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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)
B57782-07
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2 Oracle Database Clientのインストール前の作業

このマニュアルには、Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)をインストールするために必要な情報が含まれています。Oracle Database Clientをインストールするプラットフォームに関連した情報を必ず確認してください。

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。作業の内容は次のとおりです。

2.1 システムへrootとしてログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとしていくつかのタスクを完了しておく必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のいずれかを実行します。


注意:

サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、Xターミナル、またはXサーバーがインストールされているPCやその他システムからソフトウェアをインストールする必要があります。

サイレント・モードのインストールの詳細は、付録Aを参照してください。


  • X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。

    1. Xターミナル(xterm)など、ローカル・ターミナル・セッションを開始します。

    2. ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、次のコマンドを入力して、リモート・ホストでのローカルのXサーバーのXアプリケーションの表示を可能にします。

      $ xhost fully_qualified_remote_host_name
      

      次に例を示します。

      $ xhost somehost.example.com
      
    3. ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、sshrlogin、またはtelnetコマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。

      $ telnet fully_qualified_remote_host_name
      
    4. rootユーザーとしてログインしていない場合は、次のコマンドを入力し、ユーザーをrootに切り替えます。

      $ su - root
      password:
      #
      
  • Xサーバー・ソフトウェアがインストールされたPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする場合の手順は、次のとおりです。


    注意:

    この手順の実行に関する詳細は、必要に応じてXサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。使用しているXサーバーのソフトウェアによっては、別の順序でタスクを実行する必要がある場合があります。

    1. Xサーバー・ソフトウェアを開始します。

    2. Xサーバー・ソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成にします。

    3. ソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステム上でXターミナル(xterm)などのターミナル・セッションを開始します。

    4. rootユーザーとしてリモート・システムにログインしていない場合は、次のコマンドを入力し、ユーザーをrootに切り替えます。

      $ su - root
      password:
      #
      

2.2 ハードウェア要件の確認

システムは、次のOracle Database Client 11gリリース2の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

2.2.1 メモリー要件

Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)のメモリー要件は次のとおりです。

  • 256MB以上のRAM。

    RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/lsattr -E -l sys0 -a realmem
    

    RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、インストールを続行する前にメモリーを増設する必要があります。

  • 次の表では、インストールされているRAMと構成済スワップ領域の推奨サイズの関連を示します。

    RAM スワップ領域
    256MB RAMのサイズの3倍
    256MBから512MB RAMのサイズの2倍
    512MBから2GB RAMのサイズの1.5倍
    2GBから16GB RAMのサイズと同じ
    16GB超 16GB

構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/sbin/lsps -a

必要に応じて、オペレーティング・システムのドキュメントを参照して追加のスワップ領域の構成方法を確認してください。


重要:

  • 使用可能なRAMおよびスワップ領域については、値を確定する前に、複数の値を取得することをお薦めします。これは、ユーザーとコンピュータとの対話によって使用可能なRAMおよびスワップ領域が常に変化しているためです。

  • サーバーのスワップ領域の割当てについては、オペレーティング・システム・ベンダーに確認してください。ベンダーのガイドラインは、このガイドに示すスワップ領域の要件に優先します。


2.2.2 システム・アーキテクチャ

システム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/bin/getconf HARDWARE_BITMODE

このコマンドで想定される出力は64です。想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

システムが64ビット・モードで起動されているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# bootinfo -K

このコマンドの結果に、64ビット・カーネルが有効であることを示す64と表示される必要があります。


注意:

AIX Based Systemsについては、Oracle Database 11gでは、64ビット・カーネルがサポートされます。32ビット・カーネル・アプリケーションはサポートされません。


注意:

プロセッサ・アーキテクチャがインストールするOracleソフトウェアのリリースと適合することを確認します。想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

2.2.3 ディスク領域要件

Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)のディスク領域要件は次のとおりです。

  • /tmpディレクトリでのクライアント・インストールの最低ディスク領域要件は、130MBです。

    /tmpディレクトリ内の使用可能なディスク領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が要件未満の場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。

  • システムの空きディスク領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    
  • 次の表に、AIX Based Systemsの各インストール・タイプでのソフトウェア・ファイルのディスク領域要件を示します。

