このマニュアルには、Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)をインストールするために必要な情報が含まれています。Oracle Database Clientをインストールするプラットフォームに関連した情報を必ず確認してください。
この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。作業の内容は次のとおりです。
Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとしていくつかの作業を完了する必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のいずれかを実行します。
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注意: サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、Xターミナル、またはXサーバーがインストールされているPCやその他システムからソフトウェアをインストールする必要があります。サイレント・モードのインストールの詳細は、付録Aを参照してください。 |
X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。
Xターミナル(xterm)など、ローカル・ターミナル・セッションを開始します。
ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、次のコマンドを入力して、リモート・ホストでのローカルのXサーバーのXアプリケーションの表示を可能にします。
$ xhost fully_qualified_remote_host_name
次に例を示します。
$ xhost somehost.example.com
ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、ssh、rlogin、またはtelnetコマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。
$ telnet fully_qualified_remote_host_name
rootユーザーとしてログインしていない場合は、次のコマンドを入力し、ユーザーをrootに切り替えます。
$ sudo sh password: #
Xサーバー・ソフトウェアがインストールされたPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする場合の手順は、次のとおりです。
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注意: この手順の実行に関する詳細は、必要に応じてXサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。使用しているXサーバーのソフトウェアによっては、別の順序でタスクを実行する必要がある場合があります。 |
Xサーバー・ソフトウェアを開始します。
Xサーバー・ソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成にします。
ソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステム上でXターミナル(xterm)などのターミナル・セッションを開始します。
rootユーザーとしてリモート・システムにログインしていない場合は、次のコマンドを入力し、ユーザーをrootに切り替えます。
$ sudo sh password: #
システムは、次のOracle Database Client 11gリリース2の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。
Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)のメモリー要件は次のとおりです。
256MB以上のRAM。
RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/contrib/bin/machinfo | grep -i Memory
RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、インストールを続行する前にメモリーを増設する必要があります。
次の表では、インストールされているRAMと構成済スワップ領域の推奨サイズの関連を示します。
| RAM | スワップ領域 |
|---|---|
| 256MB | RAMのサイズの3倍 |
| 256MBから512MB | RAMのサイズの2倍 |
| 512MBから2GB | RAMのサイズの1.5倍 |
| 2GBから16GB | RAMのサイズと同じ |
| 16GB超 | 16GB |
構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/swapinfo -a
必要に応じて、オペレーティング・システムのドキュメントを参照して追加のスワップ領域の構成方法を確認してください。
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重要:
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Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)のディスク領域要件は次のとおりです。
/tmpディレクトリでのクライアント・インストールの最低ディスク領域要件は、130MBです。
/tmpディレクトリ内の空きディスク領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# bdf /tmp
/tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が要件に満たない場合は、次のいずれかの手順を実行します。
ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。
oracleユーザーの環境を設定するときに、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。
/tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。
システムの空きディスク領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# bdf
次の表に、HP-UX Itaniumシステムの各インストール・タイプでのソフトウェア・ファイルのディスク領域要件を示します。
次の表に、HP-UX PA RISCシステムの各インストール・タイプでのソフトウェア・ファイルのディスク領域要件を示します。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)の最低ディスプレイ要件は、1024x768以上の解像度です。
インストールする製品に応じて、次のソフトウェアがシステムにインストールされているかどうかを確認します。
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注意: Oracle Universal Installerは、システムをチェックして、リストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。 |
Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)には、次に示すバージョン以上のオペレーティング・システムが必要です。
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注意: サポートされているのは、この項に示したディストリビューションおよびバージョンのみです。他のバージョンには、このソフトウェアをインストールしないでください。Oracle Universal Installerでは、システムがリストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。 |
HP-UXシステムの場合:
HP-UX 11i V3パッチ・バンドルSep/2008(B.11.31.0809.326a)以上
インストールされているHP-UXのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。
# uname -a
HP-UX hostname B.11.31 U ia64 4156074294 unlimited-user license
この例では、HP-UXのバージョンは11.31で、プロセッサはItaniumです。
