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Oracle® Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56312-06
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用語集

アクセス・パス

データベースからデータを取り出す方法。たとえば、索引を使用する問合せと、全表スキャンを使用する問合せでは、使用するアクセス・パスが異なります。

非同期I/O

送受信の時期を調整する必要がなく、送受信が完了する前に他の処理を開始できる独立したI/O。

自動ワークロード・リポジトリ

問題の検出および自己チューニングを目的として、パフォーマンス統計を収集、処理およびメンテナンスします。

自動トレース

SQLオプティマイザが使用した実行パス、および文の実行統計に関するレポートを生成します。レポートは、DML文のパフォーマンスの監視およびチューニングに役立ちます。

バインド変数

SQL文の中の変数。SQL文を正常に実行するには、バインド変数を有効な値または値のアドレスに置換する必要があります。

ブロック

主メモリーとディスク間でのデータ転送の単位。メモリー・アドレス空間の1セクションにある多数のブロックが1つのセグメントを形成します。

ボトルネック

一般にはシステムの帯域幅がデータの処理される速度で中継されてくる量をサポートできないときのデータ伝送の遅延。ただし、システム内にボトルネックを生成する可能性のある要因は多数あります。

バッファ

ディスクから読み取られて、現在使用されているデータまたは最近使用されたデータを、バッファ・マネージャがキャッシュする主メモリーのアドレス。時間の経過につれて、バッファが保持するブロックは変わります。新しいブロックが必要なときは、バッファ・マネージャは古いブロックを破棄して、新しいブロックで置換します。

バッファ・プール

バッファの集まり。

キャッシュ

バッファ・キャッシュとも呼ばれます。すべてのバッファおよびバッファ・プール。

キャッシュ・リカバリ

Oracle Databaseによりコミット済および未コミットのREDOログ・ファイル内のすべての変更が、対象となるデータ・ブロックに適用されるインスタンス・リカバリの部分。インスタンス・リカバリのロールフォワード・フェーズとも呼ばれます。

デカルト積

結合条件を使用しない結合はデカルト積(クロス積)に帰結します。デカルト積は、各表から1つずつ選んだ行の作成可能なすべての組合せです。つまり、2つの表の結合において、1つの表の各行がもう一方の表のすべての行とそれぞれ組み合せられます。3つ以上の表のデカルト積は、1つの表の各行と残りの表のデカルト積のすべての行をそれぞれ組み合せた結果です。その他のすべての種類の結合は、デカルト積から、効率的に結合条件を満たさない行を絞り込んで作成されたデカルト積のサブセットです。

複合問合せ

2つ以上の単純な文または複合文を組み合せるために集合演算子(UNIONUNION ALLINTERSECTまたはMINUS)を使用する問合せ。複合問合せ内の単純な文または複合文それぞれは、コンポーネント問合せと呼ばれます。

競合

あるプロセスが別のプロセスで使用されているリソースを待機する必要のある場合。

ディクショナリ・キャッシュ

データベース、その構造およびそのユーザーに関する参照情報を含むデータベース表とビューを集めたもの。Oracle Databaseは、SQL文を解析する際にデータ・ディクショナリに頻繁にアクセスします。ディクショナリ・データを保持するために、メモリー内に2つの特別な場所があります。1つはデータ・ディクショナリ・キャッシュと呼ばれ、データをバッファ(データ・ブロック全体を保持する)のかわりに行として保持するために行キャッシュとも呼ばれます。もう1つの領域はライブラリ・キャッシュです。すべてのOracleプロセスは、データ・ディクショナリ情報にアクセスするためにこれらの2つのキャッシュを共有します。

直接I/O

バッファ・キャッシュをバイパスするI/O。「PIO」を参照してください。

分散型の文

分散データベースの2つ以上の個別ノード/インスタンスのデータにアクセスする文。リモート文は、分散データベースの1つのリモート・ノードのデータにアクセスします。

動的パフォーマンス・ビュー

データベース管理者が動的パフォーマンス表(現在のデータベース・アクティビティを記録する仮想表)に作成するビュー。データベース管理者が変更または削除できないため、固定ビューと呼ばれます。

