Oracleでは、スキーマSCOTT
を2つの重要な表EMP
およびDEPT
とともに長い間使用していました。Oracle Databaseのテクノロジの進歩に伴い、これらの表は、Oracle Databaseおよびその他のOracle製品の最も基本的な機能を表すには不十分になってきました。その結果、製品マニュアル、教育用ソフトウェア、ソフトウェア開発およびアプリケーションのデモの要件を満たすために、他の多くのスキーマが長年にわたって作成されてきました。
この章には、次の項が含まれます。
Oracle Databaseサンプル・スキーマは、Oracleデータベースの各リリースにおけるサンプルを共通化することを目的としています。Oracleデータベースのすべてのドキュメントおよび研修資料は、これらの資料が更新される際に、サンプル・スキーマ環境にあわせて変更されています。
Oracle Databaseサンプル・スキーマは、連結されたスキーマのセットです。このスキーマのセットは、複雑さに対して次のように階層化されたアプローチを提供します。
基本的な項目を説明するための単純なスキーマHuman Resources(HR
)。このスキーマの拡張機能では、Oracle Internet Directoryのデモをサポートしています。
中間レベルの複雑な状態を扱うための2つ目のスキーマOrder Entry(OE
)。このスキーマでは、非スカラー・データ型を含む多数のデータ型を使用できます。
Online Catalog(OC
)サブスキーマは、OE
スキーマ内部に作成されたオブジェクト・リレーショナル・データベースのオブジェクトの集合です。
マルチメディア・データ型専用のスキーマProduct Media(PM
)。
Oracle Advanced Queuing機能のデモのために主スキーマ名Information Exchange(IX
)の下に収集されたスキーマのセット。
大量のデータのデモを可能にするために設計されたSales Historyスキーマ(SH
)。このスキーマの拡張機能では、拡張分析処理をサポートしています。
サンプル・スキーマは、次の設計方針に基づいて作成され、品質が向上しています。
簡単な使用方法。HR
およびOE
スキーマは、意図的に単純になっています。機能の追加によって複雑になりすぎないようになっています。データベースの簡単な使用方法から中級の使用方法まで、段階分けされた使用方法を提供することを目的としています。
通常のユーザーとの関連性。基本的なスキーマと拡張機能では、通常使用する機能を最優先します。最も一般的に使用されるデータベース・オブジェクトのみが、スキーマで自動的に作成されます。スキーマのセット全体で、追加機能を示すために拡張可能な基盤が提供されます。
拡張性。サンプル・スキーマでは、基本的な範囲を超えた機能のデモ用のオブジェクトを追加するための論理的および物理的な基盤が提供されています。
関連性。サンプル・スキーマは、E-Businessやその他の重要な業界動向(XMLなど)に適用できるように設計されています。これによって使用方法が複雑になる場合は、スキーマ拡張機能を使用して、業界動向に焦点を合せることができます。
サンプル・スキーマの利点は次のとおりです。
コンテキストの一貫性。同じ表セットがいたるところにあれば、ユーザー、研修受講者および開発者は、スキーマに時間をかけることなく、技術的な概念を理解することに、より多くの時間を費やすことができます。
有用性。これらのシード・データベースのスキーマを使用して、Oracleマニュアルおよび研修資料に記載されたサンプルを実行できます。サンプルを直接使用することにより、概念の理解とアプリケーション開発が容易になります。
品質。サンプル・スキーマを構築する作成スクリプトとスキーマに対して実行されるサンプルの両方を集中的に管理しテストすることによって、Oracleマニュアルと研修資料の品質が向上します。