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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B61035-04
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複数環境用のOracle ACFSコマンドライン・ユーティリティ

表13-73に、複数環境用のOracle ACFSコマンド・ユーティリティの概要を示します。

すべてのプラットフォームでacfsutil helpを実行して、ヘルプ・テキストを表示できます。すべてのプラットフォームでacfsutil versionを実行して、Oracle ACFSのバージョンを表示できます。

Windowsプラットフォームでコマンドにオプションを付けて入力するときには、オプションとともに-のかわりに/を使用します。たとえば、acfsutil -hを使用してLinuxプラットフォームでacfsutilのヘルプを表示できます。Windowsプラットフォームでは、acfsutil /hを使用します。

Windowsオペレーティング・システムでのマウント・ポイントはドライブ文字またはドライブ文字を含むディレクトリのいずれでもよいことに注意してください。

表13-73 複数環境用のOracle ACFSコマンド・ユーティリティの概要

コマンド 説明

acfsdbg


Oracle ACFSファイルシステムをデバッグします。

acfsutil info file


Oracle ACFSファイルシステムのファイルに関する情報を表示します。

acfsutil info fs


詳細なOracle ACFSファイルシステム情報を表示します。

acfsutil info id


特定の識別子およびマウント・ポイントのOracle ACFSファイルシステム情報を表示します。

acfsutil registry


Oracle ACFSファイルシステムをOracle ACFSマウント・レジストリに登録します。

acfsutil rmfs


Oracle ACFSファイルシステムを削除します。

acfsutil size


Oracle ACFSファイルシステムのサイズを変更します。

acfsutil snap create


Oracle ACFSファイルシステムのスナップショットを作成します。

acfsutil snap delete


Oracle ACFSファイルシステムのスナップショットを削除します。

acfsutil snap info


Oracle ACFSファイルシステム・スナップショットについての情報を表示します。

acfsutil tune


Oracle ACFSの調整可能パラメータを変更または表示します。

advmutil canonical


Oracle ADVMボリュームの正規名を指定します。

advmutil tune


Oracle ADVMパラメータを変更または表示します。

advmutil volinfo


Oracle ADVMボリュームに関する情報を表示します。


acfsdbg

用途

Oracle ACFSファイルシステムをデバッグします。

構文および説明


acfsdbg -h
acfsdbg [-r] [-l] volume_device

表13-74に、acfsdbgコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-74 acfsdbgコマンドのオプション

オプション 説明

-h

使用方法のメッセージを出力して終了します。メッセージには、acfsdbgコマンドの起動時に使用できる各種オプションが表示されます。

-r

読取り専用モードで動作します。ファイルシステム上のデータは変更されません。また、すべての書込みコマンドを無効にします。デバイスがどこかにマウントされている場合、最新データはファイルシステム・マウントによってキャッシュされているものもあるため、acfsdbgで表示されない場合があります。

-l

カーネル・ログ・ファイルを処理します。デフォルトでは、ログ・ファイルを処理しません。

volume_device

ボリュームのデバイス名を指定します。


acfsdbgは、fsckおよびacfschkdskの拡張版で、ファイルシステムのディスク構造を表示および変更する対話型プログラムです。このコマンドは、経験豊かな開発およびサポート・エンジニアがディスク構造を調査して問題を診断するためのものです。慎重に使用してください。

acfsdbgを起動すると、コマンド・プロンプトが表示されます。コマンド・プロンプトには、表13-75に示すサブコマンドを入力できます。

acfsdbgは、シェル・パイプでacfsdbgのサブコマンドをacfsdbgバイナリにエコーすることで、スクリプトで使用することもできます。

デフォルトでは、ツールの実行時にファイルシステムは変更されません。-lオプションを使用する場合、対話型のディスク・ブロック・ダンプ・セッションの前に、トランザクション・ログのファイルシステム・メタデータが照会されます。ボリューム・デバイスには、Oracle ACFSファイルシステムがディスマウントされているボリュームを指定する必要があります。ボリューム・デバイスにOracle ACFSファイルシステムがマウントされていると、acfsdbgはエラー・メッセージを表示して終了します。

acfsdbgを実行するには、管理者またはOracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。

サブコマンド

表13-75に、acfsdbgのサブコマンドを示します。

表13-75 acfsdbgのサブコマンド

オプション 説明 構文

calculate

単純な演算式を計算します。

有効な演算子: +、-、*、/、%、&、|、^、~、<<、>>

新しい式は、空白で始めます。

0-1は、マイナス1を表します。

calculate [-v] expr […]


-v: verboseモード
expr: 単純な2+2式

cksum

ヘッダーでチェックサムを生成して置換します。

ヘッダー・オフセットは、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

新しいヘッダー・オフセットは、空白で始めます。

このコマンドは、読取り専用モードでは無効です。

cksum [-C | -CE] header_offset […]


