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Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B55919-01
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14 バルク操作の実行

この章の項目は次のとおりです。

14.1 バルク操作の実行の概要

大量のデータを処理する場合は通常、バルク操作は標準的なLDAP操作より効率的です。バルク操作は、コマンドライン・バルク・ツールを使用してのみ実行できます。

Oracle Identity Managementコマンドライン・ツールの使用を開始する前に、環境を構成する必要があります。これには、適切な環境変数の設定が含まれます。

このガイドに示す構文および例では、次の環境変数が設定されている必要があります。


注意:

バルク・ツールでは、属性一意性はサポートされていません。

バルク・ツールについては、この章の他に、次の項でも説明しています。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Internet Directory管理ツールに関する章


注意:

  • bulkloadを使用する前に、すべてのOracle Internet Directoryインスタンスを停止してください。他のバルク・ツールを使用する前には、すべてのOracle Internet Directoryインスタンスを停止するか、エントリ・キャッシュを無効にしてください。

  • バルク・ツールの実行中は、Oracle Internet Directoryを起動しないでください。



ヒント:

この章の構文説明では、TRUEまたはFALSE引数を次の形式で表します。
check="TRUE"

trueまたはfalseは大文字または小文字で入力することも、先頭の文字のみを指定することも、二重引用符を省略することもできます。つまり、次はすべて同じものを指定します。

check=t
check=true
check="true"
check=T
check=TRUE
check="TRUE"

14.2 サーバー・モードの変更

一部のバルク・ツール操作およびレプリケーション設定手順では、Oracle Internet Directoryインスタンスを読取り/書込みモードから読取り専用モードに、または読取り専用モードから読取り/書込みモードに切り替える必要があります。この切替えは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlまたはldapmodifyを使用して行うことができます。

サーバーが読取り専用モードの間は、管理者cn=orcladminのみがディレクトリへの書込みを実行できます。このため、ディレクトリを変更するには、cn=orcladminとしての接続を可能にするユーティリティを使用する必要があります。次のポリシーが含まれます。

サーバーが読取り専用モードの間は、WLSTまたはOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して変更を実行できません。これらのユーティリティではユーザーcn=emd admin, cn=oracle internet directoryとしてOracle Internet Directoryサーバーに接続するためです。

14.2.1 Fusion Middleware Controlを使用したサーバー・モードの設定

Fusion Middleware Controlを使用してサーバー・モードを読取り専用に設定する手順は、次のとおりです。

  1. 「Oracle Internet Directory」メニューから「管理」を選択し、「サーバー・プロパティ」を選択します。

  2. 「一般」を選択します。

  3. 「サーバー・モード」で「読取り専用」を選択します。

  4. 「適用」をクリックします。

Fusion Middleware Controlを使用してサーバー・モードを読取り/書込みモードに設定するには、同じ手順を実行しますが、手順3で「読取り/書込み」を選択します。

14.2.2 ldapmodifyを使用したサーバー・モードの設定

ldapmodifyを使用してサーバー・モードを読取り専用に設定するには、次のコマンドを実行します。

ldapmodify -D "cn=orcladmin" -q -h host_name \
            -p port -f change_mode.ldif

ここで、ファイルchange_mode.ldifの内容は次のとおりです。

dn: cn=componentname,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
changetype: modify
replace: orclservermode
orclservermode: r

ldapmodifyを使用してサーバー・モードを読取り/書込みに設定するには、同じコマンドを使用しますが、LDIFファイルの最終行を次のように変更します。

orclservermode: rw

14.3 bulkloadを使用したスキーマへのデータのロード

バルク・ローダーbulkloadは、バルク管理ツールです。このツールは、LDIFまたはSQL*Loader形式の入力データを取得し、このデータをメタデータ・リポジトリにあるOracle Internet Directoryのスキーマに直接ロードします。これには、checkgenerateおよびloadの3つの主要フェーズがあります。

