ヘッダーをスキップ
Oracle® Databaseアドバンスト・レプリケーション・マネージメントAPIリファレンス
11g リリース2 (11.2)
B72090-02
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

26 遅延トランザクション・ビュー

Oracleには、遅延トランザクションを管理するためのビューがいくつか用意されています。これらのビューは、トランザクションの接続先、トランザクションを構成する遅延コール、トランザクションの処理中に発生するエラーなど、遅延トランザクションに関する情報を提供します。

この章には、次の項が含まれます。


注意:

表を直接変更しないでください。変更が必要な場合は、DBMS_DEFERおよびDBMS_DEFER_SYSパッケージに用意されているプロシージャを使用してください。


DEFCALL

すべての遅延リモート・プロシージャ・コールが記録されます。

非同期レプリケーションを使用してキューに配置されたコールについては、3つ以上連続するNULLを含む列オブジェクトおよびオブジェクト表にはNULL圧縮が使用されます。そのため、このビューには列オブジェクトの属性やオブジェクト表の列が合計より少なく表示される場合があります。たとえばNULL圧縮のため、8つの属性を持つ列オブジェクトに5つの属性しか表示されない場合があります。

NULL圧縮はエラー・トランザクションには適用されません。

データ型 NULL 説明
CALLNO NUMBER - トランザクション処理中のコールの一意なID。
DEFERRED_TRAN_ID VARCHAR2(30) - 対応付けられたトランザクションの一意なID。
SCHEMANAME VARCHAR2(30) - 遅延コールのスキーマ名。
PACKAGENAME VARCHAR2(30) - 遅延コールのパッケージ名。レプリケート表では、表名を示す場合があります。
PROCNAME VARCHAR2(30) - 遅延コールのプロシージャ名。レプリケート表では、操作名を示す場合があります。
ARGCOUNT NUMBER - 遅延コールの引数の数。


DEFCALLDEST

各遅延リモート・プロシージャ・コールの接続先がリストされます。

データ型 NULL 説明
CALLNO NUMBER NOT NULL トランザクション処理中のコールの一意なID。
DEFERRED_TRAN_ID VARCHAR2(30) NOT NULL DEFTRANビューのDEFERRED_TRAN_ID列に対応しています。各遅延トランザクションには、1つ以上の遅延コールが含まれます。
DBLINK VARCHAR2(128) NOT NULL 接続先データベースの完全修飾名。


DEFDEFAULTDEST

Advanced Replicationを使用せず、遅延トランザクションの接続先や、トランザクション処理中のコールを指定しない場合、OracleはDEFDEFAULTDESTビューを使用して、リモート・プロシージャ・コールを遅らせるための接続先データベースを判別します。

データ型 NULL 説明
DBLINK VARCHAR2(128) NOT NULL トランザクションのレプリケート先の、完全修飾されたデータベース名。


DEFERRCOUNT

接続先に対するエラー・トランザクションの情報が含まれます。

データ型 NULL 説明
ERRCOUNT NUMBER - 接続先でエラー原因となった既存のトランザクションの数。
DESTINATION VARCHAR2(128) - 接続先を指定するためのデータベース・リンク。


DEFERROR

適用できなかった各トランザクションのIDが含まれます。このIDを使用して、このトランザクションに対応付けられたキューに入れられたコールを指定できます。これらのコールは、DEFCALLビューに格納されています。DBMS_DEFER_QUERYパッケージのプロシージャを使用して、DEFCALLビューにリストされているプロシージャに対する引数を指定できます。

データ型 NULL 説明
DEFERRED_TRAN_ID VARCHAR2(22) NOT NULL エラー原因となっているトランザクションのID。
ORIGIN_TRAN_DB VARCHAR2(128) - 遅延トランザクションを作成したデータベース。
ORIGIN_TRAN_ID VARCHAR2(22) - トランザクションの元のID。
CALLNO NUMBER - DEFERRED_TRAN_IDのコールの一意なID。
DESTINATION VARCHAR2(128) - 接続先を指定するためのデータベース・リンク。
START_TIME DATE - 元のトランザクションがエンキューされた時刻。
ERROR_NUMBER NUMBER - Oracleエラー番号。
ERROR_MSG VARCHAR2(2000) - エラー・メッセージのテキスト。
RECEIVER VARCHAR2(30) - 遅延トランザクションの元の受信者。