-C: 標準構造のチェックサムを再生成します。
-CE: エクステント構造のチェックサムを再生成します。
header_offset: ディスク上の構造ヘッダーのオフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

close

デバイスへのオープン・ハンドルを閉じます。

close

echo

コマンドラインのテキストをstdoutにエコーします。

echo

fenum

指定されたファイル・エントリ表(FETA)エントリを表示します。

fenum [-f | -e | -d] FETA_entry_number


-f: この構造に関連するディスク上の構造をすべて表示します。
-e: この構造に関連するディスク上のエクステント情報をすべて表示します。
-d: 構造をディレクトリとしてキャストし、その内容を表示します。
FETA_entry_number: ファイルシステム上のファイルの識別に使用されるファイル・エントリ表の番号。

help

ヘルプ・メッセージを表示します。

help

offset

ディスク・オフセットでの構造を表示します。

offset [-c cast] [-f | -d] disk_offset


-f: この構造に関連するディスク上の構造をすべて表示します。
-d: 構造をディレクトリとしてキャストし、その内容を表示します。
disk_offset: 表示するディスク・オフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

open

デバイスへのハンドルを開きます。デフォルトは、コマンドラインに入力されたボリューム・デバイス名です。

open [volume_device]

primary

コマンドのコンテキストにプライマリ・ファイルシステムを設定します。

primary

prompt

プロンプトに指定された文字列を設定します。

prompt "prompt_string"

quit

acfsdbgデバッガ・コマンドを終了します。

quit

read

オフセットから値を読み取ります。

読取りのデフォルト・サイズは、8バイトです。

読取りのデフォルト件数は、1です。

read [-1 | -2 | -4 | -8 | -s] [count] offset


-1: バイト値を読み取ります。
-2: 2バイト(short)値を読み取ります。
-4: 4バイト(int)値を読み取ります。
-8: 8バイト(long)値を読み取ります。
-s: ヌル文字で終了する文字列を読み取ります。
count: 読み取る値の数。指定しない場合、デフォルトは1です。
offset: 読み取るディスク・オフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

snapshot

コマンドのコンテキストに指定されたスナップショットを設定します。

snapshot snapshot_name

write

16進数、8進数または10進数の値をディスク・オフセットに書き込みます。値のサイズまたは前ゼロ付きの16進数値の桁数に基づいて書込みバイト数を見積ります。

ディスク・オフセットは、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

数値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

このコマンドは、読取り専用モードでは無効です。

write [-1 | -2 | -4 | -8 | -c | -s] [-C | -CE] offset value


-1: バイト値を書き込みます。
-2: 2バイト(short)値を書き込みます。
-4: 4バイト(int)値を書き込みます。
-8: 8バイト(long)値を書き込みます。
-c: テキスト(ヌル文字で終了していない)を書き込みます。一重引用符(')で文字列を囲みます。
-s: ヌル文字で終了している文字列を書き込みます。二重引用符(")で文字列を囲みます。
-C: 標準構造のチェックサムを再生成します。
-CE: エクステント構造のチェックサムを再生成します。
offset: 書き込むディスク・オフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用される式でもかまいません。
value: 書き込む値。数値の場合、この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

例13-65に、acfsdbgサブコマンドの使用を示します。

例13-65 acfsdbgコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsdbg /dev/asm/voume1-123
acfsdbg: version                   = 11.2.0.3.0
Oracle ASM Cluster File System (ACFS) On-Disk Structure Version: 39.0
The ACFS volume was created at  Mon Mar  2 14:57:45 2011
acfsdbg> 

acfsbdg> calculate 60*1024
    61,440
    61440
    61440
    0xf000
    0170000
    1111:0000:0000:0000

acfsdbg> prompt "acfsdbg test>"
acfsdbg test>

echo "offset 64*1024" | acfsdbg /dev/asm/volume1-123

acfsutil info file

用途

Oracle ACFSファイルシステムのファイルに関する情報を表示します。

構文および説明


acfsutil info file -h
acfsutil info file path

acfsutil info file -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-76に、acfsutil info fileコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-76 acfsutil info fileコマンドのオプション

オプション 説明

path

ファイルのフルパス名を指定します。


acfsutil info fileコマンドは、Oracle ACFSファイルシステムのファイルに関する情報を表示します。情報にはファイルを構成するブロックの場所の詳細を示すエクステント・マップや、ファイルの割当て記憶域に対する使用済記憶域などが含まれます。ファイルのタグ付け情報も表示されます。

acfsutil info fileを実行するには、指定ファイルに対する読取りアクセス権が必要です。

次に、acfsutil info fileコマンドの使用例を示します。

例13-66 acfsutil info fileコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil info file /u01/app/acfsmounts/myacfs/myfile

acfsutil info fs

用途

詳細なOracle ACFSファイルシステム情報を表示します。

構文および説明


acfsutil info fs -h
acfsutil info fs [ {-o item|-s [interval [count] ] } ] [mount_point]

acfsutil info fs -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-77に、acfsutil info fsコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-77 acfsutil info fsコマンドのオプション