checkフェーズでは、bulkloadがLDIF入力データをスキーマのために解析および検証します。

generateフェーズでは、bulkloadがSQL*Loader形式で中間ファイルを生成します。

loadフェーズでは、bulkloadは、バルク・モード・ロードまたは増分モード・ロードのいずれかの方法でロードできます。

バルク・モード・ロードは、増分モード・ロードより高速です。

バルク・ローダーでは、次の機能もサポートしています。

generateフェーズの初めに、インスタンス固有の構成エントリ内のサーバーのorclServerModeが、read/writeからread-modifyに変わります。generateフェーズの終わりには、read-modify状態のままであるため、generateフェーズとloadフェーズの間にエントリをOracle Internet Directoryに追加することはできません。これは内部の順序番号を保持するために必要です。loadフェーズは、generateフェーズの直後に実行します。loadフェーズの終わりに、サーバーのorclServerModeは、read/writeの設定に戻されます。bulkloadrecoverオプションとともに使用しても、orclServerModeread/writeに戻ります。

ロード操作の開始時、bulkloadorclRIenabledの現在の構成値を確認し、参照整合性を無効にします。ロード・フェーズの最後に、bulkloadはorclRIenabledを元の値に戻します。ただし、参照整合性違反があった場合、参照整合性は無効にされ、次のメッセージが表示されます。

There is a violation of Referential Integrity and hence it is Disabled now. 
Run the OIDDIAG tool with diagnostic option to collect the Entries 
which have dangling DN attribute values and Fix the violation

違反を修正し、orclRIenabledを希望する値に設定します。

bulkloadツールは、次の出力ファイルをORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/toolsディレクトリに生成します。

bulkloadツールは、次の出力ファイルをORACLE_INSTANCE/OID/loadディレクトリに生成します。


注意:

  • ディレクトリ・サーバー・インスタンスがレプリケーション承諾のメンバーの場合、ノードへのデータの追加にbulkloadツールを使用しないでください。かわりに、ldapaddを使用してください。

  • bulkloadを使用する前に、環境変数ORACLE_INSTANCEがOracleインスタンスのフルパス名に設定されていることを確認してください。

  • bulkload load操作を実行すると、サーバー・モードが読取り/書込みに設定されます。別のモードが必要な場合は、load操作の実行後にモードをリセットしてください。

  • 適用されるパスワード・ポリシーでpwdmustchange属性が1に設定されている場合、bulkloadによってロードされるすべての新規エントリでは、pwdreset属性がデフォルトで1に設定されます。詳細は、第27章「パスワード・ポリシーの管理」を参照してください。

  • ディレクトリへのデータの移入にbulkloadユーティリティを使用しない場合は、oidstats.sqlツールを実行して、検索パフォーマンスの大幅低下を回避する必要があります。



関連項目:

oidstats.sqlツールの説明と構文は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』oidstats.sqlコマンドライン・ツールのリファレンスを参照してください。

bulkloadツールの構文は、次のとおりです。

bulkload [connect=connect_string]
{[check="TRUE"|"FALSE" [file=ldif_file]] [generate="TRUE"|"FALSE"
[append="TRUE"|"FALSE"] [restore="TRUE"|"FALSE"] [thread=num_of_threads]
file=ldif_file] [load="TRUE"|"FALSE" [append="TRUE"|"FALSE"]
[threads=num_of_threads]] [index="TRUE"|"FALSE"] [missing="TRUE"|"FALSE"]
[recover="TRUE"|"FALSE"]} [encode=character_set] [debug="TRUE"|"FALSE"]
[verbose="TRUE"|"FALSE"]

パラメータの組合せには、有効なものもあれば、無効なものもあります。

環境変数ORACLE_INSTANCEを設定する必要があります。中間ファイルが生成されるOracleインスタンスへの完全修飾パスを設定してください。

bulkloadの起動時には、checkgenerateloadappendrecoverまたはindexのアクションのうち少なくとも1つを指定する必要があります。

checkTRUEの場合、bulkloadはスキーマ・チェックを実行します。

generateTRUEの場合、bulkloadは中間ファイルを生成します。

checkまたはgenerateアクションを使用する場合、LDIFデータ・ファイルへのパス名を指定する必要があります。

loadTRUEの場合、bulkloadは中間ファイルをロードします。

appendTRUEの場合、bulkloadはサーバーの稼働中にアクションを実行できます。

restoreフラグは、LDIFファイルにorclguidcreatorsnameなどの操作属性が含まれる場合にのみ使用します。restoreフラグが指定されていない場合、またはFALSEに設定されている場合は、LDIFファイルに操作属性を含めないでください。