次のコマンドを使用して、システムがパッチ・バンドル要件を満たしているかどうかを確認します。
# /usr/sbin/swlist -l bundle |grep QPK
QPK(Quality Pack)バンドルのバージョン番号の形式は、B.11.31.0809.326a(September 2008リリースの場合)やB.11.31.0903.334a(March 2009リリースの場合)のようになります。
必要なバンドル、製品またはファイルセットがインストールされていない場合は、それをインストールする必要があります。製品のインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。
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注意: 前の説明でリストされているものより新しいバージョンのパッチがシステムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。 |
次に、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のPro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call InterfaceおよびOracle XML Developer's Kit(XDK)に対するHP-UXシステムのコンパイラ要件を示します。
HP-UX PA RISCの場合
HP ANSI C B.11.31.04(Swlist Bundle - C.11.31.04)- September 2008
aC++ A.03.85(Swlist Bundle - C.11.31.04)- September 2008
HP-UX Itaniumの場合
使用するコンポーネントに応じて、次のソフトウェアがインストールされていることを確認する必要があります。
Oracle Java Database ConnectivityおよびOracle Call Interfaceドライバでは、JNDI拡張機能を提供するJDK 6(HPUX JDK 6.0.05)またはJDK 5(HPUX JDK 5.0.15)を使用します。ただし、これらはデータベース・インストールの要件ではありません。このリリースでは、JDK 1.5がインストールされています。
HP-UX Itaniumでは、Oracle ODBCドライバはODBCドライバ・マネージャ2.2.14について動作保証されています。ドライバ・マネージャは次のリンクからダウンロードしてインストールできます。
Oracle Databaseのインストールには、ODBCドライバ・マネージャは必須ではありません。
ODBCを使用するには、gcc 4.2.3以上もインストールする必要があります。
Oracle ODBCは、HP-UX PA-RISCシステムではサポートされていません。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降、64ビット・クライアント・ソフトウェアに32ビット・クライアント・バイナリは含まれません。64ビット・プラットフォーム上で32ビット・クライアント・バイナリが必要な場合は、それぞれの32ビット・クライアント・ソフトウェアから32ビット・バイナリを別々のOracleホーム内にインストールします。
Oracle Databaseのインストールには、Webブラウザは必須ではありません。ただし、ドキュメントにアクセスしたり、Oracle Enterprise Manager Database ControlおよびOracle Application Expressを使用するには、ブラウザが必要です。Webブラウザは、JavaScript、HTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。
Oracle Enterprise Manager Database Controlでは次のブラウザをサポートしています。
Microsoft Internet Explorer 10.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.3以上をサポート)
Microsoft Internet Explorer 9.0
Microsoft Internet Explorer 8.0
Microsoft Internet Explorer 7.0 SP1
Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2
Firefox 21.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Firefox 17.0.6 ESR (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Firefox 3.6
Firefox 3.5
Firefox 3.0.7
Firefox 2.0
Safari 4.0.x
Safari 3.2
Safari 3.1
Google Chrome 27.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Google Chrome 4.0
Google Chrome 3.0
Netscape Navigator 9.0
Netscape Navigator 8.1
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関連項目: 『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』 |
次の製品の組合せが動作保証されています。
Pro* COBOL
Micro Focus Server Express 5.1
Pro* FORTRAN
HP FORTRAN/90 - Sep 2008リリース
HP-UXシステム用のOracle Database 11gリリース2(11.2)には、次に示す以上のパッチが必要です。
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注意: リストに記載されているものより新しいバージョンのパッチがシステムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。次の表に記載されているものに優先するパッチの情報は、オペレーティング・システムのベンダーに確認してください。 |
HP-UX Itaniumの場合
| インストール・タイプまたは製品 | 要件 |
|---|---|
| すべてのインストール | HP-UX 11i V3(11.31)の場合:
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| Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) | HP-UX Itanium上のHP-UX 11i V2(11.23)用パッチ:
PHSS_39824: 11.31 HP C/aC++ Compiler (A.06.23) patch |
| VERITAS File System | PHKL_39773: 11.31 VRTS 5.0 GARP6 VRTSvxfs Kernel Patch
注意: VERITAS File Systemはオプションです。このパッチは、VERITAS File System 5.0を使用する場合にのみ必要です。 |
HP-UX PA RISCの場合
| インストール・タイプまたは製品 | 要件 |
|---|---|
| すべてのインストール | HP-UX 11i V3(11.31)の場合:
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| Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) | HP-UX PA-RISC上のHP-UX 11i V3(11.31)用パッチ:
PHSS_39824: 11.31 HP C/aC++ Compiler (A.06.23) patch |
| VERITAS File System | PHKL_39773: 11.31 VRTS 5.0 GARP6 VRTSvxfs Kernel Patch
注意: このパッチには、他の依存性はありません。HP-UX 11.31のSeptember 2009 updateに含まれています。VxFS 5.0がインストールされている場合のみ必要です。 |
システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次のようにします。
Instant Client Lightを使用する場合は、前の項で説明した要件の他に、アプリケーションで次の言語とキャラクタ・セットを使用する必要があります。
言語: Oracleでサポートされる言語