オプション 説明

-o

次のリストから特定のファイルシステム・アイテムを表示します。

  • freespace: ファイルシステムで使用可能な空き領域の量

  • totalspace: ファイルシステムのサイズ

  • mountpoints: ファイルシステムに関連付けられたマウント・ポイント

  • volumes: ファイルシステムに関連付けられたボリュームの数

  • primaryvolume: ファイルシステムに関連付けられたデバイスのパス名

  • available: ファイルシステムが使用可能である期間

  • isadvm - Oracle ADVMボリュームが存在する場合は1、存在しない場合は0

  • ismountpoint: pathがマウント・ポイントである場合は1、pathがマウント・ポイントでない場合は0

  • isavailable: ファイルシステムが使用可能である場合は1、使用可能でない場合は0

  • iscorrupt: ファイルシステムが破損している場合は1、破損していない場合は0

  • isreplprimary - プライマリ・ファイルシステムの場合は1、それ以外は0

  • isreplstandby - スタンバイ・ファイルシステムの場合は1、それ以外は0

  • diskgroup: pathに関連付けられたディスク・グループの名前

  • redundancy: Oracle ADVMボリュームで使用される冗長性のタイプ

  • replication - ファイルシステムがレプリケーション用にプライマリまたはスタンバイ・ファイルシステムとして初期化されている場合は1、レプリケーション用に初期化されていない場合は0

  • resizeincrement: pathで使用されるOracle ADVMボリュームの割当て単位サイズ(バイト)

  • stripewidth: pathで使用されるOracle ADVMボリュームのストライプ幅

  • stripecolumns: pathで使用されるOracle ADVMボリュームのストライプ・セット列

-s [interval [count]]

ファイルシステムの統計を表示します。

オプションのintervalパラメータで、各レポート間の時間(秒)を指定します。最初のレポートは、ファイルシステムのマウントからの時間の統計を含みます。以降の各レポートは、前回のレポートからの間隔を集計した統計を含みます。

オプションのcountパラメータは、intervalパラメータと組み合せて指定できます。countパラメータが指定されている場合、カウント値によって秒間隔で生成されるレポート数が決定されます。

countパラメータなしでintervalパラメータが指定される場合、このコマンドはCtrl+cによってコマンドを取り消すまで継続してレポートを生成します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。レプリケーション・データでは有効なオプションではありません。


acfsutil info fsコマンドは、Oracle ACFSファイルシステムに関する情報と統計を表示します。ファイルシステム上でレプリケーションが初期化されている場合は、追加のフラグとステータス情報が表示されます。「レプリケーション・ステータス」フィールドの値は「プライマリ」、「スタンバイ」または「無効」です。

-o itemオプションにより、指定したitemに関するファイルシステムの情報を表示します。

-sオプションにより、コマンドが実行しているノードのファイルシステム上の現在の変更の量と変更速度を表示します。

オプションを指定しない場合、ファイルシステム情報には、ボリューム・デバイス名、ファイルシステムのサイズ、ボリューム・デバイスで使用可能な領域の量、このノードでのファイルシステム・マウント時間、ファイルシステムの状態、ユーザー指定のブロック・サイズ、Oracle ACFSスナップショット数、ファイルシステム内のスナップショットによって消費される領域、およびファイルシステムに関連付けられた任意の名前またはボリューム・ラベルが含まれます。考えられるファイルシステムの状態はflags行に表示されます。その状態には次のものがあります。

  • Offlineは、基礎となるデバイスがアクセスできないことを示します。原因としては、Oracle ASMインスタンスの障害、ディスマウントを強制されたディスク・グループ、またはリカバリ不可能なI/Oエラーが考えられます。このノードのファイルシステムは、ディスマウントするしかありません。他にどのようにアクセスを試みても、エラーになります。

  • Availableは、ファイルシステムはオンラインで操作可能であることを示しています。

  • Corruptは、検出された非一貫性をできるだけ早く修正するために、ファイルシステムをチェックして修復する必要があることを示します。たとえば、Linux上でfsckコマンドを実行するか、Windows上でacfschkdskコマンドを実行して、ファイルシステムをチェックし修復します。コマンドを修復モードで実行して、問題を修正します。詳細は、「fsck」および「acfschkdsk」を参照してください。

どのユーザーでもacfsutil info fsを実行できます。

次に、acfsutil info fsの使用例を示します。

例 13-67では、Linux環境でのOracle ACFSファイルシステムに関する情報を表示します。

例13-67 Linuxでのacfsutil info fsコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil info fs
/primary
    ACFS Version: 11.2.0.2.0
    flags:        MountPoint,Available,Replication
    mount time:   Mon Oct 25 12:11:03 2010
    volumes:      1
    total size:   5368709120
    total free:   4144230400
    primary volume: /dev/asm/pvol-74
        label:
        flags:                 Primary,Available,ADVM
        on-disk version:       40.0
        allocation unit:       4096
        major, minor:          252, 37889
        size:                  5368709120
        free:                  4144230400
        ADVM diskgroup         REPLDG
        ADVM resize increment: 268435456
        ADVM redundancy:       unprotected
        ADVM stripe columns:   4
        ADVM stripe width:     131072
    number of snapshots:  0
    snapshot space usage: 0
    replication status: primary

/standby
    ACFS Version: 11.2.0.2.0
    flags:        MountPoint,Available,Replication
    mount time:   Mon Oct 25 12:11:03 2010
    volumes:      1
    total size:   5368709120
    total free:   5263945728
    primary volume: /dev/asm/svol-74
        label:
        flags:                 Primary,Available,ADVM
        on-disk version:       40.0
        allocation unit:       4096
        major, minor:          252, 37890
        size:                  5368709120
        free:                  5263945728
        ADVM diskgroup         REPLDG
        ADVM resize increment: 268435456
        ADVM redundancy:       unprotected
        ADVM stripe columns:   4
        ADVM stripe width:     131072
    number of snapshots:  0
    snapshot space usage: 0
    replication status: standby