    インストール・タイプ ソフトウェア・ファイルの要件
    InstantClient 400MB
    管理者 4.0GB
    ランタイム 2.1GB
    カスタム(最大) 4.0GB

2.2.4 ディスプレイ要件

Oracle Database 11gリリース2(11.2)の最小ディスプレイ要件は、解像度が1024x768以上であることです。

2.3 ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、次のソフトウェアがシステムにインストールされているかどうかを確認します。


注意:

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システム・ソフトウェアの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。

https://support.oracle.com/


2.3.1 オペレーティング・システムの要件

Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)には、次に示すバージョン以上のオペレーティング・システムが必要です。


注意:

Oracle Universal Installerでは、システムがリストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。

  • AIX 5L V5.3 TL 09 SP1("5300-09-01")、64ビット・カーネル

  • AIX 6.1 TL 02 SP1("6100-02-01)、64ビット・カーネル

  • AIX 7.1 TL 0 SP1("7100-00-01")、64ビット・カーネル

  • AIX 7.2 TL 0 SP1("7200-00-01")、64ビット・カーネル

AIX 5Lの場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。

  • bos.adt.base

  • bos.adt.lib

  • bos.adt.libm

  • bos.perf.libperfstat 5.3.9.0以上

  • bos.perf.perfstat

  • bos.perf.proctools

  • xlC.aix50.rte.10.1.0.0以上

  • xlC.rte.10.1.0.0以上

  • gpfs.base 3.2.1.8以上

AIX 6.1の場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。

  • bos.adt.base

  • bos.adt.lib

  • bos.adt.libm

  • bos.perf.libperfstat 6.1.2.1以上

  • bos.perf.perfstat

  • bos.perf.proctools

  • xlC.aix61.rte.10.1.0.0以上

  • xlC.rte.10.1.0.0以上

  • gpfs.base 3.2.1.8以上

AIX 7.1の場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。

  • bos.adt.base

  • bos.adt.lib

  • bos.adt.libm

  • bos.perf.libperfstat

  • bos.perf.perfstat

  • bos.perf.proctools

  • xlC.rte.11.1.0.2以上

  • gpfs.base 3.3.0.11以上

AIX 7.2の場合、次のオペレーティング・システム・ファイルセットが必要です。

  • bos.adt.base

  • bos.adt.lib

  • bos.adt.libm

  • bos.perf.libperfstat

  • bos.perf.perfstat

  • bos.perf.proctools

  • xlC.aix61.rte.13.1.2.0以上

  • xlc.rte.13.1.2.0以上


注意:

  • AIX 5Lオペレーティング・システムでは、LOCK_SGAパラメータをtrueに設定する場合、各データベース・インスタンスの起動に使用するオペレーティング・システム・アカウントに対してCAP_BYPASS_RAC_VMMおよびCAP_PROPAGATE権限を必ず有効にする必要があります。そうしないと、LOCK_SGAパラメータの値をTRUEに設定するだけでは、データベース・インスタンスの起動は保証されません。

  • GPFSファイルセットは、Oracleクラスタウェアまたはデータベース・ファイルに共有ストレージとしてIBM GPFSクラスタ・ファイル・システムを使用する場合にのみ必要です。


  1. インストールされているAIXのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # oslevel -s
    

    AIX 5Lの場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 5.3 TL 9 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。

    AIX 6.1の場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 6.1 TL 2 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。

    AIX 7.1の場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 7.1 TL 0 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。

    AIX 7.2の場合: オペレーティング・システムのバージョンがAIX 7.2 TL 0 SP 1より前の場合は、オペレーティング・システムをこのレベル以上にアップグレードします。

    AIXメンテナンス・パッケージは、次の場所から入手できます。

    http://www.ibm.com/

  2. 必要なファイルセットがインストールされ、コミットされているかどうか確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # lslpp -l bos.adt.base bos.adt.lib bos.adt.libm bos.perf.perfstat \
    bos.perf.libperfstat bos.perf.proctools
    
  3. サポートされているカーネル・モードかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # getconf KERNEL_BITMODE
    

    注意:

    • このコマンドで想定される出力は64です。想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

    • Oracle Database 11gでは、64ビット・カーネルがサポートされます。32ビット・カーネル・アプリケーションはサポートされません。


2.3.2 コンパイラ要件

次に、Oracle Database 11gリリース2でのPro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call InterfaceおよびOracle XML Developer's Kit(XDK)の最小のコンパイラ要件を示します。

IBM XL C/C++ Enterprise Edition for AIX, V9.0 April 2008 PTF:

このソフトウェアは、次のリンクからダウンロードできます。

http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24019055

IBM XL C/C++コンパイラをインストールしない場合でも、AIX Runtime Environment Componentにコンパイラが必要です。ランタイム環境のファイルセットは、ライセンス要件なしにダウンロードすることができます。AIX 5.3およびAIX 6.1の最小推奨ランタイム環境は、次のURLから入手できます。

AIX 5.3およびAIX 6.1の場合:

IBM XL C/C++ for AIX, V10.1 Runtime Environment

http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?rs=2239&uid=swg24019829

AIX 7.1の場合:

September 2010 Runtime for XL C/C++ for AIX, V11.1

http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24028034

AIX 7.2の場合:

November 2015 Runtime for XL C/C++ for AIX, V13.1

http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24041340

2.3.3 その他のソフトウェア要件

使用するコンポーネントに応じて、次のソフトウェアがインストールされていることを確認する必要があります。

2.3.3.1 Oracle JDBC/OCIドライバ

Oracle Java Database ConnectivityおよびOracle Call Interfaceドライバでは、JNDI拡張機能を提供するJDK 6(Java 6 64-bit 6.0.0.50 IZ30726(SR2))またはJDK 5(Java 5 64-bit 5.0.0.250 IZ55274(SR10))を使用します。ただし、これらはデータベース・インストールの要件ではありません。このリリースにはJDK 1.5がインストールされています。

2.3.3.2 ODBCドライバ

AIXでは、Oracle ODBCドライバはODBCドライバ・マネージャ2.2.12について動作保証されています。ドライバ・マネージャは次のリンクからダウンロードしてインストールできます。

http://www.unixodbc.org

Oracle Databaseのインストールには、ODBCドライバ・マネージャは必須ではありません。

ODBCを使用するには、gcc 3.4.5をインストールします。

2.3.3.3 64ビット・プラットフォーム用の独立した32ビット・クライアント・ソフトウェア

Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降、64ビット・クライアント・ソフトウェアに32ビット・クライアント・バイナリは含まれません。64ビット・プラットフォーム上で32ビット・クライアント・バイナリが必要な場合は、それぞれの32ビット・クライアント・ソフトウェアから32ビット・バイナリを別々のOracleホーム内にインストールします。


関連項目:

詳細は、My Oracle Supportノート883702.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=883702.1


2.3.3.4 ブラウザ要件

Oracle Databaseのインストールには、Webブラウザは必須ではありません。ただし、ドキュメントにアクセスしたり、Oracle Enterprise Manager Database ControlおよびOracle Application Expressを使用するには、ブラウザが必要です。Webブラウザは、JavaScript、HTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。

Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、次のブラウザがサポートされています。

  • Microsoft Internet Explorer 10.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.3以上をサポート)

  • Microsoft Internet Explorer 9.0

  • Microsoft Internet Explorer 8.0

  • Microsoft Internet Explorer 7.0 SP1

  • Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2

  • Firefox 21.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)

  • Firefox 17.0.6 ESR (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)

  • Firefox 3.6

  • Firefox 3.5

  • Firefox 3.0.7

  • Firefox 2.0

  • Safari 4.0.x

  • Safari 3.2

  • Safari 3.1

  • Google Chrome 27.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)

  • Google Chrome 4.0

  • Google Chrome 3.0

  • Netscape Navigator 9.0

  • Netscape Navigator 8.1


関連項目:

『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』

2.3.3.5 プログラミング言語

次の製品の組合せが動作保証されています。

  • Pro* COBOL

    • IBM COBOL for AIXバージョン4.1 (September 2010 PTF)

    • IBM COBOL for AIXバージョン3.1

    • Micro Focus Server Express 5.1

  • Pro* FORTRAN

    • IBM XL Fortran Enterprise Edition for AIX, V11.1 April 2008 PTF

  • Ada

    • OC Systems PowerAda 5.5

OC SystemsおよびPowerAdaの詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.ocsystems.com/contact.html

