この章では、Oracle Database 11gリリース2のすべての新機能を説明します。この章の内容は次のとおりです。
次の項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のアプリケーション開発の新機能について説明します。
次の項では、Oracle Application Expressの機能について説明します。
アプリケーション全体で使用される日付書式を定義できるようになりました。アプリケーション内のページを表示または発行する前に、この日付書式を使用してNLS_DATE_FORMAT
データベース・セッションの設定を変更します。この書式は、日付を表示するすべてのレポートで使用され、日付ピッカー(アプリケーションの日付書式を使用)タイプのフォーム項目でも選択されます。
アプリケーション・レベルで日付書式を指定することによって、アプリケーション全体で一貫性が維持されます。これにより、常に同じ書式で日付を表示または入力できます。
Oracle Application Expressのデフォルトのテーマに加え、独自のカスタマイズ・テーマを作成できます。Oracle Application Expressの20個の標準テーマからいずれかを選択し、基礎となるテンプレートを変更するか、独自のテンプレートを最初から作成することもできます。各テーマは、Cascading Style Sheet(CSS)およびHTMLで定義されたテンプレートのセットで構成されています。
カスタム・テーマの公開が可能であるため、各企業の要件に応じて独自のルック・アンド・フィールを設計して、他のすべてのアプリケーションで使用できるテーマとして公開できます。
宣言的なBLOBのサポートにより、ファイルをフォームに宣言的にアップロードし、レポートを使用してダウンロードまたは表示できます。また、BLOBの表示およびダウンロードをPL/SQLを使用してプロシージャで作成することも可能です。
バイナリ・ラージ・オブジェクト(BLOB)のデータベース内での保存は、異なるファイルシステムにコンテンツを保存するよりも様々な点において優れているため、注目を集めています。Application Expressの宣言的なBLOB管理のサポートにより、コンテンツのロードおよび操作が非常に簡易化されます。
このリリースでは、上級のOracle Application Express開発者がWeb 2.0のカスタム機能を構築して活用できるようにフレームワークが改善されているため、パフォーマンスが向上し、開発者がより動的なアプリケーション・ウィジェットを作成できます。Oracle Application Expressには、標準のJavaScriptファイルとCSSファイルを抑制する機能も用意されています。現在は、ページのロード時間を短縮するために、含まれているJavaScriptファイルがすべて圧縮されています。
多くの開発者は、Web 2.0機能を増設するためにアプリケーションを拡張する必要がありますが、IPフォンやスマートフォンなどのモバイル・デバイス向けにページの重さを最小限にすることも必要です。ドキュメント化および宣言的な機能により、これらの異なる要件を満たすアプリケーションの設計が可能になります。
リリース3.1では、ダウンロード形式としてXMLが含まれ、複数のSQL文がサポートされています。
Oracle Application Expressの対話型レポートでは、画面にデータを表示する方法を操作できます。このデータは、PDF、RTF、XLS、XMLなどの様々な形式でダウンロードすることもできます。
フォームの変換では、既存Oracle Formsの設計が取得され、一部のコンポーネント(主にユーザー・インタフェース)が自動的に変換されます。複合トリガーなどの他のコンポーネントは、生成後に手動で変換する必要があります。
ネイティブHTMLへの移行はシームレスではなく、Webにおける対話を最適化するには、ユーザー・インタフェースの変更が必要です。
Oracle Application Express Forms Conversionにより、対話型レポートをはじめとするOracle Application Expressの動的HTML機能を利用できます。Oracle FormsとOracle Application Expressは、どちらもSQLおよびPL/SQLを使用するなど、類似点があるため、新たなトレーニングの必要性はほとんどありません。
Oracle Application Expressは、多数のセキュリティ機能が拡張されています。主な拡張機能には、宣言的にセッション状態を暗号化し、最大アイドル時間および最大セッション継続期間のセッション・タイムアウトを指定する機能、およびセッション状態に保存せずにパスワードを入力できる新しいパスワード・アイテム・タイプの作成などがあります。
その他に、Oracle Application Expressデータベース・アカウントに必要な権限の削減、データベース監視機能のデフォルトでの無効化、管理用のHTTPSの指定などがあります。また、管理者は、パスワードの再利用を制限できるようになりました。このリリースには、新しいアイテム・タイプとして、非表示で保護されたアイテム・タイプも含まれています。このアイテム・タイプによって、アイテムのセッション状態の保護が非常に簡易化されます。その他の軽微な改善点も含め、Oracle Application Expressのデフォルトのセキュリティ機能はさらに強化されています。
宣言的なセキュリティ機能の追加により、開発者および管理者は、アプリケーションと開発環境のセキュリティを容易に強化できます。これらの新機能は、柔軟な認証、認可スキーム、URL改ざんからの保護をはじめとする既存のOracle Application Expressのセキュリティ機能を補完します。
対話型レポート・リージョンで、エンド・ユーザーはレポートをカスタマイズできます。ユーザーは、目的の列を選択し、フィルタリング、ハイライト表示、ソートなどを適用してレポート・データのレイアウトを変更できます。また、ブレーク、集計、異なるチャートおよび独自の計算も定義できます。複数のレポートのバリエーションを名前付きレポートとして保存して、カンマ区切りのファイル(CSV)形式、Microsoft Excel(XLS)形式、Adobe Portable Document Format(PDF)、Microsoft Word Rich Text Format(RTF)などの異なるファイル形式にダウンロードできます。
Oracle Application Expressの対話型レポート機能により、エンド・ユーザーの様々なレポート要件に応じて変更可能なレポートを迅速に開発できます。開発者は、異なるユーザーやグループ用の特定のレポート・レイアウトを定義するかわりに、多数の異なる要件を満たす1つの共通レポートを定義できます。
テスト・インスタンスおよび本番インスタンスで、Oracle Application Expressのランタイム・バージョンをインストールできるようになりました。これにより、最小限のフットプリントおよび権限でのインストールが可能になります。提供されたスクリプトを使用して、既存インスタンスへの開発者のインタフェースの追加または削除も可能です。
ランタイムのみの環境の実装により、不注意による本番アプリケーションの更新や悪意のある更新ができなくなるため、アプリケーションのセキュリティが向上します。
次の項では、OCI、Pro*C、JDBCおよびその他の開発APIでの新機能について説明します。
カーソル宣言でWITH HOLD
オプションを指定できるようになりました。
この新しいオプションにより、Pro*Cアプリケーションの移行が容易になります。
関連項目: 詳細は、『Pro*C/C++プログラマーズ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Call Interface(OCI)では、32ビットおよび64ビット・プラットフォームで、Pro*CのINSERT
およびFETCH
での8バイトのネイティブ数値ホスト変数がサポートされるようになりました。
Fusionアプリケーションでは、Pro*CによるNUMBER(18)
列へのデータの挿入またはフェッチの際のバインド/定義での8バイトのネイティブ・データ型のサポートが必要です。
関連項目: 詳細は、『Pro*C/C++プログラマーズ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Call Interface(OCI)では、32ビットおよび64ビット・プラットフォームで、Pro*COBOLのINSERT
およびFETCH
での8バイトのネイティブ数値ホスト変数がサポートされるようになりました。
Fusionアプリケーションでは、Pro*COBOLによるNUMBER(18)
列へのデータの挿入またはフェッチの際のバインド/定義での8バイトのネイティブ・データ型のサポートが必要です。
タイムゾーンの新しいアップグレード・スキームに適合するようにJDBCドライバが更新されました。
この機能は、簡易なタイムゾーン・パッチ・プロセスを提供します。これにより、TIMESTAMP WITH TIME ZONE
データ型を使用しているJavaアプリケーションは、夏時間(DST)の変更に影響されません。
JDBCでゼロコピーのSecureFile LOB I/OおよびLOBプリフェッチがサポートされるようになりました。
この機能により、構造化(リレーショナル)および非構造化データへのJavaアクセスのパフォーマンスおよびセキュリティが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database JDBC開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Call Interface(OCI)で、32ビットおよび64ビット・プラットフォームでの8バイトの整数のバインドおよび定義がサポートされるようになりました。
Fusionアプリケーションでは、Pro*CまたはPro*COBOLによるNUMBER(18)
列へのデータの挿入またはフェッチの際のバインドおよび定義での8バイトのネイティブ・データ型のサポートが必要です。Pro*CまたはPro*COBOLでは、アプリケーション開発者への転送が可能となるように、OCIでのこの機能のサポートが必要です。
関連項目: 詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。 |
「可用性」の項の目的は、予定外の故障やスケジュールされたメンテナンス・アクティビティにかかわらず、Oracleデータベースを使用して継続的にデータにアクセスできるようにする機能を提供することです。これらの各機能は、Oracleの最大可用性アーキテクチャ(MAA)の基盤となり、統合Oracleテクノロジを使用して可用性の高いインフラストラクチャを実装するためのオラクルの青写真です。
次の項では、このリリースの新機能によるバックアップおよびリカバリでの改善点について説明します。
ブロックの自動修復では、プライマリ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースに破損ブロックが検出されると、他の宛先から適切なブロックが転送され、自動的に修復されます。また、フィジカル・スタンバイ・データベースからブロックがリストアされるようにRECOVER BLOCK
が拡張されています。フィジカル・スタンバイ・データベースは、リアルタイム問合せモードである必要があります。
この機能により、ブロックの破損のために本番データにアクセスできなくなった場合、破損ブロックが検出され次第、フィジカル・スタンバイ・データベースからの適切なブロックを使用してリアルタイムで破損が自動的に修復され、時間が短縮されます。この機能は、ディスクやテープ・バックアップやフラッシュバック・ログによるリカバリとは違い、リアルタイムの同期されたフィジカル・スタンバイ・データベースから最新の適切なブロックを使用してブロック・リカバリの所要時間を短縮します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。 |
Oracle Secure Backup(OSB)クラウド・モジュールによるAmazon S3(インターネット・ベースのストレージ・サービス)へのバックアップが提供されるようになりました。これはオラクル・クラウド・コンピューティングの一部として提供されています。
この機能は、管理の手間を省いた低コストのWebサービス・ストレージへのデータベース・バックアップを提供し、インハウス・バックアップ・インフラストラクチャの管理にかかるコストと時間を軽減または排除します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。 |
ターゲット・データベースに接続せずに、DUPLICATE
を実行できます。これには、カタログおよび補助データベースへの接続が必要です。
この機能の利点は、ターゲット・データベースに接続する必要がなく、DUPLICATE
操作の可用性が向上することです。特に、ターゲット・データベースにいつでも接続できるとはかぎらない場合、接続先データベースへのDUPLICATE
を実行する際に役立ちます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
表領域のPoint-in-Timeリカバリ(TSPITR)は、次のように拡張されています。
削除された表領域をリカバリできるようになりました。
同じ表領域にTSPITRを複数回繰り返して実行できます。これまでは、表領域が以前の時点の状態にリカバリされると、別の時点までのリカバリを実行できませんでした。
TSPITRが正常に実行されたことを確認するDBMS_TTS.TRANSPORT_SET_CHECK
が自動的に実行されます。
リカバリ・セットのデータファイルにAUXNAME
は使用されなくなりました。