$ /sbin/acfsutil info fs -o mountpoints,replication
/primary
1
/standby
1

$ /sbin/acfsutil info fs -o mountpoints,isreplprimary
/primary
1
/standby
0

$ /sbin/acfsutil info fs -o mountpoints,isreplstandby
/primary
0
/standby
1

例13-68に、Windows環境でのacfsutil info fsの使用方法を示します。

例13-68 Windowsでのacfsutil info fsコマンドの使用方法

C:\oracle>acfsutil info fs /o freespace c:\oracle\acfsmounts\acfs1
968667136

C:\oracle>acfsutil info fs /o totalspace c:\oracle\acfsmounts\acfs1
1073741824

C:\oracle>acfsutil info fs /o volume c:\oracle\acfsmounts\acfs1
1

C:\oracle>acfsutil info fs /o primaryvolume c:\oracle\acfsmounts\acfs1
asm-volume1-311

C:\oracle>acfsutil info fs /o diskgroup c:\oracle\acfsmounts\acfs1
DATA

C:\oracle>acfsutil info fs /o redundancy c:\oracle\acfsmounts\acfs1
mirror

例13-69に、acfsutil info fs-sオプションを指定してファイルシステムの現在の変更の量と変更速度を表示する方法を示します。

例13-69 -sオプションを使用してのacfsutil info fsコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil info fs -s /u01/app/acfsmounts/myacfs
    amount of change since mount:       359.22 MB
    average rate of change since mount: 3 KB

$ /sbin/acfsutil info fs -s 60 4 /u01/app/acfsmounts/myacfs
    amount of change since mount:       359.22 MB
    average rate of change since mount: 3 KB/s

    amount of change: 15.02 MB   rate of change: 256 KB/s
    amount of change: 9.46 MB   rate of change: 161 KB/s
    amount of change: 7.32 MB   rate of change: 125 KB/s
    amount of change: 6.89 MB   rate of change: 117 KB/s
...

acfsutil info id

用途

特定の識別子およびマウント・ポイントのOracle ACFSファイルシステム情報を表示します。

構文および説明


acfsutil info id -h
acfsutil info id num mount_point

acfsutil info id -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-78に、acfsutil info idコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-78 acfsutil idコマンドのオプション

オプション 説明

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。

num

Oracle ACFSドライバによって報告されるOracle ACFSファイル識別子番号を指定します。番号は10進数の書式で指定します。


acfsutil info idは、Oracle ACFSの内部数値ファイル識別子をファイルシステム内のパス名に変換するために使用します。これは、Oracle ACFSドライバで、Oracle ACFS内の特定のファイルに関連付けられたシステム・イベント・ログ出力にI/Oエラーを報告し、内部識別子によってそのファイルを識別する際に便利です。acfsutil info idを実行するには、管理者権限を持っているか、Oracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。

次に、acfsutil info idコマンドの使用例を示します。

例13-70 acfsutil info idコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil info id 117 /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil registry

用途

Oracle ACFSファイルシステムをOracle ACFSマウント・レジストリに登録します。

構文および説明


acfsutil registry -h
acfsutil registry
acfsutil registry -a [-f] [-n { nodes|all } ]
         [-o moptions] device mount_point
acfsutil registry -d {device | mount_point}
acfsutil registry -l [device | mount_point]
acfsutil registry -m device

acfsutil registry -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-79に、acfsutil registryコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-79 acfsutil registryコマンドのオプション

オプション 説明

-a

デバイス、マウント・ポイントおよび関連付けられたmoptionsをOracle ACFSマウント・レジストリに追加することを指定します。情報をマウント・レジストリに追加するには、指定したOracle ASMボリューム・デバイスがローカル・ノードに存在する必要があります。

引数は、ファイルシステムのマウントに必要なすべての情報を表します。Oracle ACFSの起動時に、これらのファイルシステムは自動的にマウントされます。Windowsでは、ボリューム・マウント・ポイントが指定したディレクトリに存在しない場合は作成されます。

重複するデバイス・エントリは認められません。重複するマウント・ポイントは認められますが、非結合ノード固有のマウントには-nオプションを指定する必要があります。

-d

Oracle ACFSマウント・レジストリからデバイスまたはマウント・ポイントを削除します。マウント・ポイントが指定され、それがOracle ACFSマウント・レジストリで一意でない場合、コマンドは失敗し、デバイスを引数として指定するコマンドを再実行する必要があります。

-f

指定したデバイスがレジストリにあり、管理者がその登録を置換する場合、-a組み合せて使用します。

-n

-aと一緒に使用し、カンマで区切った任意のノードのリストか、allキーワードを指定します。これは、指定したマウント・ポイントにこのデバイスのマウントを試みるノードを指定します。ホスト名を指定する必要があります。allキーワードは、機能的にはノードのリストを指定しないのと等しく、デバイスがすべてのノードにマウントされることを示します。すべてのノードへのマウントはデフォルトの動作です。

-o moptions

ファイルシステムのマウント時に使用するマウント・オプションを指定します。Linux、Solaris、およびAIXで有効です。特定の-o moptionsについては、各オペレーティング・システムのmountコマンドを参照してください。各オペレーティング・システムのオプションは、allオプションを除いてすべて有効です。

