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Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B55899-01
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4 ドメインの作成

この章では、構成ウィザード、Oracle WebLogic Server管理コンソール、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle WSM Policy Managerを使用してドメインを作成する方法を説明します。ドメインを拡張して、SOAコンポーネントを追加できるほか、必要に応じてOracle Business Activity Monitoringを追加することもできます。


重要:

セットアップのプロセスを開始する前に、リリース・ノートに目を通してインストールとデプロイメントに関する補足の考慮事項を確認しておくことを強くお薦めします。

この章の項目は次のとおりです。

4.1 Oracle Fusion Middlewareホームのインストール

第2.3項「共有記憶域と推奨ディレクトリ構造」の説明にあるように、Oracle Fusion Middlewareは、冗長性を確保するために2箇所以上の記憶域にインストールします。

インストールが必要なOracle Fusion Middlewareのコンポーネントは次のとおりです。

4.1.1 Oracle WebLogic Serverのインストール

次の手順を実行して、Oracle WebLogic ServerをSOAHOST1とSOAHOST2にインストールします。

  1. Oracle WebLogic Serverインストーラを起動します。

  2. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。

  3. 「ミドルウェア・ホーム・ディレクトリの選択」画面で、次の手順を実行します。

    • 新しいミドルウェア・ホームを作成する」を選択します。

    • 「ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ」にORACLE_BASE/product/fmwと入力します。


      注意:

      ORACLE_BASEは、Oracle製品のインストール先であるベース・ディレクトリです。このディレクトリは/u01/app/oracleとすることをお薦めします。詳細は、第2.3項「共有記憶域と推奨ディレクトリ構造」を参照してください。

    次へ」をクリックします。

  4. 「セキュリティ更新のための登録」画面で、セキュリティ更新の通知を受け取る連絡先の情報を入力して、「次へ」をクリックします。

  5. 「インストール・タイプの選択」画面で、「カスタム」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「製品とコンポーネントの選択」画面で「次へ」をクリックします。

  7. 「JDKの選択」画面で、「Oracle JRockit 1.6.0_05 SDKのみを選択して「次へ」をクリックします。

  8. 「製品インストール・ディレクトリの選択」画面で、表示されているディレクトリORACLE_BASE/product/fmw/wlserver_10.3をそのまま使用して「次へ」をクリックします。

  9. 「インストールの概要」画面で「次へ」をクリックします。

  10. 「インストール完了」画面で、「Quickstartの実行」を選択解除して「完了」をクリックします。

4.1.2 Oracle Fusion Middleware for SOAのインストール

次の手順を実行して、Oracle Fusion Middleware for SOAをSOAHOST1とSOAHOST2にインストールします。

  1. Linuxプラットフォームで、/etc/oraInst.locファイルが存在する場合はその内容が正しいことを確認します。具体的には、インベントリ・ディレクトリが正しいことおよびそのディレクトリに対する書込み権限があることを確認します。

    /etc/oraInst.locファイルが存在しない場合は、この手順を省略してもかまいません。

  2. Oracle Fusion Middleware for SOAのインストーラを起動します。

    SOAHOST1> runInstaller
    

    インストーラからJRE/JDKの場所を指定することを要求された場合は、Oracle WebLogic Serverのインストール時に作成したOracle SDKの場所を入力します。たとえば、ORACLE_BASE/product/fmw/jrockit_160_05_R27.6.2-20とします。

  3. 「インベントリ・ディレクトリの指定」画面で、次の手順を実行します。

    1. HOME/oraInventoryと入力します。ここでHOMEは、インストールを実行しているユーザーのホーム・ディレクトリです(推奨の場所)。

    2. インストールを実行しているユーザーのOSグループを入力します。

    3. 次へ」をクリックします。

    画面上の指示に従い、root権限で/createCentralInventory.shを実行します。「OK」をクリックします。

  4. 「ようこそ」画面で、「次へ」をクリックします。

  5. 「前提条件のチェック」画面で、チェックが正常に完了したことを確認して、「次へ」をクリックします。

  6. インストール先を指定します。すでにインストールされているミドルウェア・ホームをドロップダウン・リストから選択します。Oracleホーム・ディレクトリとして、ディレクトリ名soaを入力します。

