バッファ
ディスクから読み取られて、現在使用されているデータまたは最近使用されたデータを、バッファ・マネージャがキャッシュする主メモリーのアドレス。時間の経過につれて、バッファが保持するブロックは変わります。新しいブロックが必要なときは、バッファ・マネージャは古いブロックを破棄して、新しいブロックで置換します。
キャッシュ・リカバリ
Oracle Databaseによりコミット済および未コミットのREDOログ・ファイル内のすべての変更が、対象となるデータ・ブロックに適用されるインスタンス・リカバリの部分。インスタンス・リカバリのロールフォワード・フェーズとも呼ばれます。
デカルト積
結合条件を使用しない結合はデカルト積(クロス積)に帰結します。デカルト積は、各表から1つずつ選んだ行の作成可能なすべての組合せです。つまり、2つの表の結合において、1つの表の各行がもう一方の表のすべての行とそれぞれ組み合せられます。3つ以上の表のデカルト積は、1つの表の各行と残りの表のデカルト積のすべての行をそれぞれ組み合せた結果です。その他のすべての種類の結合は、デカルト積から、効率的に結合条件を満たさない行を絞り込んで作成されたデカルト積のサブセットです。
複合問合せ
2つ以上の単純な文または複合文を組み合せるために集合演算子(UNION
、UNION
ALL
、INTERSECT
またはMINUS
)を使用する問合せ。複合問合せ内の単純な文または複合文それぞれは、コンポーネント問合せと呼ばれます。
ディクショナリ・キャッシュ
データベース、その構造およびそのユーザーに関する参照情報を含むデータベース表とビューを集めたもの。Oracle Databaseは、SQL文を解析する際にデータ・ディクショナリに頻繁にアクセスします。ディクショナリ・データを保持するために、メモリー内に2つの特別な場所があります。1つはデータ・ディクショナリ・キャッシュと呼ばれ、データをバッファ(データ・ブロック全体を保持する)のかわりに行として保持するために行キャッシュとも呼ばれます。もう1つの領域はライブラリ・キャッシュです。すべてのOracleプロセスは、データ・ディクショナリ情報にアクセスするためにこれらの2つのキャッシュを共有します。
動的パフォーマンス・ビュー
データベース管理者が動的パフォーマンス表(現在のデータベース・アクティビティを記録する仮想表)に作成するビュー。データベース管理者が変更または削除できないため、固定ビューと呼ばれます。
実行計画
SQL文を実行するためにデータベースによって使用されるステップの組合せ。各処理では、データベースからデータ行を物理的に検索するか、文を発行したユーザーのためにデータ行を準備します。実行計画はヒントを使用して上書きできます。
EXPLAIN PLAN
DML文に対してオプティマイザが選択した実行計画を検証できるSQL文。EXPLAIN
PLAN
を実行すると、オプティマイザは実行計画を選択し、計画を説明するデータをデータベース表に格納します。
ハッシュ結合
データベースで、2つの表またはデータ・ソースの小さい方を使用して、メモリー内にハッシュ表を作成する結合。ハッシュ結合では、データベースは大きい方の表をスキャンし、ハッシュ表を調べて小さい方の表の一致する行のアドレスを見つけます。
結合
複数の表からデータを選択する問合せ。結合の特徴は、FROM
句内に複数の表が並んでいる点です。Oracle Databaseは、WHERE
句に指定された条件を使用して、それぞれの表の行を結合し、結果の行を戻します。この条件は結合条件と呼ばれ、通常、結合されたすべての表の列はこの条件によって比較されます。
ミラー化
同じ内容のデータのコピーを1つ以上のディスクで保持することです。一般的にミラー化はオペレーティング・システム・レベルで二重化されたハードディスクにおいて実現するので、いずれかのディスクが使用不可能になった場合、中断せずにもう一方のディスクでリクエストを処理できます。
オプティマイザ
SQL文を実行する最も効率的な方法を決定する組込みのデータベース・ソフトウェア。問合せオプティマイザは、問合せトランスフォーマ、エスティメータおよびプラン・ジェネレータで構成されます。
オプティマイザは、SQL文の潜在的な実行計画セットの生成、各計画のコストの見積り、計画を生成するプラン・ジェネレータのコールを実行し、コストを比較して最も低コストの計画を選択します。この方法は、SQL文でアクセスされる1つ以上の表の統計がデータ・ディクショナリに含まれている場合に使用されます。
オプティマイザ・モード
