LEADファンクションは、ディメンションの現行値より後の指定されたオフセットの位置にある、ディメンション化された変数または式の値を返します。通常、将来の期間の値を取得するためにLEADファンクションを使用します。
パラメータ
dimensionによってディメンション化される変数または式。
後ろに相対位置変更するオフセット(つまり、ディメンション値の数)。LEADはこの値を使用して、変数の値を取得するためにLEADがディメンションで進むべき値の数を決定します。異なるディメンション・ステータスを指定するためにSTATUSキーワードまたはlimit-clause引数を使用していないかぎり、LEADはこの値をカウントするためにデフォルト・ステータスを使用します。
通常、nは、現行期間より後の期間(ディメンション値)の数を示す正のINTEGER
です。nに負数の値を指定した場合、現行期間より前の期間の数を示します。つまり、nに負数の値を使用すると、LEADはLAGファンクションになります。
注意: モデルでLEADを使用する場合は、Oracle OLAPがモデルを解決する際に連立ブロックが使用されないよう、「一方向のディメンション依存の保証」を参照して、n の値をコーディングする方法を確認してください。 |
後ろへの相対位置変更が発生するディメンション。任意のディメンションを指定できますが、通常は、1つのレベル(月レベル、年レベルなど)に制限されているTEXT型の階層型時間ディメンション、またはDAY、WEEK、MONTH、QUARTER、YEARのいずれかの型のディメンションです。
variableにDAY、WEEK、MONTH、QUARTERまたはYEAR型のディメンションがあり、LEADでそのディメンションを使用する場合、dimension引数は省略可能です。
LEADが後ろへの相対位置変更を計算する際に、現行のステータス・リスト(つまり現在ステータスにあり、現行のステータスの順序に並んでいるディメンション値のみ)を使用することを指定します。
LEADが後ろへの相対位置変更を計算する際に、デフォルト・ステータス(つまり元の順序に並んでいるすべてのディメンション値のリスト)を使用することを指定します。
LEADが後ろへの相対位置変更を計算する際に、limit-clauseによって制限されるデフォルト・ステータスを使用することを指定します。
limit-clauseの構文は、各種LIMITコマンドにおけるlimit-clause引数の構文(つまり、LIMITコマンドの「TO」などのlimit-type引数の後の構文)と同じです。これらの引数の構文については、LIMITコマンド(値を使用)、LIMITコマンド(LEVELRELを使用)、LIMIT(親リレーションを使用)、LIMITコマンド(関連ディメンションを使用)、LIMITコマンド(NOCONVERTを使用)およびLIMITコマンド(POSLISTを使用)を参照してください。
LAGが前への相対位置変更を計算する際に、limit-clauseによって制限される現行のステータスを使用することを指定するには、limit-clauseにLIMITファンクションを指定します。
例
例8-6 LEADの使用方法
TEXT型の3つのディメンション(product
、district
およびtime
)によってディメンション化されるsales
変数があるとします。time
ディメンションは次の値を持つ階層ディメンションです。
1999 2000 Jan1999 Feb1999 ... Dec1999 Jan2000 Feb2000 ... Dec2000
さらに、time
ディメンションのレベルの名前(Month
およびYear
)を含むtimelevels
という名前のディメンション、およびtime
によってディメンション化されてtimelevels
の値を持つtimelevelrel
という名前のリレーションがあります(つまり、timelevelrel
の関連ディメンションはtimelevels
です)。timelevelrel
のレポートによって、次の関係が示されます。
TIME TIMELEVELREL -------------- ------------ 1999 Year 2000 Year Jan1999 Month Feb1999 Month ... ... Dec1999 Month Jan2000 Month Feb2000 Month ... ... Dec2000 Month
1999年の最初の2か月間のダラスにおけるラケットの売上を、2000年の対応する月と比較するとします。LEADファンクションを使用して、2000年の値を1999年の値とともに同じレポートに生成します。次の文
LIMIT product TO 'Racquets' LIMIT district TO 'Dallas' LIMIT time TO 'JAN1999' 'FEB1999' REPORT DOWN time sales HEADING 'Following Year' LEAD(sales, 12, time, time LEVELREL timelevelrel)
によって、次のレポートが生成されます。
DISTRICT: DALLAS -------PRODUCT------- ------RACQUETS------- TIME SALES Following Year -------------- ---------- --------------------- Jan2000 118,686.75 125,879.86 Feb2000 142,305.99 150,833.64