この項では、このマニュアルに記載された新機能について説明し、詳細の参照先を示します。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)の新機能または拡張機能を次に示します。
Oracle Database 11gリリース2の11.2.0.2パッチ・セットのリリース以降、Oracle Databaseのパッチ・セットはOracle Databaseソフトウェアのフル・インストールになりました。新しいパッチ・セット・パッケージの変更点を次に示します。
前のリリース(11.x、10.x)から最新のパッチ・セットへの直接アップグレードをサポートします。
アウトオブプレース・アップグレードにより、新しい別のOracleホームにパッチ・セットをインストールする方法が、推奨されるベスト・プラクティスです。インプレース・アップグレードはサポートされていますが、推奨されません。
基本リリースをインストールしてから特定のパッチ・リリースへのアップグレードを実行する必要なしに、最新のパッチ・セットをインストールできます。
関連項目:
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Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.1)の新機能または拡張機能を次に示します。
Oracle Grid Infrastructureのインストールが、Oracle Database 11gリリース2で導入されました。単一インスタンスのデータベースの場合、Oracle Grid InfrastructureにはOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)、リスナーおよびOracle Restartが含まれます。Oracle Restartは、Oracle Databaseインスタンス、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスおよびリスナーを含むOracle Database環境を監視および管理し、障害発生時にこれらを自動的に再起動する新しい機能です。クラスタ環境の場合、Oracle Grid InfrastructureにはOracle Clusterware、Oracle ASMおよびリスナーが含まれます。
スタンドアロン・サーバーでOracle Grid Infrastructureを使用する場合は、データベースをインストールする前に、Oracle Grid InfrastructureメディアからOracleソフトウェアをインストールする必要があります。
Oracle Database 11gリリース2では、新しいオプションが導入され、データベースがインストールされるシステム・タイプを指定できます。ラップトップまたはデスクトップにインストールする場合は「デスクトップ・クラス」オプションを選択し、それ以外の場合は「サーバー・クラス」オプションを選択してサーバーにインストールします。これらのオプションは、「サーバー・クラス」画面で使用できます。
いずれかのオプションを選択した後にインストールされるソフトウェアに差異はありませんが、「デスクトップ・クラス」オプションでは、拡張構成オプションなしに単一インスタンス・データベースがインストールされます。
夏時間の変更によってタイムゾーン・バージョン・ファイルが更新されると、TIMESTAMP WITH TIMEZONE(TSTZ)データは古くなります。以前のリリースでは、データベース管理者がSQLスクリプトutltzuv2.sql
を実行してタイムゾーン・バージョンの変更の影響を受けるTSTZデータを検出し、広範囲に及ぶ手順を手動で実行してTSTZデータを更新する必要がありました。
このリリースでは、TSTZデータは、新たに提供されるDBMS_DST PL/SQLパッケージを使用した非常にわずかな手作業で透過的に更新されます。また、クライアントでタイムゾーン・データ・ファイルにパッチを適用する必要がなくなりました。
関連項目:
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Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以降では、Oracle ASM管理はSYSASM
権限を使用して行う必要があります。SYSASM
権限は、Oracle ASMインスタンスでパスワード認証を使用して付与することもできます。
OPERATOR
権限(SYSASM
権限のサブセット、Oracle ASMの起動および停止を含む)は、Oracle ASMグループ用のOSOPER
のメンバーに指定できます。
ASM管理にSYSASM
権限を使用すると、ASM管理とデータベース管理の対象を明確に分離できます。また、オプションで、同じ記憶域を使用する異なるデータベースが互いのファイルを誤って上書きしないようにすることも可能です。
関連項目: SYSASM権限、ASMSNMPアカウントおよびOSASM オペレーティング・システム・グループの詳細は、 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 を参照してください。 |
Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以降では、インストーラ(OUI)によってインストールの最低要件が満たされていないことが検出されると、満たされていない様々なシステム構成要件を解決するために、修正スクリプトと呼ばれるスクリプトが作成されます。OUIで不完全なタスクが検出されたときに「修正および再チェック」ボタンをクリックすると、修正スクリプトが生成されます。