DEFLOB

遅延リモート・プロシージャ・コール(RPC)へのLOBパラメータが含まれます。

データ型 NULL 説明
ID RAW(16) NOT NULL LOBパラメータの識別子。
DEFERRED_TRAN_ID VARCHAR2(22) - このLOBパラメータを使用した遅延リモート・プロシージャ・コール(RPC)のトランザクションID。
BLOB_COL BLOB(4000) - LOBパラメータ(バイナリ)。
CLOB_COL CLOB(4000) - LOBパラメータ(キャラクタ)。
NCLOB_COL NCLOB(4000) - LOBパラメータ(各国語キャラクタ)。


DEFPROPAGATOR

ローカルなプロパゲータの情報が含まれます。

データ型 NULL 説明
USERNAME VARCHAR2(30) NOT NULL プロパゲータのユーザー名。
USERID NUMBER NOT NULL プロパゲータのユーザーID。
STATUS VARCHAR2(7) - プロパゲータのステータス。
CREATED DATE NOT NULL プロパゲータが登録された時刻。


DEFSCHEDULE

次にスケジュールされているジョブの実行時刻に関する情報、および伝播統計が含まれます。伝播統計は、カレント・サイトからDBLINK列で指定されたサイトへの遅延トランザクションの伝播に関するものです。

リモート・サイトの伝播統計を消去して最初から始めるには、DBMS_DEFER_SYSパッケージのCLEAR_PROP_STATISTICSプロシージャを使用します。


注意:

このビューの統計は、データベース・リンクでパラレル伝播を使用した場合のみ移入されます。パラレル伝播を使用するには、DBMS_DEFER_SYSパッケージのSCHEDULE_PUSHプロシージャを実行する際に、parallelismパラメータを1以上に設定します。


関連項目:


データ型 NULL 説明
DBLINK VARCHAR2(128) NOT NULL 遅延リモート・プロシージャ・コールを定期的に実行するマスター・サイトへの完全修飾パス名。
JOB NUMBER - DBMS_DEFER_SYS.SCHEDULE_PUSHをコールして作成したジョブに割り当てられる番号。ジョブの実行内容を判別するには、USER_JOBSビューのWHAT列に問い合せます。
INTERVAL VARCHAR2(200) - 次回遅延トランザクション・キューをプッシュする時刻を計算するためのファンクション。
NEXT_DATE DATE - 次回のジョブ実行日。
LAST_DATE DATE - 前回キューがプッシュされた日付、または前回この送信先に対してリモート・プロシージャ・コールのプッシュを試みた日付。
DISABLED CHAR(1) - Yの場合、接続先への伝播は無効です。

Nの場合、接続先への伝播は有効です。

LAST_TXN_COUNT NUMBER - 前回の実行でプッシュしたトランザクションの数。
LAST_ERROR_NUMBER NUMBER - 前回のプッシュでのOracleエラー番号。
LAST_ERROR_MESSAGE VARCHAR2(2000) - 前回のプッシュでのエラー・メッセージ。
CATCHUP RAW(16) NOT NULL マスター・グループを静止せずに追加される新しいマスター・サイトに対応付けられた拡張識別子。マスター・サイトに拡張識別子がない場合、この値は00になります。
TOTAL_TXN_COUNT NUMBER - 正常終了したトランザクションとエラー・トランザクションの合計数。
AVG_THROUGHPUT NUMBER - パラレル伝播を使用して1秒間に伝播されるトランザクションの平均数。トランザクションには、正常に適用されたトランザクションとリモート・サイトで作成されたエラー・トランザクションの両方が含まれます。伝播コーディネータがアクティブでなかった(スリープ状態だった)間の経過時間も、計算に含まれます。
AVG_LATENCY NUMBER - トランザクションがリモート・サイトで正常に適用された場合、カレント・サイトでのトランザクションの最初のコールからリモート・サイトでトランザクションが適用されたという確認までの平均秒数。最初のコールはトランザクションがコミットされた時点ではなく、ユーザーが最初にデータ操作言語(DML)に変更を加えた時点から開始されます。

