初期化パラメータは様々な機能グループに分類されます。たとえば、パラメータによって次のことができます。
データベース全体の制限を設定する。
ユーザーまたはプロセスの制限を設定する。
データベース・リソースに制限を設定する。
パフォーマンスを制御する(このパラメータは、変数パラメータと呼ばれます)。
変数パラメータは、主にデータベースのパフォーマンス向上に使用されるため、データベース管理者には特に便利です。
データベース管理者は、初期化パラメータを使用して次のことができます。
メモリー構造体、たとえば、メモリー内のデータベース・バッファの数を調整して、パフォーマンスを最適化する。
データベース全体のデフォルト値、たとえば、コンテキスト領域の作成時にコンテキスト領域に最初に割り当てられる領域の量を設定する。
データベースの制限、たとえば、データベース・ユーザーの最大数を設定する。
データベースに必要なファイルまたはディレクトリの名前を指定する。
初期化パラメータの多くは、データベースのパフォーマンスを改善するためにチューニングできます。それ以外のパラメータは、変更しないでください。変更する場合は、Oracleサポート・サービスの指示に従ってください。
すべての初期化パラメータは省略可能です。Oracleには、各パラメータにデフォルト値が用意されています。パラメータのデフォルト値は、オペレーティング・システムによって異なる場合があります。
Oracle Databaseサーバーには、次のタイプの初期化パラメータがあります。
変数パラメータ(動的パラメータまたは前述のパラメータのいずれか)
初期化パラメータには、導出されるものがあります。導出とは、その値がその他のパラメータの値から算出されることを意味します。通常、導出パラメータの値は変更しないでください。変更した場合、算出された値は指定値によってオーバーライドされます。
たとえば、SESSIONS
パラメータのデフォルト値は、PROCESSES
パラメータの値から導出される値です。PROCESSES
の値が変更されると、SESSIONS
のデフォルト値も変更されます。ただし、値を指定してオーバーライドした場合を除きます。
初期化パラメータには、有効な値または範囲が、ホスト・オペレーティング・システムに依存するものがあります。たとえば、パラメータDB_BLOCK_BUFFERS
は、メイン・メモリー内のデータ・バッファの数を示し、その最大値は、オペレーティング・システムに依存します。これらのバッファのサイズはDB_BLOCK_SIZE
で設定します。デフォルト値は、オペレーティング・システムに依存します。
関連項目: オペレーティング・システムによって異なるOracleパラメータおよびオペレーティング・システムのパラメータの詳細は、オペレーティング・システム固有のOracleマニュアルを参照してください。 |
変数初期化パラメータを使用すると、多くの場合、システムのパフォーマンスが改善します。変数パラメータには、容量の制限を設定してもパフォーマンスに影響しないパラメータもあります。たとえば、OPEN_CURSORS
の値が10である場合、その11番目のカーソルをオープンしようとするユーザー・プロセスは、エラーを受け取ります。また、変数パラメータには、パフォーマンスには影響しても義務的な制限を課さないパラメータもあります。たとえば、DB_BLOCK_BUFFERS
の値を小さくした場合、パフォーマンスが劣化することはあっても、作業の妨げにはなりません。
変数パラメータの値を大きくすると、システムのパフォーマンスが改善されることがあります。ただし、ほとんどのパラメータの場合、値を大きくすると、システム・グローバル領域(SGA)のサイズも大きくなります。SGAが大きくても、ある程度まではデータベースのパフォーマンスを改善できます。仮想メモリー・オペレーティング・システムでは、SGAが大きすぎると、メモリーにスワップ・インされたりスワップ・アウトされる場合、パフォーマンスが劣化することがあります。仮想メモリー作業領域を制御するオペレーティング・システムのパラメータは、SGAのサイズを考慮して設定してください。オペレーティング・システムの構成によって、SGAの最大サイズを制限することもできます。