この機能により、TSPITRのユーザビリティが向上します。
DUPLICATE
コマンドの新しいオプションを次に示します。
NOREDO
NOREDO
を指定すると、アーカイブ・ログが適用されません。ターゲットなしのDUPLICATEではターゲット・データベースに接続しないため、データベースがNOARCHIVELOG
モードで実行されているかどうかをチェックできません。また、通常の複製中に使用して、現在ARCHIVELOG
モードで実行されているデータベースを、アーカイブ・ログを適用せずに強制的にリカバリすることもできます(たとえば、複製される時点でNOARCHIVELOG
モードであった場合など)。
UNDO TABLESPACE <
tsname
> [ , <
tsname
> ... ]
リカバリ・カタログにもオープン状態のターゲット・データベースにも接続されていない場合、RMANはUNDOセグメントの表領域のリストを取得できないため、この句を使用して指定する必要があります。
この機能により、DUPLICATEコマンドのユーザビリティが向上します。
SET NEWNAME
コマンドの新しい句およびフォーマット・オプションを次に示します。
単一のSET NEWNAME
コマンドを、表領域内のすべてのファイルまたはデータベース内のすべてのファイルに適用できます。次に例を示します。
SET NEWNAME FOR TABLESPACE <tsname> TO <format>;
または
SET NEWNAME FOR DATABASE TO <format>;
SET NEWNAME...<
format
>
の新しいフォーマット識別子は次のとおりです。
%U
一意識別子。data_D-%d_I-%I_TS-%N_FNO-%f
%b
元のデータファイル名のUNIXベース名。たとえば、元のデータファイル名がORACLE_HOME/data/tbs_01.f
の場合、%b
はtbs_01.f
です。
RESTORE
、DUPLICATE
およびTSPITRの柔軟性が高くなるという利点があります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
DUPLICATE...TABLESPACE
およびDUPLICATE... SKIP TABLESPACE
コマンドは、次の初期チェックを実行するようになりました。
除外する表領域にSYS
が所有するオブジェクトが含まれているかどうかをチェックします。
実際の複製処理の前に、DBMS_TTS.TRANSPORT_SET_CHECK
を実行して複製される表領域セットが自己完結型かどうかを確認します。
これらのチェックはターゲット・データベースで実行する必要があるため、ターゲットなしのDUPLICATE
では実行できません。
この機能により、DUPLICATEのユーザビリティが向上します。実際の複製操作を開始する前に、表領域に関する問題が即時に識別されます。
次の項では、オンライン・アプリケーションのメンテナンスおよびアップグレード機能について説明します。
エディション・ベースの再定義では、新しいエディション内で変更が行われるため、アプリケーションの可用性を損わずにアプリケーションのデータベース・オブジェクトを変更できます。すべてのデータベースに、少なくとも1つのエディションがあります。新しいエディションは、既存エディションの子としてDBAによって作成されます。変更は子エディション内で行われ、変更中も親エディションは使用し続けることができます。必要な場合は、古いエディションでは表示されない新しい行または新しい表にのみ書き込むことで、データの変更を安全に行うことができます。エディショニング・ビューでは、変更された各表の異なる投影がそれぞれのエディションに公開されるため、各エディションにはそれ自身の列のみが表示されます。crosseditionトリガーは、古いエディションで行われたデータの変更を新しいエディションの列に伝播します。変更のインストールが完了すると、新しいエディションを使用するユーザーがいる一方、古いエディションを使い尽すユーザーもいます。ここでは、crosseditionトリガーは、新しいエディションで行われたデータの変更を古いエディションの列に伝播します。
多くの場合、大規模な基幹アプリケーションでは、データベース・オブジェクトにパッチやアップグレードを適用する際に、アプリケーションを長時間使用できなくなります。エディションベース再定義により、このコストを回避できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database開発ガイド』を参照してください。 |
CREATE
またはREPLACE TYPE
コマンドでFORCE
オプションを使用できるようになりました。
この機能によりユーザビリティが向上し、TYPE
の依存オブジェクトが存在する場合でもCREATE
またはREPLACE TYPE
操作を実行できます。ただし、TABLE
依存が1つ以上存在する場合、FORCE
を使用してもCREATE
またはREPLACE TYPE
は成功しません。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseオブジェクト・リレーショナル開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Database 11gリリース1(11.1)により、ファイングレイン依存性追跡が導入され、それと同時に、新しいFOLLOWS
キーワードにより、トリガーが依存性の親である可能性がもたらされました。
リリース11.1では、トリガーの依存にファイングレイン依存性はありませんでした。リリース11.2には、このファイングレイン依存性が存在します。(リリース11.2では、新しいPRECEDES
キーワードにより、トリガー間の依存性も可能になりました。)
関連項目: 詳細は、『Oracle Database開発ガイド』を参照してください。 |
INSERT INTO TARGET...SELECT...FROM SOURCE
では、挿入する行の一意キーが既存の行と衝突することがあります。IGNORE_ROW_ON_DUPKEY_INDEX
により、警告なしに衝突を無視して、衝突のない行を挿入できます。PL/SQLプログラムで同じ効果を得るには、まずソース行を選択し、それらの行をDUP_VAL_ON_INDEX
例外のNULLハンドラを持つブロックで1行ずつターゲットに挿入していきます。ただし、PL/SQLのアプローチは、プログラムに手間がかかり、このヒントによる単一のSQL文の場合より処理に時間がかかります。
エディション・ベースの再定義を使用してオンライン・アプリケーションのアップグレード・スクリプトを実装する場合、このヒントによりパフォーマンスが改善され、プログラミングの手間が軽減されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Data Guardを向上させるこのリリースの新機能について説明します。
圧縮表(OLTPとダイレクト・ロード操作をサポートする圧縮表)がロジカル・スタンバイ・データベースおよびOracle LogMinerでサポートされています。
この追加の記憶域属性のサポートにより、ロジカル・スタンバイ・データベースでは、データの保護およびレポート機能をより広範囲の表に提供できるようになりました。
関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。 |
Oracle Active Data Guardオプションが有効な場合のみ、REDO Applyをアクティブにしたままフィジカル・スタンバイ・データベースを読取り専用アクセスでオープンできます。この機能は、リアルタイム問合せとも呼ばれています。
リアルタイム問合せモードのフィジカル・スタンバイ・データベースへの非管理ユーザーからの問合せで、STANDBY_MAX_DATA_DELAY
セッション・パラメータを使用して特定のセッションの適用ラグの許容値を指定できます。
この機能により、スタンバイ・データベースが許容できないほど古いかどうかを検出できるため、問合せをフィジカル・スタンバイ・データベースに肩代りさせてプライマリ・データベースの負荷を軽減できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。 |
Oracle Data Guardのロール遷移で、プライマリ・データベースに接続されたアプリケーションは、新しいプライマリ・データベースに透過的にフェイルオーバーできます。高速アプリケーション通知(FAN)との統合は、統合クライアントに高速フェイルオーバーを提供します。
Oracle Data Guardを使用した障害時リカバリ構成の柔軟性と管理性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard Broker』を参照してください。 |
プライマリ・データベースでサポートされるスタンバイ・データベースの数が9個から30個に増加しました。
30個のスタンバイ・データベースの作成と、Oracle Active Data Guardオプションの機能により、リーダー・ファームを作成して本番データベースの大量の読取り専用のワークロードを肩代りさせることができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のビジネス・インテリジェンスおよびデータ・ウェアハウスの新機能について説明します。
次の項では、このリリースでの分析処理の新機能および改善点について説明します。
このリリースでは、新しい分析関数の導入および機能の拡張が行われています。順序付けられた新しい集計、LISTAGG
は、メジャー列の値を連結します。新しい分析ウィンドウ関数NTH_VALUE
(既存のFIRST_VALUE
関数およびLAST_VALUE
関数の総括)により、ウィンドウの任意(n番目)のレコードを取得できます。
IGNORE NULLS
オプションにより、LAG
関数およびLEAD
関数が拡張されています。
新しいSQL分析関数および拡張機能により、(簡易な)SQL仕様を使用したデータベースでの複雑な分析処理が可能になり、パフォーマンスが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。 |
SQLのWITH
句の拡張により、再帰問合せを作成できるようになりました。
再帰WITH
句は、ANSI(米国規格協会)に準拠しています。したがって、Oracleでの再帰問合せはANSI準拠です。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。 |
次の項では、このリリースでのデータ・ロードの新機能および改善点について説明します。
このリリースでは、DIRECTORY
オブジェクトでEXECUTE
権限を使用できるようになりました。ORACLE_LOADER
アクセス・ドライバは、ユーザーにより指定されたプログラムを実行するプロセスを作成します。そのプログラムは、データベースに定義されたディレクトリ・オブジェクトによって指定されたディレクトリ・パスに存在する必要があります。ディレクトリ・オブジェクトへのEXECUTEアクセスを与えられたユーザーのみがそのディレクトリのプログラムを実行できます。
この機能により、DBAは、外部表でのデータ・ロードの一部としてプリプロセッサを実行できるユーザーを制御できます。それらのユーザーが実行できるプログラムも制限できます。ディレクトリ・オブジェクトにアクセスできる既存ユーザーは、DBAからディレクトリへのEXECUTEアクセスを与えられた場合を除き、そのディレクトリからプログラムを実行できません。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。 |
このリリースでは、ORACLE_LOADER
アクセス・ドライバの構文が拡張されて、外部表に読み取るデータファイルの前処理を行うプログラムを指定できます。アクセス・パラメータに、ディレクトリ・オブジェクトの名前と、そのディレクトリ・オブジェクト内の実行可能ファイル名を指定できます。アクセス・ドライバは、ファイルからデータを読み取るとき、データファイル名を渡して、指定されたプログラムを実行するプロセスを作成します。プログラムの出力はアクセス・ドライバに渡され、アクセス・ドライバにより解析されてレコードおよび列に変換されます。
この機能は、圧縮ファイルに格納されたデータをロードする必要のあるユーザーによって最初に使用されます。ユーザーは、ファイルの解凍に使用するプログラムの名前をアクセス・パラメータの一部として指定します。解凍プログラムの出力をアクセス・ドライバが読み取ります。
圧縮ファイルは、必要なディスク領域を軽減し、ディスクとメモリー間のI/O帯域幅を効率的に使用できるため、多くのユーザーは圧縮ファイルからのデータのロードを求めています。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。 |
次の項では、このリリースでのパーティション化の新機能および改善点について説明します。
仮想列をリファレンス・パーティション表の主キーまたは外部キーの列として使用できます。
リファレンス・パーティション表での仮想列の使用により、Oracleのパーティション化を使用した様々なビジネス・シナリオの実装が簡易化されます。
リスト・パーティション表でシステム管理ドメインの索引がサポートされるようになりました。
これにより、ドメイン固有の索引付けのパーティション化でのサポートがより完全なものとなり、Oracle XML DBを含め、ユーザーの要件を満たすように拡張されました。このリリースでは、リスト・パーティション表でのローカル・ドメイン索引のパフォーマンスが改善されています。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。 |
