Oracleには一連の基礎となるビューがあり、これらのビューは、データベース・サーバーによって管理され、データベース管理者のユーザーSYS
がアクセスできます。これらのビューは、データベースがオープンされて使用されている間に継続的に更新され、内容が主にパフォーマンスに関係しているため、動的パフォーマンス・ビューと呼ばれます。
これらのビューは通常のデータベース表のように見えますが、そうではありません。これらのビューでは、内部ディスク構造およびメモリー構造体のデータが表示されます。これらのビューを選択することはできますが、更新や変更はできません。
注意:
|
catalog.sql
スクリプトには、動的パフォーマンス・ビューに関するビューおよびパブリック・シノニムが定義されています。これらのビューおよびシノニムを作成するには、catalog.sql
を実行する必要があります。インストール後、ユーザーSYS
またはSYSDBA
ロールが付与されているユーザーのみが動的パフォーマンス表にアクセスできます。catalog.sqlの実行の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
実際の動的パフォーマンス・ビューは、接頭辞V_$
によって識別されます。これらのビューのパブリック・シノニムには、接頭辞V$
が付いています。データベース管理者および他のユーザーは、V_$
オブジェクトではなく、V$
オブジェクトのみにアクセスしてください。
動的パフォーマンス・ビューはOracle Enterprise Managerによって使用され、Oracle Enterprise Managerはシステム・パフォーマンスに関する情報にアクセスするための主要なインタフェースとなります。インスタンスが起動されると、メモリーから読み込まれるV$
ビューがアクセス可能になります。ディスクから読み込まれるビューにアクセスするには、データベースがマウントされ、場合によってはオープンされている必要があります。
この章で説明されているほとんどすべてのV$
ビューには、対応するGV$
(グローバルV$
)ビューがあります。Real Application Clustersでは、GV$
ビューで問合せを実行すると、該当するすべてのインスタンスからV$
ビュー情報が取り出されます。各GV$
ビューには、V$
ビュー情報以外にデータ型がNUMBER
のINST_ID
列があります。INST_ID
列には、対応付けられたV$
ビュー情報を取得した元のインスタンス番号が表示されます。INST_ID
列をフィルタとして使用することで、使用可能なインスタンスのサブセットからV$
情報を取り出せます。たとえば、次の問合せを実行して、V$LOCK
ビューからインスタンス2および5の情報を取り出します。
SQL> SELECT * FROM GV$LOCK WHERE INST_ID = 2 OR INST_ID = 5;
関連項目: ご使用のオペレーティング・システムのOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイド |