始し、SYS
ユーザーとしてログインしてSYSDBA
として接続します。
$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password
たとえば、SYSTEM
としてログオンするには、次のように入力します。
$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYSTEM
Enter password: password
SYS
としてログインする場合、SYSDBA
として接続する必要があります。
$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password
関連項目:
|
SQL文およびPL/SQL文を実行してOracle Databaseにアクセスするには、SQL Developerを使用できます。SQL文およびPL/SQL文は、SQLワークシートからOracle Databaseへ直接渡されるため、すべての文がサポートされます。
SQL Developer用のJDKパスの設定
次の環境変数を設定し、確実に正しいJDKが選択されるようにします。
$ORACLE_HOME
$JAVA_HOME=$ORACLE_HOME/jdk
$PATH=$JAVA_HOME/bin/:$PATH
Java SDKリリース1.5がインストールされている環境でSQL Developerを開始するには、次のコマンドを使用します。
$ORACLE_HOME/sqldeveloper
へ移動します。
$ ./sqldeveloper.sh
を実行します。
「接続」を右クリックします。ダイアログ・ボックスに、接続名、ユーザー名、パスワードを入力し、ホストの文字列には、接続するデータベースの名前を入力し、「接続」をクリックします。
接続が完了すると、接続ナビゲータを使用してデータベース・オブジェクトの表示、作成、変更を行うことができ、SQLワークシートを使用して、任意のSQL文またはPL/SQL文を発行できます。「ツール」メニューから、「SQLワークシート」を選択します。
SQL*Plus文は、データベースに渡される前に、SQLワークシートで解析する必要があります。SQLワークシートは現在、多くのSQL*Plus文をサポートしています。SQLワークシートでサポートされていないSQL*Plus文は無視され、Oracle Databaseに送信されません。
関連項目: 『Oracle SQL Developerユーザーズ・ガイド』のSQLワークシートでサポートされるSQL*Plus文およびサポートされないSQL*Plus文に関する項を参照してください。 |
Database Configuration Assistant(DBCA)によって作成されたすべてのデータベースには、SYS
、SYSTEM
、SYSMAN
およびDBSNMP
データベース・アカウントが含まれています。また、Oracle Databaseには、他の管理アカウントもいくつか用意されています。これらのアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。表6-1では、これらのアカウントとそのユーザー名およびバスワードを示します。
注意: Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、データベース・アカウントの完全なリストを表示します。 |
表6-1 データベース・アカウント
ユーザー名 | 説明 | 関連項目 |
---|---|---|
ANONYMOUS |
HTTPによるOracle XML DBへのアクセスを有効化。 |
『Oracle XML DB開発者ガイド』 |
APEX_030200 |
Application Expressスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。 |
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』 |
APEX_PUBLIC_USER |
Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するApplication Express構成向けに使用される、最も権限の少ないアカウント。 |
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』 |
APPQOSSYS |
Oracle Quality of Service Managementで必要なすべてのデータおよびメタデータの格納および管理に使用されます。 |
なし |
BI |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるBusiness Intelligenceスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
CTXSYS |
Oracle Textアカウント。 |
『Oracle Textリファレンス』 |
DBSNMP |
Oracle Enterprise Managerの管理エージェント・コンポーネントによりデータベースの監視および管理に使用されるアカウント。 |
『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』 |
DIP |
Directory Integration Platform(DIP)でOracle Internet Directoryでの変更をデータベース内のアプリケーションと同期化するために使用されるアカウント。 |
なし |
DVSYS |
このアカウントには2つのロールが関連付けられています。Database Vault所有者ロールは、Database Vaultロールおよび構成を管理します。Database Vaultアカウント・マネージャは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。 注意: Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。Oracle Database Vault Configuration Assistantを使用すると、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。必要な手順は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』の付録Cを参照してください。 |
『Oracle Database Vault管理者ガイド』 |
EXFSYS |
Expression Filterスキーマを所有するアカウント。 |
なし |
FLOWS_FILES |
Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。 |
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』 |
HR |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるHuman Resourcesスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
IX |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるInformation Transportスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
LBACSYS |
Oracle Label Securityの管理者アカウント。 |
『Oracle Label Security管理者ガイド』 |
MDDATA |
Oracle Spatialでジオコーダおよびルーター・データの格納に使用されるスキーマ。 |
『Oracle Spatial開発者ガイド』 |
MDSYS |
Oracle SpatialおよびOracle Multimedia Locatorの管理者アカウント。 |
『Oracle Spatial開発者ガイド』 |
MGMT_VIEW |
Oracle Enterprise Manager Database Controlで使用されるアカウント。 |
なし |
OE |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるOrder Entryスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
ORDPLUGINS |
Oracle Multimediaユーザー。Oracleにより提供されるプラグインおよびサード・パーティのプラグインはこのスキーマにインストールされます。 |
『Oracle Multimediaリファレンス』 |
ORDSYS |
Oracle Multimedia管理者アカウント。 |
『Oracle Multimediaリファレンス』 |
ORDDATA |
このアカウントには、Oracle Multimedia DICOMデータ・モデルが含まれます。 |
『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』 |
OUTLN |
プラン・スタビリティをサポートするアカウント。プラン・スタビリティは、同じSQL文の同じ実行計画の保守を可能にします。OUTLNは、格納されたアウトラインに関連付けられたメタデータを集中的に管理するロールとして機能します。 |
『Oracle Database概要』 |
ORACLE_OCM |
このアカウントには、Oracle Configuration Managerで使用される構成収集向けのインスツルメンテーションが含まれます。 |
『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』 |
OWBSYS |
Oracle Warehouse Builderでデフォルトのリポジトリとして使用されるアカウント。Oracle Databaseのインストール後、Warehouse Builderリポジトリ・アシスタントを起動する前に、このアカウントのロックを解除する必要があります。 |
Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド |
OWBSYS_AUDIT |
Warehouse Builderコントロール・センター・エージェントでOWBSYSスキーマの異機種間実行監査表へのアクセスに使用されます。 |
Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド |
PM |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるProduct Mediaスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
SCOTT |
Oracleサンプル・プログラムおよび例で使用されるアカウント。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
SH |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるSales Historyスキーマを所有するアカウント。Enterprise Editionのインストール中にサンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
SI_INFORMTN_SCHEMA |
SQL/MM Still Image Standardの情報ビューを格納するアカウント。 |
『Oracle Multimediaリファレンス』 |
SPATIAL_CSW_ADMIN_USR |
Catalog Services for the Web(CSW)アカウント。データベースからすべてのレコード・タイプ・メタデータとレコード・インスタンスを、キャッシュされたレコード・タイプのメイン・メモリーにロードするために、Oracle Spatial CSWキャッシュ・マネージャで使用されます。 |
『Oracle Spatial開発者ガイド』 |
SPATIAL_WFS_ADMIN_USR |
Web Feature Service(WFS)アカウント。これは、データベースからすべてのフィーチャタイプ・メタデータとフィーチャ・インスタンスを、キャッシュされるフィーチャ・タイプのメイン・メモリーにロードする場合に、Oracle Spatial WFSキャッシュ・マネージャで使用されます。 |
『Oracle Spatial開発者ガイド』 |
SYS |
データベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
SYSMAN |
Oracle Enterprise Managerデータベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。 |
『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』 |
SYSTEM |
データベース管理タスクの実行に使用される別のアカウント。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
WMSYS |
Oracle Workspace Manager用のメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。 |