    次へ」をクリックします。

  7. 「インストール・サマリー」画面で「インストール」をクリックします。

  8. 「インストール完了」画面で「終了」をクリックします。

4.2 インストールのバックアップ

この時点でFusion Middlewareホームをバックアップする必要があります(まず、サーバーが停止していることを確認します)。

SOAHOST1> tar -cvpf fmwhomeback.tar ORACLE_BASE/product/fmw

これにより、Oracle WebLogic ServerとOracle Fusion Middleware for SOAの両方のインストール・ファイルのバックアップが作成されます。

4.3 SOAHOST1上でのSOAHOST1VHN1の有効化

SOAがインストールされているかどうかにかかわらず、この手順は管理サーバーのフェイルオーバーを可能にするために必要です。

管理サーバーを仮想IP(SOAHOST1VHN1)と関連付けます。SOAHOST1上でSOAHOST1VHN1が有効になっていることを確認します。

Linux上で仮想IPを有効にするには、root権限で次のようにifconfigコマンドを実行します。

/sbin/ifconfig <interface:index> <IPAddress> netmask <netmask>
/sbin/arping -q -U -c 3 -I <interface< <IPAddress>

次に例を示します。

/sbin/ifconfig ethX:Y 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0

次の例のように、ネットワークで仮想IPの新しい場所を登録できるようにします。

/sbin/arping -q -U -c 3 -I ethX 100.200.140.206

次の例のように、別のノードからこのアドレスにpingを実行して、このアドレスが使用可能であることを確認します。

/bin/ping 100.200.140.206

この例で、ethXはイーサネット・インタフェース(eth0またはeth1)、Yはインデックス(0、1、2など)です。

4.4 SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成

SOAホーム・ディレクトリで構成ウィザードを実行して、管理サーバーとOracle Web Services Managerを持つドメインを作成します。後で、SOAコンポーネントを収めるようにこのドメインを拡張します。

  1. リポジトリをインストールしたデータベースを実行していることを確認します。RACデータベースの場合は、後で実行する検証チェックの信頼性を確保するために、すべてのインスタンスを実行しておくことをお薦めします。

  2. ディレクトリを構成ウィザードの場所に変更します。これはSOAホーム・ディレクトリ内にあります。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    

    注意:

    Oracle WSM Policy ManagerとJRF(Java Required Files)は、デフォルトではOracle Fusion Middleware構成ウィザードに表示されません。これらの製品の表示を手動で有効にする必要があります。このためには、次のJVMプロパティをconfig.shスクリプトに渡します。

    -DTemplateCatalog.enable.selectable.all=true

    このプロパティをスクリプトに渡すには、CONFIG_JVM_ARGS環境変数を-DTemplateCatalog.enable.selectable.all=trueに設定します。./config.shを使用してOracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始すると、このプロパティがスクリプトに渡されます。


  3. Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始します。

    SOAHOST1> ./config.sh
    
  4. 「ようこそ」画面で、「新しいWebLogicドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「ドメイン・ソースの選択」画面が表示されます(図4-1)。

    図4-1「ドメイン・ソースの選択」画面

    図4-1の説明
    「図4-1 「ドメイン・ソースの選択」画面」の説明

    「ドメイン・ソースの選択」画面で、次の手順を実行します。

    • 以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」を選択します。

    • 次の製品を選択します。

      • Oracle WSM Policy Manager - 11.1.1.0 [as11gr1soa]

      • Oracle Enterprise Manager(このオプションを選択すると他のいくつかのテンプレートが自動的に選択されます)

      • Oracle JRF(これは自動的に選択されます)

    いくつかのターゲットを間違って選択解除した場合は、この画面で次の項目が選択されていることを確認します。

    • Oracle Enterprise Manager

    • emasTemplate

    • emaiTemplate

    • Oracle SOA Management Extension

    • Oracle WebCenterEM

    • Oracle JRF

    • Oracle WSM Policy Manager

    次へ」をクリックします。

  6. 「ドメイン名と場所の指定」画面で、ドメイン名(soaedg_domain)を入力します。

    第2章「データベースと環境の事前構成」で推奨されているディレクトリおよび共有記憶域マウント・ポイントと、このドメイン・ディレクトリが一致していることを確認します。ドメイン・ディレクトリとしてORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/を入力し、アプリケーション・ディレクトリとしてORACLE_BASE/admin/<domain_name>/appsを入力します。このドメインは共有記憶域内にある必要があります。