次の項では、このリリースでのパフォーマンスおよびスケーラビリティの新機能および改善点について説明します。
従来、組織ではパラレル実行により、システムのI/Oキャパシティをフルに活用して、大量のデータの管理およびアクセスを行ってきました。インメモリー・パラレル実行では、システム内のメモリーを集約して問合せのパフォーマンスの向上に役立て、パラレル操作の物理I/Oの必要性を最小化または完全に排除します。パラレル実行を使用してアクセスされるオブジェクトをSGA(バッファ・キャッシュ)にキャッシュすることが有効かどうかの判断は、Oracleにより自動的に行われます。キャッシュされるオブジェクトは、オブジェクトのサイズやアクセス頻度などを含め、慎重に定義された一連の経験則に基づいて決定されます。Oracle RAC環境では、オブジェクトの断片がアクティブなインスタンスの各バッファ・キャッシュにマップされます。このマッピングの作成により、SQL問合せに応答する際に、オブジェクトの特定の部分またはパーティションが格納されたバッファ・キャッシュにアクセスできます。
インメモリー・パラレル問合せでは、システム内のメモリーを集約してパラレル操作に役立てることができるため、クラスタのノード数が増加するにつれ、データのキャッシュに使用可能なメモリーとともにパラレル操作をスケール・アウトできます。この新機能は、パラレル操作をメモリー内で充足させるため、必要な物理I/Oを最小化または完全に排除することで、大規模なパラレル操作を最適化します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。 |
アクティブな場合、SQL操作に最適な並列度(DOP)が、オブジェクトのサイズ、文の複雑度および既存ハードウェア・リソースに基づいて決定されます。
データベースによりパラレル実行のユーザー設定の誤りや不足が補われ、リソースの使用およびシステム動作全体が最適化されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。 |
DBMS_PARALLEL_EXECUTE
パッケージは、指定されたINSERT
、UPDATE
、DELETE
、MERGE
または無名ブロック文をパラレル・チャンクに適用するサブプログラムを提供します。文には、チャンクの開始および終了制限を定義する2つのプレースホルダが必要です。通常、これらは大きな表の行IDまたは代替一意キーの値です。ただし、無名ブロックを使用する場合、値は任意に解釈されます。パッケージには、指定された表の範囲を定義するサブプログラムがあります。これらのサブプログラムには、表の行IDやキー範囲のルール・ベース分割などが含まれ、ユーザー定義メソッドがサポートされます。SQL文とチャンク範囲のセットにより、タスクが定義されます。別のサブプログラムにより、タスクが開始されます。各タスクはスケジューラ・ジョブを使用して処理され、完了すると自動的にコミットされます。進行状況はログに書き込まれます。タスクが完了または中断すると、未試行、成功および失敗としてチャンクがマークされます。タスクを再開して未試行および失敗したチャンクを試行する別のサブプログラムを実行することもできます。
多数の行のバルク変換は、様々なシナリオで必要とされます。通常のSQL文を使用すると、成功か失敗のどちらかしかないため、危険です。一般に、ある行の変換が他の行とは独立して行われる場合、正常に変換された行をコミットし、失敗した行をロールバックするのが正しい方法です。Oracle Schedulerと進行状況を記録する適切なメソッドを使用して、最初からこれらを達成するためのスキーマを実装しているユーザーもいます。このパッケージにはサポートされているソリューションがあり、さらにパラレル・タスク・メタデータ用の新しいカタログ・ビューを使用してデータベース全体を管理できます。このパッケージは、オンライン・アプリケーションのアップグレード・シナリオで、列が定義されている表内のすべての列にcrosseditionトリガーを適用する場合に特に有効です。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。 |
ログ処理の所要時間が削減され、マテリアライズド・ビューの高速リフレッシュが非常に速くなりました。
これにより、メンテナンス時間が大幅に削減され、より高速なリフレッシュが可能になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Warehouse Builder(OWB)での抽出、変換およびロード(ETL)の改善された機能について説明します。
「使用可能なオブジェクト」タブおよび「選択されたオブジェクト」タブで、マッピング・エディタの検索機能が拡張され、マッピング・ダイアグラムでの演算子、グループおよび属性の検索および更新が容易になりました。
この機能により、大規模で複雑なマッピングを行う場合や、多数の表、ビューまたは列を含む複雑なデータ・ソースを操作する場合などにおいてETLマッピングの開発者の生産性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Warehouse Builder(OWB)は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionに加え、Oracle Business Intelligence Standard Edition(Discoverer)のメタデータ統合も提供します。
Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(OBI EE)では、データ・ウェアハウス設計からすぐに使用できる物理ビジネス・モデルおよびプレゼンテーション層メタデータを導出し、OWB内から導出オブジェクトを視覚化およびメンテナンスできます。また、OBI EEへのロードが可能なRPDファイル形式で導出オブジェクトをデプロイできます。
Oracle Discovererの統合は、前のリリースで追加され、データ・ウェアハウス設計からのDiscoverer用のメタデータの導出、および導出オブジェクトのDiscovererへのデプロイなどが含まれます。このリリースでは、類似の機能がOBI Enterprise Editionで使用可能になりました。すべてのビジネス・インテリジェンス・アプリケーション・オブジェクトはOWBでモデル化され、列レベルで系統および影響分析に含めることができます。
Oracleデータ・ウェアハウスとともにOracleビジネス・インテリジェンス・ツールを使用しているユーザーは、追加の設計や開発の労力なしに、ウェアハウスから適切な応答を迅速に得ることができます。
マッピング・エディタで、属性の設定も含め、演算子のマッピング内またはマッピング間でのコピーおよび貼付けができるようになりました。
この拡張により、共通または類似の要素を再利用する複雑なETLマッピングの開発時間が短縮され、エラーが減少します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』を参照してください。 |
デザイン・センターで、ユーザーのアクティブな構成がドロップダウン・リストに表示されるようになりました。
これにより、複数構成の機能のユーザビリティが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。 |
フラット・ファイルのインポートのサポートが、多くの点で改善されています。簡素化されたフラット・ファイルのサンプリング・ウィザード、マルチ・キャラクタおよび16進数の形式のデリミタおよび囲み文字のサポート、簡素化された固定長フィールド形式のサポート、異機種間ターゲットへのフラット・ファイルのバルク・ロードのサポートなどがあります。
フラット・ファイルは、ETLアプリケーションで、データの移動を簡単かつ高パフォーマンスで行うために頻繁に使用されます。これらの変更により、ETL開発者の生産性が向上し、様々なシナリオでフラット・ファイルの処理の柔軟性が向上します。
OWBでのテーブル・ファンクションのサポートが拡張されました。既存のテーブル・ファンクションのメタデータのインポート、OWB内からテーブル・ファンクションを作成するためのエディタ、マッピングでのテーブル・ファンクションのサポートの強化などがあります。
サポートの拡張により、ユーザー定義の集計やデータ・マイニング・サンプリング演算子など、テーブル・ファンクションの使用が簡易化され、柔軟性の高いパワフルな変換が可能になります。
OWBエキスパートをマッピング・エディタ・メニューに追加できるようになりました。
これにより、マッピング・エディタの機能が強化および拡張され、開発者の生産性が向上します。
式の演算子との関連付けは、演算子の編集ダイアログまたは式エディタに直接入力できるようになり、プロパティ・インスペクタでこれらの式をプロパティに入力する必要はありません。
ETLマッピングの演算子を作成する際に、開発者は多くの作業を1か所で終了できるため、生産性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』を参照してください。 |
マッピング・エディタで、マッピング・エディタ内のオブジェクトを一時的または永続的にグループ化して、1つのアイコンとして閉じることができます。これにより、マッピングの複雑さを隠すことができます。また、1つの演算子にスポットライトを当てることで、演算子に直結するオブジェクトを除き、マッピングのすべてのオブジェクトが一時的に非表示になります。
これにより、多数の演算子を含む複雑なマッピングを操作する開発者の生産性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』を参照してください。 |
コントロール・センターでの場所の登録を管理するユーザー・インタフェースが改訂され、特に、複数のコントロール・センターに登録された場所を操作する際に、ユーザビリティが向上しました。
この変更により、複数のコントロール・センターの場所の管理を担当するOWB管理者の生産性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド』を参照してください。 |
OWBの場所を管理するユーザー・インタフェースが改訂されてユーザビリティが向上し、新しくサポートされた接続方法を使用した非Oracleデータ・ソースへのアクセスをサポートします。
これらの変更により、異機種間およびOracle専用環境でのOracle Warehouse Builder管理者および開発者の生産性が向上します。
キー参照演算子は、大幅に変更されています。
画面不動産の効率的な使用。
非等価参照のサポート。
動的参照(マッピングの実行中に参照表の変更が可能)。
これらの変更により、タイプ2の緩やかに変化するディメンション(SCD)のサポートの改善を含め、様々な状況において参照演算子はよりパワフルになります。
OWBマッピング・エディタの様々な拡張を次に示します。
監視ポイントのサポートの改善および個々のブレークポイントの有効化と無効化。
ユーザー定義型の列のサポート。
VARRAY
、EXPAND
およびCONSTRUCT
など、多数の既存演算子のサポートの拡張。
キー参照およびテーブル・ファンクションの演算子のサポート。
相関結合のサポート。
デバッガ固有のオブジェクトのクリーンアップの改善。
これらの拡張により、特にマッピング・デバッガが最大の価値を付加する複雑なマッピングを操作する場合、ETLマッピング開発者の生産性が向上します。
Oracle Warehouse Builderデザイン・センターのユーザー・インタフェースは、Fusionクライアント・プラットフォームを使用するように更新されました。これはOracle JDeveloperおよびOracle SQL Developerと同じ統合開発環境(IDE)のコア・プラットフォームです。
このユーザー・インタフェースには、次の利点があります。
画面不動産の使用の効率化および柔軟性の向上。
タイプが同じ複数のエディタのオープンをサポート。たとえば、異なるウィンドウで1度に複数のETLマッピングを編集できます。
異なるOWBユーザー・インタフェース部分での一貫性のある動作。
この変更は、Oracle Warehouse Builderデザイン・センターのOracleの他の開発ツールとの調和をもたらします。Fusionクライアント・プラットフォームでのユーザビリティ調査および他のOracle製品と一貫性のある動作などの利点により、Oracle Warehouse Builder環境の開発者の生産性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド』を参照してください。 |
OWBのETLマッピングでは、生成されたPL/SQLコードに、マッピングの特定の演算子と生成されたコードのセクションを結び付ける際に役立つ詳細なコメントが含まれます。
これにより、OWBで生成されるコードに関して、コードをデプロイする際に初めて検出される問題のトラブルシューティングに役立ちます。この追加の情報は、開発者の生産性を向上させます。
このリリースでは、Oracle Warehouse Builder(OWB)にマッピングでの演算子の関連付けに使用される新しいスプレッドシートに類似したダイアログが導入されました。この機能は、既存の自動マッピングのダイアログに代わるものです。
この改善により、多数の入力または出力を伴う演算子を扱う際に、開発者の時間が短縮され、エラーが減少します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』を参照してください。 |
リポジトリ・ブラウザは、フォルダリングのサポート、リリース11.2の機能セットに関連する新しいタイプのメタデータの公開、OC4J 10.3.3のサポートを提供するように更新されました。
これらの変更により、Oracle Warehouse Builderの管理性が向上します。