『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』 |
XDB |
Oracle XML DBのデータおよびメタデータの格納に使用されるアカウント。 |
『Oracle XML DB開発者ガイド』 |
SYS
、SYSTEM
、SYSMAN
およびDBSMP
を除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に事前定義済データベースを作成しても、必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次のいずれかの方法を使用して解除する必要があります。
注意: Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成している場合は、データベース作成後、Database Configuration Assistantを終了する前に「パスワード管理」をクリックしてアカウントのロックを解除できます。 |
関連項目: セキュアなパスワードの作成方法の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用したロック解除およびユーザー・アカウント・パスワードのリセットの手順は、次のとおりです。
Database Controlへログインします。
「サーバー」をクリックします。
「サーバー」ページの「セキュリティ」セクションで「ユーザー」をクリックします。
Oracle Enterprise Managerにすべてのデータベース・アカウントを含む表が表示されます。「アカウント・ステータス」列は、そのアカウントがロックされているかどうかと、パスワードが期限切れかどうかを示します。
変更するユーザー・アカウントを選択して「編集」をクリックします。
「ユーザー」プロパティ・シートの「一般」ページを使用して、選択したアカウントをロック解除し、必要に応じてパスワードを変更します。
関連項目: 詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。 |
SQL*Plusを使用してロックを解除しユーザー・アカウント・パスワードをリセットする手順は、次のとおりです。
SQL*Plusを起動し、SYS
ユーザーとしてデータベースにログインし、SYSDBA
として接続します。
$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password
次のコマンドを入力します。account
はロックを解除するユーザー・アカウント、password
は新規パスワードです。
SQL> ALTER USERaccount
IDENTIFIED BYpassword
ACCOUNT UNLOCK;
注意: アカウントのロックを解除してもパスワードをリセットしなかった場合、パスワードは期限切れのままとなります。そのユーザーとして最初に接続する際にパスワードを変更する必要があります。 |
関連項目:
|
Oracle Database 11gソフトウェアで、データベースをグローバル・データベース名により識別します。グローバル・データベース名は、データベース名とデータベース・ドメインで構成されます。通常、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じですが、異なる場合もあります。グローバル・データベース名では、あるデータベースが同じネットワーク内の他のデータベースと一意に区別されます。グローバル・データベース名は、インストール時にデータベースを作成するとき、またはDatabase Configuration Assistantを使用するときに指定します。
データベース名入力フィールドを使用して、DB_NAME
、DB_UNIQUE_NAME
およびDB_DOMAIN
Oracle初期化パラメータ値を設定します。
次に例を示します。
sales_world.example.com
各項目の意味は次のとおりです。
sales
_world
はデータベース名です。データベース名(DB_UNIQUE_NAME
)部分は30文字未満の文字列で、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)および番号記号(#)を含めることができますが、アルファベットで開始する必要があります。その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。
sales_wo
はDB_NAME
です。DB_NAME
初期化パラメータによって、最大8文字のデータベース識別子が指定されます。
example.com
は、データベースが位置するデータベース・ドメインです。この例では、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じです。データベース名とデータベース・ドメインの組合せにより、グローバル・データベース名が一意になります。ドメイン部分は128文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)および番号記号(#)を含めることができます。データベース・ドメイン名はDB_DOMAIN
初期化パラメータで指定します。
ただし、DB_NAME
パラメータは必ずしもDB_UNIQUE_NAME
の最初の8文字である必要はありません。
DB_UNIQUE_NAME
パラメータとDB_DOMAIN
名パラメータを組み合せて、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMES
パラメータに割り当てるグローバル・データベース名の値を作成します。
システム識別子(SID
)は、特定のデータベース・インスタンスを識別します。SID
により、あるインスタンスが同じコンピュータ上の他のインスタンスから一意に区別されます。各データベース・インスタンスには一意のSID
とデータベース名が必要です。 ほとんどの場合は、SID
とグローバル・データベース名のデータベース名部分は同じです。
関連項目: 『Oracle Databaseリファレンス』 のDB_UNIQUE_NAME およびDB_NAME |
デフォルトでは、事前定義済データベースはspfile
sid
.ora
という名前のサーバー・パラメータ・ファイルを使用します。このファイルは$ORACLE_HOME/dbs
ディレクトリに格納されます。ただし、データベースのOracle ASMを選択した場合、Database Configuration Assistantは一般的にサーバー・パラメータ・ファイルにも同じ記憶域メカニズムを使用します。
サーバー・パラメータ・ファイルが$ORACLE_HOME/dbs
ディレクトリにない場合、データベースでは初期化パラメータ・ファイルのSPFILE
