Oracle® Databaseインストレーション・ガイド 11gリリース2 (11.2) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit) B57781-08 |
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この章では、Oracle Universal Installer (OUI)を起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。
このマニュアルには、Oracle Database 11gリリース2(11.2)をインストールするために必要な情報が含まれています。Oracle Database 11gをインストールするプラットフォームに関連した情報を必ず確認してください。
注意:
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内容は次のとおりです。
関連項目:
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Oracleソフトウェアをインストールする前に、root
ユーザーとしていくつかのタスクを完了しておく必要があります。root
ユーザーとしてログインするには、次の手順のいずれかを実行します。
注意: サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、Xターミナル、PC、またはXサーバー・ソフトウェアがインストールされているその他システムからソフトウェアをインストールする必要があります。サイレント・モードのインストールの詳細は、付録Aを参照してください。 |
X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからのソフトウェアのインストール手順:
Xターミナル(xterm
)など、ローカル・ターミナル・セッションを開始します。
ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、次のコマンドを入力して、リモート・ホストでのローカルのXサーバーのXアプリケーションの表示を可能にします。
$ xhost fully_qualified_remote_host_name
次に例を示します。
$ xhost somehost.example.com
ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、ssh
、rlogin
、またはtelnet
コマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。
$ telnet fully_qualified_remote_host_name
root
ユーザーとしてログインしていない場合は、次のコマンドを入力してユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
Xサーバー・ソフトウェアがインストールされたPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする手順:
注意: この手順の実行に関する詳細は、必要に応じてXサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。使用しているXサーバーのソフトウェアによっては、別の順序でタスクを実行する必要がある場合があります。 |
Xサーバー・ソフトウェアを開始します。
Xサーバー・ソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成にします。
ソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステム上でXターミナル(xterm
)などのターミナル・セッションを開始します。
リモート・システム上でroot
ユーザーとしてログインしていない場合、次のコマンドを入力してユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
システムは次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)のインストールのメモリー要件は次のとおりです。
最小: 1GBのRAM
推奨: 2GB以上のRAM
RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/lsattr -E -l sys0 -a realmem
RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。
次の表は、インストールされているRAMと構成済スワップ領域の推奨サイズの関係を示したものです。
RAM | スワップ領域 |
---|---|
1から2GB | RAMサイズの1.5倍 |
2から16GB | RAMのサイズと同じ |
16GB超 | 16GB |
RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。
構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/lsps -a
必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。
注意:
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システム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/bin/getconf HARDWARE_BITMODE
このコマンドで想定される出力は64です。想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。
システムが64ビット・モードで起動されているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
# bootinfo -K
このコマンドの結果に、64ビット・カーネルが有効であることを示す64と表示される必要があります。
プロセッサ・アーキテクチャがインストールするOracleソフトウェアのリリースと適合することを確認します。想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。
注意: AIX Based Systemsについては、Oracle Database 11gでは、64ビット・カーネルがサポートされます。32ビット・カーネル・アプリケーションはサポートされません。 |
Oracle Database 11gリリース2(11.2)のインストールのディスク領域要件は次のとおりです。
/tmp
ディレクトリに1GB以上の領域
/tmp
ディレクトリ内の使用可能な領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。
# df -k /tmp
/tmp
ディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。
ディスク領域の要件が満たされるように、/tmp
ディレクトリから不要なファイルを削除します。
oracle
ユーザーの環境を設定するときに、TMP
およびTMPDIR
環境変数を設定します。
/tmp
ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。
次の表に、AIX Based Systemsの各インストール・タイプでのソフトウェア・ファイルおよびデータファイルのディスク領域要件を示します。
インストール・タイプ | ソフトウェア・ファイルの要件(GB) |
---|---|
Enterprise Edition | 7.8 |
Standard Edition | 7.5 |
インストール・タイプ | データファイルのディスク領域(GB) |
---|---|
Enterprise Edition | 1.75 |
Standard Edition | 1.73 |
システムの空きディスク領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# df -k
自動バックアップを構成する場合は、高速リカバリ領域のために、ファイル・システムまたはOracle ASMディスク・グループのいずれかに追加のディスク領域が必要です。
インストールする製品に応じて、次のソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。
注意: このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。 |
注意:
|
Oracle Database 11gリリース2(11.2)には、次に示すバージョン以上のオペレーティング・システムが必要です。
AIX 5L V5.3 TL 09 SP1("5300-09-01")、64ビット・カーネル
AIX 6.1 TL 02 SP1("6100-02-01)、64ビット・カーネル
AIX 7.1 TL 0 SP1("7100-00-01-1037")、64ビット・カーネル
AIX 7.2 TL 0 SP1 ("7200-00-01"), 64ビット・カーネル
注意: AIX 7.2の場合、Service Pack 1は必須です。 |
AIX 5Lの場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。
bos.adt.base
bos.adt.lib
bos.adt.libm
bos.perf.libperfstat 5.3.9.0
以上
bos.perf.perfstat
bos.perf.proctools
xlC.aix50.rte.10.1.0.0
以上
xlC.rte.10.1.0.0
以上
gpfs.base 3.2.1.8
以上
AIX 6.1の場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。
bos.adt.base
bos.adt.lib
bos.adt.libm
bos.perf.libperfstat 6.1.2.1
以上
bos.perf.perfstat
bos.perf.proctools
xlC.aix61.rte:10.1.0.0
以上
xlC.rte.10.1.0.0
以上
gpfs.base 3.2.1.8
以上
AIX 7.1の場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。
bos.adt.base
bos.adt.lib
bos.adt.libm
bos.perf.libperfstat
bos.perf.perfstat
bos.perf.proctools
xlC.rte.11.1.0.2
以上
gpfs.base 3.3.0.11
以上
AIX 7.2の場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。
bos.adt.base
bos.adt.lib