地域: Oracleでサポートされる地域
キャラクタ・セット:
シングルバイト
US7ASCII
WE8DEC
WE8MSWIN1252
WE8ISO8859P1
Unicode
UTF8
AL16UTF16
AL32UTF8
Instant Client Lightは、次のデータベース・キャラクタ・セットのいずれかを備えるデータベースに接続できます。
US7ASCII
WE8DEC
WE8MSWIN1252
WE8ISO8859P1
WE8EBCDIC37C
WE8EBCDIC1047
UTF8
AL32UTF8
言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANG環境変数によって決定されます。
このシステムにOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。
Oracleインベントリ・グループ(通常はoinstall)
Oracle中央インベントリへの書込みアクセスが可能なグループ(oraInventory)に属している必要があります。
Oracleソフトウェアのインストール時のインストール・ログとトレース・ファイル。これらのファイルは、今後の参照のために関連するOracleホームにコピーされます。
Oracleのインストールに関するその他のメタデータ・インベントリ情報は個々のOracleホーム・インベントリ・ディレクトリに格納され、中央インベントリからは分離されます。
新規インストールでは、Oracle Universal Installerを使用して中央インベントリ・ディレクトリを作成することをお薦めします。デフォルトでは、/u01/appなどOFA構造に準拠してOracleパスを作成すると、中央インベントリはパスu01/app/oraInventoryに作成され、すべてのOracleインストールの所有者は、適切な権限を使用して、このディレクトリに書き込むことができます。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle)
Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合は、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーはインストール時にインストールされる全ソフトウェアの所有者となります。このユーザーには、プライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループを指定する必要があります。また、セカンダリ・グループは、OSDBAグループおよびOSOPERグループであることが必要です。
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注意:
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システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、単一のOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェア・インストールに、同一のOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、インストールごとに異なるOracle所有者ユーザーを作成することは可能です。
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注意: 次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Services(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 |
次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。
既存のOracleインベントリ・グループがない場合は、作成する必要があります。次の項目ごとに、Oracleインベントリ・グループの名前の確認方法(存在する場合)および作成方法(必要な場合)を説明します。
Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの確認
Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名(通常oinstall)およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。
oraInst.locファイルには、次のような内容が含まれます。
inventory_loc=central_inventory_location inst_group=group
前述の例では、central_inventory_locationがOracle中央インベントリの場所、groupが中央インベントリへの書込み権限のあるグループ名を示します。
既存のOracleインベントリがある場合は、すべてのOracleソフトウェアのインストールで同じOracleインベントリを使用し、インストールに使用するすべてのOracleソフトウェア・ユーザーにこのディレクトリへの書込み権限があることを確認してください。
Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
# more /var/opt/oracle/oraInst.loc
oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。
inventory_loc=/u01/app/oraInventory inst_group=oinstall
前述の出力例は、次の内容を示します。
inventory_locパラメータは、Oracleインベントリの場所を示します。
inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名(この例ではoinstall)を示します。
Oracleインベントリ・グループの作成
oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のとおりOracleインベントリ・グループを作成します。
# /usr/sbin/groupadd oinstall
次の状況では、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合(たとえば、システムへOracleソフトウェアを初めてインストールする場合)。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、異なるオペレーティング・システム・ユーザーを使用する場合。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)の有無を判別するには、次のコマンドを入力します。
# id oracle
oracleユーザーが存在する場合、このコマンドからの出力は、次のようになります。
uid=54321(oracle) gid=54321(oinstall) groups=54322(dba),54323(oper)
ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、または他のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、そのユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであることを確認してください。詳細は、次の項のいずれかを参照してください。
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注意: 必要に応じて、既存のユーザーの使用または変更の前にシステム管理者に連絡してください。 |
既存のOracleソフトウェア所有者ユーザーを使用し、ユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループの場合、「必要なソフトウェア・ディレクトリの識別」を参照してください。
既存のユーザーを変更するには、「Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更」を参照してください。
ユーザーを作成する場合は、次の項を参照してください。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合や、新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、oracleというユーザー名を使用します(この名前のユーザーが存在しない場合)。
oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。
# /usr/sbin/useradd -g oinstall[ -G dba]oracle
各項目の意味は次のとおりです。