パラメータを使用して検索します。デフォルト初期化パラメータ・ファイルは $ORACLE_HOME/dbs/init
sid
.ora
です。
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用すると、サーバー・パラメータ・ファイルの場所とすべての初期化パラメータのリストを表示できます。この操作の手順は次のとおりです。
Database Controlへログインします。
「サーバー」をクリックします。
「サーバー」ページの「データベース構成」セクションで、「初期化パラメータ」をクリックします。
Oracle Enterprise Managerに、各初期化パラメータの現行の値を示す表が表示されます。
「SPFile」タブを選択します。
Oracle Enterprise Managerに、サーバー・パラメータ・ファイルに指定されている各初期化パラメータの値を示す表が表示されます。ページの上部に、サーバー・パラメータ・ファイルの場所が表示されます。
次の項では、表領域、データファイル、REDOログ・ファイル、および制御ファイルの情報について説明します。
Oracleデータベースは、表領域と呼ばれる小さい論理領域に分割されています。各表領域は、1つ以上の物理データファイルに対応しています。データファイルには、表や索引など、論理データベース構造の内容が含まれています。各データファイルを関連付けられる表領域およびデータベースは1つのみです。
注意: SYSAUX 表領域およびSYSTEM 表領域は、すべてのOracle Database 11gのデータベースに存在している必要があります。 |
表6-2は、デフォルトの事前定義済データベースが提供する表領域を示しています。
表領域 | データファイル | 説明 |
---|---|---|
|
||
Oracle Databaseに必要な表、ビューおよびストアド・プロシージャの定義を含むデータ・ディクショナリが格納されます。この領域の情報は自動的に保守されます。 |
||
SQL文の処理中に作成された一時表および索引が格納されます。 |
||
|
UNDO情報が格納されます。UNDO表領域には、データベースに対する変更をロールバックまたはUNDOするために使用されるトランザクション履歴を保持する、1つ以上のUNDOセグメントが含まれています。 すべての初期データベースは、自動UNDO管理モードで実行するように構成されます。 |
|
|
データベース・ユーザーにより作成されたデータベース・オブジェクトが格納されます。 |
関連項目: 詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、データベースと関連する表領域で使用されるデータファイルのリストを表示する手順は、次のとおりです。
Database Controlへログインします。
「サーバー」をクリックします。
「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「データファイル」をクリックします。
Oracle Enterprise Managerに、各データファイルと関連する表領域を示す表が表示されます。
表領域の表示、変更および作成にDatabase Controlを使用する方法の詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。
事前定義済データベースは3つのREDOログ・ファイルを使用します。REDOログ・ファイルには、データベース・バッファ・キャッシュ内のデータに対する変更がすべて記録されます。インスタンスに障害が発生すると、Oracle Database 11gではREDOログ・ファイルを使用して、メモリー内で変更のあったデータがリカバリされます。
Oracle DatabaseはREDOログ・ファイルを循環して使用します。たとえば、オンラインREDOログが3つのファイルから構成される場合、Oracle Databaseは最初のファイルの後、2つ目のファイル、3つ目のファイルの順に書込みをします。次の循環では、1つ目のファイルの後、2つ目以降のファイルを再使用して書込みをします。
関連項目: REDOログ・ファイルの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、事前定義済データベースのREDOログ・ファイルを表示または変更する手順は、次のとおりです。
Database Controlへログインします。
「サーバー」をクリックします。
「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「REDOログ・グループ」をクリックします。
Oracle Enterprise Managerに、データベースが使用するREDOログ・グループを示す表が表示されます。
特定のグループに関連付けられたREDOログ・ファイルの名前と位置を表示するには、そのグループを選択して「ビュー」をクリックします。
REDOログ・ファイルの表示、変更および作成にDatabase Controlを使用する方法の詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。
事前定義済データベースは2つの制御ファイルを使用します。データベースごとに2つ以上の制御ファイルを保持し、CONTROL_FILES
初期化パラメータを各制御ファイルが示されるように設定することをお薦めします。
制御ファイルは、管理ファイルの一種です。Oracle Database 11gでは、データベースを起動して実行するために制御ファイルが必要です。制御ファイルは、データベースの物理構造を定義します。たとえば、制御ファイルは、データベース名と、データベースのデータファイルおよびREDOログ・ファイルの名前と場所を定義します。
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、事前定義済データベースの制御ファイルの情報を表示する手順は、次のとおりです。
Database Controlへログインします。
「サーバー」をクリックします。
「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「制御ファイル」をクリックします。
Oracle Enterprise Managerに、データベースが使用する制御ファイルを示す表が表示されます。
Database Controlを使用して、制御ファイルの情報を表示し、そのバックアップを作成して追跡する方法の詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。
関連項目: CONTROL_FILES初期化パラメータ値の設定については、『Oracle Database管理者ガイド』 を参照してください。 |