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Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート
11gリリース1(11.1.1) for HP-UX Itanium
B55937-01
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3 アップグレード

この章では、現在の環境およびアプリケーションをOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする場合の問題について説明します。内容は次のとおりです。

3.1 一般的な問題および回避方法

この項では、一般的な問題および回避方法について説明します。内容は次のとおりです。

3.1.1 特定のアップグレードおよび互換性の要件に対処するためのパッチ

通常、Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする前には、Oracle Application Server 10gの最新のパッチ・セットが実行されているとみなされます。

また、一部の特定の環境では、アップグレード・プロセスを開始する前にOracle Application Server 10gコンポーネントに追加のソフトウェア・パッチを適用する必要があります。これらのパッチは、Oracle Application Server 10g環境をOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする際に発生する可能性のある特定の相互運用性の問題に対処するよう設計されています。

表3-1に、Oracle Fusion Middleware 11gの特定のアップグレードおよび互換性の要件に対処するための特定のパッチ・セットを示します。

詳細は、次の項を参照してください。

表3-1 特定のアップグレードおよび互換性の要件に対処するためのパッチ

パッチ・セット番号 説明および用途 追加情報

8404955

Oracle B2Bスキーマのアップグレードを実行する前に、Oracle Application Server Integration B2B 10gリリース2(10.1.2)中間層にこの必須パッチを適用する必要があります。

このパッチ・セットは、取引パートナ契約をエクスポートする際に使用するJavaコマンドを有効化するために必要です(後述の手順を参照)。

『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』の必要に応じてB2Bスキーマをアップグレードするタスクに関する項

5746866

Oracle Application Server 10gスキーマをホストするデータベースがOracle Database 10g(10.1.0.x)データベースの場合、そのデータベースを必須のOracle Database 10g(10.2.0.4)にアップグレードする前に、このデータベース・パッチ(またはデータベース・パッチ5126270)が10g(10.1.0.x)データベースに適用済であることを確認してください。

データベース・パッチ5746866には、パッチ5126270が含まれます。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のOracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)へのアップグレードに関する項

7685124

このパッチは、Oracle Secure Enterprise SearchをOracle Portal 11gで使用する前にOracle Secure Enterprise Search(10.1.8.3.0)に適用します。

『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Portal』のOracle Secure Enterprise Searchに関する項

34.4項「相互運用性の問題および回避方法」

8372141

このパッチは、Oracle SOA Suite 10gリリース3(10.1.3.4)とOracle BPEL Process Manager 11g間の相互運用性を確保するために、Oracle Application Server 10gリリース3(10.1.3.4)環境に適用します。

このパッチは、Oracle SOA Suite 10g Release 3(10.1.3.4)Cumulative MLR #7とも呼ばれます。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードの相互運用性における特定の問題に対処するためのパッチ・セットの適用に関する項

『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』のOracle SOA Suiteクライアント・アプリケーションのアップグレードに関する項

6522654

このパッチは、Oracle BAMスキーマをアップグレードする前にOracle Databaseに適用します。

スキーマのアップグレードを実行する前にこのパッチをOracle Database 10g(10.2.0.3)、10g(10.2.0.4)またはOracle Database 11g(11.1.0.7)に適用しないと、次のエラーが発生する可能性があります。

BAM MRUA: SCHEMA UPGRADE FAILED SQLException: ORA-39002: invalid operation

My Oracle Supportにおけるこのパッチの説明は、『USING DATA PUMP THROUGH DBLINK CAUSED DATA CORRUPTION FOR CLOB VALUES』です。

『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』の必要に応じてBAMスキーマをアップグレードするタスクに関する項

7675269

このパッチは、Oracle Real Application Clusters(RAC)11g(11.1.0.7)データベースでORA-01591エラーの発生を抑止するために適用します。

このエラーは、2フェーズ・コミットが進行中のトランザクションによりロックされている行で発生する可能性があります。

My Oracle Supportにおけるこのパッチの説明は、『ODAC 2008:RAC NODE AFFINITY: DISTRIBUTED TXN ABORTS WITH ORA-01591』です。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のデータベースのアップグレードおよび準備に関する項