Oracle Clusterwareの場合、クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用してインストール前に修正スクリプトを生成することもできます。
修正スクリプトはインストール時に生成されます。スクリプトをrootとして別のターミナル・セッションで実行するように要求されます。スクリプトを実行すると、必要に応じて一部のシステム・パラメータがOracle推奨値に設定され、他のオペレーティング・システムの構成タスクが完了します。
Oracle Universal Installerでは、個別のコンポーネントのカスタム・インストール・オプションを提供しなくなりました。chopt
ツール(ORACLE_HOME
/bin
ディレクトリにあるコマンドライン・ユーティリティ)を使用して、データベース・オプションを構成します。
新しい削除ツール(deinstall
)は、インストール前にはOracle Technology Networkからダウンロードして、インストール後にはOracleホーム・ディレクトリから使用してOracle Databaseソフトウェアを削除できます。
第7章「Oracle Databaseソフトウェアの削除」を参照してください。
インテリジェント・データ配置機能により、Oracle ASMディスク上のディスク・リージョンを指定して、高いパフォーマンスを提供する一番外側(ホット)のトラックに、頻繁にアクセスされるデータを確実に配置できます。
関連項目: Oracle ASMインテリジェント・データ配置の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
データ・ポンプが提供するレガシー・モードにより、Oracle Data Pumpのエクスポートおよびインポート操作の際、元のエクスポートおよびインポート・パラメータを使用できます。
関連項目: データ・ポンプのレガシー・モードの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。 |
Oracle Restartはこのリリースに含まれる新機能です。この機能により、単一インスタンス環境でのOracleデータベースの可用性が向上します。Oracle Restartをインストールした場合、データベース、リスナーおよびOracle ASMインスタンスを含めて、Oracle Databaseソフトウェア・スタックの一部で一時的な障害が発生した場合、Oracle Restartにより障害の発生したコンポーネントが自動的に再起動されます。また、データベース・ホスト・コンピュータの再起動の際、これらのすべてのコンポーネントがOracle Restartにより起動されます。コンポーネントは、コンポーネント間の依存性も考慮に入れて適切な順序で起動されます。
関連項目: Oracle Restartの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の第4章「Oracleデータベースの自動再起動の構成」を参照してください。 |
過去のリリースでは、Oracle ASMのインストールは、Oracle Databaseインストールの一部として実行されました。Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以降では、Oracle ASMのインストールは、Oracle Grid Infrastructureコンポーネントをインストールする際に実行され、Oracle Real Application Cluster(Oracle RAC)などでクラスタにインストールされる場合はOracle Clusterware、単一インスタンス・データベースの場合はOracle RestartとOracleホームを共有します。
既存のOracle ASMをアップグレードする場合は、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle ASMをアップグレードする必要があります。Oracle ASMがインストールされていない場合、Oracle ASMを記憶域オプションとして使用するには、Oracle Databaseのインストールを開始する前に、Oracle Grid Infrastructureのインストールを完了してください。
SRVCTLが拡張され、スタンドアロン・サーバーおよびOracle Clusterwareを使用したクラスタで、Oracle Restartを備えた単一インスタンス・データベースがサポートされています。SRVCTLは、Oracle Restartを使用する際に、Oracleプロセス(データベース・インスタンス、リスナー、Oracle ASMインタフェース)を管理するために使用するコマンドライン・インタフェースです。SRVCTLを使用すると、Oracle Restart構成の管理、Oracle Restartで管理されるプロセスのステータスの確認、およびOracle Databaseなどのプロセスの開始や停止が可能です。
関連項目: SRVCTLコマンドの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の第4章「Oracleデータベースの自動再起動の構成」を参照してください。 |