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Oracle® Database Advanced Security管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56286-10
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15 複数の認証方式の構成およびOracle Advanced Securityの無効化

この章では、Oracle Advanced Securityで複数の認証方式を構成する方法、および別の認証方式を構成している場合においても従来のユーザー名とパスワードによる認証を使用する方法について説明します。また、この章では、Oracleクライアントが特定の認証方式を使用できるように、および、指定された任意の方式をOracleサーバーが受け入れることができるように、ネットワークを構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

15.1 ユーザー名とパスワードによる接続

Oracle Advanced Security認証方式が構成されている場合に、ユーザー名とパスワードを使用してOracleデータベース・サーバーに接続するには、外部認証を無効化します(「Oracle Advanced Security認証の無効化」を参照)。

外部認証を無効化すると、ユーザーは次の形式を使用してデータベースに接続できます。

% sqlplus username@net_service_name
Enter password: password

例:

% sqlplus hr@emp
Enter password: password

注意:

単一データベースに、外部認証ユーザーとパスワード認証ユーザーの両方を含む複数の認証方式を構成できます。

15.2 Oracle Advanced Security認証の無効化

認証方式を無効化するには、Oracle Net Managerを使用します(「Oracle Net Managerの起動」を参照)。

  1. Oracle Advanced Securityプロファイルにナビゲートします。「Oracle Advanced Securityプロファイルへのナビゲート」を参照してください。図15-1に示すように、「Oracle Advanced Security」タブ・ウィンドウが表示されます。

図15-1 Oracle Advanced Securityの「認証」ウィンドウ

図15-1の説明が続きます
「図15-1 Oracle Advanced Securityの「認証」ウィンドウ」の説明

  1. 「認証」タブをクリックします。

  2. 「選択メソッド」リスト内の認証方式を順番に選択して左矢印[<]をクリックすることによって「使用可能なメソッド」リストにすべて移動します。

  3. 「ファイル」「ネットワーク構成の保存」を選択します。

    sqlnet.oraファイルが次のエントリで更新されます。

    SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES = (NONE)
    

15.3 複数の認証方式の構成

多くのネットワークにおいて、単一のセキュリティ・サーバーで複数の認証方式が使用されています。そのため、Oracle Advanced Securityでは、Oracleクライアントが特定の認証方式を使用できるように、および、Oracleデータベース・サーバーが指定された任意の方式を受け入れることができるように、ネットワークを構成できます。

Oracle Net Managerを使用するか、または任意のテキスト・エディタを使用してsqlnet.oraファイルを変更することによって、クライアント・システムとサーバー・システムの両方で複数の認証方式を設定できます。

クライアントとサーバーの両方に認証方式を追加するには、Oracle Net Managerを使用します(「Oracle Net Managerの起動」を参照)。

複数の認証方式を構成する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Advanced Securityプロファイルにナビゲートします。「Oracle Advanced Securityプロファイルへのナビゲート」を参照してください。図15-1に示すように、「Oracle Advanced Security」タブ・ウィンドウが表示されます。

  2. 「認証」タブをクリックします。

  3. 「使用可能なメソッド」リストに一覧表示されている方式を選択します。

  4. 右矢印(>)をクリックして、選択した方式を順番に「選択メソッド」リストに移動します。

  5. 選択した方式を目的の利用順に並べます。そのためには、「選択メソッド」リストで方式を選択し、「上へ」または「下へ」を選択してリスト内での位置を変更します。

  6. 「ファイル」「ネットワーク構成の保存」を選択します。

    sqlnet.oraファイルが次のエントリで更新され、選択した認証方式が一覧表示されます。

    SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES = (KERBEROS5, RADIUS)
    

注意:

SecurID機能はRADIUSによって提供されます。RADIUSサポートはRSA ACE/Serverに組み込まれています。


関連項目:

詳細は、第11章「RADIUS認証の構成」を参照してください。

15.4 外部認証のためのOracle Databaseの構成

この項では、次のタスクを使用してネットワーク認証用にOracle Databaseを構成する際に設定するパラメータについて説明します。

15.4.1 sqlnet.oraでのSQLNET.AUTHENTICATION_SERVICESパラメータの設定

サポートされている認証方式をすべてのクライアントおよびサーバーで使用できるようにするには、sqlnet.oraファイルで次のパラメータを設定する必要があります。

SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(oracle_authentication_method)

たとえば、すべてのクライアントおよびサーバーでKerberos認証を使用する場合、sqlnet.oraパラメータを次のように設定する必要があります。

SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(KERBEROS5)

15.4.2 OS_AUTHENT_PREFIXのNull値への設定

認証サービス・ベースのユーザー名は長くてもかまいませんが、Oracleユーザー名は30文字までに制限されています。データベース・インスタンス用の初期化ファイルにあるOS_AUTHENT_PREFIXパラメータには、次のようにnull値を指定することをお薦めします。

OS_AUTHENT_PREFIX=""

注意:

OS_AUTHENT_PREFIXのデフォルト値はOPS$ですが、任意の文字列に設定できます。


注意:

データベースでOS_AUTHENT_PREFIXの値がすでにNULL (" ")以外に設定されている場合は、変更しないでください。変更すると、以前に作成され、外部で識別されたユーザーがOracleサーバーに接続できなくなる可能性があります。

ユーザーを作成するには、SQL*Plusを起動し、次のように入力します。

SQL> CREATE USER os_authent_prefix username IDENTIFIED EXTERNALLY;

OS_AUTHENT_PREFIXがnull値(" ")に設定されている場合は、次のように入力してユーザーkingを作成します。

SQL> CREATE USER king IDENTIFIED EXTERNALLY;

このようにユーザーを作成すると、外部で識別されたユーザーの様々なユーザー名の管理が不要になり、管理者の手間が省けるという利点があります。これは、サポートされているすべての認証方式に当てはまります。


関連項目:

  • 『Oracle Database管理者ガイド』

  • 『Oracle Database Heterogeneous Connectivityユーザーズ・ガイド』