-l

現在レジストリに登録されているすべてのマウント・ポイントを1行に、フィールドをコロン(:)で区切ってリストします。

-m

指定されたデバイスに関連付けられている登録済マウント・ポイントが存在する場合、それをリストします。マウント・ポイントは、Oracle ACFSファイルシステムが登録済であるかまたは以前にマウントされたことがある場合にのみ戻されます。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。

device

フォーマットされたOracle ACFSデバイス・ファイルを指定します。


acfsutil registryは、ファイルシステムをOracle ACFS永続マウント・レジストリに追加、またはOracle ACFS永続マウント・レジストリから削除します。マウント・レジストリは、Oracle ACFS起動時に各ノードで指定されたすべてのファイルシステムをマウントするために使用されるグローバル・レジストリです。レジストリを変更するには、root権限またはasmadmin権限が必要です。オペレーティング・システム・グループの権限の詳細は、「Oracle ASMの権限について」を参照してください。

レジストリの内容は、どのユーザーでも表示できます。Oracle ACFSマウント・レジストリにすべてのファイルシステムをマウントするには、プラットフォーム固有のマウント・コマンドをallオプションとともに使用します。これは、各ノードでOracle ACFSの起動時に自動的に実行されます。

オプションを指定しないと、レジストリ内のOracle ACFSマウントがすべて表示されます。


注意:

個別のファイルシステムCluster Ready Services(CRS)リソースが追加されたOracle ACFSファイルシステムを登録しないでください。たとえば、Oracle ACFSファイルシステムがsrvctl add filesystemを使用して登録されている場合、ファイルシステムをacfsutil registryを使用して登録しないでください。

「Oracle ACFSマウント・レジストリについて」を参照してください。

次に、acfsutil registryの使用例を示します。1つ目の例は、ボリューム・デバイス・ファイルおよびファイルシステム・マウント・ポイントをレジストリに追加する方法を示しています。2つ目の例は、指定されたボリューム・デバイス・ファイルに関連付けられた登録済マウント・ポイントをリストする方法を示しています。3つ目の例は、指定されたボリューム・デバイス・ファイルをレジストリから削除する方法を示しています。

例13-71 acfsutil registryコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil registry -a /dev/asm/volume1-123 /u01/app/acfsmounts/myacfs

$ /sbin/acfsutil registry -m /dev/asm/volume1-123

$ /sbin/acfsutil registry -d /dev/asm/volume1-123

acfsutil rmfs

用途

Oracle ACFSファイルシステムを削除します。

構文および説明


acfsutil rmfs -h
acfsutil rmfs device

acfsutil rmfs -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-80に、acfsutil rmfsコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-80 acfsutil rmfsコマンドのオプション

オプション 説明

device

フォーマットされたOracle ACFSデバイス・ファイルを指定します。


acfsutil rmfsは、ディスマウントされるOracle ACFSを削除するために使用します。コマンドを実行すると、ファイルシステムのスーパーブロックは無効になります。このコマンドを実行するには、root権限またはasmadmin権限が必要です。オペレーティング・システム・グループの権限の詳細は、「Oracle ASMの権限について」を参照してください。

acfsutil rmfsが正常に実行されると、V$ASM_VOLUMEビューのMOUNTPATH列およびUSAGE列が、そのデバイス用に消去されます。削除されたOracle ACFSは、fsckまたはacfschkdskを使用してリストアできます。デバイスは、mkfsコマンドまたはacfsformatコマンドを使用して、新しいOracle ACFSで再フォーマットできます。

次に、acfsutil rmfsの使用例を示します。この例では、指定されたボリューム・デバイス・ファイルおよび関連するファイルシステムを削除します。

例13-72 acfsutil rmfsコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil rmfs /dev/asm/volume1-123

acfsutil size

用途

Oracle ACFSファイルシステムのサイズを変更します。

構文および説明


acfsutil size -h
acfsutil size [+|-]n[K|M|G|T|P ] [device] mount_point

acfsutil size -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-81に、acfsutil sizeコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-81 acfsutil sizeコマンドのオプション

オプション 説明

[+|-]n

Oracle ACFSファイルシステムの新しいサイズを指定します。nは、ゼロより大きい有効な正の整数です。数値の前には、追加または削減する量を示すために、+または-を付けることができます。オペランドが指定されていなければ、新しいサイズは絶対サイズです。

K|M|G|T|P

サイズに指定された整数の単位がK(KB)、M(MB)、G(GB)、T(TB)またはP(PB)のいずれであるかを指定します。単位インジケータを指定する場合は、整数の後に付ける必要があります。省略した場合、デフォルトの単位はバイトです。

device

任意のボリューム・デバイス・ファイルを指定します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil sizeは、マウント済のOracle ACFSとその基礎となるOracle ADVM記憶域を、指定した新しいサイズに一致するように増加または縮小させます。この操作は、基礎となるOracle ASMボリューム・ファイルのサイズも、指定した新しい長さと一致するように変更します。ファイルシステム・サイズに対する増加のリクエストに対応するには、ディスク・グループに十分な空き記憶域が必要です。