動的統計

述語の選択性を見積もるために、データベースが再帰的SQL文を実行して表ブロックの小さいランダム・サンプルをスキャンする最適化手法。

エンキュー

ロックの別の用語。

等価結合

等価演算子が含まれている結合条件。

エスティメータ

統計を使用して、選択性、カーディナリティおよび実行計画のコストを評価します。エスティメータの主な目標は、実行計画のコスト全体を算出することです。

実行計画

SQL文を実行するためにデータベースによって使用されるステップの組合せ。各処理では、データベースからデータ行を物理的に検索するか、文を発行したユーザーのためにデータ行を準備します。実行計画はヒントを使用して上書きできます。

EXPLAIN PLAN

DML文に対してオプティマイザが選択した実行計画を検証できるSQL文。EXPLAIN PLANを実行すると、オプティマイザは実行計画を選択し、計画を説明するデータをデータベース表に格納します。

高速全索引スキャン

データベースが索引ブロックを特定の順序によらずに読み取る全索引スキャン。データベースでは、表にアクセスすることなく、索引自体の中のデータにアクセスします。

全索引スキャン

データベースによって索引全体が順に読み取られる索引のスキャン。

全表スキャン

データベースによって表のすべての行が順に読み取られ、選択基準を満たさない行が除外される表データのスキャン。全表スキャンでは、最高水位標以下のすべてのデータ・ブロックがスキャンされます。

ハッシュ結合

データベースで、2つの表またはデータ・ソースの小さい方を使用して、メモリー内にハッシュ表を作成する結合。ハッシュ結合では、データベースは大きい方の表をスキャンし、ハッシュ表を調べて小さい方の表の一致する行のアドレスを見つけます。

ヒント

SQL文の中のコメントを介してオプティマイザに渡される命令。オプティマイザでは、このヒントを使用して文の実行計画が選択されます。

索引クラスタ化係数

名字などの索引値に関連する行順序の尺度。行の記憶域の中でこの値に関する順序性がよいほど、クラスタ化係数は小さくなります。

インスタンス・リカバリ

データベース障害後に、データ・ブロックにREDOログのレコードを自動的に適用することです。

結合

複数の表からデータを選択する問合せ。結合の特徴は、FROM句内に複数の表が並んでいる点です。Oracle Databaseは、WHERE句に指定された条件を使用して、それぞれの表の行を結合し、結果の行を戻します。この条件は結合条件と呼ばれ、通常、結合されたすべての表の列はこの条件によって比較されます。

ラッチ

システム・グローバル領域で共有されているデータ構造を保護するための簡素な下位レベルのシリアライズ・メカニズム。

ライブラリ・キャッシュ

共有されているSQL領域とPL/SQL領域を保持するメモリー構造。ライブラリ・キャッシュは共有プールの3つの部分のうちの1つです。

LIO

論理I/O。バッファ・キャッシュから読むことができる場合とできない場合のあるブロック読取り。

リテラル

コンパイル時に書き込まれ、実行時に読取り専用の定数の値。データベースは、リテラルに迅速にアクセス可能で、変更する必要がない場合はその値を使用します。

ミラー化

同じ内容のデータのコピーを1つ以上のディスクで保持することです。一般的にミラー化はオペレーティング・システム・レベルで二重化されたハードディスクにおいて実現するので、いずれかのディスクが使用不可能になった場合、中断せずにもう一方のディスクでリクエストを処理できます。

MTBF

平均障害間隔時間。一般的なデータベース統計で、I/Oのチューニングに重要です。

非等価結合

等価演算子以外の演算子が含まれている結合条件。

オプティマイザ

SQL文を実行する最も効率的な方法を決定する組込みのデータベース・ソフトウェア。問合せオプティマイザは、問合せトランスフォーマ、エスティメータおよびプラン・ジェネレータで構成されます。