-gオプションは、プライマリ・グループを指定します。oinstallなど、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。
-Gオプションはオプションのセカンダリ・グループであるOSOPERグループを指定します。たとえばdbaです。
# passwd oracle
続行するには、「必要なソフトウェア・ディレクトリの識別」を参照してください。
Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。
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注意: Oracleソフトウェア用に選択したパス(Oracleホーム・パス、Oracleベース・パスなど)では、ASCII文字のみを必ず使用してください。一部のパスにインストール所有者名がデフォルトで使用されるため、このASCII文字制限はユーザー名、ファイル名およびディレクトリ名に適用されます。 |
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。UNIXシステムでは、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインによって、次のようなパスをOracleベース・ディレクトリに使用することが推奨されています。
/mount_point/app/software_owner
各項目の意味は次のとおりです。
mount_pointは、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。
このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。
software_ownerは、oracleなど、Oracleソフトウェアをインストールしているソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。
すべてのOracle製品を含むORACLE_BASEフォルダを指定する必要があります。
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注意: 既存のOracleベースがある場合は、既存のものを使用ドロップダウン・ボックスから選択できます。デフォルトでは、ドロップダウン・ボックスには、選択したOracleベースの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Database Clientソフトウェアのインストール」を参照してください。Oracleベースがない場合は、リスト・ボックスでテキストを編集し、新規作成できます。 |
複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、すべてのOracleベース・ディレクトリが同じシステムに存在できます。
/u01/app/oracle /u01/app/orauser
次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要な場合のOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。
Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のディレクトリを使用するかにかかわらず、ORACLE_BASE環境変数を設定して、そのディレクトリのフルパスを指定する必要があります。
Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracle Universal InstallerはそのOracleインベントリを使用します。
システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、OFAに準拠した/u[01-09]/app形式のパス(/u01/appなど)が提供されます。インストールを実行中のユーザーには、そのパスの書込み権限があります。すべてを満たしている場合、Oracle Universal Installerはパス/u[01-09]/app/oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリを作成します。次に例を示します。
/u01/app/oraInventory
インストールの際にoracleユーザーのORACLE_BASEを設定した場合、Oracle Universal Installerにより、パスORACLE_BASE/../oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。たとえば、ORACLE_BASEが/u01/app/oracle/に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventoryに作成されます。
OFA準拠パスの作成およびORACLE_BASEの設定を行わなかった場合、Oracleインベントリ・ディレクトリはインストールを実行するユーザーのホーム・ディレクトリに配置されます。次に例を示します。
/home/oracle/oraInventory
Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーが作成する必要はありません。
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注意:
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Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスおよびディレクトリを識別する名前を指定するよう求められます。OFAガイドラインに従い、指定するOracleホーム・ディレクトリを、インストールを実行するユーザー・アカウントのOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリにすることことを強くお薦めします。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。
$ORACLE_BASE/product/11.2.0/client_1
Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。
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注意: インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。 |
インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。
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注意: システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合にも、Oracleベース・ディレクトリを作成するように選択できます。 |
既存のOracleベース・ディレクトリは、OFAガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。
既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別
次のコマンドを入力してoraInst.locファイルの内容を表示します。
# more /var/opt/oracle/oraInst.loc
oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。
inventory_loc=/u01/app/oraInventory inst_group=oinstall
inventory_locパラメータは、Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)を識別します。oraInventoryディレクトリの親ディレクトリは、通常、Oracleベース・ディレクトリです。前述の例では、/u01/app/oracleはOracleベース・ディレクトリです。
既存のOracleホーム・ディレクトリの識別
次のコマンドを入力してoratabファイルの内容を表示します。
# more /var/opt/oracle/oratab
oratabファイルが存在する場合、このファイルには、次のような行が含まれます。
*:/u03/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1:N *:/opt/orauser/infra_904:N *:/oracle/9.2.0:N