リポジトリのアップグレードでは、Oracle Warehouse Builder(OWB)リポジトリの現行リリースへのアップグレードが自動的に行われ、ユーザーの操作が軽減されました。
これにより、新しいリリースへのアップグレード・タスクが簡易化されます。
Oracle Warehouse Builderでは、PeopleSoftアプリケーションのデータ・ソースなどで発生する非推奨のLONG
データ型をサポートするデータベース・スキーマからデータを抽出するSQL*Plusコードを生成できるようになりました。
PeopleSoftデータで使用されるLONG
データ型のサポートにより、OWBユーザーは、PeopleSoftデータまたはLONG
データ型を使用する他のデータ・ソースを効率的に統合できるようになります。
Oracle Warehouse Builder(OWB)の結合演算子は、結合での副問合せの使用に関連するいくつかの新しい動作をサポートするようになりました。
EXISTS
、NOT EXISTS
、IN
およびNOT IN
を使用する副問合せの指定。
+
(プラス)記号ではなく、入力ロールを使用した外部結合の指定。
外部結合のみでなく、すべての結合タイプのANSI SQL構文の生成。
柔軟性の高い結合演算により、開発者の生産性が向上し、データ変換での柔軟性が向上します。
次の各項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のクラスタ化の新機能について説明します。
このリリースのOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)では、様々な機能によってクラスタおよびOracle RACデータベースのインストールおよび継続的な管理が大幅に簡易化され、初心者がクラスタ化およびOracle RACを採用してこのテクノロジを利用しやすくなっています。
次の項では、Oracle RACの使いやすさを向上する機能について説明します。
Database Configuration Assistant(DBCA)、Database Upgrade Assistant(DBUA)およびNet Configuration Assistant(NETCA)は、このリリースのすべての新機能をサポートし、ベスト・プラクティス実装を提供するように更新されています。
コンフィギュレーション・アシスタントにより、適切な手順で環境が自動的に構成されます。アシスタントにより、クラスタおよびクラスタ・データベースを簡単に実装できます。
関連項目: 詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
クラスタ検証ユーティリティ(CVU)に、記憶域タイプおよび構成のチェックに関連する新たな機能が追加されました。また、ユーザー固有の設定がさらに慎重に考慮されるようになりました。
これらの拡張により、クラスタ環境の実装および構成が簡易化され、クラスタ環境の問題診断が改善されます。
関連項目: 詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
クラスタ検証ユーティリティ(CVU)は、インストーラと完全に統合され、インストールに含まれるすべてのノードが自動的にチェックされます。
この統合により、Oracleソフトウェアをインストールする前にクラスタの設定に関する問題が検出および修正され、Oracle RACの管理性およびデプロイメントが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
クラスタ・タイム・サービスは、クラスタのすべてのノードのシステム時間を同期します。クラスタ全体でのシステム時間の同期化は、Oracleクラスタをインストールして正常に実行するための前提条件です。
この機能では、用意されているタイム・サーバーを使用することで、OracleクラスタおよびOracle RAC環境の管理、メンテナンスおよびサポートが簡略化されます。また、Oracle RAC環境の信頼性も向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
このリリースでは、Oracle Cluster Registry(OCR)へのアクセス方法が改善されています。次に改善点を示します。
ノード障害での迅速なサービスの再配置。
最大5部のOCRコピーのサポートによるクラスタの可用性の向上。
自動ストレージ管理(ASM)でのOCRの保存。
OCRを管理するツールは、新しい管理オプションをサポートするように変更されています。
これらの拡張により、Oracle Clusterware環境およびOracle Real Application Clusters環境のパフォーマンスが向上し、一貫性のある自動化されたストレージ管理により簡単にクラスタを管理できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
グリッド・プラグ・アンド・プレイ(GPnP)により、ノードごとの構成データおよび明示的な追加および削除のノード手順の必要性を削減できます。この機能によって、システム管理者は、テンプレートのシステム・イメージを取得するだけで、それ以上の構成を行わなくても、新しいノードでそのイメージを実行できます。そのため多くの手動操作が不要になり、エラーの発生する可能性が減るだけでなく、構成の変更をより簡単に行えるようになります。ノード単位の構成が排除されると、個々の状態をノードで保持して管理する必要がなくなるため、ノードの交換が容易になります。
グリッドのプラグ・アンド・プレイ機能により、ノード単位の状態が使い捨て可能になることで、データベース・ノードのインストール、構成および管理のコストが削減されます。これによって、再生成された状態でノードを簡単に交換できるようになります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Restartは、単一インスタンスのOracleデータベースの可用性を向上します。Oracle Restartは、ハードウェアまたはソフトウェア障害の後、またはデータベース・ホスト・コンピュータの再起動の際に、データベース・インスタンス、自動ストレージ管理(ASM)インスタンス、リスナーおよびその他のコンポーネントを自動的に再起動します。Server Control(SRVCTL)は、スタンドアロン・サーバーでOracle Restartによって管理されるOracleプロセスを管理するためのコマンドライン・インタフェースです。
これにより、単一インスタンスのOracleデータベースおよびデータベース・サーバーで実行されているプロセスやアプリケーションの信頼性が向上し、管理が自動化されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Clusterwareは、ユーザーが定義したポリシーに基づいて容量の割当ておよび再割当てを行います。これにより、ポリシーベース管理を使用した迅速なリソース・フェイルオーバーおよび動的な容量の割当てが可能になります。
ポリシーベース・クラスタおよび容量管理により、クラスタ内の全種類のアプリケーションの割当てを効率的に行うことができます。様々なアプリケーションは、ポリシーごとのリソース消費量に基づき分割されて、共有インフラストラクチャでホストされ、その結果、単一システム環境にデプロイされたかのように動作します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
このリリースでは、Oracle Clusterwareを使用して、すべてのタイプのアプリケーションを管理し、アプリケーション間の依存性を作成するためのオプションが追加されました。
クラスタウェア・リソース・モデリングの改善により、アプリケーションまたはプロセス間の依存性を詳細に定義して1つのエンティティとして管理できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Clusterwareでのロール別の管理により、特定の管理者タスクを社内の別のロールを持つ人に委譲することができます。これは、クラスタウェア管理者の発想に基づきます。管理者は、リソースごとに管理者タスクを付与できます。たとえば、2つのデータベースが同じクラスタ内に配置されている場合、クラスタウェア管理者は、クラスタ内の両方のデータベースを管理できます。しかし、クラスタウェア管理者が、それぞれのデータベースのDBA責任者にそれぞれ管理権限を付与することもできます。
ロール別の管理により、複数のアプリケーションおよびデータベースが同じクラスタおよびハードウェア・リソースを共有し、それぞれの管理グループが互いに干渉せずに管理を行うことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Clusterwareでは、すべての種類のアプリケーションをエージェント・フレームワークで管理できます。エージェント・フレームワークを使用すると、ユーザー定義のスクリプトに基づいてアプリケーションの起動、チェック、および停止が最適化されます。
Oracle Clusterwareでのアプリケーションの保護の簡易化により、コストが削減され、アプリケーションの可用性を効率的に向上できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのパッチの適用は、クラスタ全体を停止せずに完了できるようになりました。クラスタ・ソフトウェア(Oracle Clusterwareおよび自動ストレージ管理)およびOracle Databaseでは、Oracle Gridインフラストラクチャへのアウトオブプレース・アップグレードとしてパッチセットがインストールされます。
これにより、クラスタ・データベースおよびクラスタで実行中のアプリケーションの計画外停止時間を削減できます。
このリリースの新機能には、ライフサイクル全体のサポートを含め、様々なOracle Clusterwareリソースを管理するEnterprise Managerグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)があります。Oracle Clusterware内のリソースの作成および構成に加え、クラスタにデプロイ済のリソースの監視および管理にも役立ちます。
高可用性環境で、Oracle Enterprise ManagerのGUIを使用して様々なOracle Clusterwareリソースを監視および管理すると、日々の管理を簡単に行うことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
Enterprise Managerプロビジョニングは、Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのスケール・アップまたはスケール・ダウンを簡単に行うための手順を提供します。
Enterprise Managerプロビジョニング・フレームワークの使用により、クラスタ・データベース環境の実装および管理が容易になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Enterprise Managerは、Oracle RACを管理するグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)として、グリッド・プラグ・アンド・プレイ環境を管理および監視します。
Enterprise Managerは、Oracle Databaseの標準GUIインタフェースです。この統合により、ユーザーは親しみのある使いやすいインタフェースでグリッド・プラグ・アンド・プレイ環境を管理できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。 |
Enterprise Managerにより、Oracle Restartおよび単一インスタンス・データベースの構成に対するサポートが提供されます。構成、監視および管理が変更されて、Oracle Restartが使用できるようになりました。
Enterprise Managerには、Oracleデータベースの管理を容易にするGUIインタフェースが用意されています。この追加の機能を使用して、Oracleデータベースを再起動できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Database Configuration Assistant(DBCA)、Database Upgrade Assistant(DBUA)およびNet Configuration Assistant(NETCA)が更新され、Oracle RACデータベースおよびリスナーの完全な削除および構成解除をサポートするようになりました。
このサポートにより、Oracle RACデータベースの削除および構成解除が自動化され、Oracle RAC環境の管理性が向上します。
関連項目: 詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
インストーラは、操作を再試行する前に、環境での失敗したOracle Clusterwareインストールまたはアップグレードをクリーンアップできます。これにより、再試行される操作はクリーンな環境で実行されるため、環境の不整合に関連するエラーは発生しません。
環境のクリーンアップが容易になり、Oracle RACの管理性およびデプロイメントが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
Oracle ClusterwareおよびOracle RACのインストールには、リカバリ・ポイントがあります。インストール中に障害が発生した場合、直近のリカバリ・ポイントにロールバックし、問題を修正した後にインストールを再開できます。
インストールのロールバックとリカバリにより、Oracle ClusterwareおよびOracle RACのインストールと構成を簡単に行うことができます。インストールの障害からのリカバリを簡単にすることで、プロジェクトのスケジュールが短縮されます。
