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Oracle® OLAP DMLリファレンス
11gリリース2 (11.2)
B61346-03
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VINTSCHED

VINTSCHEDファンクションは、指定した期間数で全額返済する一連の変動金利分割払い融資に関する支払いの金利の部分を計算するファンクションです。VINTSCHEDは、特定の期間の結果を、その期間に受けた融資または未払いの融資ごとに、支払い期限に到達した金利の合計として計算します。期間ごとに、該当期間に受ける融資の初期金額と、新規の融資または未払いの融資ごとに該当期間内に請求される金利を指定します。

戻り値

DECIMAL

VINTSCHEDファンクションから返された結果は、loansおよびratesのすべてのディメンションと、time-dimension引数として使用したディメンションの結合によってディメンション化されます。

構文

VINTSCHED(loansratesn, [time-dimension] [STATUS])

パラメータ

loans

初期融資額を含む数式。loansに時間ディメンションがない場合、またはloansが複数の時間ディメンションによってディメンション化されている場合、time-dimension引数が必要です。

rates

loansに対する金利を含む数式。ratesがディメンション化された変数の場合、この変数は、異なる時間ディメンションなどの任意のディメンションによってディメンション化できます。ratesが時間ディメンションによってディメンション化されている場合は、該当期間に受けた融資または未払いの融資に適用する期間ごとに金利を指定します。金利は小数値で表し、たとえば、5%は.05として表します。

n

一連の融資の全額返済に必要な支払い回数を指定する数式。n式はディメンション化できますが、時間ディメンション引数でディメンション化することはできません。loansがディメンション化される時間ディメンションの各期間に、またはtime-dimension引数で指定されるディメンションの各期間に、1回の支払いが行われます。たとえば、1か月に1回の支払いは、loansmonthでディメンション化すると実行されます。

time-dimension

金利支払い額が計算される基準になるディメンションの名前。loansに、DAY、WEEK、MONTH、QUARTER、YEARのいずれかの型のディメンションが存在する場合は、loansにこれらの型のディメンションが複数存在しないかぎり、time-dimension引数はオプションになります。

STATUS

VINTSCHEDが支払いの金利部分を計算する際に、現行のステータス・リスト(つまり現在ステータスにあり、現行のステータスの順序に並んでいるディメンション値のみ)を使用することを指定します。デフォルトでは、デフォルトのステータス・リストが使用されます。

使用上の注意

VINTSCHEDとNA値

loansの値がNA以外の値で、対応するratesの値がNAの場合、エラーが発生します。

VINTSCHEDはNASKIPオプションの影響を受けます。NASKIPをYES(デフォルト)に設定し、影響を受ける期間の融資の値がNAの場合、VINTSCHEDからの戻り値は、対応する金利の値がNAか非NAかによって異なります。表8-21「特定期間の融資または金利の値がNAの場合のNASKIPによる結果への影響」は、特定の期間の融資または金利の値がNAの場合、NASKIPが結果にどのように影響するかを示しています。

表8-21 特定期間の融資または金利の値がNAの場合のNASKIPによる結果への影響

融資の値 金利の値 NASKIP = YESの場合の結果 NASKIP = NOの場合の結果

NA

NA

エラー

エラー

NA

NA

金利の値(融資の値NAはゼロとして処理される)

影響を受ける期間に対してNA

NA

NA

影響を受ける期間に対してNA

影響を受ける期間に対してNA


例として、1997年の融資の式とこれに対応する金利の式の両方がNA値であるが、翌年以降は両方の式の値が非NA値である場合を考えます。支払い回数が3回の場合、1997年、1996年および1995年のVINTSCHEDからの戻り値はNAになります。1997年の場合、VINTSCHEDは、1995年、1996年および1997年に受けた融資の支払い期限に到達した支払いの金利の部分を値として返します。

時間ディメンションのステータスの影響を受けないVINTSCHED

VINTSCHEDでは、時間ディメンションのステータスがどのように制限されているかにかかわらず、時間ディメンションの最初の値から計算を開始します。たとえば、loansyearによってディメンション化されており、yearの値の範囲はYr95からYr99までの間であるとします。yearのステータスを制限してYr95を対象外にしている場合でも、計算は必ずYr95から開始されます。

ただし、loansが時間ディメンションによってディメンション化されていない場合は、VINTSCHEDによって、時間ディメンションの現行のステータスの最初の値から計算が開始されます。たとえば、loansyearによってディメンション化されていないが、yeartime-dimensionとして指定されているとします。yearのステータスがYr97からYr99までに制限されると、計算はYr95からではなくYr97から開始されます。

例8-164 VINTSCHEDの使用方法

次の文を実行すると、loansおよびratesという2つの変数が作成されます。

DEFINE loans DECIMAL <year>
DEFINE rates DECIMAL <year>

変数loansおよびratesに、次の値を代入したとします。

YEAR             LOANS      RATES
-------------- ---------- ----------
Yr95               100.00       0.05
Yr96               200.00       0.06
Yr97               300.00       0.07
Yr98                 0.00       0.07
Yr99                 0.00       0.07

各年のloansには、その年に受ける変動金利融資の初期値が格納されます。各年のratesの値は、その年に受ける融資または未払いの融資に対する、その年に請求される金利です。

次の文を実行すると、各融資の返済が3回払いと指定され、融資の支払いの金利の部分が計算されます。

REPORT W 20 HEADING 'Payment' VINTSCHED(loans, rates, 3, year)

生成されるレポートは次のとおりです。

YEAR                        Payment
-------------- --------------------
Yr95                           5.00
Yr96                          16.10
Yr97                          33.06
Yr98                          19.43
Yr99                           7.48

1995年に支払う金利は、1995年に5%の金利で融資を受けた$100に対する金利です。1996年の金利支払いは、1995年に受けた融資の元金の支払い残高に対する金利と、1996年に受けた$200の融資に対する金利の合計になり、この2つの融資に対する金利は6%です。1997年の金利支払いは、1995年に受けた融資の元金の支払い残高に対する金利、1996年に受けた融資の元金の支払い残高に対する金利、さらに1997年に受けた$300の融資に対する金利の合計になり、この3つすべての融資に対する金利は7%です。1995年の融資は1997年に全額返済されるので、1998年の支払いは、1996年と1997年の融資の元金の支払い残高に対する7%の金利に相当します。1999年には、金利支払いの対象は1997年に受けた融資の元金の支払い残高になります。