recoverを他のオプションとともに指定しないでください。

check indexのオプションの組合せは、既存の索引を検証します。

14.3.1 bulkloadを使用したLDIFファイルのインポート

LDIFファイルをインポートするには、bulkloadユーティリティを使用します。この項では、bulkloadでLDIFファイルを処理するタスクについて説明します。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』bulkloadコマンドライン・ツールのリファレンス。

この項の項目は次のとおりです。

タスク1: Oracle Internet Directoryプロセスの停止

Fusion Middleware Controlまたはコマンドラインを使用して、すべてのOracle Internet Directoryサーバー・インスタンスを停止します。

タスク2: Oracleデータベース・サーバーのバックアップ

ファイルをインポートする前に、安全対策としてOracleデータベース・サーバーをバックアップします。


関連項目:

Oracle Databaseドキュメント・ライブラリの『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』

タスク3: Oracle Internet Directoryのパスワードの準備

bulkloadを使用するには、Oracle Internet DirectoryのODSスキーマのパスワードを指定する必要があります。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』oidpasswdコマンドライン・ツールのリファレンス

タスク4: スキーマ違反とデータ整合性違反に関する入力チェックとSQL*Loader用の入力ファイルの生成

UNIXでは、bulkloadツールは通常は$ORACLE_HOME/ldap/binにあります。Microsoft Windowsでは、このツールは通常はORACLE_HOME\ldap\binにあります。

入力ファイルをチェックし、SQL*Loader用のファイルを生成するには、次のように入力します。

bulkload connect="connect_string" \
   check="TRUE" generate="TRUE" file="full_path_to_ldif-file_name"


checkオプションとgenerateオプションの両方を指定すると、エントリのスキーマが正しいかどうかが確認されます。

check関連のすべてのエラーは、コマンドライン出力として報告されます。すべてのスキーマ違反が、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/bulkload.logに記録されます。すべての不正エントリは、ORACLE_INSTANCE/OID/load/badentry.ldifに記録されます。

エントリが重複している場合、その識別名はORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/duplicateDN.logに記録されます。これは単に参考のためです。bulkloadツールは、重複するエントリに対して重複データは生成しません。重複エントリは無視されます。

テキスト・エディタを使用してすべての不正エントリを修正し、checkオプションとgenerateオプションを指定してbulkloadを再実行します。エラーがなくなるまで、または許容できるエラーのみになるまで、この手順を繰り返します。たとえば、ldapaddを使用して少数のエントリをロードすると便利な場合があります。

bulkloadツールにより、ORACLE_INSTANCE/OID/loadディレクトリに中間ファイル*.ctlおよび*.datが生成されます。エラーが発生しても、bulkloadは、checkエラーのないエントリに対して中間ファイルを生成します。

bulkloadが正常に完了した場合、または許容できるエラーのみで終了した場合、SQL*Loaderでは中間ファイルをloadモードで使用できます。このファイルは変更できません。


注意:

check関連のエラーを無視する場合は、checkオプションとgenerateオプションを必ず併用してください。checkオプションを使用せずにgenerateオプションを使用すると、検証は行われません。この場合、中間ファイルにはエラーのあるエントリが含まれます。このようなファイルをロードすると、データの不整合や索引作成のエラーが発生することがあります。

タスク5: 入力ファイルのロード

入力ファイルの生成後、loadオプションを指定してbulkloadを実行します。この手順で、Oracle SQL*Loader固有の形式の*.datファイルがbulkloadによってデータベースにロードされ、属性索引が作成され、データベース統計が生成されます。構文は次のとおりです。

bulkload connect="connect_string" load="TRUE"