関連項目: 詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
データベースのダウングレードの一部としてDBControlをダウングレードするためのスクリプトが提供されています。
アップグレードが不成功として判断された場合、システムを元のリリースに戻す必要があります。ソフトウェア・リリースを変更する際に管理の信頼性を維持するには、DBControlと監視されているデータベースのリリースが一致する必要があります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Restartには、Oracle Databaseとは別のインストールが必要です。このインストールは、Oracle RestartとOracle Automatic Storage Management(ASM)を含むスタンドアロン・サーバーのクラスタ・インストールのためのOracle Gridインフラストラクチャです。これによりロールが分離されるため、システム管理者はインフラストラクチャを管理し、データベース管理者はデータベースを管理できます。
Oracle Universal Installerは、Oracleソフトウェアをインストールするツールです。これによりスタンドアロン・サーバー上のOracle環境の管理性が改善されるため、ロールの分離が可能になり、Oracleソフトウェアのリジリエンスが改善されます。
新バージョンのOracle Clusterwareは、現行のインストールとは別のホームにインストールされるようになりました。クラスタ内のノードをアップグレードし、エンタープライズ内でクラスタをプロビジョニングするために必要な停止時間を短縮します。
これにより、クラスタのアップグレードの際に必要な計画的な停止時間が短縮され、可用性のサービス・レベルを満たすことができます。これにより、エンタープライズ全体の標準インストールの提供も簡単になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Clusterwareソフトウェアのアウトオブプレース・アップグレードを実行できるようになりました。新しいバージョンを別のディレクトリにインストールし、デプロイ中に指定できます。
アウトオブプレース・アップグレードにより、Oracle RACおよびグリッドのデプロイが容易になり、管理性が向上し、制御されたアプリケーション移行のテストが改善されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
サーバー制御(SRVCTL)コマンドが拡張されて、Oracle Restartを含むスタンドアロン・サーバーの構成の管理、および新しいスタイルのクラスタ管理(ポリシーベース・クラスタ管理および容量管理)ができます。
コンソールまたはスクリプトから使用できる一貫性のあるインタフェースにより、Oracleデータベースの管理が容易になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのコマンドライン・インタフェース(CLI)は、このリリースの新機能をサポートするように更新されています。
CLIは、クラスタ内の単一ポイントからコマンドラインを使用してクラスタを管理する機能を提供し、クラスタを単一エンティティとして管理できるようにします。これにより、クラスタおよびクラスタ化されたデータベースの管理の複雑さが緩和されます。クラスタに対するすべての変更は、管理ツールに反映される必要があります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
SRVCTLを使用して、Oracle Clusterwareによって管理される単一インスタンス・データベースを登録できます。登録後は、Oracle Clusterwareがデータベース・インスタンスを起動、停止、監視および再起動します。
管理インタフェースの改善により、クラスタを構成するサーバーで実行されている単一インスタンス・データベースの可用性が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
このリリースでは、Java対応のOracle Universal Connection Pool(UCP)を使用するJavaアプリケーションは、プライマリ・サイトが失敗した場合、高速接続フェイルオーバーを使用できます。Data Guardがスタンバイ・データベース・サイトへフェイルオーバーまたはスイッチオーバーすると、接続プールでプライマリ・サイトへの接続がクリーンアップされ、アクティブなトランザクションが停止し、スタンバイ・データベースへの接続が作成されます。
Oracle RACおよびOracle Data GuardでのUCPの使用により、Javaアプリケーションの可用性が向上します。エンドユーザーが障害に気付くことなく処理できます。
Universal Connection Pool(UCP)は新しいJava接続プールです。UCPには、JavaアプリケーションでOracle Real Application Clustersデータベースへの接続を簡単に管理できる多くの機能(Webセッション・アフィニティ、XAアフィニティ、ランタイム接続ロード・バランシング、高速接続フェイルオーバーなど)があります。
Javaアプリケーションの堅牢な接続プールにより、Oracle Real Applicaton Culusters環境のスループットが改善され、高速接続フェイルオーバーが提供されます。
Universal Connection Pool for JDBCは、暗黙的接続キャッシュに代わるもので、次の機能を提供します。
接続のラベル付け、接続の利用、ログおよび統計
パフォーマンスおよび安定性の向上
診断および統計またはメトリックの改善
UCP for JDBCにより、接続プール機能の拡張、パフォーマンスの向上、および接続問題の診断が改善されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Universal Connection Pool for JDBC開発者ガイド』を参照してください。 |
新しいJava APIにより、Oracle接続プールを使用していないOracle RACユーザーが高速アプリケーション通知(FAN)イベント(たとえば、DOWN
およびUP
)イベントを受け取り、それらのイベントを処理し、インスタンス、サービスまたはノードがクラスタに参加または離脱する際に接続をクリーンアップまたは追加できます。
このAPIを使用するアプリケーションは、クラスタで障害が発生した場合に迅速に通知を受けることができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のデータベースの新機能について説明します。
次の項では、フラッシュバック・データ・アーカイブおよびインスタンス・ケージングの新機能について説明します。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)ユーザーは、フラッシュバック・データ・アーカイブで追跡されている表で、ほとんどのDDLコマンドを使用できます。次のものを含みます。
列の追加、削除、名前変更、変更
パーティションの削除、切捨て
表の名前変更、切捨て
制約の追加、削除、名前変更、変更
複雑なDDL(たとえば、アップグレードおよび表の分割)の場合、PL/SQLのDisassociateおよびAssociateプロシージャを使用して、指定された表でのTotal Recallを一時的に無効にすることができます。Associateプロシージャは、関連付け後のスキーマの整合性を強制し、ベース表と履歴表のスキーマは、同じである必要があります。
この機能により、スキーマの変更が必要な複雑なアプリケーションでTotal Recallオプションが使いやすくなります。
次の項では、Oracle Schedulerの改善点について説明します。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)ユーザーは、任意のジョブ・アクティビティについて電子メール通知を受け取ることができます。
この機能により、ジョブを頻繁に監視することなく関心のある任意のジョブ・アクティビティについて通知されるため、効率が向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
File Watcherを使用すると、特定のマシンにファイルが到着したときにジョブをトリガーできます。
この機能により、作業効率および使いやすさが向上します。ファイルに依存するジョブは、指定されたファイルが受信されると自動的にトリガーされ、ファイルを絶えず監視する必要はありません。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
次の項では、IPv6ネットワーキング・サポートの改善点について説明します。
JDBCは、JDBC URLおよびIPv6アドレスに解決されるマシン名でInternet Protocol Version 6(IPv6)スタイルのアドレスをサポートします。次に例を示します。
2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0001 1080:0:0:0:8:800:200C:417A
JDBC URLを次に示します。
jdbc:oracle:thin:@(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp) (HOST=[2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0001]) (PORT=5521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=boston.us.example.com)))
この機能は、JavaのIPv6との相互運用性を提供します。
次の項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)の診断機能について説明します。
Enterprise Managerサポート・ワークベンチは、顧客およびサポートがデータベース・エラーの診断および解決を容易に行うためのGUIワークベンチです。
Enterprise Managerサポート・ワークベンチ(Support Workbench)は、自動ストレージ管理(ASM)データベースの診断およびOracleサポートへのインシデントのパッケージングのために拡張されました。
ASMに対するEnterprise Managerサポート・ワークベンチの拡張は、インシデントの必要なすべての診断データのパッケージングにおいて役立ちます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)の情報統合の新機能について説明します。
次の項では、Oracle Database XStreamの機能について説明します。
XStreamにより、クライアント・アプリケーションでOracleデータベースとのデータ変更の送受信ができるApplication Program Interface(API)が提供されます。これらのデータ変更は、Oracleデータベースと他のシステムで共有できます。他のシステムとは、Oracle以外のデータベース、非RDBMS Oracle製品、ファイルシステム、サード・パーティのソフトウェア・アプリケーションなどです。クライアント・アプリケーションは、ユーザーにより固有の目的およびユースケース用に設計されます。
XStreamは、XStream OutおよびXStream Inの2つのコンポーネントで構成されています。XStream Outには、Oracleデータベースでのデータ変更を他のシステムと共有できるAPIがあります。XStream Inには、他のシステムでのデータ変更をOracleデータベースと共有できるAPIがあります。
関連項目: 詳細は、Oracle Database XStreamのガイドを参照してください。 |
次の項では、データベースのパフォーマンスの向上およびデータベースのパフォーマンス関連機能の改善について説明します。
次の項では、サーバー・パフォーマンス全般の拡張について説明します。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)の新機能、データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュ機能は、Solid State Device(SSD)テクノロジを使用したデータベース・バッファ・キャッシュの透過的拡張機能です。SSDは、(レベル1)SGAに対するレベル2キャッシュとして機能します。
Database Smart Flash Cacheにより、ディスクI/O量が削除され、同等サイズのRAMを追加するより低いコストでOracleデータベースのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
ストアド・アウトラインは、SQL計画管理(SPM)での今後の使用および拡張のために移行できます。
ストアド・アウトラインには、SQL計画管理の柔軟性と適応性が欠如しています。移行パスを指定することにより、ストアド・アウトラインを使用している古いアプリケーションを透過的に移行し、SPMの拡張機能をすぐに利用できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。 |
表の注釈のサポートにより、キャッシュがふさわしい場合に表に注釈を付けることができるため、アプリケーションを変更するのではなく、デプロイメント・タイム・ノブを通じて、アプリケーションでクライアントおよびサーバーの結果キャッシュを利用できるようになります。また、この機能ではクライアント・キャッシュを自動的に無効化することもできます。