bos.adt.libm
bos.perf.libperfstat
bos.perf.perfstat
bos.perf.proctools
xlC.aix61.rte.13.1.2.0
以上
xlc.rte.13.1.2.0
以上
注意:
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インストールされているAIXのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。
# oslevel -s
AIX 5Lの場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 5.3 TL 9 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。
AIX 6.1の場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 6.1 TL 2 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。
AIX 7.1の場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 7.1 TL 0 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。
AIX 7.2の場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 7.2 TL 0 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。
AIXのメンテナンス・パッケージは次のWebサイトから入手できます。
必要なファイルセットがインストールおよびコミットされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# lslpp -l bos.adt.base bos.adt.lib bos.adt.libm bos.perf.perfstat \ bos.perf.libperfstat bos.perf.proctools
サポートされているカーネル・モードかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# getconf KERNEL_BITMODE
注意:
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次に、Oracle Database 11gリリース2(11.2)でのPro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call InterfaceおよびOracle XML Developer's Kit(XDK)の最小のコンパイラ要件を示します。
IBM XL C/C++ Enterprise Edition for AIX, V9.0 April 2008 PTF:
このソフトウェアは、次のリンクからダウンロードできます。
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24019055
注意
IBM XL C/C++コンパイラをインストールしない場合でも、AIX Runtime Environment Componentにコンパイラが必要です。ランタイム環境のファイルセットは、ライセンス要件なしにダウンロードすることができます。最小推奨ランタイム環境は、次のURLから入手できます。
AIX 5.3およびAIX 6.1の場合:
IBM XL C/C++ for AIX, V10.1 Runtime Environment
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?rs=2239&uid=swg24019829
AIX 7.1の場合:
September 2010 Runtime for XL C/C++ for AIX, V11.1
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24028034
AIX 7.2の場合:
November 2015 Runtime for XL C/C++ for AIX, V13.1
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24041340
使用するコンポーネントに応じて、次のソフトウェアがインストールされていることを確認する必要があります。
関連項目: 『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』の第2章「Oracle Application Expressインストール要件」およびインストール前の推奨タスクに関する項 |
AIXでは、Oracle ODBCドライバはODBCドライバ・マネージャ2.2.12について動作保証されています。ドライバ・マネージャは次のリンクからダウンロードしてインストールできます。
Oracle Databaseのインストールには、ODBCドライバ・マネージャは必須ではありません。
ODBCを使用するには、gcc 3.4.5
をインストールします。
Oracle Java Database ConnectivityおよびOracle Call Interfaceドライバでは、JNDI拡張機能を提供するJDK 6(Java 6 64-bit 6.0.0.50 IZ30726 (SR2)
)またはJDK 5(Java 5 64-bit 5.0.0.250 IZ55274 (SR10)
)を使用します。ただし、データベースのインストールに必須ではありません。このリリースでは、JDK 1.5がインストールされています。
Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Streamsアドバンスト・キューイング(AQ)と次のソフトウェアの統合をサポートします。
Tibco Rendezvous 7.2
IBM WebSphere MQ for AIX V6.0.2.3
mqm.Client.Bnd mqm.Server.Bnd
IBM WebSphere MQ for AIX V7.0.1.3
WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。
次の製品の組合せが動作保証されています。
Pro* COBOL
IBM COBOL for AIXバージョン4.1 (September 2010 PTF)
IBM COBOL for AIXバージョン3.1
Micro Focus Server Express 5.1
Pro* FORTRAN
IBM XL Fortran Enterprise Edition for AIX, V11.1, April 2008 PTF
Ada
OC Systems PowerAda 5.5
OC SystemsおよびPowerAdaの詳細は、次の場所を参照してください。
Oracle Databaseのインストールには、Webブラウザは必須ではありません。ただし、ドキュメントにアクセスしたり、Oracle Enterprise Manager Database ControlおよびOracle Application Expressを使用するには、ブラウザが必要です。Webブラウザは、JavaScript、HTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。
Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、次のブラウザがサポートされています。
Microsoft Internet Explorer 10.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.3以上をサポート)
Microsoft Internet Explorer 9.0
Microsoft Internet Explorer 8.0
Microsoft Internet Explorer 7.0 SP1
Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2
Firefox 21.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Firefox 17.0.6 ESR (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Firefox 3.6
Firefox 3.5
Firefox 3.0.7
Firefox 2.0
Safari 4.0.x
Safari 3.2
Safari 3.1
Google Chrome 27.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Google Chrome 4.0
Google Chrome 3.0
Netscape Navigator 9.0
Netscape Navigator 8.1
関連項目: 『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』 |
AIX Based Systems用のOracle Database 11gリリース2(11.2)には、次に示す以上のパッチが必要です。
注意:
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インストール・タイプまたは製品 | 要件 |
---|---|
すべてのインストール | AIX 5LのAuthorized Problem Analysis Report(APAR):
前述のAIX 5Lの最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 5L V5.3 TL 09 SP1の次のAuthorized Problem Analysis Reports(APARs)をインストールします。
これらの5.3修正は、次のTLレベルにあります。
|
すべてのインストール | AIX 6.1のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):
前述のAIX 6.1の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 6.1 TL 02 SP1の次のAuthorized Problem Analysis Reports(APARs)をインストールします。
これらの6.1修正は、次のTLレベルにあります。
このリリースにリストされる最小レベルより後のTLレベルを使用している場合、次の追加のオペレーティング・システム・パッチを適用して不具合に対応します。 BIND64 CORES WITH -BLAZY OPTION 次のAPAR番号を使用して、オペレーティング・システムのTLレベルに適したパッチをダウンロードします。
|
すべてのインストール | AIX 7.1のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):