トランザクションがエラー・トランザクションの場合、カレント・サイトでのトランザクションの最初のコールからリモート・サイトでエラー・トランザクションがコミットされたという確認までの平均秒数。

TOTAL_BYTES_SENT NUMBER - レプリケート・データおよびメタデータを含む、送信されたバイトの合計数。
TOTAL_BYTES_RECEIVED NUMBER - 伝播の確認メッセージで受信されたバイトの合計数。
TOTAL_ROUND_TRIPS NUMBER - データをレプリケートする際に完了した、ネットワークのラウンドトリップの合計数。ラウンドトリップとは、連続して受信される1つ以上のメッセージが後に続く、連続して送信される1つ以上のメッセージです。つまり、サイトAがサイトBに20のメッセージを送り、次にサイトBがサイトAに1つのメッセージを送ると、それで1つのラウンドトリップになります。
TOTAL_ADMIN_COUNT NUMBER - 受信サイトで適用されたトランザクション情報のメンテナンスのため送信された管理要求の合計数。受信サイトは、DBLINK列で指定されたサイトになります。この特別な管理はパラレル伝播でのみ必要です。
TOTAL_ERROR_COUNT NUMBER - リモート・エラーが作成された、競合解消不可能な競合の合計数。
TOTAL_SLEEP_TIME NUMBER - 伝播コーディネータがアクティブでなかった(スリープ状態だった)合計秒数。伝播コーディネータがスリープ状態になる時間の長さは、DBMS_DEFER_SYS.PUSHファンクションのdelay_secondsパラメータを使用して制御します。
DISABLED_INTERNALLY_SET VARCHAR2(1) - この値はDISABLEDYの場合のみ使用できます。

DISABLED_INTERNALLY_SETYの場合は、伝播の同期についてはOracle内部で、マスター・グループを静止せずに新しいマスター・サイトを追加する際は接続先への伝播が使用禁止に設定されています。伝播はのちに自動的に使用可能になります。

DISABLED_INTERNALLY_SETNの場合、伝播は内部で使用禁止にはされていません。



DEFTRAN

カレント・サイトで遅延トランザクション・キューにある遅延トランザクションをすべて記録します。

データ型 NULL 説明
DEFERRED_TRAN_ID VARCHAR2(30) - コールをエンキューしたトランザクションID。
DELIVERY_ORDER NUMBER - キュー内の遅延トランザクションの順序を決定する識別子。識別子は、元のトランザクションのSCNから派生しています。
DESTINATION_LIST VARCHAR2(1) - Rの場合、接続先はALL_REPSITESビューによって決定されます。

Dの場合、接続先はDEFDEFAULTDESTビュー、あるいはTRANSACTIONプロシージャまたはCALLプロシージャのNODE_LIST引数によって決定されます。

START_TIME DATE - 元のトランザクションがエンキューされた時刻。


DEFTRANDEST

カレント・サイトで遅延トランザクション・キューにある各遅延トランザクションの接続先をリストします。

データ型 NULL 説明
DEFERRED_TRAN_ID VARCHAR2(30) NOT NULL 指定されたデータベース・リンクにレプリケートするトランザクションのID。
DELIVERY_ORDER NUMBER - キュー内の遅延トランザクションの順序を決定する識別子。識別子は、元のトランザクションのSCNから派生しています。
DBLINK VARCHAR2(128) NOT NULL 接続先データベースの完全修飾名。