この機能により、クライアントおよびサーバーの結果キャッシュを使用して、手間のかかる操作なしにアプリケーションのパフォーマンスを加速できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。 |
今日のディスク・ドライブは512バイト/セクタです。ディスク・ドライブの製造業社は、より低いオーバーヘッドで高容量を提供できる4KBセクタのドライブに移行しています。4KB/セクタのドライブを512バイト/セクタのドライブとして使用すると、パフォーマンスに不利な条件が生じる可能性があります(512バイトのエミュレーション・モードで実行されるため)。この機能により、パフォーマンスに不利を生じさせずに4KB(および512バイト)セクタのドライブを使用できます。また、自動ストレージ管理(ASM)により、ディスク・グループを512バイト/セクタから4KB/セクタに移行することもできます。
この機能により、新世代の高容量ディスク・ドライブを最大限に利用できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。 |
次の項の新機能の説明では、暗号化や監査などを扱っています。Oracle Database 11gリリース2には、ハードウェア・セキュリティ・モジュールとの完全な統合および透過的データ暗号化のパフォーマンスを向上させる暗号化キー管理の重要な新機能があります。Oracleデータベースの監査データを管理する新パッケージの導入により、監査管理が容易になりました。
Oracle Databaseで作成された監査データの管理を簡素化することで、SOX、HIPAA、PCIなどのプライバシおよびコンプライアンス関連の様々な要求への対応を円滑に行うことができます。
監査証跡クリーンアップにより、Oracleデータベースの監査証跡を次のように管理できます。
監査レコードを安全にバックアップした後、または監査レコードが不要になった場合、データベース表およびオペレーティング・システム・ファイルからそれらのレコードを定期的に削除する操作の自動化。
新規にオペレーティング・システム監査証跡ファイルを作成する前に、オペレーティング・システムに書き込まれた監査証跡のサイズおよび有効期間の制御。
データベースの監査証跡表をSYSTEM
表領域から別の表領域に移動。
監査証跡クリーンアップは、Oracleデータベースの監査コンテンツの管理に必要な時間とコストを削減します。監査レコードに最適な専用の表領域を提供し、SYSTEM
表領域から監査表を移動することでパフォーマンスを改善します。また、データベース表およびオペレーティング・システム・ファイルからの監査レコードの自動削除も可能です。
暗号化キー管理により、透過的データ暗号化(TDE)で暗号化された表領域に関連するマスター・キーを変更できます。表領域マスター・キーを使用して、個々の表領域に関連付けられた暗号化キーを暗号化します。一般に、これは2層キー・アーキテクチャと呼ばれています。Oracle Database 11gリリース2(11.2)より前のバージョンでは、マスター・キーの変更は、TDE列の暗号化を使用する場合にのみ可能でした。
Oracle Database 11gリリース2(11.2)では、Oracle Advanced Securityにより、Oracle表領域の暗号化に使用される暗号化キーを保護するためのマスター・キーを変更できます。
Payment Card Industry Data Security Standard(PCI DSS)などの業界戦略からは、クレジット・カード・データに関連する暗号化キーの定期的な変更が求められています。このリリースでは、このようなキーの更新がサポートされるようになりました。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database Advanced Securityガイド』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のサーバー管理を容易にする機能について説明します。
自動ストレージ管理(ASM)は、データベース・ファイル、クラスタウェア・ファイル、およびOracleホームやバイナリなどのファイルシステム・データも含め、すべてのタイプのデータをサポートするように機能拡張されました。
次の項では、ASM機能について説明します。
ASMクラスタ・ファイルシステム(ACFS)は、堅牢な最新式の汎用ファイルシステムを提供して、Oracleデータベース・ファイルの域を越えるファイルも管理できるように自動ストレージ管理(ASM)の機能を拡張します。ACFSは、Oracleバイナリ、レポート・ファイル、トレース・ファイル、アラート・ログおよびその他のアプリケーション・データファイルなどをサポートします。Oracle ASMクラスタ・ファイルシステムの追加に伴い、ASMは、Oracleデータベース・ファイルおよび非データベース・ファイルを管理する完全なストレージ管理ソリューションとなりました。
ACFSは、ファイル・サイズがエクサバイトに及ぶ大容量の64ビット・ファイル、ファイルシステム・データ構造、および大容量のファイルシステムをサポートします。ACFSの規模は数百ノードにまで及び、高いパフォーマンスを提供するエクステント・ベースのストレージ割当てを使用します。ファイルシステムの整合性および高速リカバリのためにログベース・メタデータのトランザクション・エンジンを使用しています。ACFSのディスク上の構造は、エンディアン・ニュートラルのメタデータをサポートします。ACFSファイルシステムは、NFSおよびCIFSなどの業界標準プロトコルを使用してリモート・クライアントにエクスポートできます。
Oracle ASM Cluster File System(ACFS)は自動ストレージ管理(ASM)を補完および利用し、Oracleデータベース・ファイル以外のファイルを保存し管理する汎用ジャーナル・ファイルシステムを提供します。このため、高価なサード・パーティ製のクラスタ・ファイルシステム・ソリューションの必要がなくなり、単一ノード環境およびクラスタ・コンピューティング環境のOracle RACとOracle Gridインフラストラクチャで、すべてのファイル・タイプの管理を効率化、自動化および簡素化します。
ACFSは、停止時間なしにファイルシステムの動的な拡張および縮小をサポートします。ACFSは、Redundant Array of Inexpensive Disks(RAID)のハードウェア機能に加え、ASMのミラー化およびストライプ化を利用した高可用性機能です。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
ASM動的ボリューム・マネージャ(DVM)は、カーネルにロード可能なデバイス・ドライバで、標準デバイス・ドライバ・インタフェースをクライアントに提供します(ACFSなど)。ファイルシステムまたはその他のプロセスは、システム上のその他のディスク・デバイス・ドライバに対してするのと同様に、このデバイス・ドライバに対して入出力を行うことができます。DVMは、I/Oを実行するACFSのプライマリI/Oインタフェースで、ASMをボリューム・マネージャとして利用してファイルシステムを構築します。DVMはASMの起動時にロードされます。デバイス・ドライバはクラスタを認識し、拡張マッピング情報、拡張リバランスおよびI/Oの失敗についてASMと通信します。
ASM動的ボリューム・マネージャ(DVM)により、標準I/Oインタフェースが提供され、ASMの完全な機能をボリューム・マネージャとして汎用目的のファイルシステムで利用することができます。Oracleデータベース・ファイルおよびOracleバイナリなどのOracle以外のデータベース・ファイルが、サード・パーティ・ファイルシステムまたはボリューム・マネージャを必要とせずに、汎用目的ファイルをホストするためにACFS上に存在できるようになりました。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
ASM FSスナップショットは、ファイルシステムの特定の時点の状態のコピーで、最大で64のスナップショット・イメージを提供できます。ASM FSスナップショットは、Copy on Writeテクノロジを利用して低いオーバーヘッドで特定の時点の状態の永続的なASM FSイメージを高速に作成します。
読取り専用ASM FSスナップショットを一定の間隔で生成できます。それらは、既存のASM FSストレージまたは追加のストレージ・デバイスに存在し、システムの再起動後も持続します。
ファイルシステムが変更された場合でも、スナップショットは変更されず、スナップショットが作成された時点の状態のファイルシステムを参照できます。初期の状態では、スナップショットは読取り専用で、特定の時点で取得した内容を保持します。ASM FSスナップショットには、次の利点があります。
ASM FSスナップショットは、バックアップ・ソースとして使用できます。元のファイルシステムは変更し続けますが、スナップショットは変更されないという特質により、元のファイルシステムをオフラインにする必要のない最適なバックアップ・ソースとなります。
ASM FSスナップショットは、誤って削除または変更したファイルのリカバリ手段として使用できます。
ASM FSスナップショットは、静的な、特定時点の状態のデータ・セットを使用する必要のあるデータ・マイニングやレポート・アプリケーションのソースとして使用できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
自動ストレージ管理(ASM)のディスクは、Oracle Cluster Registry(OCR)および投票ディスクの格納に使用されます。ASMパートナシップおよびステータス表(PST)は、複数のディスクにレプリケートされ、OCRを格納するために拡張されます。このため、OCRは、基礎となるディスク・グループと同数のディスクの消失を許容します。ディスクに障害が発生した場合、OCRは再配置されます。
ASMでは、すべてのASMディスクの一定の場所に、投票ディスクの格納用に数ブロックが予約されています。投票ディスクを保持するディスクに障害が発生した場合、ASMは別のディスクを選択してそのデータを格納します。
OCRおよび投票ディスクをASMに格納すれば、Oracle RAC構成で、高価なサード・パーティ製クラスタ・ボリューム・マネージャを使用する必要がありません。また、OCRおよび投票ディスクのディスク・パーティションの複雑な管理を行う必要もありません。
関連項目: 詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
ディスク・ドライブでは、外側のトラックの方が転送速度およびトラックごとのバイトが高くなります。このため、ホット・データをディスクの端、つまり番号が小さいブロックに配置することが推奨されます。これにより、ASMはパフォーマンスの高いディスク領域を識別できます。最も頻繁にアクセスされるASMファイルは、ホット・リージョンに移動するようにマーキングすることで、より高いI/Oパフォーマンスを利用し(たとえば、ホット表領域や索引など)、アプリケーションのI/O要求を満たすことができます。この機能は、物理ディスク全体が論理ユニット番号(LUN)と対比してASMに提示されている場合にのみ適用されます。
ASMディスク・グループ(ASMファイル)内の最も頻繁にアクセスされるOracleデータベース・ファイルをホット・ディスク・リージョンに配置すると、帯域幅が向上してシーク待機時間が短縮され、アプリケーションのI/Oパフォーマンス要件を満たすことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
ASMストレージ管理コンフィギュレーション・アシスタントは、以前は、ASM最適化ディスク配置へのEnterprise Managerの統合と呼ばれていました。
このリリースでは、管理のためのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)であるEnterprise Managerで、最適化ディスク配置の構成、監視および管理が可能です。
このGUIによるASMの管理により、Oracle環境のストレージ管理が容易になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
UNIXプラットフォームの自動ストレージ管理(ASM)では、異なるデータベース・インスタンスをそれぞれ分離し、不正アクセスを防止するためにファイルに対するアクセス制御を実装しています。ASMには、ファイルの権限を付与、変更および拒否する新しいSQL文が実装されています。新しいセキュリティ・モデルおよび構文は、Oracle Databaseのオブジェクトにすでに実装されているものと一貫性があります。
複数のデータベース・インスタンスでASMファイルを同じディスク・グループに格納できるため、複数のデータベースのセキュリティを強化できます。これにより、データベース・インスタンス間でのファイルへの不正なアクセスまたは上書きを防止できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
ASMCMDツールは、ASMファイルの管理に加え、ASMディスク、ディスク・グループおよびASMインスタンスも管理するように拡張されました。これはSQL*Plusコマンド機能に匹敵する包括的なコマンドライン・インタフェースで、システムおよびストレージ管理者がASMを管理する際に使いやすいユーザー・インタフェースを提供します。