前述のAIX 7.1の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 7.1 TL 0 SP1の次のAuthorized Problem Analysis Reports(APARs)をインストールします。
|
すべてのインストール | AIX 7.2のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):
前述のAIX 7.2にオペレーティング・システムの最小TLレベルを使用している場合は、次のAIX 7.2 TL 0 SP1用のAuthorized Problem Analysis Report(APAR)をインストールします。
注意: IV79441用の必須修正を含んでいるのでIV80412m1aをインストールします。 |
次の手順に、これらの要件を確認する方法を示します。
APARがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# /usr/sbin/instfix -i -k "IZ42940 IZ49516 IZ52331 IZ41855 IZ52319"
APARがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。
WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。
セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。
インストールの際に、特定の前提条件チェックが失敗した場合、「修正および再チェック」をクリックして修正スクリプト(runfixup.sh
)を生成します。root
ユーザーとしてこのスクリプトを実行すると、必要なインストール前の手順を完了できます。
修正スクリプト:
次のカーネル・パラメータをチェックし、正常なインストールに必要な値に設定します。
共有メモリー・パラメータ
オープン・ファイル記述子およびUDP送信/受信パラメータ
生成された修正スクリプトの内容を変更しないことをお薦めします。
注意: 修正スクリプトを使用しても、Oracle Databaseのインストールの前提条件がすべて確実に満たされるとはかぎりません。インストールが確実に成功するためには、すべてのインストール前の要件が満たされていることを確認する必要があります。 |
修正スクリプトまたはCVUを使用してエフェメラル・ポートを設定しない場合は、NDDを使用して、カーネルTCP/IPエフェメラル・ポート範囲が、予想されるサーバーのワークロードに対して十分なエフェメラル・ポートを提供できることを確認します。下限を9000以上に設定し、Well KnownポートとOracleおよびその他のサーバー・ポートで一般的に使用される登録済ポート範囲のポートを避けます。使用するアプリケーションに予約済のポートを避けるようにポート範囲を高く設定します。範囲の下限が9000を超え、予想されるワークロードに対して範囲が十分大きい場合は、エフェメラル・ポート範囲に関するOUI警告は無視できます。
次のコマンドを使用して、エフェメラル・ポートの現在の範囲を確認します。
# /usr/sbin/no -a | fgrep ephemeral tcp_ephemeral_low = 32768 tcp_ephemeral_high = 65535 udp_ephemeral_low = 32768 udp_ephemeral_high = 65535
上の例で、TCPおよびUDPエフェメラル・ポートはデフォルトの範囲(32768-65536)に設定されています。
ノード数が多い場合や、パラレル問合せが頻繁に使用されるなど、高い値のエフェメラル・ポートが必要な負荷になることが予測できる場合は、UDPおよびTCPエフェメラル・ポートの範囲を広くします。次に例を示します。
# /usr/sbin/no -p -o tcp_ephemeral_low=9000 -o tcp_ephemeral_high=65500 # /usr/sbin/no -p -o udp_ephemeral_low=9000 -o udp_ephemeral_high=65500
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。コンピュータのホスト名が、Domain Name System (DNS)、ネットワーク情報サービス(NIS)または集中管理されているTCP/IPホスト・ファイル(/etc/hosts
など)によって解決可能であることを確認します。ping
コマンドを使用して、コンピュータのホスト名が解決可能でることを確認します。次に例を示します。
ping myhostname pinging myhostname.example.com [192.0.2.2] with 32 bytes of data: Reply from 192.0.2.2: bytes=32 time=138ms TTL=56
コンピュータのホスト名が解決されない場合は、システム管理者に連絡してください。
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。そのコンピュータには、Oracle Databaseインストールを格納するためのローカル記憶域があります。また、ディスプレイ・モニターとDVDドライブも備えています。この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Databaseをインストールする方法を説明します。この内容は次のとおりです。
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。コンピュータのホスト名が、Domain Name System (DNS)、ネットワーク情報サービス(NIS)または集中管理されているTCP/IPホスト・ファイル(/etc/hosts
など)によって解決可能であることを確認します。ping
コマンドを使用して、コンピュータのホスト名が解決可能でることを確認します。次に例を示します。
$ ping myhostname pinging myhostname.example.com [192.0.2.2] with 32 bytes of data: Reply from 192.0.2.2: bytes=32 time=138ms TTL=56
コンピュータのホスト名が解決されない場合は、システム管理者に連絡してください。
Oracle Databaseをマルチホーム・コンピュータにインストールできます。マルチホーム・コンピュータは複数のIPアドレスに関連付けられています。通常は、そのためにコンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されています。IPアドレスはそれぞれホスト名に関連付けられています。また、ホスト名の別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME
環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。複数のネットワーク・カードが搭載されたコンピュータにインストールするとき、ORACLE_HOSTNAME
が設定されていない場合、Oracle Universal Installerは/etc/hosts
ファイルでホスト名を確認します。
クライアントは、ホスト名を使用して(またはこのホスト名の別名を使用して)コンピュータにアクセスできる必要があります。確認するには、短縮名(ホスト名のみ)および完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。両方のテストに成功する必要があります。
ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定
ORACLE_HOSTNAME環境変数を設定する手順は、次のとおりです。たとえば、完全修飾されたホスト名が
somehost.example.com
の場合、次のコマンドのいずれかを入力します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ ORACLE_HOSTNAME=somehost.example.com $ export ORACLE_HOSTNAME
Cシェルの場合:
% setenv ORACLE_HOSTNAME somehost.example.com
複数の別名を持つコンピュータは、ネーミング・サービスに1つのIPと複数の別名で登録されます。ネーミング・サービスでは、これらの別名のいずれかが同じコンピュータに解決されます。この種のコンピュータにOracle Databaseをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME
環境変数に、使用するコンピュータのホスト名を設定してください。
Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、Oracle Databaseのインストール後にコンピュータをネットワークに接続する予定の場合は、データベースをインストールするコンピュータ上でping
コマンドを使用して、コンピュータ自体に接続できるかどうかをチェックします。この手順は、最初にホスト名のみ、次に完全修飾名を使用して実行します。この名前は/etc/hosts
ファイルに含まれている必要があります。
注意: コンピュータ自体でping コマンドを実行すると、ping コマンドによりそのコンピュータのIPアドレスが戻されます。 |
ping
コマンドに失敗した場合は、システム管理者に問い合せてください。
インストール後のコンピュータのネットワーク接続
インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上の他のインスタンスで作業できます。コンピュータは、接続しているネットワークに応じて静的IPまたはDHCPを使用できます。
このシステムにOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、複数のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。
オペレーティング・システムのユーザー権限を割り当てるとき、1つの管理者ユーザーと1つのグループを使用してすべての管理権限のオペレーティング・システム認証を行う場合は、oracle
ユーザーをインストール所有者として使用し、1つのグループをOracle ASMおよびOracle Database管理に対する管理権限を必要とするユーザーのプライマリ・グループとして使用できます。このグループは、Oracleインベントリ・グループでもあります。Oracleツールのデフォルトの使用を容易にするには、グループ名をoinstall
にします。