3.1.1.1 My Oracle Support(旧OracleMetaLink)からのパッチおよびサポート・ドキュメントの取得

パッチを取得するには、次のURLにあるMy Oracle Support(旧OracleMetaLink)にログインし、「パッチと更新版」をクリックしてパッチ番号を検索してください。

http://metalink.oracle.com/

サポート・ノートまたはドキュメントを入手するには、My Oracle Supportにログインし、「My Oracle Support」ウィンドウの一番上にあるクイック検索フィールドにサポート・ノート番号を入力して、ノート番号のナレッジ・ベースを検索します。

3.1.2 Oracle Portalのアップグレードにおける追加のデータベース要件

『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイド』の3.6.4.3項には、Oracle Portal 11gへのアップグレード前に確認しておく必要のあるデータベース・パラメータのリストが記載されています。

この項に記載されているパラメータに加え、Processes初期化パラメータが500以上に設定されていることも確認する必要があります。

3.1.3 アップグレード時のOracle Portalの互換性問題に関する説明

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』の4.3.2項と、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイド』の3.5.1項に記載されているとおり、Oracle Portalを11gにアップグレードする際に考慮する必要のある相互運用性の問題がいくつかあります。

問題を明らかにするため、Oracle Portalをアップグレードする次の手順を検討します。

  1. 10g PORTALスキーマに対してOracle Portalをインストールします。

  2. アップグレード・アシスタントを実行してOracle Portal 10g中間層を11gにアップグレードします。

  3. アップグレード・アシスタントを実行してPORTALスキーマを11gにアップグレードします。

Oracle Portalを10g PORTALスキーマに対してインストールした後で、アップグレード・アシスタントを実行してOracle Portal中間層をアップグレードする必要があります。中間層アップグレードの実行後、Oracle Portalは機能しますが、使用できるのは10gの機能のみです。

後からアップグレード・アシスタントを使用してPORTALスキーマを11gにアップグレードできます。PORTALスキーマのアップグレード後、アップグレード済のOracle Portal 11gインスタンスでは、11gの機能を完全に使用できるようになります。

3.1.4 SOAアプリケーションのアップグレード時に発生するコンポジット・モデルを読み取れないエラー

『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』には、Oracle JDeveloper 11gでOracle SOA Suite 10gアプリケーションの特定の機能を自動的に11gにアップグレードする方法が記載されています。

ただし、JDeveloper 11gでのアプリケーションのアップグレード中に次のエラーが発生しても、そのエラーは無視して問題ありません。アプリケーションはアップグレードされますが、アップグレード後に新しいSOA-SARデプロイメント・プロファイルを作成する必要があります。この新しく作成したプロファイルを使用して、SOAコンポジットをデプロイします。

SEVERE: Unable to read composite model for project project_name

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』のOracle JDeveloperで単一のSOAコンポジットをデプロイする方法に関する項を参照してください。

3.1.5 Oracle BAMのアップグレードの問題

次の項では、Oracle BAM 10gからOracle BAM 11gへのアップグレードに関連する特定の問題について説明します。

3.1.5.1 Oracle Database 10g(10.2.0.3)、10g(10.1.2.0.4)およびOracle Database 11g(11.1.0.7)でOracle BAMアップグレード・プラグインのデータ・ポンプ・エクスポートが失敗する問題

Oracle BAM 11gスキーマを11gにアップグレードする前に、Oracle Database 10g(10.2.0.3)、10g(10.1.2.0.4)およびOracle Database 11g(11.1.0.7)にパッチ6522654を適用する必要があります。

このパッチを適用しない場合、Oracle BAMスキーマのアップグレード時に次のエラーが発生する可能性があります。

BAM MRUA: SCHEMA UPGRADE FAILED SQLException: ORA-39002: invalid operation

詳細は、3.1.1項「特定のアップグレードおよび互換性の要件に対処するためのパッチ」を参照してください。

3.1.5.2 依存アラートが正しくアップグレードされない問題

Oracle BAM 10gのアラートが他のアラートに依存している場合、その依存アラートはGUID参照に基づいて親アラートへの参照を維持します。このようなアラートを10gからエクスポートする場合、そのアラートには親アラートへのGUID参照が含まれているため、Oracle BAM 11gシステムへのインポートは失敗します。