ASMCMDの拡張は、すべての観点からASMを管理しやすい包括的なコマンドライン・インタフェースをシステムおよびストレージ管理者に提供します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Enterprise Managerは、自動ストレージ管理(ASM)ソリューションの一部としてASM動的ボリューム・マネージャおよびASMクラスタ・ファイルシステム(ACFS)を管理するグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を提供します。
Enterprise Managerは、ASMのスタンドアロン・サーバーかクラスタ・デプロイかにかかわらず、環境の管理を簡易化するグラフィカル・ユーザー・インタフェースを提供します。集中コンソールは、ボリューム、データベース・ファイル、ファイルシステム、およびOracle Databaseを管理する一貫性のあるインタフェースを提供します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
このリリースでは、自動ストレージ管理(ASM)のファイル・アクセス制御を管理するグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)が提供されています。
このGUIにより、DBA、システム管理者またはストレージ管理者はASMの管理を簡単に行うことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
次の項では、データベース管理を簡易化する一般的なデータベース管理機能について説明します。
Enterprise Manager Configuration Assistant(EMCA)が更新され、このリリースの新機能のサポートに必要なEnterprise Managerの新しい構成をサポートするようになりました。
コンフィギュレーション・アシスタントは、適切な手順を実行して環境を自動的に構成します。アシスタントにより、クラスタ内のEnterprise Managerの構成およびクラスタ・データベースの設定を簡単に行うことができます。
Enterprise Manager DBControlは、単一インスタンス・データベースへのパッチの適用を管理します。
Enterprise Managerによるパッチの適用により、ソフトウェアのメンテナンスが簡略化されます。
関連項目: 詳細は、Oracle Enterprise Managerのドキュメントを参照してください。 |
タイムゾーン・バージョン・ファイルが更新されると、データベース表のタイムゾーン・データ付のタイムスタンプが失効する可能性があります。現在、ユーザーは手動で影響のあるデータを修正する必要があります。この機能は、最小限の停止時間でシステムおよびユーザー・データを透過的に更新し、タイムゾーン・ファイルが更新されると、タイムゾーン・データ付のタイムスタンプのパッチを自動的および透過的に適用します。
また、サーバーのタイムゾーン・バージョンにパッチが適用された場合は、サーバーと通信するすべてのクライアントにもパッチを適用する必要があります。この機能により、OCI、JDBC、Pro*CおよびSQL*Plusクライアントは、クライアント側ファイルの更新なしでサーバーを使用し続けることができます。
この新機能は、タイムゾーン・ファイルが更新されると、タイムゾーン・データ付のタイムスタンプのパッチを自動的および透過的に適用します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。 |
この機能により、TIMESTAMP WITH TIME ZONE
データ型は夏時間(DST)の変更に影響されず、タイムゾーン・データファイルのパッチ適用およびディスク上のデータのアップグレードのオーバーヘッドが削減されます。
この機能の利点は、DSTの遷移規則およびタイムゾーンに新しい変更があった場合の処理コストおよびTIMESTAMP WITH TIME ZONE
データ型の維持に関する複雑さがなくなることです。
関連項目: 詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。 |
最初にデータがオブジェクトに挿入されるまで、非パーティション表および索引の最初のセグメントの作成を延期できます。
あらかじめ同梱されたアプリケーションは、多数の表および索引を含む大きなスキーマとともに配布される場合があります。モジュールの使用方法によっては、これらのオブジェクトのサブセットのみが実際に使用されます。セグメントの作成を遅らせると、空のデータベース・オブジェクトは領域を消費しないため、インストール・フットプリントが削減され、インストールが高速になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。 |
使用禁止の索引および索引パーティションは、セグメントがないため、データベースの領域を消費しません。
使用禁止の索引および索引セグメントは、データ・アクセスに使用できません。オブジェクトが使用禁止としてマークされると、使用禁止(使用不能)オブジェクトに割り当てられた領域は解放されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
メタデータAPIが拡張され、異なるデータベースからの同じタイプのオブジェクト・メタデータを比較するデータベース間比較ツールが提供されました。この比較は、SXMLと呼ばれる代替XML表現に依存します。一般に、完全なXMLは複雑で不明瞭です。対照的に、SXMLはいくらか簡易化され、SQLのDDLの作成に密接に対応しています。これらのSXML文書は、新しい比較ツールの基礎単位となり、同じタイプの2つのSXML文書を比較し、それらの相違を説明する新しいSXML文書が作成されます。
この機能では、データベース間のオブジェクトの比較によって、同じタイプのオブジェクトの動向(つまり、メタデータの経時変化)を識別できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。 |
リプレイの期間比較レポートは、ワークロードのリプレイと、その取得または同じ取得の別のリプレイを詳細に比較します。リプレイの期間比較レポートには、パフォーマンス、エラーおよびデータの相違の観点から、2つの実行での最も重要な違いを示すサマリーが含まれます。これは、データベース・リプレイ・ユーザーによるシステム変更の影響についての理解およびテストに役立ちます。
リプレイの期間比較レポートでは、パフォーマンス、エラーおよび相違の観点から、取得または別のリプレイと対比して、リプレイの実行に関するサマリー情報が提供されます。これにより、システム変更の影響を簡単にテストし、理解および評価することができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseテスト・ガイド』を参照してください。 |
SQLパフォーマンス・アナライザのSQLチューニング・セットの比較機能により、次のことができます。
SQLチューニング・セット(STS)からの試行の作成。
異なる2つのSTSから作成された2つの試行の比較。他の試行にはないが、試行の1つに含まれる新規のSQL文または欠如、試行の比較で見つかった計画の変更などの詳細な比較レポートがコンパイルされます。
SQLチューニング・セットの比較により、データベース・リプレイのユーザーは、SQLパフォーマンス・アナライザのレポートを使用してSQL中心の分析を行うことができます。2つのSTSの取得は、次のように行います。
本番環境でのワークロードの取得の際に1つのSTS。
テスト・システムでのリプレイの際にもう1つのSTS。
次に、2つのSTSを使用してSPAレポートを生成します。
既存のテスト・スクリプトがすでに存在し、SQLの2つのSTS(システムの変更前と変更後のSTS)を取得できる場合は、データベース・リプレイ以外のシナリオでもSTSの比較機能を使用できます。
データベース・リプレイまたは他のロード・テスト・メカニズムを使用している場合、SQLチューニング・セットの比較機能は、SQL中心の詳細な分析を提供し、システム変更の評価を簡単に行うことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseテスト・ガイド』を参照してください。 |
スタンバイ・システムで、アクティブ・セッション履歴(ASH)が使用可能になりました。
Data Guard環境のスタンバイ・システムでASHデータが使用可能になると、スタンバイ環境に固有のパフォーマンス問題をトラブルシューティングできます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。 |
特定のワークロードに関して、Oracle Exadataアーキテクチャに移行した場合に得られるI/Oインターコネクト・スループットの利点をシミュレートできるようになりました。Oracle Real Application TestingのSQLパフォーマンス・アナライザ機能により、Oracle Exadataシステムのプロビジョニングの必要なしに非Oracle Exadataインストールでシミュレーションを実行できます。SQLパフォーマンス・アナライザのOracle Exadataシミュレーション機能を使用して、Oracle Exadata移行への最適な候補となるワークロードを識別できます。
この機能により、Oracle Exadataハードウェアのプロビジョニングの必要なしに、ワークロードのOracle Exadataへの移行によるシステム変化を簡単にシミュレーションおよびテストできます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseテスト・ガイド』を参照してください。 |
アクティブ・セッション履歴(ASH)レポートに、クラスタ全体の情報が含まれるようになり、クラスタ・データベースの複数のノードに及ぶパフォーマンスの問題の識別およびトラブルシューティングでの実用性が大幅に向上しました。
自動データベース診断モニター(ADDM)は、下位互換性を提供するように拡張され、アーカイブ・データやデータベースのアップグレードで保持されたデータを分析できるようになり、長期間にわたるパフォーマンスの比較が可能になりました。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。 |
データベース・リプレイは、共有サーバーおよびOracle Streamsアーキテクチャでのワークロードの取得およびリプレイをサポートします。
共有サーバーおよびOracle Streamsアーキテクチャを使用しているユーザーは、データベース・リプレイのテストを利用し、すぐにテクノロジを採用できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseテスト・ガイド』を参照してください。 |
このリリースのSQLチューニング・アドバイザの機能拡張は次のとおりです。
SQLチューニング・アドバイザは、自動並列度(Auto DOP)機能を使用するプロファイルの受入れを推奨できます。パラレル問合せプロファイルは、元の計画がシリアルで、パラレル実行によって長時間に及ぶ問合せの経過時間が大幅に削減される場合にのみ推奨されます。
SQL文をチューニングする際にSQLチューニング・アドバイザは、リアルタイムおよび履歴のパフォーマンス・データを検索して文に対する代替実行計画があるかを確認します。元の計画以外の計画が存在する場合、SQLチューニング・アドバイザは代替計画が見つかったことを報告します。
Oracle Database 10g(リリース2)以降で作成されたSQLチューニング・セットは、任意のデータベースに転送できます。このテクニックは、SQLパフォーマンス・アナライザを使用してテスト・データベースで回帰をチューニングする場合に役立ちます。
これらの機能は、SQLチューニング・アドバイザの機能を拡張するために導入されています。最新バージョンでは、過去のある時点でみられた代替計画を推奨できるだけでなく(パフォーマンスが向上する場合)、各問合せの合計実行時間に有利な場合、問合せをパラレルで実行するように推奨できます。
前のリリースへのSTSのエクスポートは、ユーザーが最新バージョンのデータベース・ソフトウェアを使用できるように、アップグレードを行うユーザーのために設計されています。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。 |
同期の制御は、リプレイの際の同時実行性、フィルタの適用およびスケールアップを向上するために拡張されました。
これにより、現実に即してワークロードをリプレイしてシステム変更の影響を識別できるようになり、リプレイの際の柔軟性が高くなります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Databaseテスト・ガイド』を参照してください。 |
次の項の新機能では、Oracle Multimedia、Oracle Spatial、Oracle Database SecureFilesおよびXML Databaseでの重要なパフォーマンス、開発者の生産性および先進機能について説明します。
次の項では、Oracle MultimediaおよびDigital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)の新機能について説明します。
Oracle Multimediaでは、最初にDICOMコンテンツからすべてのDICOM属性を抽出することなく、ユーザーまたはアプリケーションによって要求されたDICOMメタデータ属性のサブセットを抽出できるようになりました。
DICOMコンテンツには、数百のメタデータ属性が含まれている場合があります。多くの場合は、索引、検索およびパーティションに数個の属性のみが必要になります。サブセットの抽出により、すべての属性を抽出する必要がないため、パフォーマンスが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Multimediaでは、クライアント・ツールまたは中間層により、データベースの外部でDICOMメタデータの抽出を実行できるようになりました。
