NAFILL
NAFILLファンクションは、NA
値を指定の埋込み式に置き換えてソース式の値を返します。
戻り値
戻り値のデータ型はsource-expressionと同じです。埋込み式とソース式のデータ型が同じでない場合、Oracle OLAPは可能なかぎり埋込み式をソース式のデータ型に変換します。変換されない場合はエラーが生成されます。ソース式と埋込み式がどちらもNA
である場合、NAFILLはNA
を返します。
構文
NAFILL(source-expression fill-expression)
パラメータ
- source-expression
-
評価される式。source-expressionの値がNA
ではない場合、NAFILLはsource-expressionの対応する値を返します。結果のディメンションおよびデータ型は、source-expressionによって決まります。
- fill-expression
-
戻り値の置換後の式。fill-expressionのデータ型はsource-expressionと同じである必要があります。fill-expressionは、source-expressionの値がNA
と等しい場合にのみ評価されます。
使用上の注意
埋込み式内のファンクション
ソース式と同じデータ型が返される場合、埋込み式には任意のファンクションを使用できます。
NAFILLより優先順位の高いNATRIGGER
Oracle OLAPは、NAFILLファンクションを適用する前に$NATRIGGERプロパティ式を評価します。$NATRIGGER式がNA
である場合、NAFILLファンクションは有効です。
例
例8-32 NA値へのゼロの埋込み
変数sales
にNA
値があり、そのNA値をゼロとみなして平均を計算するとします。通常、NA
値はAVERAGEファンクションによって無視され、平均の計算の対象となる値の数にカウントされません。NAFILLをAVERAGEファンクション内で使用すると、その値は一時的にゼロとして扱われるため、NA値が平均の計算の対象としてカウントされます。
REPORT AVERAGE(NAFILL(sales 0.0))