エクスポートされたアラート定義ファイルを次のように変更することで、Oracle BAM 11gシステムへのインポート時の問題を回避できます。

Oracle BAM 10gシステムからエクスポートした依存アラートのファイルの内容を編集し、親アラートに対する参照を含む次の要素を変更します。

次の内容を変更します。

<param name="RuleID" order="0">
  //private:weblogic/Rule/624567ffe84de34c-6e6bdbaa120eb7f6ea6-8000
</param>

これを次のように変更します。

<param name="RuleID" order="0">
  ParentAlertName
</param>

つまり、親アラートに対するGUID参照を親アラートの名前で置き換えます。

3.1.5.3 Oracle BAMレポートのイメージのアップグレード

Oracle BAM 10gで使用されているイメージは、Oracle BAM 11gに自動的にアップグレードされません。つまり、Oracle BAM 11gレポートでイメージを使用するには、すべてのOracle BAMイメージを手動でOracle BAM 11gに移動する必要があります。

  • 背景イメージをアップロードしている場合や、コラム・ビューにイメージを挿入している場合、それらのイメージをOracle BAM 11gにアップグレードする際に次の2つのオプションを使用できます。

    • オプション1: すべてのイメージ・ファイルをOracle BAM 10gの場所からOracle BAM 11gの場所にコピーします。

      Oracle BAM 10gの場所:

      ORACLE_HOME\BAM\images
      

      Oracle BAM 11gの場所:

      BAM_DOMAIN_HOME/servers/BAM_Managed_Server/
         /tmp/_WL_user/oracle-bam-11.1.1/
         /tmpdir/war/buildnumber/Images
      

      Oracle BAM 11gImagesディレクトリは、大/小文字が区別されるため、大文字のIで始まる必要があります。

    • オプション2: Oracle BAM 11gレポートを編集して、イメージ・ファイルを再アップロードします。

      詳細は、『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle Business Activity Monitoring』のレポートの背景設定に関する項を参照してください。

  • Oracle BAM 10gのimagesディレクトリに手動でイメージ・ファイルを配置し、それらをOracle BAM 10gのHTML計算で参照している場合、次のようにします。

    1. この項のオプション1で記載したとおり、Oracle BAM 10gディレクトリをOracle BAM 11gディレクトリの場所にコピーします。

    2. Oracle BAM 11gのHTML計算式を編集し、フォルダ参照のimagesをすべてImagesに変更します。

  • Oracle BAM 10gのカスタム・フォルダに手動でイメージ・ファイルを配置し、それらをHTML計算で参照している場合、次のようにします。

    1. 11gに対応する次のカスタム・フォルダを作成します。

      BAM_DOMAIN_HOME/servers/BAM_Managed_Server/
         /tmp/_WL_user/oracle-bam-11.1.1/
         /tmpdir/war/buildnumber/Images
      
    2. 10gのイメージをこの新しい場所にコピーします。

    3. Oracle BAM 11gのHTML計算式を編集し、フォルダ参照のimagesをすべてImagesに変更します。

3.1.6 無効なODSスキーマを原因とするOracle Internet Directoryのアップグレード時のエラー

アップグレード・アシスタントを使用してOracle Internet Directoryスキーマを10gリリース2(10.1.2.3)から11gにアップグレードする際にエラーが発生した場合、ODS 10gスキーマが有効であることを確認してください。

データベースのOracle Application Server 10gスキーマのステータスを表示するには、次のSQLコマンドを使用します。

SELECT comp_id, version, status FROM app_registry;

このコマンドの出力でODSスキーマがINVALIDであると示された場合、次のMy Oracle Supportドキュメントの指示に従って参照整合性をインストールおよび構成してください。

730360.1, "Referential Integrity in Oracle Internet Directory Version 10.1.2.3"

サポート・ドキュメントの指示を実行したら、Oracle Internet Directoryスキーマのアップグレードを再試行します。

3.1.7 同じ場所にあるOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレードが失敗する場合に必要なバックアップからのリストア

アップグレード・アシスタントを使用してOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration Platformの両方をアップグレードする場合、次のことを考慮してください。