ファイルシステム・サイズを縮小すると、ファイルシステムの最後にある未使用記憶域がディスク・グループに戻されます。このリリースでの縮小は、間違った初期サイズまたはサイズ変更の増分が指定されたとき、および記憶域が実際に使用される前の事故用です。記憶域がユーザー・データまたはファイルシステム・メタデータに使用されると、その記憶域を使用しているファイルが削除されても、ファイルシステムを縮小できない場合があります。


注意:

ファイルシステムのデフラグはこのリリースではサポートされていません。ファイルシステムの最後から未使用の記憶域のみを割当て解除できます。

サイズの値は、ファイルシステムのブロック・サイズと、Oracle ASMボリューム・デバイス・ファイルの割当て単位に基づいて端数が切り上げられます。Oracle ASMボリューム・デバイスのサイズ変更の増分を確認するには、V$ASM_VOLUMEビューのRESIZE_UNIT_MBフィールドを調べるか、asmcmd volinfoまたはacfsutil info fsの出力でResize Unitを探します。

ファイルシステムの内部記憶域ビットマップには、5エクステントの制限があります。このため、ファイルシステムのサイズを4回以上増やした後に、増やそうとすると失敗します。ただし、ファイルシステムのサイズを4回以上増やした後で、ファイルシステムのサイズを減らした場合、減らしたサイズよりも増やすサイズが小さければ、ファイルシステムのサイズを再び増やすことができる場合があります。

ファイルシステム拡張に対する制限に達した場合に、fsckまたは-aオプションを指定したacfschkdskを実行すると、内部記憶域ビットマップが統合され、次のファイルシステム拡張が可能になります。

rootまたはasmadminグループのメンバーであるユーザーがこのコマンドを実行できます。オペレーティング・システム・グループの権限の詳細は、「Oracle ASMの権限について」を参照してください。

次に、acfsutil sizeの使用例を示します。この例では、/u01/app/acfsmounts/myacfsファイルシステムのプライマリ・デバイス・ファイルのサイズを500MBずつ増やします。

例13-73 acfsutil sizeコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil size +500M /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil snap create

用途

Oracle ACFSファイルシステムの読取り専用または読取り-書込みスナップショットを作成します。

構文および説明


acfsutil snap create -h
acfsutil snap create [-r|-w] snapshot mount_point

acfsutil snap create -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-82に、acfsutil snap createコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-82 acfsutil snap createコマンドのオプション

オプション 説明

-r

読取り専用スナップショットを作成します。これはデフォルト設定です。

-w

読取り-書込みスナップショットを作成します。

snapshot

スナップショットの名前を指定します。名前は有効なディレクトリ名である必要があります。.ACFS/snapsディレクトリ自体はスナップできません。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil snap createは、mount_pointにマウントされているOracle ACFSの読取り専用または読取り-書込みスナップショットを作成します。読取り専用には-rを、読取り-書込みには-wを指定できます。-r-wのどちらも指定しなければ、読取り専用がデフォルトで指定されます。

読取り-書込みスナップショットでは、イメージスナップショット画像をホストしているOracle ACFSファイルシステムの状態に影響を与えずに、読取りと書込みの両方が可能なOracle ACFSスナップショット画像を高速で作成できます。読取り-書込み機能は、アプリケーション・ソフトウェアの新しいバージョンをテストするために、または元のファイルシステムを変更せずに本番ファイル・データ上でテスト・シナリオを実行するために使用できます。

スナップショットは、別のファイルシステムではありません。スナップショットは.ACFS/snaps/snapshot ディレクトリに格納され、スナップショット・コマンドが発行された時点での最初のファイルシステムの完全なレプリカです。読取り専用スナップショットは、最初のpoint-in-timeビューの保持を継続します。読取り-書込みスナップショットは、.ACFS/snaps/snapshot階層内のファイルに直接書き込まれる更新によって変更できます。

どのユーザーでも、パス名を指定することでスナップショットディレクトリにアクセスできます。ただし、.ACFSディレクトリ自体は、ファイルシステムのルートを一覧表示しているディレクトリから非表示になります。これでrm -rfまたはacfsutil tag set -rなどの再帰的なコマンドが、ファイルシステムのルートのスナップショットファイル上で誤って操作されることを防止します。

スナップショットは通常、ファイルが変更されるまでは元のファイルシステムとファイルシステム・ブロックを共有するため、使用する記憶域が当初は非常に少なくてすみます。

duなどのツールにより、スナップショットを作成したファイルのディスク領域の合計使用量が報告されます。これには、ファイルの元のバージョンと共有される記憶域も含まれます。スナップショットに使用される合計領域を確認するには、acfsutil snap infoまたはacfsutil info fsコマンドを使用します。「acfsutil info fs」を参照してください。

Oracle ACFSスナップショットは、作成後すぐに使用可能になります。スナップショットは、元のファイルシステムがマウントされると、.ACFS/snapsディレクトリで常にオンラインになります。それらをマウントするために個別のコマンドは必要ありません。