  7. 次へ」をクリックします。

  8. 「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面で、ドメインの管理者が使用するユーザー名とパスワードを入力します。

    次へ」をクリックします。

  9. 「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • 「WebLogicドメインの起動モード」には、「本番モード」を選択します。

    • 「JDKの選択」では、「JROCKIT SDK1.6.0_05」を選択します。

    次へ」をクリックします。

  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面で、次の手順を実行します。

    1. OWSM MDSスキーマを選択します。

    2. 次のパネルで選択したコンポーネント・スキーマをRACマルチ・データ・ソース・スキーマとして構成します。」を選択します。

    3. 次へ」をクリックします。

  11. 「RACマルチ・データ・ソース・コンポーネント・スキーマの構成」画面が表示されます(図4-2)。

    図4-2「RACマルチ・データ・ソース・コンポーネント・スキーマの構成」画面

    「RACマルチ・データ・ソース・コンポーネント・スキーマの構成」画面

    この画面で、次の手順を実行します。

    1. 次の各フィールドに値を入力して、RCUでシードされたRACデータベースの接続情報を指定します。

      • ドライバ: 「Oracle driver (Thin) for RAC Service-Instance connections, Versions:10, 11」を選択します。

      • サービス名: データベースのサービス名を入力します(soaedg.mycompany.comなど)。

      • ユーザー名: スキーマの完全なユーザー名(接頭辞を含む)を入力します。

      • パスワード: スキーマへのアクセスに使用するパスワードを入力します。

    2. ホスト名、インスタンス名およびポートを入力します。

    3. 追加」をクリックします。

    4. この手順をRACインスタンスごとに実行します。

    5. 次へ」をクリックします。

  12. 「JDBCデータ・ソースのテスト」画面で、各接続のテストが自動的に行われます。「ステータス」列に結果が表示されます。すべての接続が正常に確立したことを確認してください。正常に接続できない場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力内容を修正します。

    すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

  13. 「詳細構成の選択」画面で、次の項目を選択します。

    • 管理サーバー

    • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

    • デプロイメントとサービス

    次へ」をクリックします。

  14. 「管理サーバーの構成」画面で、次の値を入力します。

    • 名前: AdminServer

    • リスニング・アドレス: SOAHOST1VHN1

    • リスニング・ポート: 7001

    • SSLリスニング・ポート: 該当なし

    • SSL有効: 選択解除

    次へ」をクリックします。

  15. 「管理対象サーバーの構成」画面で、「追加」をクリックして次の管理対象サーバーを追加します。

    表4-1 管理対象サーバー

    名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効

    WLS_WSM1

    SOAHOST1

    7010

    n/a

    いいえ

    WLS_WSM2

    SOAHOST2

    7010

    n/a

    いいえ


    次へ」をクリックします。

  16. 「クラスタの構成」画面で、「追加」をクリックして次のクラスタを追加します。

    表4-2 クラスタ

    名前 クラスタ・メッセージング・モード マルチキャスト・アドレス マルチキャスト・ポート クラスタ・アドレス

    WSM-PM_Cluster

    ユニキャスト

    n/a

    n/a

    空白


    次へ」をクリックします。

  17. 「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをクラスタに割り当てます。

    • WSM-PM_Cluster:

      • WLS_WSM1

      • WLS_WSM2

    次へ」をクリックします。

  18. 「マシンの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • UNIXマシン」タブをクリックし、「追加」をクリックして次のマシンを追加します。

      表4-3 マシン

      名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス

      SOAHOST1

      SOAHOST1

      SOAHOST2

      SOAHOST2


      その他すべてのフィールドはデフォルト値のままにします。

    次へ」をクリックします。

  19. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

    • SOAHOST1:

      • AdminServer

      • WLS_WSM1

    • SOAHOST2:

      • WLS_WSM2

    次へ」をクリックします。

  20. 「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、「oracle.wsm.seedpolicies」が「WSM-PM_Cluster」にターゲット設定されていることを確認します。また、「DMSアプリケーション」が「WSM_Cluster」と「管理サーバー」にターゲット設定されていることを確認します。「次へ」をクリックします。