エラーがある場合は画面上に表示されます。ロード時のエラーはすべて、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/toolsディレクトリに報告されます。エラーはbulkload.logおよびSQL*Loaderで生成されたファイル*.badおよびbsl_*.logに記録されます。loadに失敗した場合は、データベースが一貫性のない状態になる可能性があります。この場合、bulkloadrecoverオプションとともに使用するか、bulkloadを起動する前に取ったバックアップからOracle Internet Directoryディレクトリをリストアして、データベースをbulkload操作前の状態に戻します。その後、次のコマンドを繰り返します。

bulkload connect="connect_string" load="TRUE"

索引付けフェーズ中にエラーが発生した場合は、次のコマンドを使用できます。

bulkload coonect="con_str" index=true

このコマンドにより、すべての索引が再作成されます。

データベース統計の生成中にエラーが発生した場合は、oidstats.sqlコマンドを使用して統計を生成できます。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のoidstats.sqlコマンドのリファレンス

14.3.2 bulkloadを使用した増分または追加モードでのデータのロード

すでにデータが格納されているOracle Internet Directoryサーバーにエントリを追加し、同時にそのサーバーを稼働させておく場合、増分または追加モードを使用する必要があります。このモードは通常、ダイレクトリにエントリを追加する他の方法より高速です。ただし、Oracle Internet Directory LDAPインスタンスが読取り/更新モードであり、bulkloadでデータを追加できることを確認する必要があります。

次のようなコマンドにより、bulkloadを増分または追加モードで起動します。

bulkload connect="conn_str" \
   check="TRUE" generate="TRUE" append="TRUE" file="LDIF_file"
bulkload connect="conn_str" \
    load="TRUE" append="TRUE"

14.3.3 bulkloadを使用した索引検証の実行

bulkload操作では、索引を更新または作成できます。しかし、bulkloadで索引を正しく更新あるいは作成できないことがあります。これは通常、不適切なサイズ設定などの問題が原因です。このような問題が発生した場合は、bulkloadを使用してすべての索引を検証し、再作成できます。

次の構文を使用して、索引の検証のためにbulkloadを起動します。

bulkload connect="conn_str" \
    check="TRUE" index="TRUE"

14.3.4 bulkloadを使用した索引の再作成

索引を再作成するには、次の構文を使用します。

bulkload connect="conn_str" index="TRUE"

14.3.5 bulkloadを使用したロード失敗後のデータのリカバリ

ディスクの不適切なサイズ設定などの問題が原因で、bulkloadのloadフェーズが失敗する可能性があります。そのような失敗の後には、ディレクトリ・データの一貫性がなくなる可能性があります。recoverオプションを使用すれば、ディレクトリ・データをbulkload前の状態に戻せます。構文は次のとおりです。

bulkload connect="conn_str" recover="TRUE"

14.4 bulkmodifyを使用した多数のエントリの属性の変更

bulkmodifyツールは、既存のディレクトリ内にある多数のエントリの属性を変更する場合に役立ちます。このツールは、属性値に対して追加操作と置換操作を実行できます。ネーミング・コンテキストに対する操作もできます。フィルタを使用すれば、指定したネーミング・コンテキストの下のいくつかのエントリに対して選択的に操作を行うこともできます。

bulkmodifyツールは、次の属性に対してはaddまたはreplace操作を行えません。

objectclass属性に対してはreplace操作ができません。

単一値属性についてはadd操作ができません。bulkmodifyの出力は、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/bulkmodify.logに記録されます。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』bulkmodifyコマンドライン・ツールのリファレンス

bulkmodifyの構文は、次のとおりです。

bulkmodify connect=connect_string basedn=Base_DN
{[add="TRUE"|"FALSE"]|[replace="TRUE"|"FALSE"]} attribute=attribute_name
value=attribute_value [filter=filter_string] [size=transaction_size]
[threads=num_of_threads] [debug="TRUE"|"FALSE"] [encode=character_set]
[verbose="TRUE"|"FALSE"]

プロセッサ数の1〜6倍のスレッド数が必要です。

addまたはreplaceオプションのいずれかを選択します。デフォルトでは、どちらもFALSEに設定されています。


注意:

bulkmodifyを使用する前に、環境変数ORACLE_INSTANCEがOracleインスタンスのフルパス名に設定されていることを確認してください。

14.4.1 bulkmodifyを使用した指定ネーミング・コンテキストの下の全エントリへの説明の追加

この例では、"c=us"の下のすべてのエントリに説明を追加します。

bulkmodify connect="connect_str" baseDN="c=us" add="TRUE" \
    attribute="description" value="US citizen" filter="objectclass=*"