オプティマイザは、標準モードかチューニング・モードで動作します。標準モードでは、オプティマイザはSQLをコンパイルして実行計画を生成します。チューニング・モードでは、オプティマイザは追加分析を実行し、さらに優れた計画を生成するための一連のアクションと、その理論的根拠と予測されるメリットを示します。チューニング・モードで実行する場合、オプティマイザは自動チューニング・オプティマイザと呼ばれます。
外部結合
表のどれか1つの1つ以上の列で外部結合演算子(+
)を使用する結合条件。Oracle Databaseは、この結合条件に一致する行をすべて戻します。また、外部結合演算子を指定した表で一致する行がない場合、外部結合演算子を使用せずに表からすべての行を戻します。
ページング
プログラムの作業メモリーのうちの使用頻度の低い部分を主メモリーから二次記憶媒体(通常はディスク)に移動することによって使用可能なメモリー領域を増やすための手法。転送単位はページと呼ばれます。
解析
ハード解析は、SQL文が実行され、かつSQL文が共有プール内にないか、共有プール内にあっても共有できないときに行われます。SQL文は、2つのSQL文のメタデータが異なる場合に共有されません。これは、あるSQL文が既存のSQL文とテキストでは同一だが、2つの文で参照される表が物理的に異なる表に変換される場合、またはオプティマイザ環境が異なる場合に発生する可能性があります。
ソフト解析は、セッションでSQL文を実行する際に、その文が共有プール内にあり、その文を使用(すなわち、共有)できる場合に行われます。共有される文の場合、既存のSQL文に関連するすべてのデータ(オプティマイザ実行計画などのメタデータも含む)が発行対象の現在の文に同じように適用できる必要があります。
解析コール
SQL文実行の準備のためにOracle Databaseに行われるコール。このコールには、SQL文の構文チェック、SQL文の最適化、SQL文の実行可能形式の作成(または指定)が含まれています。
プラン・ジェネレータ
問合せオプティマイザが最も低コストの計画を選択できるように、特定の問合せに対して考えられる様々な計画を試行します。異なるアクセス・パス、結合方法および結合順序を試行することによって、問合せブロックに対する様々な計画を調査します。
RAID
Redundant Arrays of Inexpensive Disks。RAID構成では、ストライプ化(手動によるデータの分散化)とともに、高いデータの信頼性を実現します。パフォーマンスとコストに基づいて様々なRAID構成(レベル)が選択され、そのI/O特性に応じて、適応がふさわしいアプリケーションは異なります。
SGA
システム・グローバル領域。高速アクセスのためにデータを格納するメイン・メモリー内のメモリー領域。Oracleデータベースでは、共有SQLおよびPL/SQLプロシージャのSGAメモリーの割当てに共有プールを使用します。
SQLトレース
Oracleデータベースに対して実行されるアプリケーションの監視およびチューニングに役立つ、基本的なパフォーマンス診断ツール。SQLトレースを使用すると、アプリケーションで実行されるSQL文の効率性を評価し、各文の統計を生成できます。このツールで生成されるトレース・ファイルは、TKPROF
の入力となります。
Statspack
パフォーマンス・データの収集、自動化、格納および表示を可能にするSQL、PL/SQLおよびSQL*Plusスクリプトのセット。この機能は自動ワークロード・リポジトリに置き換えられています。
ストライプ化
ディスクにまたがるデータの関連ブロックのインターリーブ。適切なストライプ化はI/Oを減らし、パフォーマンスを向上させます。
ストライプ深度は、ストライプのサイズで、ストライプ単位とも呼ばれます。
ストライプ幅は、ストライプ深度とストライプ・セットを構成するドライブ数の積です。
TKPROF
Oracleデータベースに対して実行されるアプリケーションの監視およびチューニングに役立つ診断ツール。TKPROF
主に、SQLトレースの出力ファイルを処理して読取り可能な出力ファイルに変換し、トレース・ファイルに関してユーザー・レベルの文と再帰的SQLコールのサマリーを提供します。また、SQL文の効率性の評価、実行計画の生成、データベースに統計を格納するSQLスクリプトの作成を実行できます。
トランザクション・リカバリ
Oracle Databaseがコミットされない変更を元に戻すためにロールバック・セグメントを適用するインスタンス・リカバリの部分。インスタンス・リカバリのロールバック・フェーズとも呼ばれます。
待機イベント
処理を継続する前にイベントが完了するまで待機する必要があることを示すために、サーバー・プロセス/スレッドによって増やされる統計です。待機イベントは、事後パフォーマンス・チューニングの実行時に最初に検証する事項の1つです。