  21. 「サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、次のように選択します。

    • 左側で「WSM-PM_Cluster」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    • 左側で「管理サーバー」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    この画面では、OWSM起動クラスを除いて、すべてのサービスとJDBCシステム・リソースがAdminServerにターゲット設定されていることを確認します。OWSM起動クラスとJDBCシステム・リソースがWSM-PM_Clusterにターゲット設定されていることを確認します。

  22. 「構成サマリー」画面で「作成」をクリックします。

  23. 「ドメインの作成」画面で「完了」をクリックします。

4.5 管理サーバーと同じノードでの管理対象サーバー用独立ドメイン・ディレクトリの作成

packコマンドおよびunpackコマンドを使用して、管理サーバーが使用するドメイン・ディレクトリを、SOAHOST1で管理対象サーバーが使用するドメイン・ディレクトリから分離します。ディレクトリを分離するこの処理は、第2章「データベースと環境の事前構成」で推奨されています。

  1. 次のように、packコマンドをSOAHOST1上で実行してテンプレート・パックを作成します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    
    SOAHOST1> ./pack.sh -managed=true -domain=ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name> -template=soadomaintemplate.jar -template_name=soa_domain_template
    
  2. 次のように、unpackコマンドをSOAHOST1上で実行して、このテンプレートを管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに解凍します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    
    SOAHOST1> ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/mserver/<domain_name> -template=soadomaintemplate.jar
    

4.6 SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成

SOAHOST1上で管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成します。boot.propertiesファイルを使用すると、管理者のユーザー名とパスワードを入力しなくても管理サーバーを起動できるようになります。

管理サーバー用:

  1. 次のディレクトリ構造を作成します。

    mkdir ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/servers
    
    mkdir ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/servers/AdminServer
    
    mkdir ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/servers/AdminServer/security
    
  2. テキスト・エディタで、次の行を記述したboot.propertiesというファイルを、前の手順で作成した最後のディレクトリに作成します。

    username=<adminuser>
    password=<password>
    

    注意:

    管理サーバーを起動すると、ファイル内のユーザー名とパスワードのエントリは暗号化されます。管理サーバーは、第4.7項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順で起動します。

    セキュリティ上の理由から、ファイル内のエントリが暗号化されていない時間を短くする必要があります。ファイルを編集した後、できるだけ速やかにサーバーを起動し、エントリを暗号化してください。


4.7 SOAHOST1での管理サーバーの起動

管理サーバーを起動します。

SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/bin
SOAHOST1> ./startWebLogic.sh

4.8 管理サーバーの検証

次の手順を実行して、管理サーバーが適切に構成されていることを確認します。

  1. ブラウザで、http://SOAHOST1VHN1:7001/consoleにアクセスします。

  2. 管理者としてログインします。

  3. 管理対象サーバーとしてWLS_WSM1とWLS_WSM2が表示されていることを確認します。

  4. WSM-PM_Clusterクラスタが表示されていることを確認します。

  5. http://SOAHOST1VHN1:7001/emでOracle Enterprise Managerにアクセスできることを確認します。

  6. 第4.6項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してEMコンソールにログインします。

4.9 Oracle WebLogic管理サーバーとWLS_WSM1管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

この手順は、管理サーバーで様々なノードを認証するための適切な証明書を設定していない場合に必要です(第7章「ノード・マネージャの設定」を参照)。サーバー証明書を構成していないと、様々なWebLogicサーバーを管理する際にエラーが発生します。このエラーを回避するには、トポロジの設定と検証を行う際にホスト名の検証を無効にし、EDGトポロジの構成完了後に第7章「ノード・マネージャの設定」の説明に従って再びホスト名の検証を有効にします。

ホスト名検証を無効にする手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. サーバー」をクリックします。「サーバーの概要」ページが表示されます。

  5. 表の「名前」列の「AdminServer(admin)」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. SSL」タブをクリックします。

  7. 詳細」をクリックします。

  8. 「ホスト名の検証」を「なし」に設定します。

  9. 保存」をクリックします。

  10. WLS_WSM1サーバーについて手順4〜8を繰り返します。

  11. 変更を保存してアクティブ化します。

  12. この変更内容を有効にするには、管理サーバーを再起動する必要があります。このためには、次の手順を実行します。

    1. 「サーバーの概要」画面で、「制御」タブを選択します。

    2. 表で「AdminServer(admin)」を選択して、「停止」をクリックします。

    3. コマンド・ラインで次を実行して、管理サーバーを再び起動します。

      SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/bin
      SOAHOST1> ./startWebLogic.sh
      

