EVERYファンクションは、ブール式のすべての値がTRUE
の場合にYES
を返し、ブール式のいずれかの値がFALSE
の場合にNO
を返すファンクションです。
パラメータ
評価の対象となる値を持つブール式。
内部動作が若干変更されます。このキーワードは、元のパフォーマンスが非常に遅い場合にのみ指定してください。
結果のディメンションの名前。または、boolean-expressionの1つのディメンションと結果のディメンションとする別のディメンションとの間のリレーションの名前。
デフォルトでは、EVERYはYES
値またはNO
値のどちらか1つを返します。結果のディメンションを1つ以上指定すると、EVERYでは、指定したディメンションに対してTRUE
値の有無がテストされ、値の配列が返されます。各ディメンションは、boolean-expressionのディメンションであるか、そのディメンションの1つと関連付けられている必要があります。
ヒント: 指定したディメンションがboolean-expressionの実際のディメンションではなくboolean-expressionのディメンションに関連付けられたディメンションであり、かつ2つのディメンション間のリレーションが複数ある場合は、ディメンション間のデフォルトのリレーションを使用して計算が行われます(デフォルトのリレーションの詳細は、 RELATIONコマンド を参照)。(デフォルトのリレーションの詳細は、RELATIONコマンドを参照してください。)Oracle OLAPでこのデフォルトのリレーションを使用しない場合は、リレーションの名前を指定して、関連付けられたディメンションを指定します。 |
使用上の注意
EVERYでのNASKIPの影響
EVERYはNASKIPオプションの影響を受けます。NASKIPをYES
(デフォルト)に設定すると、EVERYでは、式のすべての非NA
がTRUE
の場合、NA
値は無視されてYES
が返され、TRUE
でない値がある場合は、NO
が返されます。NASKIPをNO
に設定すると、EVERYでは、式の値のいずれかがNA
値の場合、NA
値が返されます。式のすべての値がNA
の場合、NASKIPの設定にかかわらず、EVERYはNA
を返します。
例
例7-77 すべての値がTRUEかどうかの調査(地区別)
EVERYファンクションを使用して、各地区のスポーツウェアの販売実績が毎月$50,000を超えたかどうかを調査できます。地区でディメンション化された結果を得るためには、EVERYの2番目の引数としてdistrict
を指定します。
LIMIT product TO 'Sportswear' REPORT HEADING 'Top Sales' EVERY(sales GT 50000, district)
この文によって生成される出力は、次のとおりです。
DISTRICT Top Sales -------------- ---------- Boston No Atlanta Yes Chicago Yes Dallas Yes Denver Yes Seattle NO
例7-78 すべての値がTRUEかどうかの調査(地域別)
すべての地区のスポーツウェア販売実績が毎月$50,000を超える地域を調査する必要があるとします。region
ディメンションはdistrict
ディメンションに関連付けられているため、EVERYファンクションの結果のディメンションとして、district
のかわりにregion
を指定できます。
REPORT HEADING 'Top Sales' EVERY(sales GT 50000, region)
この文によって生成される出力は、次のとおりです。
REGION Top Sales -------------- ---------- East No Central Yes West NO