このコマンドを使用するには管理者権限か、Oracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。

Oracle ACFSスナップショットの詳細は、「Oracle ACFSスナップショットについて」を参照してください。

例13-74に、acfsutil snap createコマンドの使用を示します。

例13-74 acfsutil snap createの使用方法

$ acfsutil snap create -w midday_test1 /u01/critical_apps

$ acfsutil snap create -w midday_test2 /u01/critical_apps

$ /sbin/acfsutil snap create payroll_report1 /u01/critical_apps

$ /sbin/acfsutil snap create payroll_report2 /u01/critical_apps

$ ls /u01/critical_apps/.ACFS/snaps
midday_test1  midday_test2  payroll_report1  payroll_report2

acfsutil snap delete

用途

Oracle ACFSファイルシステムのスナップショットを削除します。

構文および説明


acfsutil snap delete -h
acfsutil snap delete snapshot mount_point

acfsutil snap delete -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-83に、acfsutil snap deleteコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-83 acfsutil snap deleteコマンドのオプション

オプション 説明

snapshot

スナップショットの名前を指定します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil snap deleteは、mount_pointにマウントされているOracle ACFSにあるsnapshotというスナップショットを削除します。コマンドが正常に完了したら、.ACFS/snapsディレクトリ内のスナップショットの表示が削除されます。クラスタ・ノード上のスナップショット内に開いているファイルがあると、コマンドは失敗します。削除されるスナップショットによって使用されるディスク容量は、acfsutil snap deleteコマンド完了後にバックグラウンド・タスクによって開放されることに注意してください。削除されたスナップショットのクリーンアップのためこれらのバックグラウンド・スレッドが実行中の場合、acfsutil snap infoコマンドが削除操作の保留を表示します。

このコマンドを使用するには管理者権限か、Oracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。

例13-75に、acfsutil snap deleteコマンドの使用を示します。

例13-75 acfsutil snap deleteの使用方法

$ /sbin/acfsutil snap delete midday_test1 /u01/critical_apps
acfsutil snap delete: Snapshot operation is complete.

acfsutil snap info

用途

Oracle ACFSファイルシステム・スナップショットに関する情報を表示します。

構文および説明


acfsutil snap info -h
acfsutil snap info [snapshot] mount_point

acfsutil snap info -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-84に、acfsutil snap deleteコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-84 acfsutil snap infoコマンドのオプション

オプション 説明

snapshot

スナップショットの名前を指定します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil snap infoコマンドは、指定されたOracle ACFSファイルシステム内の個別に指定されたスナップショットまたはすべてのスナップショットに関する情報を表示します。スナップショット名、スナップショットタイプ(ROまたはRW)、および作成日時が表示されます。

スナップショット領域使用量には、スナップショットのメタデータが含まれます。すべてのファイルがスナップショットから削除される場合、メタデータのいくつかはそのまま残り、その量はacfsutil snap infoで表示されます。

acfsutil snap infoコマンドでも保留中の削除操作を表示します。

例13-76に、保留中の削除操作がある場合のacfsutil snap infoコマンドの使用を示します。削除したスナップショットのクリーンアップをバックグラウンド処理が終了したとき、削除保留行は出力に表示されません。

例13-76 acfsutil snap infoの使用方法

$ /sbin/acfsutil snap info /u01/critical_apps
snapshot name:               midday_test2
RO snapshot or RW snapshot:  RW
snapshot creation time:      Fri Feb 18 06:10:59 2011

snapshot name:               payroll_report1
RO snapshot or RW snapshot:  RO
snapshot creation time:      Tue Feb 22 06:56:34 2011

snapshot name:               payroll_report2
RO snapshot or RW snapshot:  RO
snapshot creation time:      Tue Feb 22 06:57:21 2011

    number of snapshots:  3 (active)
                          1 (delete pending)
    snapshot space usage: 8383348736

acfsutil tune

用途

acfsutil tuneコマンドは、特定の調整可能パラメータまたはすべてのOracle ACFS調整可能パラメータの値を表示するか、特定のノードで1つの調整可能パラメータの値を永続的に設定します。

構文および説明


acfsutil tune -h
acfsutil tune [tunable_name]
acfsutil tune tunable_name=value

acfsutil tune -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-85に、acfsutil tuneコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-85 acfsutil tuneコマンドのオプション

オプション 説明

tunable_name

調整可能パラメータの名前を指定します。

value

調整可能パラメータの値を指定します。


Oracle ACFS調整可能パラメータはAcfsMaxOpenFilesのみで、WindowsおよびAIX上で開かれているOracle ACFSファイルの数を制限します。通常、この調整可能パラメータの値を変更する必要はありませんが、Oracle ACFSファイルシステムで大きな作業ファイルを扱う場合、値を増やすことがあります。

調整可能パラメータを変更すると、ただちに有効になり、再起動されても効力は持続します。調整可能パラメータの値を変更するには、rootユーザーまたはWinodwsのAdministratorであることが必要です。

1つ目の例では、Oracle ACFS調整可能パラメータを出力します。2つ目の例では、調整可能パラメータの値を変更します。

例13-77 acfsutil tuneコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil tune

$ acfsutil tune AcfsMaxOpenFiles=50000

advmutil canonical

用途

advmutil canonicalは、指定したOracle ADVMデバイス名の正規名を表示します。

構文および説明


advmutil -h
advmutil canonical volume_device

advmutil -hはヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-86に、advmutil canonicalコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-86 advmutil canonicalコマンドのオプション