Oracle Internet Directoryのアップグレードに失敗した場合、アップグレード・アシスタントを再実行する前に、Oracle Internet Directory 10gのバックアップをリストアする必要があります。この操作を行わないと、アップグレード・アシスタントでOracle Directory Integration Platformをアップグレードできません。

3.1.8 Oracle HTTP Serverが別のホストで実行されている場合にOracle Forms Servicesのアップグレードを検証できない問題

アップグレード・アシスタントを使用してOracle HTTP Serverのローカル・インスタンスを含まないOracle Forms Servicesインスタンスをアップグレードする場合、アップグレード・アシスタントの検証機能でアップグレードが成功したかどうかを確認できません。検証機能では、アップグレードが成功したことはレポートされず、かわりにサーバーが使用できないことがレポートされます。この検証エラーは、Oracle HTTP ServerがOracle Forms Servicesインスタンスとは異なるホストにインストールされて構成されている場合、間違っている可能性があります。

3.1.9 WebCenterセキュリティのアップグレードに関するリリース・ノート

次の不具合とリリース・ノートは、カスタムWebCenterアプリケーションを10.1.3.xからアップグレードする際のセキュリティ上の変更に関連します。

3.1.9.1 互換性フラグ・セットによりRowSetPermissionチェックが失敗する問題

10.1.3では、ADFフレームワークにより、ページ権限のチェックに加え、行セット、属性およびメソッドの権限チェックが実行されました。10.1.3アプリケーションで行セットおよび属性に対する読取り権限と、メソッドに対する実行権限をすべてのユーザーに付与している場合、アプリケーションは追加の設定なしで11R1で正常に動作します。

ただし、10.1.3アプリケーションで一部のユーザーのみに行セットおよび属性の表示とメソッドの実行を許可している場合、この種のセキュリティをサポートするために特別なフラグを設定する必要があります。このフラグを設定しない場合、11R1では権限チェックがページとタスクフローに対してのみ実行されるため、ページへのアクセス権を持つすべてのユーザーは、属性および行セットを表示し、メソッドを実行できます。このフラグは、アプリケーションごとにadf-config.xmlファイルで設定する必要があります。

   <sec:adf-security-child
xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/security/config">
    <JaasSecurityContext
initialContextFactoryClass="oracle.adf.share.security.JAASInitialContextFactory"
jaasProviderClass="oracle.adf.share.security.providers.jps.JpsSecurityContext"
                         authorizationEnforce="true"/>
                <contextEnv name="oracle.adf.security.metadata"
value="false"/>
    <CredentialStoreContext
credentialStoreClass="oracle.adf.share.security.providers.jps.CSFCredentialStore"
credentialStoreLocation="../../src/META-INF/jps-config.xml"/>
   </sec:adf-security-child>

3.1.9.2 アプリケーションに許可のない権限が含まれる場合に権限が適切に移行されない問題

10.1.3アプリケーションに許可のない権限が含まれる場合、権限は適切に移行されません。開発者は、移行を実行する前に、10.1.3ワークスペースのapp-jazn-data.xmlファイルを調査して、許可が空に設定されているすべての権限を削除する必要があります。

3.1.10 有効化されたOracle Identity Federationリソースのみがアップグレード・アシスタントによりアップグレードされる問題

Oracle Identity Federation環境で複数のデータ・ストア、認証エンジンまたはSPエンジンを構成している場合、アップグレード・アシスタントでは、有効化されたリソースのみが11gにアップグレードされます。構成されていても、有効化されていない追加のデータ・ストア、認証エンジンまたはSPエンジンは、新しいOracle Identity Federation 11g環境にアップグレードされません。

アップグレード後に、アップグレードされなかったリソースを再構成できます。また、Oracle Identity Federation 10gとは異なり、11gでは複数のリソースを一度に有効化できます。

3.1.11 ebMSとOracle B2Bを併用する場合に必要なサービス名

Oracle B2B 11gでebMSプロトコルを使用する場合、「サービス名」パラメータは必須であるため、10gデータのインポート後に状況に応じてこのフィールドの値を指定する必要があります。

ドラフト状態の契約で、「パートナ」「ドキュメント」タブのフィールドを更新します。ebMSプロトコルを使用するドキュメント定義を選択すると、「ドキュメントの詳細」領域に「ドキュメント・タイプ」「ebMS」タブが表示されます。「サービス名」フィールドはこのタブにあります。