4.10 SOAHOST1でのノード・マネージャの起動

次の手順を実行して、SOAHOST1上でノード・マネージャを起動します。

  1. ノード・マネージャを起動する前に、ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/binディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行し、StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    SOAHOST1> ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロード失敗などの問題を回避するために、StartScriptEnabledプロパティを使用する必要があります。第10.6.5項「SOAサーバーの再起動に失敗したためにポリシー移行が未完になる」も参照してください。

  2. ノード・マネージャを起動します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/wlserver_10.3/server/bin
    SOAHOST1> ./startNodeManager.sh
    

4.11 WLS_WSM1管理対象サーバーの起動と検証

次の手順を実行して、WLS_WSM1管理対象サーバーを起動し、このサーバーが正しく構成されていることを確認します。

  1. 次の手順に従い、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_WSM1管理対象サーバーを起動します。

    1. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

    2. サーバー」を選択します。「サーバーの概要」ページが表示されます。

    3. 制御」タブをクリックします。

    4. WLS_WSM1」を選択して、「起動」をクリックします。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第10.6項「トラブルシューティング」を参照してください。

  3. http://SOAHOST1:7010/wsm-pmにアクセスします。

  4. ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。データ・ストアで使用できるポリシーとアサーション・テンプレートのリストが表示されます。


    注意:

    ポリシーやアサーション・テンプレートがまったく表示されない場合は、構成が正しくありません。

4.12 unpackユーティリティを使用したSOAHOST2へのドメイン構成の伝播

次の手順を実行してドメイン構成を伝播します。

  1. 次のコマンドをSOAHOST1上で実行して、前の手順で作成したテンプレート・ファイルをコピーします。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    
    SOAHOST1> scp soadomaintemplate.jar oracle@SOAHOST2:/ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    
  2. unpackコマンドをSOAHOST2で実行し、伝播されたテンプレートを解凍します。


    注意:

    unpackは、WL_HOME/common/binディレクトリではなくORACLE_HOME/common/binディレクトリで実行してください。

    SOAHOST2> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    SOAHOST2> ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/mserver/<domain_name> -template=soadomaintemplate.jar
    

    注意:

    unpackを実行する前に、ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/mserverディレクトリが存在している必要があります。

4.13 WLS_WSM2管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

この手順は、管理サーバーで様々なノードを認証するための適切な証明書を設定していない場合に必要です(第7章「ノード・マネージャの設定」を参照)。サーバー証明書を構成していないと、様々なWebLogicサーバーを管理する際にエラーが発生します。このエラーを回避するには、トポロジの設定と検証を行う際にホスト名の検証を無効にし、EDGトポロジの構成完了後に第7章「ノード・マネージャの設定」の説明に従って再びホスト名の検証を有効にします。

ホスト名検証を無効にする手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. サーバー」をクリックします。「サーバーの概要」ページが表示されます。

  5. 表の「名前」列の「WLS_WSM2」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. SSL」タブをクリックします。

  7. 詳細」をクリックします。

  8. 「ホスト名の検証」を「なし」に設定します。

  9. 変更を保存してアクティブ化します。

4.14 SOAHOST2でのノード・マネージャの起動

次の手順を実行して、SOAHOST2上でノード・マネージャを起動します。

  1. ノード・マネージャを起動する前に、ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/binディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行し、StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定します。

    SOAHOST2> cd ORACLE_BASE/product/fmw/soa/common/bin
    SOAHOST2> ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロード失敗などの問題を回避するために、StartScriptEnabledプロパティを使用する必要があります。第10.6.5項「SOAサーバーの再起動に失敗したためにポリシー移行が未完になる」も参照してください。

  2. ノード・マネージャを起動します。

    SOAHOST2> cd ORACLE_BASE/product/fmw/wlserver_10.3/server/bin
    SOAHOST2> ./startNodeManager.sh
    

