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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)
B57781-08
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7 Oracle Databaseソフトウェアの削除

この章では、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。削除ツールを使用したOracleソフトウェアの削除に関する情報が含まれます。

deinstallコマンドは、スタンドアロンのOracle Databaseインストール、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)をサーバーから削除するほか、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)およびOracle Database Clientのインストールを削除します。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以降、削除ツールを使用して、Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RAC、Oracle Database Clientインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除することをお薦めします。個々の製品やコンポーネントの削除はサポートされません。

次の各項では、deinstallコマンドとそのコマンドを使用するための追加オプションについて説明します。


注意:

クラスタ内のノード上にスタンドアロン・データベースがあり、同じグローバル・データベース名(GDN)を持つデータベースが複数ある場合は、削除ツールを使用して削除できるデータベースは1つのみです。

7.1 削除ツールについて

削除ツール(deinstall)は、インストール前はインストール・メディアから、インストール後はOracleホーム・ディレクトリから使用できます。削除ツールの場所は、$ORACLE_HOME/deinstallディレクトリです。

deinstallコマンドでは、ユーザーが入力した情報およびソフトウェア・ホームから収集した情報を使用してパラメータ・ファイルが作成されます。このファイルのかわりに、以前のdeinstallコマンドで生成されたパラメータ・ファイルを使用するには、–checkonlyオプションを指定するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。

削除ツールによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してスタンドアロン・サーバー用Oracle Grid Infrastructureを削除する場合、rootユーザーとしてroothas.plスクリプトを実行し、Oracle Restartを構成解除するよう求められます。


注意:

deinstallコマンドを実行した場合に、構成解除して削除しようとしているホーム以外の登録済ホームが中央インベントリ(oraInventory)に含まれていなければ、削除コマンドは、Oracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリ内の次のファイルとディレクトリ・コンテンツを削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • fast_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成すること、およびOracleソフトウェアが排他的に使用するOracleベースとOracleホーム・パスを予約することを強くお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータはdeinstallコマンドによって削除されます。


deinstallコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files]
[-tmpdir complete path of temporary directory to use]
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

Oracleソフトウェア・インストールの所有者として削除ツールを実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

$ $ORACLE_HOME/deinstall/deinstall

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。

deinstallコマンドによって、Oracleソフトウェアが停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルが削除されます。


注意:

Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを実行する必要があります。以前のリリースのOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは使用しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4OracleホームにあるOracleソフトウェアを削除するとき、12.1.0.1のインストール・メディアに収録されている削除ツールは実行しないでください。

さらに、削除ツールは、他の場所での実行、パラメータ・ファイルを使用して実行、または他のオプションを選択して実行できます。

オプションは次のとおりです。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのパスを指定します。deinstallを実行するOracleホームで、deinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、別の場所のパラメータ・ファイルを指定し、-homeフラグは使用しません。

    $ORACLE_HOME/deinstallパスからdeinstallを実行する場合は、実行されているホームをツールが認識できるため、-homeフラグは不要です。スタンドアロン・バージョンのツールを使用する場合は、-homeを指定する必要があります。

  • -silent

    このフラグは、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでコマンドを実行する場合に使用します。-silentフラグを使用する場合は、-paramfileフラグを使用して、削除または構成解除するOracleホームの構成値を含むパラメータ・ファイルを指定する必要があります。

    使用または変更するパラメータ・ファイルは、-checkonlyフラグを指定してdeinstallを実行すると生成できます。deinstallコマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silentオプションで使用できます。

    $ORACLE_HOME/deinstall/responseフォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成ステータスをチェックする場合に使用します。-checkonlyフラグを指定してdeinstallコマンドを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。-checkonlyフラグにより、deinstallコマンドと-silentオプションで使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。

  • -local

    このフラグは、複数ノード環境でクラスタ内のOracleソフトウェアを削除する場合に使用します。

    このフラグを指定してdeinstallを実行すると、ローカル・ノード(deinstallが実行されたノード)上のOracleソフトウェアが構成解除および削除されます。リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアは構成解除されますが、削除されません。

  • -paramfile 入力パラメータ・プロパティ・ファイルの完全パス

    このフラグは、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを指定してdeinstallを実行する場合に使用します。このフラグを使用するときは、パラメータ・ファイルがある完全パスを指定します。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの場所は、deinstallの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: $ORACLE_HOME/inventory/response

    • OTNからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /ziplocation/response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -params [name1=value name 2=value name3=value . . .]

    このフラグは、作成したパラメータ・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、パラメータ・ファイルとともに使用します。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグは、プロパティ・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)が保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの場所は、deinstallの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合(インストール前): $ORACLE_HOME/

    • OTNからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /ziplocation/response/

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -tmpdir 一時ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時に一時ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -logdir 一時ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時にログ・ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。

以前のリリースのGridホームの削除

以前のリリースからのアップグレードの場合、以前のリリースのGridホームを削除するには、以前のリリースのGridホームの権限をrootユーザーとして手動で変更し、削除コマンドを実行する必要があります。

次に例を示します。

# chown -R grid:oinstall /u01/app/grid/11.2.0
# chmod -R 775 /u01/app/grid/11.2.0

この例で、/u01/app/grid/11.2.0は以前のリリースのGridホームです。

7.2 失敗したインストールで使用する削除ツールのダウンロード

削除ツール(deinstall)を使用して、失敗したインストールまたは不完全なインストールを削除する必要がある場合は、Oracle Technology Network (OTN)のWebサイトで個別にダウンロードできます。

削除ツールをダウンロードする手順:

  1. 次のURLに移動します。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/enterprise-edition/downloads/index.html

  2. Oracle Database 11gリリース2の下で、削除ツールをダウンロードする各プラットフォームの「すべて表示」をクリックします。

    削除ツールは、このWebページの最後で、ダウンロードできます。

7.3 Deinstallコマンドの実行例

deinstallコマンドを実行すると、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリを入力するように要求されます。プロンプトに従って追加情報を入力してください。

オプション・フラグ-paramfileを使用してパラメータ・ファイルへのパスを指定します。

次の例では、deinstallコマンドはパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/deinstallにあり、ソフトウェア所有者の場所(/home/usr/oracle)にあるパラメータ・ファイルを使用しています。

$ cd /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/deinstall
$ ./deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_db_paramfile.tmpl

Oracle Grid Infrastructureホームの場合、スタンドアロン・サーバーのOracle Grid Infrastructureのホーム(この例では/u01/app/oracle/product/11.2.0/grid)にある削除スクリプトを使用します。

$ cd /u01/app/oracle/product/11.2.0/grid/deinstall
$ ./deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_grid_paramfile.tmpl

$ORACLE_HOME/deinstallフォルダの外でdeinstallコマンドを入力すると、-homeフラグを入力してパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。$ORACLE_HOME/deinstallフォルダからdeinstallコマンドを実行すると、ホーム・アドレスの入力は要求されずに削除が開始されます。

7.4 Oracle Databaseの削除パラメータ・ファイルの例

スタンドアロンOracle Databaseに対して、-paramfileオプションを指定してdeinstallコマンドを実行すると、パラメータ・ファイルに指定した値を使用できます。パラメータ・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)は/u01/app/oracle/、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver、OSDBAグループはdbaです。

#Copyright (c) 2005, 2006 Oracle Corporation. All rights reserved.
#Mon Feb 16 06:48:39 UTC 2009
DISK_GROUPS.sidb=
ASM_HOME=
ASM_LOCAL_SID=
LOGDIR=/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/oraInventory/logs/
ORACLE_BASE.sidb=/u01/app/oracle/
RECOVERY_LOC.sidb=
STORAGE_TYPE.sidb=FS
ORACLE_BASE=/u01/app/oracle/
INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory
DB_TYPE.sidb=SI_DB
NODE_LIST.sidb=myserver
ARCHIVE_LOG_DESTINATION_LOC.sidb=
LOCAL_SID.sidb=sidb
DB_UNIQUE_NAME_LIST=sidb
ASM_FILES.sidb=
HOME_TYPE=SIDB
CRS_HOME=false
RAW_MAPPING_FILE.sidb=
SID_LIST.sidb=sidb
ORACLE_BINARY_OK=true
DATAFILE_LOC.sidb=/u01/app/oracle/oradata
local=false
LOCAL_NODE=myserver
CREATION_MODE.sidb=y
CONFIGFILE_LOC.sidb=
DIAG_DEST.sidb=/u01/app/oracle/
silent=false
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/
SPFILE_LOC.sidb=

7.5 Oracle Grid Infrastructureの削除パラメータ・ファイルの例

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホームで、-paramfileオプションを指定してdeinstallコマンドを実行すると、パラメータ・ファイルに指定した値が使用されます。

パラメータ・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Grid Infrastructureバイナリ所有者はoracle、Oracle Grid Infrastructureホームはパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/gridにあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)は/u01/app/oracle/、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver、OSDBAグループはdbaです。

#Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation.  All rights reserved.
#Thu Mar 05 11:36:03 PST 2009
LOCAL_NODE=myserver
HOME_TYPE=SIHA
ASM_REDUNDANCY=EXTERNAL
ORACLE_BASE=/u01/app/oracle/
SCAN_PORT=0
silent=false
ASM_UPGRADE=false
ORA_CRS_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0/grid
GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
LOGDIR=/home/oracle/tmp/deinstall/logs/
ASM_DISCOVERY_STRING=/u02/stor/asm*
GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
ORACLE_OWNER=oracle
ASM_DISKSTRING=
CRS_STORAGE_OPTION=0
ORACLE_BINARY_OK=true
OCR_VOTINGDISK_IN_ASM=false
ASM_ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
NETCFGJAR_NAME=netcfg.jar
ORA_DBA_GROUP=dba
JREDIR=/u01/app/oracle/grid/jdk/jre/
ORA_ASM_GROUP=dba
LANGUAGE_ID='AMERICAN_AMERICA.WE8ISO8859P1'
CSS_LEASEDURATION=400
ASM_HOME=/u01/app/oracle/grid
SHAREJAR_NAME=share.jar
HELPJAR_NAME=help4.jar
SILENT=false
local=false
INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory
GNS_CONF=false
JEWTJAR_NAME=jewt4.jar
EMBASEJAR_NAME=oemlt.jar
ASM_DISKS=/u02/stor/asm/asm0,/u02/stor/asm/asm2,/u02/stor/asm/asm3,/u02/stor/asm/asm1,/u02/stor/asm/asm4,/u02/stor/asm/asm5,/u02/stor/asm/asm6,
/u02/stor/asm/asm7,/u02/stor/asm/asm8
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/grid
CRS_HOME=true
ASM_IN_HOME=true
EWTJAR_NAME=ewt3.jar
ASM_DROP_DISKGROUPS=false
ASM_LOCAL_SID=+ASM
JLIBDIR=/u01/app/oracle/grid/jlib
VNDR_CLUSTER=false
ASM_DISK_GROUP=DATA