2.3.4 パッチ要件

AIX Based Systems用のOracle Database 11gリリース2(11.2)には、次に示す以上のパッチが必要です。


注意:

  • AIX APAR番号は、AIXのバージョンおよびテクノロジ・レベル(TL)と関係付けられています。AIXのバージョンおよびTLと合致するAPARを、次のURLのIBM Fix Central Webサイトからダウンロードし、インストールしてください。

    http://www.ibm.com/

  • このリリースに対して記載されている最小レベルより上のTLレベルを使用している場合は、ここに記載されている必須のAPARがシステムのTLレベルに含まれているかどうかをIBM社に問い合せてください。含まれている場合、インストールの必要はありません。含まれていない場合は、該当するTLレベルと同等のAPARをインストールする必要があります。


インストール・タイプまたは製品 要件
すべてのインストール AIX 5LのAuthorized Problem Analysis Report(APAR):

前述のAIX 5Lの最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 5L V5.3 TL 09 SP1の次のAuthorized Problem Analysis Reports(APARs)をインストールします。

  • IZ42940

  • IZ49516

  • IZ52331

これらの5.3修正は、次のTLレベルにあります。

  • AIX 5.3 TL 09 SP 05以上

  • AIX 5.3 TL 10 SP 02以上

  • AIX 5.3 TL 11

すべてのインストール AIX 6.1のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):

前述のAIX 6.1の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 6.1 TL 02 SP1の次のAuthorized Problem Analysis Reports(APARs)をインストールします。

  • IZ41855

  • IZ51456

  • IZ52319

  • IZ97457

  • IZ89165

これらの6.1修正は、次のTLレベルにあります。

  • AIX 6.1 TL 02 SP 04以上

  • AIX 6.1 TL 03 SP 02以上

  • AIX 6.1 TL 04

このリリースにリストされる最小レベルより後のTLレベルを使用している場合、次の追加のオペレーティング・システム・パッチを適用して不具合に対応します。

BIND64 CORES WITH -BLAZY OPTION

次のAPAR番号を使用して、オペレーティング・システムのTLレベルに適したパッチをダウンロードします。

  • AIX 6.1 TL 03: AIX APAR IZ89304を使用

  • AIX 6.1 TL 04: AIX APAR IZ89302を使用

  • AIX 6.1 TL 05: AIX APAR IZ89300を使用

  • AIX 6.1 TL 06 SP 4: AIX APAR IZ88711を使用

  • AIX 6.1 TL 06 SP 5: AIX APAR IZ89514を使用

  • AIX 6.1 TL 07: AIX APAR IZ88880を使用

すべてのインストール AIX 7.1のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):

前述のAIX 7.1の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 7.1 TL 0 SP1の次のAuthorized Problem Analysis Reports(APARs)をインストールします。

  • IZ87216

  • IZ87564

  • IZ89165

  • IZ97035

すべてのインストール AIX 7.2のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):

前述のAIX 7.2にオペレーティング・システムの最小TLレベルを使用している場合は、次のAIX 7.2 TL 0 SP1用のAuthorized Problem Analysis Report(APAR)をインストールします。

  • IV79639

  • IV79848

  • IV80412

注意: IV79441用の必須修正を含んでいるのでIV80412m1aをインストールします。


次の手順に、これらの要件を確認する方法を示します。

  • APARがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/instfix -i -k "IZ42940 IZ49516 IZ52331 IZ41855 IZ52319"
    

    APARがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

    http://www.ibm.com/

  • WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。

    http://www.ibm.com/

2.3.5 Instant Client Light要件

Instant Client Lightを使用する場合は、前の項で説明した要件の他に、アプリケーションで次の言語とキャラクタ・セットを使用する必要があります。

  • 言語: Oracleでサポートされる言語

  • 地域: Oracleでサポートされる地域

  • キャラクタ・セット:

    • シングルバイト

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8MSWIN1252

      • WE8ISO8859P1

    • Unicode

      • UTF8

      • AL16UTF16

      • AL32UTF8

      Instant Client Lightは、次のデータベース・キャラクタ・セットのいずれかを備えるデータベースに接続できます。

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8MSWIN1252

      • WE8ISO8859P1

      • WE8EBCDIC37C

      • WE8EBCDIC1047

      • UTF8

      • AL32UTF8

言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANG環境変数によって決定されます。

2.4 必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムにOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

  • Oracleインベントリ・グループ(通常はoinstall)

    Oracle中央インベントリへの書込みアクセスが可能なグループ(oraInventory)に属している必要があります。

    Oracleソフトウェアのインストール時のインストール・ログとトレース・ファイル。これらのファイルは、今後の参照のために関連するOracleホームにコピーされます。

    Oracleのインストールに関するその他のメタデータ・インベントリ情報は個々のOracleホーム・インベントリ・ディレクトリに格納され、中央インベントリからは分離されます。

    新規インストールでは、Oracle Universal Installerを使用して中央インベントリ・ディレクトリを作成することをお薦めします。デフォルトでは、/u01/appなどOFA構造に準拠してOracleパスを作成すると、中央インベントリはパスu01/app/oraInventoryに作成され、すべてのOracleインストールの所有者は、適切な権限を使用して、このディレクトリに書き込むことができます。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle)

    Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合は、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーはインストール時にインストールされる全ソフトウェアの所有者となります。このユーザーには、プライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループを指定する必要があります。また、セカンダリ・グループは、OSDBAグループおよびOSOPERグループであることが必要です。


    注意:

    • Oracleドキュメントでは、Oracle Databaseインストールを所有するユーザーのことをoracleユーザーと呼びます。

    • Oracle Databaseインストールは、Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)が所有し、Oracleソフトウェア所有者ユーザーのプライマリ・グループはOracleインベントリ・グループ(oinstall)である必要があります。


システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、単一のOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェア・インストールに、同一のOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、インストールごとに異なるOracle所有者ユーザーを作成することは可能です。


注意:

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Services(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。

2.4.1 Oracleインベントリ・グループの作成

既存のOracleインベントリ・グループがない場合は、作成する必要があります。次の項目ごとに、Oracleインベントリ・グループの名前の確認方法(存在する場合)および作成方法(必要な場合)を説明します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの確認

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名(通常oinstall)およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

oraInst.locファイルには、次のような内容が含まれます。

inventory_loc=central_inventory_location
inst_group=group

前述の例では、central_inventory_locationがOracle中央インベントリの場所、groupが中央インベントリへの書込み権限のあるグループ名を示します。

既存のOracleインベントリがある場合は、すべてのOracleソフトウェアのインストールで同じOracleインベントリを使用し、インストールに使用するすべてのOracleソフトウェア・ユーザーにこのディレクトリへの書込み権限があることを確認してください。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# more /etc/oraInst.loc

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oraInventory
inst_group=oinstall

前述の出力例は、次の内容を示します。

  • inventory_locパラメータは、Oracleインベントリの場所を示します。

  • inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名(この例ではoinstall)を示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のとおりOracleインベントリ・グループを作成します。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # smit security
    
  2. 適切なメニュー項目を選択し、oinstallグループを作成します。

  3. [F10]を押して終了します。

2.4.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の状況では、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合(たとえば、システムへOracleソフトウェアを初めてインストールする場合)。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、異なるオペレーティング・システム・ユーザーを使用する場合。

2.4.2.1 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの存在の確認

Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)の有無を判別するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドからの出力は、次のようになります。

uid=54321(oracle) gid=54321(oinstall) groups=54322(dba),54323(oper)

ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、または他のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、そのユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであることを確認してください。詳細は、次の項のいずれかを参照してください。


注意:

必要に応じて、既存のユーザーの使用または変更の前にシステム管理者に連絡してください。

2.4.2.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合や、新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、oracleというユーザー名を使用します(この名前のユーザーが存在しない場合)。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # smit security
    
  2. 適切なメニュー項目を選択し、次の情報を指定してoracleユーザーを作成します。

    • 「Primary GROUP」フィールドで、Oracleインベントリ・グループ(oinstallなど)を指定します。

    • 「Group SET」フィールドで、OSDBAグループを(必要に応じてOSOPERグループも)指定します。たとえば、dbaasmdbaoperなどです。

  3. [F10]を押して終了します。

  4. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    

続行するには、「必要なソフトウェア・ディレクトリの識別」を参照してください。

2.4.2.3 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合は、次のようなコマンドを入力してプライマリ・グループを変更します。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # smit security
    