各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。前述の例で、oracleユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、次のディレクトリのどちらかを選択できます。
/u03/app/oracle /oracle
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注意: 可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle)のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。 |
既存のOracleベース・ディレクトリの識別
Oracleホーム・ディレクトリを特定した後、次のようなコマンドを実行してOracleベースの場所を確認します。
cat /u01/app/oraInventory/ContentsXML/inventory.xml
続行する手順は、次のとおりです。
Oracleベース・ディレクトリが存在し、これを使用する場合は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。
この後の項でoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して選択したディレクトリを指定します。
Oracleベース・ディレクトリがシステムに存在せず、Oracleベース・ディレクトリを作成する場合は、次の項を参照してください。
Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、ディスク領域がある適切なファイル・システムを識別する必要があります。
適切なファイル・システムを識別するには、次の手順を実行します。
マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。
# bdf
表示から、適切な空き領域を持つファイル・システムを識別します。
指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。
Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループ、および権限を指定する手順は、次のとおりです。
次のようなコマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨されるサブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびそれらの権限を設定します。
# mkdir -p /mount_point/app # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app # chmod -R 775 /mount_point/app/
次に例を示します。
# mkdir -p /u01/app # chown -R oracle:oinstall /u01/app # chmod -R 775 /u01/app/
この章で後述するoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。
Oracle Universal Installerはoracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次のことが必要です。
シェル起動ファイルで、デフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定します。
DISPLAY環境変数を設定します。
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注意: PATH変数で、/usr/X11R6/binの前に$ORACLE_HOME/binが指定されていることを確認してください。 |
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注意: HP-UX Itaniumでは、Bashシェルはサポートされていません。オペレーティング・システム・ベンダーによってサポートされているシェル・プログラムを使用します。オペレーティング・システムでサポートされていないシェル・プログラムを使用すると、インストール時にエラーが発生する場合があります。 |
oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。
新規Xターミナル・セッション(xterm)を開始します。
次のコマンドを入力し、Xウィンドウ・アプリケーションがこのシステム上に表示されることを確認します。
$ xhost fully_qualified_remote_host_name
次に例を示します。
$ xhost somehost.example.com
ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。
oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。
$ su - oracle
oracleユーザーのデフォルト・シェルを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ echo $SHELL
シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
Bashシェルの場合:
$ . ./.bash_profile
BourneまたはKornシェルの場合:
$ . ./.profile
Cシェルの場合:
% source ./.login
ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、Xアプリケーションがローカル・システムに表示されるように、次のようなコマンドを入力します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ DISPLAY=local_host:0.0
Cシェルの場合:
% setenv DISPLAY local_host:0.0
この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。
/tmpディレクトリの空きディスク領域が400MBに満たないことが確認された場合は、400MB以上の空き領域があるファイル・システムを識別し、このファイル・システムの一時ディレクトリを指定するようにTMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。
マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを使用します。
# df -k
必要に応じて、次のようなコマンドを入力し、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。
$ sudo mkdir /mount_point/tmp $ sudo chmod a+wr /mount_point/tmp # exit
次のようなコマンドを入力し、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ TMP=/mount_point/tmp $ TMPDIR=/mount_point/tmp $ export TMP TMPDIR
Cシェルの場合:
% setenv TMP /mount_point/tmp % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ unset ORACLE_HOME $ unset TNS_ADMIN
Cシェルの場合:
% unsetenv ORACLE_HOME % unsetenv TNS_ADMIN
また、$ORACLE_HOME/binパスがPATH環境変数から削除されていることも確認します。
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注意: ORACLE_HOME環境変数が設定されている場合、Oracle Universal Installerはその環境変数でOracleホーム・ディレクトリのデフォルト・パスとして指定されている値を使用します。ただし、ORACLE_BASE環境変数をユーザーが設定する場合は、ORACLE_HOME環境変数を設定せずに、Oracle Universal Installerから提示されるデフォルト・パスを選択することをお薦めします。 |
環境設定が正しく行われたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ umask $ env | more
umaskコマンドの実行により、値22、022または0022が表示されることを確認します。また、ここで設定した環境変数に正しい値が設定されることを確認します。