オプティマイザは、SQL文の潜在的な実行計画セットの生成、各計画のコストの見積り、計画を生成するプラン・ジェネレータのコールを実行し、コストを比較して最も低コストの計画を選択します。この方法は、SQL文でアクセスされる1つ以上の表の統計がデータ・ディクショナリに含まれている場合に使用されます。

オプティマイザ・モード

オプティマイザは、標準モードかチューニング・モードで動作します。標準モードでは、オプティマイザはSQLをコンパイルして実行計画を生成します。チューニング・モードでは、オプティマイザは追加分析を実行し、さらに優れた計画を生成するための一連のアクションと、その理論的根拠と予測されるメリットを示します。チューニング・モードで実行する場合、オプティマイザは自動チューニング・オプティマイザと呼ばれます。

外部結合

表のどれか1つの1つ以上の列で外部結合演算子(+)を使用する結合条件。Oracle Databaseは、この結合条件に一致する行をすべて戻します。また、外部結合演算子を指定した表で一致する行がない場合、外部結合演算子を使用せずに表からすべての行を戻します。

ページング

プログラムの作業メモリーのうちの使用頻度の低い部分を主メモリーから二次記憶媒体(通常はディスク)に移動することによって使用可能なメモリー領域を増やすための手法。転送単位はページと呼ばれます。

解析

ハード解析は、SQL文が実行され、かつSQL文が共有プール内にないか、共有プール内にあっても共有できないときに行われます。SQL文は、2つのSQL文のメタデータが異なる場合に共有されません。これは、あるSQL文が既存のSQL文とテキストでは同一だが、2つの文で参照される表が物理的に異なる表に変換される場合、またはオプティマイザ環境が異なる場合に発生する可能性があります。

ソフト解析は、セッションでSQL文を実行する際に、その文が共有プール内にあり、その文を使用(すなわち、共有)できる場合に行われます。共有される文の場合、既存のSQL文に関連するすべてのデータ(オプティマイザ実行計画などのメタデータも含む)が発行対象の現在の文に同じように適用できる必要があります。

解析コール

SQL文実行の準備のためにOracle Databaseに行われるコール。このコールには、SQL文の構文チェック、SQL文の最適化、SQL文の実行可能形式の作成(または指定)が含まれています。

パーサー

SQL文の構文分析とセマンティック分析を実行し、(問合せで参照される)ビューを個別の問合せブロックに展開します。

PGA

プログラム・グローバル領域。サーバー・プロセスのデータと制御情報が含まれる非共有のメモリー領域。サーバー・プロセスの開始時に作成します。

PIO

物理I/O。ブロックがバッファ・キャッシュに存在しなかったか、I/Oがバッファ・キャッシュをバイパスする直接I/Oであるため、バッファ・キャッシュから読むことのできなかったブロック読取り。

プラン・ジェネレータ

問合せオプティマイザが最も低コストの計画を選択できるように、特定の問合せに対して考えられる様々な計画を試行します。異なるアクセス・パス、結合方法および結合順序を試行することによって、問合せブロックに対する様々な計画を調査します。

述語

SQL内のWHERE条件。

問合せオプティマイザ

「オプティマイザ」を参照してください。

問合せトランスフォーマ

ユーザー問合せをリライトして、より効率的な問合せ計画を生成するかどうかを判断し、ビューをマージして副問合せのネスト解除を実行します。

RAID

Redundant Arrays of Inexpensive Disks。RAID構成では、ストライプ化(手動によるデータの分散化)とともに、高いデータの信頼性を実現します。パフォーマンスとコストに基づいて様々なRAID構成(レベル)が選択され、そのI/O特性に応じて、適応がふさわしいアプリケーションは異なります。

行ソース・ジェネレータ

オプティマイザから最適な計画を受け取り、SQL文の実行計画を出力します。行ソースは、1組の行を反復方式で処理し、行セットを生成する反復制御構造です。

セグメント

表、索引、クラスタなどの各タイプのデータベース・オブジェクトに割り当てられるエクステントのセット。

選択性

問合せにおいて、行セットからどれだけの行数が述語テストを通過するかを示す尺度。たとえば、WHERE last_name = 'Smith'などです。

単純な問合せ

1つの表のみを参照し、GROUP BYファンクションの参照は行わないSELECT文。

単純な文

単一表のみに関連するINSERT文、UPDATE文、DELETE文またはSELECT文。

SGA

システム・グローバル領域。高速アクセスのためにデータを格納するメイン・メモリー内のメモリー領域。Oracleデータベースでは、共有SQLおよびPL/SQLプロシージャのSGAメモリーの割当てに共有プールを使用します。

スキュー・データ

重複数のバリエーションが多い値。

SQLコンパイラ

SQL文を共有カーソルにコンパイルします。SQLコンパイラは、パーサー、オプティマイザおよび行ソース・ジェネレータで構成されます。

SQLプロファイル

問合せオプティマイザがSQL文に対して最適の実行計画を作成できるようにする情報の収集。

SQL文(同一)

テキストが同じSQL文は、すべての点で同一です。

SQL文(類似)

類似するSQL文は、リテラル値を変更するという点のみ異なります。リテラル値がバインド変数に置換された場合、SQL文はテキストで同一になります。

SQLトレース

Oracleデータベースに対して実行されるアプリケーションの監視およびチューニングに役立つ、基本的なパフォーマンス診断ツール。SQLトレースを使用すると、アプリケーションで実行されるSQL文の効率性を評価し、各文の統計を生成できます。このツールで生成されるトレース・ファイルは、TKPROFの入力となります。

SQLチューニング・セット(STS)

1つ以上のSQL文、実行統計および実行コンテキストを含むデータベース・オブジェクト。

SQL*Loader

入力ファイルを読み取り、解析します。大量のデータをロードする場合に、このツールを使用します。

Statspack

パフォーマンス・データの収集、自動化、格納および表示を可能にするSQL、PL/SQLおよびSQL*Plusスクリプトのセット。この機能は自動ワークロード・リポジトリに置き換えられています。

ストライプ化

ディスクにまたがるデータの関連ブロックのインターリーブ。適切なストライプ化はI/Oを減らし、パフォーマンスを向上させます。

  • ストライプ深度は、ストライプのサイズで、ストライプ単位とも呼ばれます。

  • ストライプ幅は、ストライプ深度とストライプ・セットを構成するドライブ数の積です。

TKPROF

Oracleデータベースに対して実行されるアプリケーションの監視およびチューニングに役立つ診断ツール。TKPROF主に、SQLトレースの出力ファイルを処理して読取り可能な出力ファイルに変換し、トレース・ファイルに関してユーザー・レベルの文と再帰的SQLコールのサマリーを提供します。また、SQL文の効率性の評価、実行計画の生成、データベースに統計を格納するSQLスクリプトの作成を実行できます。

トランザクション・リカバリ

Oracle Databaseがコミットされない変更を元に戻すためにロールバック・セグメントを適用するインスタンス・リカバリの部分。インスタンス・リカバリのロールバック・フェーズとも呼ばれます。

UGA

ユーザー・グローバル領域。ユーザー・セッションに使用されるラージ・プール内のメモリー領域。

待機イベント

処理を継続する前にイベントが完了するまで待機する必要があることを示すために、サーバー・プロセス/スレッドによって増やされる統計です。待機イベントは、事後パフォーマンス・チューニングの実行時に最初に検証する事項の1つです。

待機イベント(アイドル)

これらのイベントは、サーバー・プロセスがアイドル状態で待機中であることを示します。これらのイベントはパフォーマンスのボトルネックの性質を示さないため、チューニングの際に無視できます。

作業領域

モリーのプライベート割当てであり、ソート、ハッシュ結合およびメモリー消費型のその他の操作に使用されます。ソート演算子は、作業領域(ソート領域)を使用して一連の行のメモリー内ソートを実行します。同様に、ハッシュ結合演算子は作業領域(ハッシュ領域)を使用して、ハッシュ表を左側から入力して作成します。