ジョブ・ロール別にカスタム構成グループおよびユーザーを作成することもできます。カスタム構成は、メンバーシップごとに付与されたアクセス権限を、別々のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーに分割するグループおよびユーザーの構成のことです。Oracle DatabaseインストールおよびOracle Grid Infrastructureインストールの両方を所有する単一ユーザー(oracle
など)を作成できます。または、Oracle Grid Infrastructureインストールを別のユーザー(grid
など)が所有するように作成することもできます。
Oracle Databaseおよびスタンドアロン・サーバー・インストール所有者ユーザー用Oracle Grid Infrastructureは、Oracleインベントリ・グループ(oinstall
)のメンバーである必要があります。
注意: Oracleドキュメントでは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェア・インストールのみを所有するために作成されたユーザーはgrid ユーザーと呼ばれます。すべてのOracleインストールまたはOracleデータベース・インストールのみのいずれかを所有するために作成されたユーザーはoracle ユーザーと呼ばれます。 |
この項では、ユーザーおよびグループを作成してジョブ・ロールごとにアクセス権限を分割する方法の概要を説明します。これらのグループおよびユーザーを作成するには、root
としてログインします。
各Oracleソフトウェア・インストールを所有するソフトウェア所有者を作成することをお薦めします(通常、データベース・ソフトウェアの場合はoracle
、Oracle Restart所有者ユーザーの場合はgrid
)。Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合、ソフトウェア所有者を少なくとも1つ作成する必要があります。
別のOracleソフトウェア所有者を作成して、Oracleソフトウェア・インストールごとに異なるユーザー、オペレーティング・システム権限グループを作成するには、各ユーザーの基本グループとして、Oracle中央インベントリ・グループ(oraInventory
グループ)が設定されている必要があります。このグループのメンバーはOracle中央インベントリ(oraInventory
)ディレクトリに対する書込み権限を所有します。また、DBAが書込みアクセス権を必要とするOracle Restartホーム内の様々なOracle Restartリソースおよびディレクトリに対する権限やその他の必要な権限が付与されます。Oracleドキュメントのコード・サンプルでは、このグループはoinstall
と表されています。「Oracleインベントリ・グループの作成」を参照してください。
また、データベース・インスタンスがOracle ASMにログオンするために、データベース・ソフトウェア所有者(通常はoracle
)には、セカンダリ・グループとして、Oracle Grid InfrastructureホームのOSDBAグループおよびOSOPERグループ(作成する場合)が必要です。Oracleドキュメントでは、Oracleソフトウェア所有者ユーザーはoracle
ユーザーと呼ばれます。
Oracle Databaseおよびスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストール所有者ユーザー(それぞれoracle
およびgrid
)は、Oracleインベントリ・グループ(oinstall
)に属する必要があります。
それぞれのOracleソフトウェア所有者は、同じ中央インベントリ・グループのメンバーであることが必要です。Oracleインストールに対して複数の中央インベントリを持たないことをお薦めします。あるOracleソフトウェア所有者が別の中央インベントリ・グループを持っている場合、その中央インベントリは破損することがあります。
スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureの場合、グリッド・ユーザー(grid
)は、すべてのデータベース・ホームのOSDBAグループに属する必要があります。
関連項目: OSDBA、OSASMおよびOSOPERの各グループと、SYSDBA、SYSASMおよびSYSOPER の各権限の詳細は、 『Oracle Database管理者ガイド』 を参照してください。 |
Oracle Databaseをインストールする場合は、次のオペレーティング・システム・グループを作成します。
Oracle Databaseソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合は、このグループを作成する必要があります。このグループにより、データベース管理権限(SYSDBA
権限)を持つオペレーティング・システムのユーザー・アカウントが識別されます。Oracleコードの例で使用されるこのグループ名はdba
です。
Oracle DatabaseのOSOPERグループ(通常はoper
)
これはオプションのグループです。一連のデータベース管理権限(SYSOPER
権限)を限定した別個のオペレーティング・システム・ユーザー・グループが必要な場合は、このグループを作成します。このグループは、明示的に付与されないかぎりSYSOPER
として直接接続できません。ただし、SYSOPER
権限で付与される権限を持ちます。デフォルトでは、OSDBAグループのメンバーには、SYSOPER
権限により付与されるすべての権限があります。
Oracle Universal Installerにより、このグループ名の指定を求められます。通常、このグループ用に選択する名前はoper
です。
Oracle Grid Infrastructureをインストールする場合、次のオペレーティング・システム・グループを作成します。
注意: データベース管理者グループとは別に固有のグループを指定できます。または、OSASMおよびOSDBAグループと同じグループを使用して、Oracle ASMインスタンスとOracle Databaseインスタンスの両方を管理するためのシステム権限を付与することもできます。 |
Oracle ASMのOSDBAグループ(通常はasmdba
)
Oracle ASMのOSDBAグループは、データベースのOSDBAグループと同じでもかまいません。または、Oracle ASM用のOSDBAグループ(通常はasmdba
)を別途作成して、Oracle ASMインスタンスへの管理者アクセス権限を提供することもできます。
Oracle Grid Infrastructuretソフトウェア所有者(通常はgrid
)は、OSDBAグループのメンバーである必要があります。OSDBAグループのメンバーシップにより、Oracle ASMで管理されるファイルにアクセスできます。Oracle ASM専用のOSDBAグループを作成した場合、Oracle Restartソフトウェア所有者は、各データベース用のOSDBAグループおよびOracle ASM用のOSDBAグループのメンバーである必要があります。
Oracle ASMのOSASMグループ(通常はasmadmin
)
Oracle ASMファイルに対するSYSASM
権限は、ストレージ・ファイルに対する管理者権限を提供します。メンバーにSYSASM
権限が付与されたオペレーティング・システム・グループは、OracleドキュメントではOSASMグループと呼ばれ、コマンドラインではasmadmin
と呼ばれます。Oracle ASMは、複数のデータベースをサポートできます。
OSASMグループのメンバーは、SQLを使用して、オペレーティング・システム認証を使用してSYSASM
としてOracle ASMインスタンスに接続できます。SYSASM
権限により、ディスク・グループのマウントとディスマウントおよびその他のストレージ管理タスクが許可されます。SYSASM
権限では、RDBMSインスタンス上へのアクセス権限は提供されません。
OSASMグループとして別のグループを指定しない場合は、定義するOSDBAグループもデフォルトでOSASMグループに指定されます。
Oracle ASMのOSOPERグループ(通常はasmoper
)
これはオプションのグループです。Oracle ASMインスタンスの起動および停止など、一連のOracleインスタンス管理権限(ASMのSYSOPER
権限)を限定した別のオペレーティング・システム・ユーザー・グループが必要な場合は、このグループを作成します。デフォルトでは、OSASMグループのメンバーには、ASMのSYSOPER権限により付与されるすべての権限もあります。
Oracle ASMのOSOPERグループを作成する場合、このグループのメンバーはOracle Grid Infrastructureの所有者にする必要があります。
次の各項では、必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。
注意:
|
Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.loc
ファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名(通常はoinstall
)およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。
1つのグループを、Oracleインベントリ、データベース管理者(OSDBA)、およびオペレーティング・システム認証のためにOracleソフトウェアで使用されるその他すべてのアクセス制御グループに対するアクセス制御グループとして構成できます。ただし、その後、このグループを管理権限が付与されたすべてのユーザーのプライマリ・グループにする必要があります。
root
としてログインし、次の手順に従ってOracleインベントリ・グループおよびソフトウェア所有者の検索または作成をします。
oraInst.loc
ファイルには、次のような内容が含まれます。
inventory_loc=central_inventory_location inst_group=group
前述の例では、central_inventory_locationがOracle中央インベントリの場所、groupが中央インベントリへの書込み権限のあるグループ名を示します。
既存のOracleインベントリがある場合は、すべてのOracleソフトウェアのインストールで同じOracleインベントリを使用し、インストールに使用するすべてのOracleソフトウェア・ユーザーにこのディレクトリへの書込み権限があることを確認してください。
Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。
# grep oinstall /etc/group
oraInst.loc
ファイルが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。
# more /etc/oraInst.loc
oraInst.loc
ファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。