3.1.12 Oracle B2B 11gにおけるウォレットのキーストアへの変換

Oracle B2B 11gへのアップグレード後、orapki pkcs12_to_jksオプションを使用してキーストア全体を置換します。次のようにウォレットをキーストアに変換します。

  1. 元のキーストアをバックアップします。

  2. orapki wallet pkcs12_to_jksオプションを使用してキーストアに変換します。

  3. keytool -listを使用して別名をリストし、検証します。

  4. keytool -importkeystoreを使用して、変換したキーストアを元のキーストアのバックアップ(手順1を参照)にインポートします。

3.1.13 セキュアなOracle HTTP Serverのアップグレード後のOracle HTTP Serverウォレットの移行

Oracle HTTP ServerとOracle Web Cache間の通信用にSecure Sockets Layer(SSL)を構成しており、Oracle HTTP ServerとOracle Web Cacheの両方を11gにアップグレードする場合、次のことを考慮してください。

Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを実行すると、Oracle Web Cache 11gでインストールされるデフォルト・ウォレットのかわりに、Oracle Web Cache 10g環境のSSLウォレットを使用するようにOracle Web Cache 11gが構成されます。

そのため、アップグレード・アシスタントで宛先のソースOracleホームのポートを使用オプションを選択していない場合、次のいずれかの操作を実行する必要があります。

  • Oracle Application Server 10g環境で使用していたものと同じSSLウォレットを使用し続ける場合、Oracle HTTP Server 10gで使用していたウォレットからすべての証明書をエクスポートし、それらの証明書をOracle HTTP Server 11gで使用するウォレットにインポートします。

    このタスクには、WebLogic Scripting Tool(WLST)やFusion Middleware Controlなどの任意のユーティリティを使用できます。

    詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドの一般的な証明書の操作に関する項を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware 11gで新しいSSLウォレットを使用する場合、デフォルトの11gウォレットを使用するように、Oracle Web Cache 11gとOracle HTTP Server 11gの接続に対するSSL設定を変更します。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』のオリジナル・サーバーに対するOracle Web Cache接続のSSL設定を構成するタスクに関する項を参照してください。

3.1.14 Oracle Identity Federationのアップグレード後の追加タスク

Oracle Identity Federation 11gへのアップグレード後、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド』に記載されているタスクに加え、次のアップグレード後の追加タスクを実行する必要があります。

  • SAML 1.x/WS-FEDプロトコルを使用するようにOracle Identity Federation 10gを構成している場合、Oracle Identity Federation 11gへのアップグレード後にデフォルトのシングル・サインオン・アイデンティティ・プロバイダを設定する必要があります。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Identity Federation』のサービス・プロバイダの構成に関する項を参照してください。

  • サービス・プロバイダにアイデンティティ・プロバイダの自己署名証明書をエクスポートします。

    このタスクの実行に使用する手順は、現在のサービス・プロバイダが10gまたは11gのどちらのサービス・プロバイダかによって次のように変化します。

    • 10gのサービス・プロバイダを使用している場合、次のURLにあるOracle Technology Network(OTN)のOracle Application Server 10g(10.1.4.0.1)ドキュメント・ライブラリに含まれる『Oracle Identity Federation管理者ガイド』のIdPの自己署名証明書のSPへのエクスポートに関する項を参照してください。

      http://www.oracle.com/technology/documentation/
      
    • 11gのサービス・プロバイダを使用している場合、『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Identity Federation』のSAML 1.xおよびWS-Federationのシングル・サインオンの設定に関する項を参照してください。

  • 11gのアイデンティティ・プロバイダと10gのサービス・プロバイダを使用しており、SAML 1.x/WS-FEDプロトコルを使用している場合、10gのサービス・プロバイダを構成します。

    具体的には、10gのサービス・プロバイダで、「署名証明書サブジェクトDN」と「署名証明書発行者DN」を11gのIdP形式(CN=<host>署名証明書の形式)に変更する必要があります。