14.4.2 bulkmodifyを使用した特定のフィルタと一致する指定ネーミング・コンテキストの下の全エントリへの属性の追加

この例では、Anne Smithがマネージャである"c=us"の下のすべてのエントリにtelephonenumberを追加します。

bulkmodify connect="connect_str" baseDN="c=us" add="TRUE" \
     attribute="telephoneNumber" \
     value="408-123-4567" filter="manager=cn=Anne Smith"

14.4.3 bulkmodifyを使用した指定ネーミング・コンテキストの下の全エントリの属性の置換

この例では、"c=us"の下のすべてのエントリでpwdresetを置換します。

bulkmodify connect="connect_str"  baseDN="c=us" replace="TRUE" \
    attribute="pwdreset" value="1" filter="objectclass=*"

14.5 bulkdeleteを使用したエントリまたはエントリの属性の削除

bulkdeleteツールは、既存のディレクトリ内にある多数のエントリの属性を削除する場合に役立ちます。bulkdeleteは、ネーミング・コンテキストの下で指定したエントリを削除できます。デフォルトでは、エントリを完全に削除します。データベースからエントリのすべての痕跡を削除します。オプションcleandb FALSEを使用すると、bulkdeleteはすべてのエントリを完全に削除するかわりに、ツームストン・エントリに変えます。

bulkdeleteの出力は、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/bulkdelete.logに記録されます。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』bulkdeleteコマンドライン・ツールのリファレンス

bulkdeleteツールの構文は、次のとおりです。

bulkdelete connect=connect_string {[basedn=Base_DN] | [file=file_name]}
[cleandb="TRUE"|"FALSE"] [size=transaction_size] [encode=character_set]
[debug="TRUE"|"FALSE"] [threads=num_of_threads] [verbose="TRUE"|"FALSE"]

basednまたはfileオプションのいずれかを選択します。cleandbTRUEの場合、bulkdeleteはエントリをデータベースから完全に削除します。デフォルトでは、cleandbTRUEに設定されています。CPU数の1〜6倍のスレッド数が必要です。


注意:

  • bulkdeleteを使用する前に、環境変数ORACLE_INSTANCEがOracleインスタンスのフルパス名に設定されていることを確認してください。

  • 指定したネーミング・コンテキスト内の削除対象のエントリ数が多い場合、「バルク削除操作のチューニング推奨事項」に示されているようにOracle Databaseをチューニングする必要があります。


14.5.1 bulkdeleteを使用した指定ネーミング・コンテキストの下の全エントリの削除

この例では、"c=us"の下のすべてのエントリを削除します。

 bulkdelete connect="connect_str" baseDN="c=us" cleandb="TRUE"

14.5.2 bulkdeleteを使用したネーミング・コンテキスト下のエントリの削除およびツームストン・エントリ化

この例では、"c=us"の下のすべてのエントリを削除し、それらをツームストン・エントリとして残します。

bulkdelete connect="connect_str" baseDN="c=us" cleandb=FALSE

14.5.3 bulkdeleteを使用したファイル内の指定ネーミング・コンテキスト下のエントリの削除およびツームストン・エントリ化

この例では、ファイルで指定された特定のbasednの下のすべてのエントリを削除し、それらをツームストン・エントリとして残します。

bulkdelete connect="connect_str" file="file" cleandb=FALSE

14.6 ldifwriteを使用したOracle Internet Directoryからファイルへのデータのダンプ

ldifwriteツールは、Oracle Internet Directoryストアから1つのファイルにデータをダンプするために使用します。データを1ファイルにまとめると、レプリケーションまたはバックアップ・ストレージ用に別のノードへデータをロードすることが容易になります。出力ファイルへの書込みの際に、ldifwriteツールは、指定した識別名の下のすべてのエントリと識別名自体を含むサブツリーの検索を実行します。ツールはデータをLDIF形式でダンプします。指定したレプリケーション承諾識別名の下のエントリもダンプできます。