inventory_loc=/u01/app/oraInventory inst_group=oinstall
前述の出力例は、次の内容を示します。
inventory_loc
グループは、Oracleインベントリの場所を示します。
inst_group
パラメータは、Oracleインベントリ・グループ名(この例ではoinstall
)を示します。
oraInst.loc
ファイルが存在しない場合は、次の手順を使用してOracleインベントリ・グループを作成します。
次の場合には、OSDBAグループを作成する必要があります。
OSDBAグループが存在しない場合。たとえば、これがシステムに対するOracle Databaseソフトウェアの初回インストールの場合。
OSDBAグループは存在するが、新規のOracle Databaseインストールでは、異なるオペレーティング・システム・ユーザー・グループにデータベース管理権限を付与する場合。
OSDBAグループが存在しない場合、または新規のOSDBAグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にdba
を使用します。
一連の限られたデータベース管理権限(SYSOPER
オペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを識別する場合のみ、OSOPERグループを作成します。ほとんどのインストールの場合、OSDBAグループを作成するのみで十分です。OSOPERグループを使用する場合は、次の状況で作成する必要があります。
OSOPERグループが存在しない場合。たとえば、これがシステムに対するOracle Databaseソフトウェアの初回インストールの場合。
OSOPERグループは存在するが、新規のOracleインストールでは、異なるオペレーティング・システム・ユーザー・グループにデータベース・オペレータ権限を付与する場合。
新規のOSOPERグループ(通常はoper
)が必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にoper
を使用します。
OSASMグループが存在しない場合、または新規のOSASMグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にasmadmin
を使用します。
Oracle ASM用に新規のOSDBAグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にasmdba
を使用します。
OSOPERグループが必要な場合、次の手順で作成します。次の手順では、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にasmoper
を使用します。
次の状況では、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合。たとえば、これがシステムに対するOracleソフトウェアの最初のインストールの場合。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、新規のOracle Databaseインストールでは、別のグループ・メンバーシップを設定した別のオペレーティング・システム・ユーザーを使用して、これらのグループにデータベース管理権限を付与する場合。
Oracle Grid InfrastructureのOracleソフトウェア所有者(grid
など)を作成し、Oracle Databaseソフトウェア用に別のOracleソフトウェア所有者(oracle
など)を作成する場合。
oracle
またはgrid
というOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# id oracle # id grid
oracle
ユーザーが存在する場合、このコマンドからの出力は、次のようになります。
uid=501(oracle) gid=501(oinstall) groups=502(dba),503(oper)
grid
ユーザーが存在する場合、このコマンドからの出力は、次のようになります。
uid=8001(grid) gid=8001(oinstall) groups=8001(oinstall),8002(asmadmin),8003(asmdba),8006(dba)
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle
またはgrid
)が、そのプライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループ(oinstall
)を保持しており、前の項で作成した適切なOSDBA、ASMDBA、OSBACKUPDBA、OSDGDBAおよびOSKMDBAグループのメンバーであることを確認してください。新規ユーザーを作成するか、既存のユーザーを使用してこれを実行するかに応じて、次の項を参照してください。
注意: 必要に応じて、既存のユーザーの使用または変更の前にシステム管理者に連絡してください。 |
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新規のOracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle
、grid
など)が必要な場合は、この項の説明に従って作成します(この例では、oracle
ユーザーを作成します)。
次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合を除き、ユーザー名にoracle
を使用します。
asmdba
またはoper
。
oracle
ユーザーが存在するが、そのプライマリ・グループがoinstall
でない場合、またはそれが適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合、次のようにユーザーを変更します。
次のコマンドを入力します。
# smit security
適切なメニュー項目を選択し、oracle
ユーザーを変更します。
「Primary GROUP」フィールドで、Oracleインベントリ・グループ(oinstall
など)を指定します。
「Group SET」フィールドで、必要なセカンダリ・グループ(dba
、asmdba
、oper
など)を指定します。
[F10]を押して終了します。
この項の内容は、次のとおりです。
注意: この項に示すパラメータ値およびシェル制限値は推奨値にすぎません。本番データベース・システムでは、これらの値をチューニングしてシステムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 |
シェル制限およびシステム構成パラメータは、この項の説明に従って設定することをお薦めします。
AIXでは、ulimit
設定により、プロセス・メモリー関連のリソース制限が決定されます。次の表に示すシェル制限が記載の値に設定されていることを確認します。
シェル制限(smitでの表示) | 推奨値 |
---|---|
Soft FILEサイズ | -1(無制限) |
Soft CPU時間 | -1(無制限)
注意: これがデフォルト値です。 |
Soft DATAセグメント | -1(無制限) |
Soft STACKサイズ | -1(無制限) |
Soft Real Memoryサイズ | -1(無制限) |
プロセス(ユーザーごと) | -1(無制限)
注意: この制限はAIX 6.1以上で使用できます。ユーザー制限ごとのプロセスの構成の詳細は、「システム構成パラメータの構成」を参照してください。 |
これらのシェル制限に指定されている現在の値を表示し、必要に応じて変更するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを入力します。
# smit chuser
「User NAME」フィールドに、Oracleソフトウェア所有者のユーザー名(oracle
など)を入力します。
リストをスクロール・ダウンして、前述の表にリストされているソフト・リミット用に表示されている値が-1であることを確認します。
必要に応じて既存の値を編集します。値を編集するには、smit
ユーティリティを使用できます。ただし、Soft Real Memory size
の値を設定するには、ファイル/etc/security/limits
を編集する必要があります。smit
ユーティリティを実行する権限がある場合は、必然的にlimits
ファイルを編集する権限もあります。
変更が完了したら、[F10]を押して終了します。
修正スクリプトが使用できない場合は、次の表で、各カーネル・パラメータが表に示す最小値以上の値に設定されていることを確認します。いずれかのパラメータの現在の値がこの表にリストされている値より大きい場合、修正スクリプトはそのパラメータの値を変更しません。
パラメータ | 推奨値 |
---|---|
maxuprocs |
16384 |
ncargs |
128 |
tcp_ephemeral_low |
32768 |
tcp_ephemeral_high |
65535 |
udp_ephemeral_low |
32768 |
udp_ephemeral_high |
65535 |
「UDPおよびTCPカーネル・パラメータの確認」で説明されている手順に従って、TCPおよびUDPパラメータを設定していることを確認します。
次の手順で、手動による値の確認および設定方法について説明します。
ユーザーごとの許容最大プロセス数が16384以上に設定されていることを確認するには、次の手順を使用します。
注意: 本番システムの場合、この値は少なくとも128にシステム上で実行中の各データベースのPROCESSES およびPARALLEL_MAX_SERVERS 初期化パラメータの合計を加算した値にする必要があります。 |
次のコマンドを入力します。
# smit chgsys
ユーザーごとに許容される最大プロセス数に示された値が16384以上であることを確認します。
必要に応じて既存の値を編集します。
変更が完了したら、[F10]を押して終了します。
シェルから長いコマンドを実行できることを確認するには、次の手順を使用します。
注意: ncargs システム属性の値を128以上に設定することをお薦めします。ncargs 属性により、コマンドラインの引数として渡すことができる値の最大数が決まります。 |
次のコマンドを入力します。
# smit chgsys
「ARG/ENV list size in 4K byte blocks」に表示される値が128以上であることを確認します。
必要に応じて既存の値を編集します。
変更が完了したら、[F10]を押して終了します。
AIX 5では、AIO(非同期入出力)デバイス・ドライバを有効にするには、rootpre.sh
スクリプトを実行します。AIX 6では、AIOデバイス・ドライバはデフォルトで有効です。AIX 5でもAIX 6でも、aioserver
プロセスの数をデフォルト値より増やします。aio_maxreqs
の推奨値は64k(65536