    詳細は、Oracle Technology Network(OTN)のOracle Application Server 10g(10.1.4.0.1)ドキュメント・ライブラリに含まれる『Oracle Identity Federation管理者ガイド』のソースおよびアイデンティティ・プロバイダとしてのドメインの構成に関する項を参照してください。

  • Oracle Identity Federation 10gでは、「署名付アサーションの送信」を有効化します。または、Oracle Identity Federation 11gでは、「署名付アサーションが必要」を無効化します。

    10gではデフォルトで署名付きアサーションが無効化され、11gではデフォルトで署名付きアサーションが有効化されるため、この操作が必要です。

    この操作を10gと11gのどちらで実行するかに応じて、次のいずれかを参照してください。

    • 『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Identity Federation』のサービス・プロバイダの構成に関する項。

    • Oracle Technology Network(OTN)のOracle Application Server 10g(10.1.4.0.1)ドキュメント・ライブラリに含まれる『Oracle Identity Federation管理者ガイド』のアサーション・プロファイルの追加に関する項。

3.1.15 Oracle JDeveloper 10gプロジェクトのアップグレード時の推奨事項

『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』に記載されているとおり、Oracle JDeveloper 11gでOracle JDeveloper 10gのワークスペース・ファイル(.jws)を開くと、Oracle JDeveloper移行ユーティリティにより、アプリケーションがその中のすべてのプロジェクトも含め、新しいOracle JDeveloper 11g形式にアップグレードされます。

Oracle JDeveloper 10gのプロジェクト・ファイル(.jpr)は、個別にアップグレードすることもできます。ただし、.jprファイルをアップグレードする際には、次の手順を使用することをお薦めします。

  1. Oracle JDeveloper 11gを起動します。

  2. Oracle JDeveloper 11gで新規アプリケーションを作成します。

  3. .jprファイルが新しく作成したアプリケーション内のプロジェクトとなるように、そのアプリケーション内から.jprファイルを開きます。

3.2 コンポーネント固有のアップグレードに関する追加のリリース・ノート

アップグレード関連の情報は、この章に記載されているアップグレード関連のリリース・ノートに加え、コンポーネント固有の章を参照してください。たとえば、各リリース・ノートのOracle Identity Managementの章には、アップグレード関連の追加のリリース・ノートがあります。

3.3 ドキュメントの訂正箇所

この項では、ドキュメントの訂正箇所を示します。内容は次のとおりです。

3.3.1 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』の訂正箇所

『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』のリリース済バージョンには、次の問題があります。

3.3.1.1 9.6.5.2項のリリースに関する記載の間違い

Oracle BAMアラートからのWebサービスの起動に関する項の最初の文は、間違っています。正しくは次のとおりです。

「Oracle BAM 10gでは、外部アクションを呼び出してWebサービスを起動するようにアラートを構成できました。アラートを使用してWebサービスを起動するこの方法は、Oracle BAM 11gではサポートされません。」

3.3.1.2 Oracle BAMのアップグレード後の追加手順

既存のOracle BAMインストール環境のアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』を参照してください。次の内容は、このガイドに含まれる情報に対する追加事項です。

ユーザーおよびグループ

Oracle BAMスキーマの更新後、すべてのOracle BAM 10gユーザーは、Oracle BAMアドミニストレータにアクティブではないユーザーとして表示されます(これらのユーザーが11gセキュリティ・プロバイダに存在しない場合)。ただし、Oracle BAMアドミニストレータを使用して、10gユーザーを新しいOracle BAM 11gユーザーに再マップできます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』のOracle BAMオブジェクトの所有権の管理に関する項を参照してください。

状況に応じて、ユーザーおよびグループに関する次の操作を実行する必要があります。

-すべての共有フォルダ権限のリセット

-すべてのデータ・オブジェクトおよびデータ・オブジェクト・フォルダ権限のリセット

-すべてのディストリビューション・リストのリセット

-セキュリティ・フィルタのリセット

-ユーザーおよびグループに対するアラート・アクションのリセット

アラート

一部のOracle BAMアラート・アクションは、Oracle BAM 11gで削除されました。アップグレード後、それらのアクションを使用するアラートは、すべて無効になります。