これにより、データベースにデータをロードする前にDICOMメタデータを抽出できるため、データベースのDICOMデータのメタデータ・ベースのパーティション化を円滑に行うことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Multimediaに追加された拡張機能を次に示します。
メタデータの抽出
DICOM属性の任意の部分を抽出できるようになりました(たとえば、患者名属性の姓の部分の抽出など)。
制約の定義
DICOM構造化レポートなどの再帰構造の検証を指定できるようになり、1つの述語ですべてのコンポーネントに対する反復が可能となるように、新規にFOR EACH
構文が追加されました。
DICOMコンテンツの処理
DEFLATE
転送構文のサポートが追加されました。
RLE圧縮がサポートされました。
マルチビット・モノクロ・イメージのエンコーディングがサポートされました。
YBR光度解析がサポートされました。
DICOMからAVIおよびDICOMからMPEGへの変換がサポートされました。
DICOMフォーマットへのMPEGのカプセル化がサポートされました。
これらの新機能により、より完全で強力なDICOMデータの操作が可能になります。次のような操作があります。
柔軟性の高いDICOMデータからのメタデータの抽出。
DICOM構造化レポートのサポート。
ブラウザでのDICOM固有のサポートを必要としない、任意のブラウザでのDICOMビデオのプレゼンテーション。
関連項目: 詳細は、『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Multimediaには、サポートされたイメージに、イメージまたはテキストのウォーターマークを追加する新しいapplyWatermark
メソッドがあります。サムネイル・イメージを作成する際のメタデータの削除および画質の鮮明化のための新しいイメージ処理演算子もサポートされています。
ウォーターマークは、通常、著作権や商標が付されたイメージの不正使用の防止に使用されます。この機能を使用すると、データベースでウォーターマークの追加を強制できます。サムネイル・イメージを作成する際にメタデータを削除すると、最小限のサムネイル・イメージの作成が可能になります。
関連項目: 詳細は、『Oracle Multimediaリファレンス』を参照してください。 |
次の項では、Oracle Spatialによる3D、ジオコーダ、ルーティング・エンジン、GeoRasterおよびネットワーク・データ・モデルのサポートに関する新機能について説明します。
このリリースには、テーマ、シーン、テクスチャ、視点、光源、非地理データ、および3次元(3D)コンテンツの視覚化に使用するその他の要素のメタデータ表のセットが含まれます。また、3D分析操作のパフォーマンスについても多くの部分が改善されています。
この3Dコンテンツ用のメタデータのサポートにより、一貫性のある方法ですべての3D、ラスター、ベクターおよび非地理データを組み合せて1つの統合視覚化フレームワークにすることができます。情報を論理的にグループ化してテーマにすると、3Dアプリケーションの開発、分析、使用およびメンテナンスが簡素化されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Spatialネットワーク・データ・モデル(NDM)には、多数の機能拡張があります。これには、ネットワークに関連するユーザー属性データの表示における30から50%のメモリー効率の向上、要望の高い多数の経路および副経路の分析関数の追加などがあります(traveling sales person(TSP)、hierarchical shortest path(HSP)およびK-shortest path(KSP)など)。
このリリースでは、アプリケーションに適切なメトリックに基づいて、ネットワークを論理パーティションに分割できます。ネットワーク関連データの分析では、範囲およびコスト情報を伴った影響領域を導出するネットワーク・バッファ機能、地理上のポイント・オブ・インタレストまたは範囲とネットワーク定義リージョンを関連付ける「最小コスト・ポリゴン」がNDMに追加されました。
これらの機能拡張によりNDMでは、ユーティリティ・ネットワーク、ロジスティックスおよびネットワーク・ベースの分析に依存するその他のアプリケーションでの様々な要件をより完全にサポートできます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Spatial and Graphトポロジ・データ・モデルおよびネットワーク・データ・モデル・グラフ開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Spatialには、既存のPL/SQLインタフェースで現在使用可能なすべてのファクションに対する新しいJavaアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)があります。これには、Oracle Spatial GeoRasterのすべての検索、分析およびラスター管理機能のサポートが含まれます。
さらに、このAPIには、抽出、変換およびロード(ETL)のツール、Webアプリケーションおよびラスター処理アプリケーションの開発をサポートするコールも含まれます。
この新機能により、Oracle Spatialに保存されたラスターおよびグリッド・データセットを使用、アクセスおよび操作するJavaアプリケーションの開発を簡単に行うことができます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Spatial and Graph GeoRaster開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Spatialでは現在、ベクトル・データを使用する際に4,000を超える座標系をサポートしています。Oracle GeoRasterは、これらの4,000を超えるOracle Spatial座標系へのイメージの再投影をサポートしています。
このリリースでは、GeoRaster機能は、地上基準点(GCP)データのネイティブ・ストレージおよび地理参照もサポートしています。
これらの機能により、異なる座標系のベクトル・データおよびラスター・イメージを使用する際に現在必要とされているサード・パーティ製ツールが不要になります。Oracle Spatialを使用してこれらの再投影を実行できるようになりました。
地上基準点ベースの地理参照は、データの収集および処理を行うアプリケーションで使用されます。このGCPのネイティブ・ストレージおよび地理参照は、RAW(未修正)および処理済(修正済)ラスター・データの地理参照に使用できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Spatial and Graph GeoRaster開発者ガイド』を参照してください。 |
このリリースのOracle Spatialルーティング・エンジンは、ネットワーク・データ・モデルに基づいています。これにより、拡張ルーティング・アプリケーションに必要な制限および条件をより広くサポートできるようになりました。
Oracle Spatial 11.2ジオコーダは、補間に基づいた標準住所のジオコーディングをサポートする他、住所、交差点およびポイント・オブ・インタレストの正確な位置を含むデータセットでのポイント・ベースのジオコーディングもサポートするようになりました。
Oracle Spatialでは、トラック・ルーティング・データセットによる道案内がサポートされ、道、重量、高さ、時間などの制限、商業用およびロジスティックス・アプリケーションに適用されるその他の条件が含まれています。
ポイント・ベースのジオコーディングでは、より正確な結果が得られる他、補間できない状況でも使用できるため、注目を集めています。
関連項目: 詳細は、『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』を参照してください。 |
次の項では、Oracle SecureFilesの改善点について説明します。
Oracle Database File System(DBFS)を使用すると、LinuxでデータベースをPOSIX準拠のファイル・システムとして使用できます。この機能には、DBFSのサーバー機能を提供するデータベース・サーバー上のPL/SQLパッケージと、DBFSのLinuxクライアント(dbfs_client
)が含まれます。dbfs_client
クライアントは、Linuxでマウント・ポイントとしてDBFSファイル・システムをマウントできるようにするユーティリティです。これにより、ファイル・システム操作からデータベース操作へのマッピングが可能になります。dbfs_clientクライアントは、完全にユーザー空間で実行され、FUSEライブラリ・インフラストラクチャを通じてカーネルと対話します。
DBFS階層ストアでは、DBFSリンクを使用して、DBFSファイル・システムに保存されたSecureFilesデータを、簡単かつアプリケーションに透過的な方法で、テープやストレージ・クラウドなどの二次記憶域層にアーカイブできます。また、アーカイブ・データをアーカイブ解除して、オンデマンドでデータベースに戻すこともできます。
DBFSでは、データベース・アプリケーションによるファイルへのアクセスが容易になり、ファイル・ベースのツールはデータベースに格納されたファイルに簡単にアクセスできます。DBFSでは、重要なファイルのすべてのデータをOracle Databaseにシームレスに保存でき、Oracle Databaseの標準のセキュリティ、バックアップ、パフォーマンスおよびスケーラビリティを利用できます。
SecureFilesは、ファイルまたは非構造化データをOracle Databaseに格納する高パフォーマンスのソリューションです。多くの場合、これらのファイルは、ビジネスやコンプライアンスのために長期間保存する必要があります。このため、顧客は、アプリケーションに透過的な方法でより安価なストレージにファイルを転送して、管理オーバーヘッドを削減することを求めています。DBFS階層ストアは、コールド・ファイル・データを安価な記憶域にシームレスかつ自動的に透過的な方法でアーカイブする方法を提供します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Database 11gリリース2(11.2)では、COMPRESS LOW
と呼ばれるSecureFiles LOBの新しい圧縮レベルが導入されています。この圧縮レベルでは、ファイル圧縮でよく見られるCPUコストの大部分を軽減する非常に軽量の圧縮アルゴリズムが導入されています。LOW
レベルで圧縮されたSecureFilesにより、SecureFiles記憶域を効率的に選択できるようになりました。LOW
で圧縮されたSecureFiles LOBは、一般的にBasicFiles(11gリリース1より前)LOBよりもCPU時間と記憶域を消費せず、ディスクI/Oも減るため、アプリケーションの実行を高速化できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。 |
次の項では、スケーラビリティおよびパフォーマンスの領域での顧客の重要な要件への取組みを示します。XML表のパーティション化、大きなXMLスキーマの登録でのスケール、現実の通常のワークロードでのXML索引付けおよび問合せのパフォーマンスの大幅な改善、およびリポジトリ操作のパフォーマンスの大幅な改善などがあります。
このリリースでは、パーティション・キーをXMLコンテンツから導出する、バイナリXMLType表およびバイナリXML列を含むリレーション表のパーティション化がサポートされています。また、バイナリXML操作のパフォーマンスを最適化する方法についてのガイドラインも含まれています。
これにより、Oracleパーティション化をバイナリXMLコンテンツで使用できるため、大容量のXMLデータを効率的に管理できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle XML DBリポジトリのパフォーマンスの改善には、次のようなガイドラインがあります。
EQUALS_PATH
およびUNDER_PATH
条件を使用した階層問合せの最適化。
リポジトリの問合せでの階層索引のパフォーマンスの最適化。
これにより、リポジトリ操作のパフォーマンスが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。 |
このリリースでは、バイナリXMLを使用して保存された非構造化、半構造化および高度に構造化されたXML文書の索引付けでのOracleの機能が改善されています。また、パーティション索引およびパラレル操作もサポートされています。これらの機能拡張は、既存のXMLIndexおよびXMLTable索引のすべての機能を1つの統合された索引にします。
これにより、スキーマおよびスキーマなしのバイナリXMLストレージでの問合せ、フラグメントおよびスカラー抽出操作のパフォーマンスが向上します。
関連項目: 詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。 |
この機能により、オブジェクト・ベースの永続性とネストされた表を使用して、XML文書を格納する際に子要素のコレクションの管理に使用されるネストされた表をパーティション化できます。
XMLTypeのパーティション化により、Oracleパーティション化オプションのすべての拡張機能をXMLTypeデータの管理に使用できます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。 |