)です。AIX 5でもAIX 6でも、この値を確認します。
該当するリリースの手順を使用してaio_maxreqs
の値を確認します。
AIX 6.1およびAIX 7.1の場合:
# ioo –o aio_maxreqs aio_maxreqs = 65536
AIX 5.3の場合:
# lsattr -El aio0 -a maxreqs maxreqs 65536 Maximum number of REQUESTS True
ファイル・システムに非同期I/Oを行うと、各非同期I/O操作が非同期I/Oサーバーに関係付けられます。つまり、非同期I/Oサーバーの数によって、システムで同時に実行される非同期I/O操作の数が制限されます。
システムの再起動時に起動されるサーバーの初期数は、minservers
パラメータによって決まります。同時実行される非同期I/O操作があると、最大でmaxservers
パラメータで設定された値まで非同期I/Oサーバーが追加で起動されます。
AIX 5.3では、ファイル・システムのデータファイルを使用するOracle Databaseの場合、minservers
およびmaxservers
のデフォルト値を増やします。これは、これらのパラメータのデフォルト値が小さすぎるためです。各プロセッサについて、I/O kprocs
に基づいてminservers
およびmaxservers
の値を増やします。
通常、非同期I/Oサーバーの数を設定するには、次の手順を実行します。
maxservers
の初期値を、同時に使用される論理ディスク数をCPU数で割った数の10倍(最大80)に調整します。
I/Oアクティビティが多いときのシステム・パフォーマンスに対する効果を監視します。すべてのAIOサーバー・プロセスが起動されている場合、maxservers
値を増やします。また、I/Oアクティビティのピーク時のシステム・パフォーマンスの監視を続け、追加AIOサーバーによる効果があったかどうかを確認します。非同期I/Oサーバーが多すぎると、追加プロセスによるメモリーとプロセッサ・オーバーロードが増えますが、このデメリットはわずかです。AIOパラメータのチューニングの詳細は、使用するオペレーティング・システムのベンダーのドキュメントを参照してください。
起動済のAIOサーバー・プロセスの数を監視するには、次のように入力します。
# ps -ek|grep -v grep|grep –v posix_aioserver|grep -c aioserver
注意: AIX 6.1以上では、minservers およびmaxservers は、それぞれaio_minservers およびaio_maxservers パラメータに置き換えられています。 |
Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。
注意:
|
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインでは、次のようなパスをOracleベース・ディレクトリで使用することを推奨しています。
/mount_point/app/software_owner
mount_point
は、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。
このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01
を使用しています。
software_owner
は、oracle
またはgrid
など、Oracleソフトウェアをインストールするソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。
注意: ORACLE_BASE 環境変数が設定された状態でサーバー・パラメータ・ファイル(spfile )を使用してデータベース・インスタンスを起動すると、その値は自動的にspfile に格納されます。ORACLE_BASE 環境変数の設定を解除して、インスタンスを再度起動すると、データベースではspfile に格納されたOracleベース・ディレクトリの値が使用されます。 |
すべてのOracle製品を含むOracleベース・ディレクトリを指定する必要があります。
注意: 既存のOracleベース・ディレクトリがある場合、データベースのインストール時に「Oracleベース」リストから選択できます。Oracleベースがない場合は、リスト・ボックスでテキストを編集して作成できます。デフォルトでは、リストには、Oracleベースの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。 |
複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次に、同じシステム上に存在するOracleベース・ディレクトリの例を示します。
/u01/app/oracle /u01/app/orauser
「Oracleベース・ディレクトリの作成」を参照してください。
Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory
)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracle Universal InstallerはそのOracleインベントリを使用します。
システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、Optimal Flexible Architectureに準拠した/u[01-09]/app
形式のパス(/u01/app
など)が提供されます。インストールを実行中のユーザーは、このパスへの書込み権限があります。該当する場合、Oracle Universal Installerにより、/u[01-09]/app/oraInventory
パスにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。次に例を示します。
/u01/app/oraInventory
インストールの際にoracle
ユーザーのORACLE_BASE
を設定した場合は、Oracle Universal Installerにより、ORACLE_BASE/../oraInventory
パスにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。たとえば、ORACLE_BASE
が/u01/app/oracle
に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventory
に作成されます。
OFA準拠パスも作成しておらず、ORACLE_BASE
も設定していない場合、Oracleインベントリ・ディレクトリはインストールを実行するユーザーのホーム・ディレクトリに配置されます。次に例を示します。
/home/oracle/oraInventory
Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーが作成する必要はありません。
注意:
|
Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスと識別名を指定するよう求められます。OFAガイドラインに従い、指定するOracleホーム・ディレクトリを、インストールを実行するユーザー・アカウントのOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリにすることを強くお薦めします。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。
oracle_base/product/11.1.0/dbhome_1 oracle_base/product/11.2.0/dbhome_1 oracle_base/product/11.2.0/grid
Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。
注意: インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。 |
インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。
注意: システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合でも、Oracleベース・ディレクトリを作成できます。 |
既存のOracleベース・ディレクトリは、Optimal Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。
既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別。詳細は、「Oracleインベントリ・グループの作成」を参照してください。
注意: 新規インストールの場合、oraInventory ディレクトリをOracleベース・ディレクトリに配置しないことをお薦めします。ただし、既存のインストールがある場合、この項の手順に従ってください。 |
次のコマンドを入力してoratab
ファイルの内容を表示します。
# more /etc/oratab
oratab
ファイルが存在する場合は、次のようなコード行が含まれます。
*:/u03/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1:N *:/opt/orauser/infra_904:N *:/oracle/9.2.0:N
各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。oracle
ユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、前述の例でリストされている次のディレクトリのどちらかを選択できます。
/u03/app/oracle /oracle
注意: 可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle )のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。 |
既存のOracleベース・ディレクトリの識別
Oracleホーム・ディレクトリの場所を確認したら、次のようなコマンドを実行してOracleベースの場所を確認します。
cat /u01/app/oraInventory/ContentsXML/inventory.xml
このインストールに既存のOracleベース・ディレクトリの使用を決定する前に、次の条件を満たしていることを確認してください。
このディレクトリがオペレーティング・システムと同じファイル・システム上にないこと。
Oracleベース・ディレクトリに、ソフトウェア・ファイル用に7.5GBのディスク空き領域があること。
Oracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。
# df -k oracle_base_path
詳細は、次の各項を参照してください。