ldifwriteツールは、指定したフィルタを使用して検出したエントリをダンプできます。ldifwriteの出力は、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/ldifwrite.logに記録されます。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』ldifwriteコマンドライン・ツールのリファレンス

ldifwriteツールの構文は、次のとおりです。

ldifwrite connect=connect_string basedn=Base_DN ldiffile=LDIF_Filename
[filter=LDAP_Filter] [threads=num_of_threads] [debug="TRUE"|"FALSE"]
[encode=character_set] [verbose="TRUE"|"FALSE"]

basednオプションを使用して、ベース識別名またはレプリケーション承諾識別名を指定します。

CPU数の1〜6倍のスレッド数が必要です。


注意:

ldifwriteを使用する前に、環境変数ORACLE_INSTANCEがOracleインスタンスのフルパス名に設定されていることを確認してください。

14.6.1 ldifwriteを使用した一部の指定ネーミング・コンテキストのLDIFファイルへのダンプ

この例では、部分レプリケーションで定義した次のネーミング・コンテキスト・オブジェクトを使用します。

dn: cn=includednamingcontext000001, cn=replication namecontext,
 orclagreementid=000001, orclreplicaid=node replica identifier,
 cn=replication configuration
orclincludednamingcontexts: c=us
orclexcludednamingcontexts: ou=Americas, c=us
orclexcludedattributes: userpassword
objectclass: top
objectclass: orclreplnamectxconfig

この例では、c=usの下のエントリは、ou=Americas,c=usを除いてすべてバックアップが取られます。userpassword属性も除外されます。コマンドは次のとおりです。

ldifwrite connect="conn_str"  \
  baseDN="cn=includednamingcontext000001, cn=replication namecontext, \
  orclagreementid=000001,orclreplicaid=node replica identifier,\
  cn=replication configuration" ldiffile="ldif_file_name"

14.6.2 ldifwriteを使用した指定ネーミング・コンテキストの下のエントリのLDIFファイルへのダンプ

この例では、"ou=Europe, o=imc, c=us"の下でLDAP検索フィルタ基準を満たすエントリをすべてoutput.ldifファイルに書き込みます。

ldifwrite connect="connect_str" baseDN="ou=Europe, o=imc, c=us"\
   filter="uid=abc" ldiffile="output.ldif"

14.7 catalogを使用した既存の属性の索引の作成および削除

catalogツールは、既存の属性の索引を作成する場合や、既存の属性から索引を削除する場合に役立ちます。catalogツールは、属性を検索可能にします。catalogからの出力は、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/catalog.logに記録されます。

catalogの構文は、次のとおりです。

catalog connect=connect_string {[add="TRUE"|"FALSE"]|[delete="TRUE"|"FALSE"]}
{[attribute=attribute_name]|[file=file_name]} [logging="TRUE"|"FALSE"]
[threads=num_of_threads] [debug="TRUE"|"FALSE"] [verbose="TRUE"|"FALSE"]

addまたはdeleteオプションのいずれかを選択します。デフォルトでは、どちらもFALSEに設定されています。

CPU数の1〜6倍のスレッド数が必要です。

loggingTRUEの場合、catalogはREDOログを生成します。

コマンドラインでは、一度に1つしかattribute引数を指定できません。1つのコマンドの起動で複数の属性を追加または削除するには、fileオプションを使用し、ファイル内の属性のリストを指定します。次のように、属性を1行ずつ指定します。

description
sn
title

注意:

catalogを使用する前に、環境変数ORACLE_INSTANCEがOracleインスタンスのフルパス名に設定されていることを確認してください。

14.7.1 catalogを使用した検索可能属性の検索不可能属性への変更

この例では、title属性から索引を削除します。

catalog connect="connect_str" delete="TRUE" attribute="title"

注意:

Oracle Internet Directoryでインストールされたベース・スキーマによって作成された索引ではないことが確信できない場合は、catalog delete=Tオプションを使用して属性から索引を削除しないように注意してください。ベース・スキーマ属性から索引を削除すると、Oracle Internet Directoryの操作に悪影響を及ぼす場合があります。