Oracle BAMにより、エンタープライズ・リンクは「ODIシナリオの実行」アラート・アクションを使用するOracle Data Integratorに置き換えられたため、「プランの実行」アクションは削除されました。

エンタープライズ・メッセージ・ソース

エンタープライズ・メッセージ・ソースの定義は、Oracle BAM 10gからOracle BAM 11gに変更されているため、再作成する必要があります。

3.3.1.3 Oracle SOA Suiteコマンドライン・アップグレード・ツールによるドメイン値マップ(DVM)および相互参照のアップグレードの手順変更

Oracle SOA Suiteコマンドライン・アップグレード・ツールによるドメイン値マップ(DVM)および相互参照のアップグレードに関する項には、Oracle SOA Suiteコマンドライン・アップグレード・ツールでDVMと相互参照をアップグレードする方法が記載されています。

ただし、メタデータ・アーカイブ・ファイル(MAR)のデプロイ方法が変更されたため、この手順にあるMDSリポジトリにアーカイブ・ファイルをインポートするタスクは、次の手順で置き換えてください。

  1. Oracle JDeveloper 11gを起動して新規アプリケーションを作成します。

  2. Oracle SOA Suiteアーカイブを新規SOAプロジェクトにインポートします。

    1. Oracle JDeveloper 11g「ファイル」メニューで、「インポート」SOAアーカイブからSOAプロジェクトを選択します。

    2. SOAアーカイブからのSOAプロジェクト作成ダイアログ・ボックスで、左側のナビゲーション・ツリーにある「JARオプション」を選択し、「参照」をクリックしてこの手順で以前に作成したsca_XrefDvmFiles10g_rev1.0.jarファイルを検索します。

    3. 左側のナビゲーション・ツリーにある「ファイル・グループ」「プロジェクトの出力」を選択し、「アーカイブのターゲット・ディレクトリ」フィールドにXrefDvmFiles10gと入力します。

    4. 「OK」をクリックしてXrefDvmFiles10gという新規SOAプロジェクトを作成します。

      新規プロジェクトは、空のコンポジットと、アップグレードされたXRefおよびDVMファイルで構成されます。

  3. XRefおよびDVMメタデータが含まれる、アプリケーションのメタデータ・アーカイブ・ファイル(MAR)を作成し、そのMARをOracle WebLogic Serverドメインにデプロイします。

    MARの作成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のSOAコンポジット・アプリケーション間で共有メタデータをデプロイおよび使用する方法に関する項を参照してください。

3.3.2 『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド』の訂正箇所

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド』のリリース済バージョンには、次の問題があります。

3.3.2.1 Oracle Identity Federationのアップグレード時に不要となった、アップグレード・アシスタントを実行する前のOracle Single Sign-Onの構成

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド』のOracle Identity Federation 11gをインストールおよび構成するタスクに関する項には、11gにアップグレードする準備としてOracle Identity Federationをインストールおよび構成する方法が記載されています。

この手順にあるOracle HTTP Server 11gでのOracle Single Sign-Onの構成タスクは、アップグレード・アシスタントを後で実行するときに自動的に行われるようになったため、不要になりました。

3.3.3 『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイド』の訂正箇所

『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイド』のリリース済バージョンには、次の問題があります。

3.3.3.1 アップグレード時に10gポートを使用する際のOracle Reportsの追加の構成手順

『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイド』の接続先OracleインスタンスでソースOracleホーム・ポートを使用する際の重要事項に関する項には、10gで使用しているものと同じポートを11gで使用する場合に考慮する必要のあるタスクが記載されています。

特に、Fusion Middleware Controlでアップグレード済のOracle Reportsを監視する際に問題が発生した場合、Oracle Reportsコンポーネントの「エージェントの監視中のターゲット」プロパティを変更する必要があると説明されています。また、「HTTPポート」プロパティと、「サーブレットURL」プロパティで識別されたポートの両方を、10gのOracle HTTP Serverポートを反映するように変更する必要があると説明されています。

これらに加え、WLS_REPORTS J2EEアプリケーションの「サーバー」プロパティも更新する必要があります。この理由は、アップグレード時に、Oracle Reports 11gのインプロセス・サーバーの名前が、10gのインプロセス・サーバーと同じ名前を使用するように変更されるためです。