Oracleベース・ディレクトリが存在し、それを使用する場合は、「Oracle Databaseファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択」を参照してください。
この後の項でoracle
ユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE
環境変数を設定して選択したディレクトリを指定します。
Oracleベース・ディレクトリがシステム上にない、またはOracleベース・ディレクトリを作成する場合は、「Oracleベース・ディレクトリの作成」を参照してください。
Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、十分な空きディスク領域を持つ適切なファイル・システムを識別する必要があります。
マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを使用します。
# df -k
表示された結果から、適切な空き領域があるファイル・システムを識別します。
識別するファイル・システムは、ローカル・ファイル・システム、クラスタ・ファイル・システムまたは動作保証されているNASデバイス上のNFSファイル・システムのいずれかです。
指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。
Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループ、および権限を指定する手順は、次のとおりです。
次のようなコマンドを入力し、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
# mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
次に例を示します。
# mkdir -p /u01/app/oracle # chown -R oracle:oinstall /u01/app/oracle # chmod -R 775 /u01/app/oracle
この後の項でoracle
ユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE
環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。
Oracle Databaseファイルには、データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル、およびパスワード・ファイルが含まれます。すべてのインストールに対して、Oracle Databaseファイルで使用する記憶域オプションを選択する必要があります。インストール時に自動バックアップを有効にする場合は、リカバリ・ファイル用に使用する記憶域オプション(高速リカバリ領域)も選択する必要があります。各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。
注意: ファイル・システムおよびOracle ASMでは、データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルがサポートされます。 |
次のガイドラインに従って、各ファイル・タイプの記憶域オプションを選択します。
各ファイル・タイプには、任意の組合せの記憶域オプションを選択できます。
Oracle ASMをOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル、あるいはその両方に使用するかどうかを決定します。詳細は、「手順1: Oracle Automatic Storage Managementの記憶域要件の識別」を参照してください。
これらの記憶域オプションの詳細は、「データベース記憶域オプション」を参照してください。
インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次のいずれかの項を参照してください。
データベース記憶域またはリカバリ・ファイル記憶域にファイル・システムを使用する場合は、「Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成」を参照してください。
データベース記憶域またはリカバリ・ファイル記憶域でOracle ASMを使用する場合は、「Oracle Automatic Storage Managementインストールのためのディスクの準備」を参照してください。
ディスク・グループを識別し、空きディスク領域を確認するには、「Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループの使用」を参照してください。
ファイル・システムにOracle Databaseファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。
Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルト・パスは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。
データベース・ファイルの格納には、単一のファイル・システムまたは複数のファイル・システムのどちらでも選択できます。
単一のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の物理デバイス上でファイル・システムを選択してください。
最適のパフォーマンスと信頼性を得るには、複数の物理デバイス上でRAIDデバイスまたは論理ボリュームを選択して、Stripe-And-Mirror-Everything(SAME)方法論を実装します。
複数のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の個別物理デバイス上でファイル・システムを選択します。
この方法を使用すると、様々なデバイスに物理入出力操作を分散させ、個別の制御ファイルを作成して信頼性を高めることができます。これにより、OFAガイドラインを完全に実装することもできます。「詳細」データベース作成オプションを選択すると、このメソッドを実装できます。
インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、選択するファイル・システム(複数も可)に2GB以上の空きディスク領域が必要です。
最適なパフォーマンスを得るには、データベース専用の物理デバイス上にあるファイル・システムを選択する必要があります。
oracle
ユーザーが指定したパスにファイルを作成するには、書込み権限が必要です。
注意: この手順を行う必要があるのは、Oracleベース・ディレクトリとは別のファイル・システム上にOracle Databaseまたはリカバリ・ファイルを格納する場合のみです。 |
Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリを作成する手順は、次のとおりです。
マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。
# df -k
表示される内容から、使用するファイル・システムを識別します。
ファイル・タイプ | ファイル・システム要件 |
---|---|
データベース・ファイル | 次のいずれかを選択します。
|
リカバリ・ファイル | 2.4GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。 |
多数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、各タイプに対するディスク領域要件を加算して、ディスク領域要件の合計を判断します。
指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。
次のようなコマンドを入力し、マウント・ポイント・ディレクトリごとに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
データベース・ファイル・ディレクトリ:
# mkdir /mount_point/oradata # chown oracle:oinstall /mount_point/oradata # chmod 775 /mount_point/oradata
データベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、$ORACLE_BASE/oradata
です。
リカバリ・ファイル・ディレクトリ(高速リカバリ領域):
# mkdir /mount_point/fast_recovery_area # chown oracle:oinstall /mount_point/fast_recovery_area # chmod 775 /mount_point/fast_recovery_area
デフォルトの高速リカバリ領域は、$ORACLE_BASE/fast_recovery_area
です。高速リカバリ領域は、データベース・ファイル・ディレクトリのディスクとは別の物理ディスク上に保持することをお薦めします。これにより、oradata
を含むディスクがなんらかの理由で使用できない場合に、高速リカバリ領域を使用してデータを取得できます。
保管用にOracle ASMも使用する場合は、「Oracle Automatic Storage Managementインストールのためのディスクの準備」および「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。
注意: Oracle Database 11g製品を既存のOracleホームに追加でインストールする場合、リスナーおよびデータベースも含め、Oracleホームで実行中のすべての処理を停止します。Oracle Universal Installerを有効にして特定の実行可能ファイルおよびライブラリを再リンクするには、この作業を完了する必要があります。 |
Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseをインストールする前に、次のことを考慮します。
Oracle Restartを使用する場合は、データベースのインストールおよび作成を行う前にOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。データベースをインストールするときは、Oracle Grid Infrastructureのインストールの際に作成されたリスナーを使用する必要があるため、この項で示す手順を実行する必要はありません。
デフォルト・リスナーおよびその他のすべてのリスナーは、Oracle Grid Infrastructureホームで実行する必要があります。「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照して続行してください。