  2. 適切なメニュー項目を選択し、oracleユーザーを変更します。

  3. 「Primary GROUP」フィールドで、Oracleインベントリ・グループ(oinstallなど)を指定します。

  4. 「Group SET」フィールドで、必要なセカンダリ・グループ(dbaなど)を指定します。

  5. [F10]を押して終了します。

2.5 必要なソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。


注意:

Oracleソフトウェア用に選択したパス(Oracleホーム・パス、Oracleベース・パスなど)では、ASCII文字のみを必ず使用してください。一部のパスにインストール所有者名がデフォルトで使用されるため、このASCII文字制限はユーザー名、ファイル名およびディレクトリ名に適用されます。

2.5.1 Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。UNIXシステムでは、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインによって、次のようなパスをOracleベース・ディレクトリに使用することが推奨されています。

/mount_point/app/software_owner

各項目の意味は次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。

    このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。

  • software_ownerは、oracleなど、Oracleソフトウェアをインストールしているソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。

すべてのOracle製品を含むORACLE_BASEフォルダを指定する必要があります。


注意:

既存のOracleベースがある場合は、既存のものを使用ドロップダウン・ボックスから選択できます。デフォルトでは、ドロップダウン・ボックスには、選択したOracleベースの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Database Clientソフトウェアのインストール」を参照してください。

Oracleベースがない場合は、リスト・ボックスでテキストを編集し、新規作成できます。


複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、すべてのOracleベース・ディレクトリが同じシステムに存在できます。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要な場合のOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のディレクトリを使用するかにかかわらず、ORACLE_BASE環境変数を設定して、そのディレクトリのフルパスを指定する必要があります。

2.5.2 Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracle Universal InstallerはそのOracleインベントリを使用します。

システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、OFAに準拠した/u[01-09]/app形式のパス(/u01/appなど)が提供されます。インストールを実行中のユーザーには、そのパスの書込み権限があります。すべてを満たしている場合、Oracle Universal Installerはパス/u[01-09]/app/oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリを作成します。次に例を示します。

/u01/app/oraInventory

インストールの際にoracleユーザーのORACLE_BASEを設定した場合、Oracle Universal Installerにより、パスORACLE_BASE/../oraInventoryにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。たとえば、ORACLE_BASE/u01/app/oracle/に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventoryに作成されます。

OFA準拠パスの作成およびORACLE_BASEの設定を行わなかった場合、Oracleインベントリ・ディレクトリはインストールを実行するユーザーのホーム・ディレクトリに配置されます。次に例を示します。

/home/oracle/oraInventory

Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーが作成する必要はありません。


注意:

  • すべてのOracleソフトウェア・インストールはこのディレクトリに依存します。ディレクトリを必ず定期的にバックアップしてください。

  • システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除した場合を除き、このディレクトリは削除しないでください。

  • デフォルトでは、Oracleインベントリ・ディレクトリはOracleベース・ディレクトリの下にインストールされません。これは、すべてのOracleソフトウェア・インストールで共通のOracleインベントリを共有するため、すべてのユーザーに対して1つのOracleインベントリしかないためです。一方、各ユーザーには個別のOracleベースがあります。


2.5.3 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスおよびディレクトリを識別する名前を指定するよう求められます。OFAガイドラインに従い、指定するOracleホーム・ディレクトリを、インストールを実行するユーザー・アカウントのOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリにすることことを強くお薦めします。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。

$ORACLE_BASE/product/11.2.0/client_1

Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。

2.6 Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。


注意:

システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合にも、Oracleベース・ディレクトリを作成するように選択できます。

2.6.1 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリは、OFAガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoraInst.locファイルの内容を表示します。

    # more /etc/oraInst.loc
    

    oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oraInventory
    inst_group=oinstall
    

    inventory_locパラメータは、Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)を識別します。oraInventoryディレクトリの親ディレクトリは、通常、Oracleベース・ディレクトリです。前述の例では、/u01/app/oracleはOracleベース・ディレクトリです。

  • 既存のOracleホーム・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoratabファイルの内容を表示します。