オプション 説明

volume_device

Oracle ADVMボリューム・デバイスを識別する文字列を指定します。


Oracle ADVMボリューム・デバイスを識別できるいくつかの異なる形式がありますが、ボリューム・デバイス名がSRVCTLなどの他のコマンドで使用される場合は、標準化された、明白な(正規の)名前を使用する必要があります。

たとえば、Windowsオペレーティング・システムでは、ボリューム・デバイス名に\\.\\??\\\?\の接頭辞を使用できます。

advmutil canonicalコマンドは、他のユーティリティが余分な文字を取り除かなくても認識できる正規名を戻します。このコマンドはスクリプトでよく使用されます。

次に、Windowsでのadvmutil canonicalの使用例を示します。各例では、コマンドはボリューム・デバイスの正規名を戻します。

例13-78 advmutil canonicalの使用方法

[C:\]advmutil canonical asm-volume1-274
asm-volume1-274
 
[C:\]advmutil canonical \\.\asm-volume1-274
asm-volume1-274
 
[C:\]advmutil canonical \\?\asm-volume1-274
asm-volume1-274
 
[C:\]advmutil canonical \??\asm-volume1-274
asm-volume1-274

advmutil tune

用途

advmutil tuneは、特定のOracle ADVMパラメータの値を表示するか、特定のOracle ADVMパラメータの値を設定します。

構文および説明


advmutil -h
advmutil tune parameter [= value]

advmutil -hはヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-87に、advmutil tuneコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-87 advmutil tuneコマンドのオプション

オプション 説明

parameter

値を設定または表示するパラメータを指定します。

value

指定したパラメータの値を設定するために指定する任意の値。


値が指定されない場合、advmutil tuneコマンドは指定パラメータに現在割り当てられている値を表示します。

advmutil tuneで指定できるパラメータは、最大カーネル・メモリー(max_memory)またはデットロック・タイマー(deadlock_timer)の最大時間(分)です。

最大カーネル・メモリー(max_memory)は、Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ・ドライバでOracle ASMエクステント・マップをキャッシュするために消費できる最大オペレーティング・システム(OS)カーネル・メモリー(MB)を指定します。


注意:

deadlock_timerパラメータは、Oracleサポート・サービスによってのみ設定されます。

1つ目の例では、最大カーネル・メモリーを設定します。2つ目の例では、Oracle ADVMにより消費される最大カーネル・メモリーの現在の設定を問い合せます。3つ目の例では、デットロック・タイマーの最大時間(分)を変更します。4つ目の例では、パラメータの現在の設定を問い合せます。

例13-79 advmutil tuneの使用方法

$ /sbin/advmutil tune max_memory = 40

$ /sbin/advmutil tune max_memory
  max_memory = 40 (0x28)

$ /sbin/advmutil tune deadlock_timer = 20

$ /sbin/advmutil tune deadlock_timer
  deadlock_timer = 20 (0x14)

advmutil volinfo

用途

advmutil volinfoは、Oracle ADVMボリューム・デバイスに関する情報を表示します。

構文および説明


advmutil -h
advmutil volinfo [-l][-L] [volume_device]

advmutil -hはヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-88に、advmutil volinfoコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-88 advmutil volinfoコマンドのオプション

オプション 説明

volume_device

任意のボリューム・デバイス名を指定します。

-l

1行のOracle ADVMボリューム・デバイス情報をフィールドの説明とコロンで区切ります。

-L

1行のOracle ADVMボリューム・デバイス情報を空白で区切ります。


advmutil volinfoは、デフォルトではOracle ADVMボリューム・デバイスに関する情報をリスト形式で表示します。Linuxでは-l(Windowsでは/l)オプションで、表示をコロンで区切られた文字列とフィールドの説明の書式に設定します。Linuxでは-L(Windowsでは/L)オプションで、表示をスクリプトに適した空白で区切られた文字列の書式に設定します。

1つ目の例では、ボリューム・デバイス名を指定してadvmutil volinfoコマンドを使用し、Oracle ADVMボリューム・デバイスに関する情報を表示します。2つ目の例では、-lオプションを使用してボリューム・デバイスに関する情報を表示します。3つ目の例では、-Lオプションを使用してボリューム・デバイスに関する情報を表示します。

例13-80 advmutil volinfoの使用方法

$ /sbin/advmutil volinfo /dev/asm/volume1-123
Device : /dev/asm/volume1-228
Interface Version: 1
Size (MB): 256
Resize Increment (MB): 32
Redundancy: mirror
Stripe Columns: 4
Stripe Width (KB): 128
Disk Group: DATA
Volume: VOLUME1
Compatible.advm : 11.2.0.0.0

$ /sbin/advmutil volinfo -l /dev/asm/volume1-228
Device : /dev/asm/volume1-228 : Interface Version : 1 : Size (MB) : 256 : 
Resize Increment (MB) : 32 : Redundancy : mirror : Stripe Columns : 4 : 
Stripe Width (KB) : 128 : Disk Group : DATA : Volume : VOLUME1 : 
Compatible.advm : 11.2.0.0.0

$ /sbin/advmutil volinfo -L /dev/asm/volume1-228
/dev/asm/volume1-228  1  256 32  mirror  4  128  DATA  VOLUME1  11.2.0.0.0