Oracle ASMで既存のOracle Database 11gリリース2(11.2)が実行中の場合は、既存のOracle ASMインスタンスを停止します。Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールが終了した後に、Oracle ASMインスタンスを再び起動します。
ソフトウェアのインストール時にデータベースの作成すると、ほとんどのインストール・タイプではTCP/IPポート1521
とIPCキー値EXTPROC
を使用して、デフォルトのOracle Netリスナーが構成および起動されます。既存のOracle Netリスナー・プロセスが同じポートまたはキー値を使用している場合は、Oracle Universal Installerは次に使用可能なポート(1522
など)を探し、そのポートで新しいリスナーを構成および起動します。
既存のリスナー・プロセスが実行中かどうかを判別し、必要に応じてそれを停止する手順は、次のとおりです。
ユーザーをoracle
に切り替えます。
# su - oracle
次のコマンドを入力し、リスナー・プロセスが実行中かどうかを判別し、プロセスの名前とそれがインストールされているOracleホーム・ディレクトリを識別します。
$ ps -ef | grep tnslsnr
このコマンドを実行すると、システム上で実行中のOracle Netリスナーに関する情報が表示されます。
... oracle_home1/bin/tnslsnr LISTENER -inherit
この例で、oracle_home1
は、リスナーがインストールされているOracleホーム・ディレクトリ、LISTENER
はリスナー名です。
コマンド・プロンプトで、ORACLE_HOME
環境変数を設定して、リスナーの適切なOracleホーム・ディレクトリを指定します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ ORACLE_HOME=oracle_home1
$ export ORACLE_HOME
Cまたはtcshシェルの場合:
% setenv ORACLE_HOME oracle_home1
次のコマンドを入力し、リスナーが使用しているTCP/IPポート番号およびIPCキー値を識別します。
$ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl status listenername
注意: リスナーがデフォルト名LISTENER を使用する場合、このコマンドでリスナー名を指定する必要はありません。 |
次のようなコマンドを入力し、リスナー・プロセスを停止します。
$ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop listenername
この手順を繰り返して、このシステムで実行中のリスナーをすべて停止します。
Oracle Universal Installerはoracle
またはgrid
アカウントから実行する必要があります。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracle
またはgrid
ユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次のことが必要です。
注意: オペレーティング・システム・ベンダーによってサポートされているシェル・プログラムを使用します。オペレーティング・システムでサポートされていないシェル・プログラムを使用すると、インストール時にエラーが発生する場合があります。 |
Oracleソフトウェア所有者の環境を設定するには、ソフトウェア所有者(oracle
、grid
)ごとに次の手順を実行します。次の手順は、oracle
ユーザーのみに対する手順を示しています。
新規Xターミナル・セッション(xterm
)を開始します。
次のコマンドを入力し、Xウィンドウ・アプリケーションがこのシステム上に表示されることを確認します。
$ xhost + RemoteHost
RemoteHost
は完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。
$ xhost + somehost.example.com
そのユーザーでログインしていない場合は、構成するソフトウェア所有者に切り替えます。たとえば、oracle
ユーザーなどです。
$ su - oracle
oracle
ユーザーのデフォルトのシェルを判別するには、次のコマンドを入力します。
$ echo $SHELL
テキスト・エディタでユーザーのシェル起動ファイルを開きます。
Bashシェル(bash
):
$ vi .bash_profile
Bourneシェル(sh
)またはKornシェル(ksh
):
$ vi .profile
Cシェル(csh
またはtcsh
):
% vi .login
次のように行を入力または編集して、デフォルトのファイル・モード作成マスクの値に022を指定します。
umask 022
ファイルを保存して、テキスト・エディタを終了します。
シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
Bashシェルの場合:
$ . ./.bash_profile
BourneまたはKornシェルの場合:
$ . ./.profile
Cシェルの場合:
% source ./.login
ローカル・コンピュータにソフトウェアをインストールしない場合は、リモート・コンピュータで次のコマンドを実行して、DISPLAY
変数を設定します。
Bourne、BashまたはKornシェルの場合:
$ export DISPLAY=local_host
:0.0
Cシェルの場合:
% setenv DISPLAY local_host
:0.0
この例で、local_host
は、インストーラを表示するためのシステム(ご使用のワークステーションまたは他のクライアント)のホスト名またはIPアドレスです。
リモート・システム上で次のコマンドを実行し、SHELL
およびDISPLAY
環境変数が正しく設定されていることを確認します。
echo $SHELL echo $DISPLAY
表示場所をデフォルト表示からリモート・システム表示に変更するには、ローカル・コンピュータで次のコマンドを実行します。
$ xhost + RemoteHost
Xアプリケーションの表示が正しく設定されていることを確認するには、オペレーティング・システムに付属のX11ベースのプログラム(xclock
など)を実行します。
$ xclock
DISPLAY
環境変数が正しく設定されていれば、xclock
がコンピュータ画面に表示されます。xclock
が起動しない場合は、システム管理者に連絡してください。
/tmp
ディレクトリの空きディスク領域が1GB未満である場合は、1GB以上の空き領域があるファイル・システムを特定し、そのファイル・システムの一時ディレクトリを指定するようにTMP
およびTMPDIR
環境変数を設定します。
マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。
# df -k /tmp
必要に応じて、次のようなコマンドを入力し、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。
su - root $ mkdir /mount_point/tmp $ chmod a+wr /mount_point/tmp #exit
次のようなコマンドを入力し、TMP
およびTMPDIR
環境変数を設定します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ TMP=/mount_point/tmp $ TMPDIR=/mount_point/tmp $ export TMP TMPDIR
Cシェルの場合:
% setenv TMP /mount_point/tmp % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
システムに既存のインストール環境があり、同じユーザー・アカウントを使用して今回のインストールを行う場合は、ORACLE_HOME
、ORACLE_BASE
、ORACLE_SID
、TNS_ADMIN
の環境変数と、Oracleソフトウェア・ホームに接続されているOracleインストール・ユーザーに対して設定されたその他の環境変数の設定を削除します。
次のコマンドを入力し、ORACLE_HOME
、ORACLE_BASE
、ORACLE_SID
およびTNS_ADMIN
の環境変数が設定されていないことを確認します。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ unset ORACLE_HOME $ unset ORACLE_BASE $ unset ORACLE_SID $ unset TNS_ADMIN
Cシェルの場合:
% unsetenv ORACLE_HOME % unsetenv ORACLE_BASE
% unsetenv ORACLE_SID % unsetenv TNS_ADMIN
次のコマンドを使用してPATH
環境変数をチェックします。
$ echo $PATH
$ORACLE_HOME/bin
パスがPATH
環境変数から削除されていることを確認します。
注意: ORACLE_HOME 環境変数が設定されている場合、Oracle Universal Installerはその環境変数でOracleホーム・ディレクトリのデフォルト・パスとして指定されている値を使用します。ORACLE_BASE 環境変数を設定する場合は、ORACLE_HOME 環境変数の設定を解除し、Oracle Universal Installerによって提示されるデフォルト・パスを選択することをお薦めします。 |
環境設定が正しく行われたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ umask $ env | more
umaskコマンドによって値22
、022
または0022
が表示されること、およびこの項で設定した環境変数に正しい値が指定されていることを確認します。
注意: Oracle Databaseソフトウェアの新しいリリースをこのシステムにインストール済の場合は、rootpre.sh スクリプトを実行しないでください。 |
rootpre.sh
スクリプトを実行します。
ユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
インストール・ファイルの場所に合せて、次のいずれかの操作を行います。
インストール・ファイルがディスク上にある場合は、次のようなコマンドを入力します。このコマンドのdirectory_path
は、ディスク・マウント・ポイント・ディレクトリまたはDVDのdb
ディレクトリのパスです。
# /directory_path/rootpre/rootpre.sh
インストール・ファイルがハードディスクにある場合は、ディレクトリをrootpre.sh
が存在する場所に変更し、次のコマンドを入力します。
# ./rootpre.sh
root
アカウントを終了します。
# exit