    # more /etc/oratab
    

    oratabファイルが存在する場合、このファイルには、次のような行が含まれます。

    *:/u03/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1:N
    *:/opt/orauser/infra_904:N
    *:/oracle/9.2.0:N
    

    各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。前述の例で、oracleユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、次のディレクトリのどちらかを選択できます。

    /u03/app/oracle
    /oracle
    

    注意:

    可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle)のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。

  • 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

    Oracleホーム・ディレクトリを特定した後、次のようなコマンドを実行してOracleベースの場所を確認します。

    cat /u01/app/oraInventory/ContentsXML/inventory.xml
    

続行する手順は、次のとおりです。

  • Oracleベース・ディレクトリが存在し、これを使用する場合は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。

    この後の項でoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して選択したディレクトリを指定します。

  • Oracleベース・ディレクトリがシステムに存在せず、Oracleベース・ディレクトリを作成する場合は、次の項を参照してください。

2.6.2 Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、ディスク領域がある適切なファイル・システムを識別する必要があります。

適切なファイル・システムを識別するには、次の手順を実行します。

  1. マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。

    # df -k
    
  2. 表示から、適切な空き領域を持つファイル・システムを識別します。

  3. 指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループ、および権限を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のようなコマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨されるサブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびそれらの権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app
    # chmod -R 775 /mount_point/app/
    

    次に例を示します。

    # mkdir -p /u01/app
    # chown -R oracle:oinstall /u01/app
    # chmod -R 775 /u01/app/
    
  2. この章で後述するoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

2.7 Oracleソフトウェア所有者環境の構成

Oracle Universal Installerはoracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次のことが必要です。

  • シェル起動ファイルで、デフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定します。

  • DISPLAY環境変数を設定します。


注意:

PATH変数で、/usr/X11R6/binの前に$ORACLE_HOME/binが指定されていることを確認してください。


注意:

オペレーティング・システム・ベンダーによってサポートされているシェル・プログラムを使用します。オペレーティング・システムでサポートされていないシェル・プログラムを使用すると、インストール時にエラーが発生する場合があります。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. 新規Xターミナル・セッション(xterm)を開始します。

  2. 次のコマンドを入力し、Xウィンドウ・アプリケーションがこのシステム上に表示されることを確認します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.example.com
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
  5. oracleユーザーのデフォルト・シェルを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ echo $SHELL
    
  6. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合:

      $ . ./.bash_profile
      
    • BourneまたはKornシェルの場合:

      $ . ./.profile
      
    • Cシェルの場合:

      % source ./.login
      
  7. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、Xアプリケーションがローカル・システムに表示されるように、次のようなコマンドを入力します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ DISPLAY=local_host:0.0
      
    • Cシェルの場合:

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      

    この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  8. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400MBに満たないことが確認された場合は、400MB以上の空き領域があるファイル・システムを識別し、このファイル・システムの一時ディレクトリを指定するようにTMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    1. マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを使用します。

      # df -k 
      
    2. 必要に応じて、次のようなコマンドを入力し、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      su - root
      $ mkdir /mount_point/tmp
      $ chmod a+wr /mount_point/tmp
      #exit
      
    3. 次のようなコマンドを入力し、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

        $ TMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TMP TMPDIR
        
      • Cシェルの場合:

        % setenv TMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
  9. 次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ unset ORACLE_HOME
      $ unset TNS_ADMIN
      
    • Cシェルの場合:

      % unsetenv ORACLE_HOME
      % unsetenv TNS_ADMIN
      

      また、$ORACLE_HOME/binパスがPATH環境変数から削除されていることも確認します。


    注意:

    ORACLE_HOME環境変数が設定されている場合、Oracle Universal Installerはその環境変数でOracleホーム・ディレクトリのデフォルト・パスとして指定されている値を使用します。ただし、ORACLE_BASE環境変数をユーザーが設定する場合は、ORACLE_HOME環境変数を設定せずに、Oracle Universal Installerから提示されるデフォルト・パスを選択することをお薦めします。

  10. 環境設定が正しく行われたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ umask
    $ env | more
    

    umaskコマンドの実行により、値22022または0022が表示されることを確認します。また、ここで設定した環境変数に正しい値が設定されることを確認します。