4.15 WLS_WSM2管理対象サーバーの起動と検証

次の手順を実行して、WLS_WSM2管理対象サーバーを起動し、このサーバーが正しく構成されていることを確認します。

  1. 管理コンソールを使用してWLS_WSM2管理対象サーバーを起動します。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第10.6項「トラブルシューティング」を参照してください。

  3. http://SOAHOST2:7010/wsm-pmにアクセスします。

  4. 「ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

4.16 管理サーバーとWLS_WSM-PMn管理対象サーバーについてのOracle HTTP Serverの構成

WLS_WSM-PMn管理対象サーバーが属するWSM-PM_Clusterと管理サーバーにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするには、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定する必要があります。

  1. WEBHOST1とWEBHOST2で、ORACLE_BASE/admin/<instance_name>/config/OHS/<component_name>/mod_wl_ohs.confファイルに次の行を追加します。

    # WSM-PM
    <Location /wsm-pm>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010
    </Location>
    
    # Admin Server and EM
    <Location /console>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost SOAHOST1VHN1
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    <Location /consolehelp>
        SetHandler weblogic-handler
         WebLogicHost SOAHOST1VHN1
        WeblogicPort 7001
     </Location>
    <Location /em>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost SOAHOST1VHN1
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    
  2. mod_wl_ohsファイルと同じディレクトリに格納されているhttpd.confファイルに、次の行が記述されていることを確認します。

    NameVirtualHost *:7777
    <VirtualHost *:7777>
        ServerName https://soa.mycompany.com:443
        ServerAdmin you@your.address
        RewriteEngine On
        RewriteOptions inherit
    </VirtualHost>
    
    NameVirtualHost *:7777
    <VirtualHost *:7777>
        ServerName admin.mycompany.com:80
        ServerAdmin you@your.address
        RewriteEngine On
        RewriteOptions inherit
    </VirtualHost>
    

    注意:

    ここであげているsoa.mycompany.com:4437777admin.mycompany:80you@youraddressなどの値は、単なる例です。これらのかわりに、実際の環境に基づいた値を入力してください。

  3. WEBHOST1およびWEBHOST2の両方で、Oracle HTTP Serverを再起動します。

    WEBHOST1> ORACLE_BASE/admin/<instance_name>/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs1
    
    WEBHOST2> ORACLE_BASE/admin/<instance_name>/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs2
    

WebLogicClusterパラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverの起動時には、リストに記述したクラスタ・メンバーを実行している必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のメンバー、失敗したメンバーおよびリカバリしたメンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。

次に例を示します。

WebLogic Serverプラグインの詳細は、Oracle WebLogic ServerでWeb Serverプラグインを使用するOracle Fusion Middlewareのガイドを参照してください。

4.17 WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録

Oracle HTTP Serverは、WebLogic Serverにリクエストを転送する必要があります。このためには、次のコマンドを使用してOracle HTTP ServerをWebLogic Serverに登録する必要があります。

WEBHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/<instance_name>/bin

WEBHOST1> ./opmnctl registerinstance -adminHost SOAHOST1VHN1 -adminPort 7001 -adminUsername weblogic

このコマンドは、OHS2に対してWEBHOST2からも実行する必要があります。

4.18 管理コンソールのフロントエンドURLの設定

Oracle WLS管理コンソール・アプリケーションは、コンソールを使用してポート、チャネルおよびセキュリティに発生した変更を追跡します。コンソールを通じて発生した変更がアクティブになると、コンソールはその現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。リスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効な場合、コンソールはホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換え、HTTPリクエストをリダイレクトます。LBRを使用して管理コンソールにアクセスしている場合は、ユーザーのブラウザが適切なLBRアドレスにリダイレクトされるように、管理サーバーのフロントエンドURLを変更する必要があります。このためには、次の手順を実行します。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. サーバー」をクリックして、「サーバーの概要」ページを開きます。

  5. 表の「名前」列で「管理サーバー」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. プロトコル」タブをクリックします。

  7. HTTP」タブをクリックします。

  8. フロントエンド・ホスト」フィールドをsoa.mycompany.com(自分のLBRアドレス)に設定します。

  9. 変更を保存してアクティブ化します。

4.19 Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第10.6項「トラブルシューティング」を参照してください。

次のURLを使用し、両方のOracle HTTP Serverを介してWSM_Clusterを検証します。

ロード・バランサを介したシステム・アクセスの構成は、第2.2.2項「ロード・バランサ」を参照してください。


注意:

第4.17項「WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録」の説明に従ってOracle HTTP Serverを登録すると、そのOracle HTTP Serverは管理可能なターゲットとしてOracle Enterprise Manager Consoleに表示されます。これを確認するには、Enterprise Manager Consoleにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

4.20 SOAHOST2への管理サーバーの手動フェイルオーバー

ノードで障害が発生した場合は、管理サーバーを別のノードにフェイルオーバーできます。この項では、管理サーバーをSOAHOST1からSOAHOST2にフェイルオーバーする方法を説明します。

前提条件:

次の手順は、管理サーバーを別のノード(SOAHOST2)にフェイルオーバーしたうえで、同じWebLogic Serverマシン(これは物理マシンではなく論理マシンです)を引き続きその管理サーバーで使用する方法を示しています。

  1. 管理サーバーを停止します。

  2. IPを第2ノードに移行します。

    1. SOAHOST1上で次のコマンドをroot権限で実行します(X:YはSOAHOST1VHN1で現在使用しているインタフェース)。

      SOAHOST1> /sbin/ifconfig ethX:Y down
      
    2. 次のコマンドをSOAHOST2上で実行します。

      SOAHOST2> /sbin/ifconfig <interface:index> <IP_Address> netmask <netmask>
      

      次に例を示します。

      /sbin/ifconfig eth0:1 10.0.0.1 netmask 255.255.255.0
      

      注意:

      使用するネットマスクとインタフェースは、SOAHOST2で使用可能なネットワーク構成と一致している必要があります。

  3. 次の例のようにarpingを使用してルーティング表を更新します。

    SOAHOST2> /sbin/arping -b -A -c 3 -I eth0 10.0.0.1
    
  4. SOAHOST2上で管理サーバーを起動します。

    SOAHOST2> cd ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/bin
    
    SOAHOST2> ./startWebLogic.sh
    
  5. 次の方法でSOAHOST2上の管理サーバーにアクセスできることをテストします。

    1. http://SOAHOST1VHN1:7001/consoleでOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスできることを確認します。

    2. http://SOAHOST1VHN1:7001/emで、Oracle Enterprise Managerを使用してコンポーネントのステータスにアクセスし、検証できることを確認します。

4.21 Oracle HTTP Serverを介したSOAHOST2へのアクセスの検証

第4.19項「Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証」と同じ手順を実行します。この目的は、SOAHOST2で実行している管理サーバーにもアクセスできることを確認することです。

4.22 SOAHOST1への管理サーバーのフェイルバック

この手順では、管理サーバーをフェイルバックできることを確認します。フェイルバックとは、SOAHOST2で実行している管理サーバーを停止し、SOAHOST1で再び管理サーバーを実行することです。このためには、次の手順に従ってSOAHOST1VHN1を元のSOAHOST1ノードに移行します。

  1. 次のコマンドをSOAHOST2上で実行します。

    SOAHOST2> /sbin/ifconfig ethZ:N down
    
  2. 次のコマンドをSOAHOST1上で実行します。

    SOAHOST1> /sbin/ifconfig ethX:Y 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0
    

    注意:

    使用するネットマスクとインタフェースは、SOAHOST1で使用可能なネットワーク構成と一致している必要があります。

  3. arpingを使用してルーティング表を更新します。次のコマンドをSOAHOST1から実行します。

    SOAHOST1> /sbin/arping -b -A -c 3 -I ethZ 100.200.140.206
    
  4. SOAHOST1上で管理サーバーを再び起動します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/<domain_name>/aserver/<domain_name>/bin
    SOAHOST1> ./startWebLogic.sh
    
    
  5. http://SOAHOST1VHN1:7001/consoleでOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスできることを確認します。

  6. http://SOAHOST1VHN1:7001/emで、Oracle Enterprise Managerを使用してコンポーネントのステータスにアクセスし、検証できることを確認します。

4.23 インストールのバックアップ

バックアップを実行してドメイン構成を保存します(その前にサーバーを停止する必要があります)。構成ファイルはすべてORACLE_BASE/admin/<domain_name>ディレクトリ以下にあります。

SOAHOST1> tar -cvpf edgdomainback.tar ORACLE_BASE/admin/<domain_name>