Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド 11g リリース1(11.1.1) B55926-01 |
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この付録では、アプリケーションの移行中にOracle JDeveloper 11gの移行ユーティリティによりWebCenter 10.1.3.xアプリケーションに自動的に加えられる変更について説明します。 また、事前構成したポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容の保存先を変更する方法についても説明します。
この付録では、次の項目について説明します。
WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをOracle WebCenter 11gに移行するには、JDeveloper 11gを使用します。 アプリケーションの移行中は、JDeveloper 11gの移行ユーティリティにより、カスタマイズ可能なコンポーネント、外部アプリケーションおよびポートレット・コンポーネントなどに関連する変更が自動的に加えられます。
この項では、次の変更について説明します。
WebCenterアプリケーションでは、ユーザーが実行時にカスタマイズできるコンポーネントをOracle Composerを使用してページに追加できます。 Oracle Composerでは、Panel CustomizableやShow Detail Frameなど、ページのパーソナライズとカスタマイズのためのコンポーネントをアプリケーションに追加できます。
カスタマイズ可能コンポーネントが使用されているWebCenter 10.1.3.xアプリケーションの移行中、JDeveloper 11gでは、Oracle WebLogic Server上で稼働するアプリケーションを準備する、カスタマイズ可能コンポーネントに関連する様々な変更が自動的に加えられます。次のような変更が加えられます。
一般的な変更
Panel Customizableの変更
Show Detail Frameの変更
WebCenterアプリケーションを移行する際、JDeveloper 11gでは、アプリケーションに次のような一般的な変更が加えられます。
JSPXファイルのカスタマイズ可能コンポーネントのネームスペースの名前が変更されます。
変更前: http://xmlns.oracle.com/adf/faces/customizable
変更後: http://xmlns.oracle.com/adf/faces/customizable/html
web.xml
から次のエントリが削除されます。
コンテキスト・パラメータoracle.mds.web-app-root
フィルタmdsFilter
mdsFilter
のフィルタ・マッピング
サーブレットjsp2
、jsp2
のサーブレット・マッピングおよびリソース・プロキシ
Javaカスタマイズ可能コンポーネント・ライブラリが削除され、WebCenterカスタマイズ可能コンポーネント・ライブラリが追加されます。
古いカスタマイズ可能コンポーネント・タグ・ライブラリが削除され、新しいバージョンのカスタマイズ可能コンポーネント(HTML)が追加されます。
Javaファイルにインポート文および宣言がある場合、Panel Customizableのクラス名がoracle.adf.view.html.component.customizable.PanelCustomizable
に変更されます。
Javaファイルにインポート文および宣言がある場合、Show Detail Frameのクラス名がoracle.adf.view.html.component.customizable.ShowDetailFrame
に変更されます。
Panel Customizableコンポーネントは、実行時にカスタマイズできるOracle ADFコンポーネント、タスク・フローおよびポートレットのグループを格納するためのコンテナです。 WebCenterアプリケーションを移行するときに、Oracle WebCenter 11gでサポートされていない様々なPanel Customizable属性がJDeveloper 11gによって削除されます。 表B-1は、移行後のWebCenterアプリケーションで変更されるPanel Customizable属性を示しています。
表B-1 移行後のWebCenterアプリケーションで変更されるPanel Customizable属性
属性 | 移行後のWebCenterアプリケーションでの属性の使用可能性 |
---|---|
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削除されます。 これらの属性はすべて、移行後のWebCenterアプリケーションから削除されます。 Panel Customizableのヘッダーはサポートされなくなりました。 このため、 |
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削除されます。 ただし、Panel Customizableのコンテンツ領域にスクロール・バーを表示するには、 |
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非推奨。
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例B-1は、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのソース・ビューに表示されたPanel Customizableのサンプル・コードです。
例B-1 WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのPanel Customizableのコード
<cust:panelCustomizable id="panelCustomizable1" text="panelCustomizable 1" displayHeader="true" isMaximizable="true" isMinimizable="true" width="100%" height="50px"> displayScrollBar="auto" isShowContentEnabled="true"/>
例B-2は、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションがOracle WebCenter 11gに移行された後のPanel Customizableのサンプル・コードです。 isMinimizable
やdisplayHeader
などの属性がPanel Customizableコードから削除されています。
Show Detail Frameコンポーネントは、WebCenterアプリケーション・ページ上の子コンポーネントの周囲に境界線またはクロムを表示します。「アクション」メニューのあるヘッダーが作成され、そこに含まれるユーザー・インタフェース(UI)コントロールを使用して子コンポーネントの表示をカスタマイズできるようになります。 表B-2は、WebCenterアプリケーションを移行したときに、JDeveloperによってShow Detail Frameコンポーネントの属性に加えられる変更を示したものです。
表B-2 移行後のWebCenterアプリケーションのShow Detail Frameの属性に加えられる変更
属性 | 説明 |
---|---|
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この属性は移行後のアプリケーションから削除されます。 |
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
例B-3は、WebCenter 10.1.3.xアプリケーション・ページのソース・ビューに表示されたShow Detail Frameのサンプル・コードです。 例B-4は、このアプリケーションがOracle WebCenter 11gに移行された後の、Show Detail Frameのサンプル・コードです。 isMaximizable
が削除され、isSeededInteractionAvailable
、isMinimizable
、isMovable
およびContentInlineStyle
属性の名前が変更されています。
外部アプリケーションは、ポートレット・プロデューサに関連付けることができます。Oracle WebCenter Frameworkでは、外部アプリケーションは独自の認証プロセスを実装したアプリケーションとして定義されます。 つまり、外部アプリケーションはOracle WebCenter Frameworkアプリケーションのシングル・サインオン・プロセスには含まれません。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』の外部アプリケーションの使用方法に関する項を参照してください。
Oracle Application Server 10gと比較してみると、Oracle Fusion Middleware 11gへの移行で外部アプリケーションの一部が変更されることがわかります。 Oracle Fusion Middleware 11gでは、外部アプリケーションで共有資格証明とパブリック資格証明の指定が必要になります。外部アプリケーションでは、内部名(外部アプリケーションの識別子で、作成後の変更不可)と表示名(変更可能)の定義も必要になります。 別の識別に関する機能として、Oracle Application Server 10gの外部アプリケーションではメタデータ・サービス(MDS)を使用してメタデータを格納していましたが、Oracle Fusion Middleware 11gでは、コンテンツ・リポジトリ接続などのサービスに類似した接続として外部アプリケーションが格納されます。
表B-3は、Oracle Application Server 10.1.3.xとOracle Fusion Middleware 11gの外部アプリケーションの識別関連の属性を比較したものです。 この表の、name
、ExtAppId
およびGUID
の属性の値はサンプルの値です。
表B-3 Oracle Application Server 10.1.3.xおよびOracle Fusion Middleware 11gの外部アプリケーションの識別関連の属性
外部アプリケーションの属性 | Oracle Application Server 10.1.3.xのサンプル属性値 | Oracle Fusion Middleware 11gのサンプル属性値 |
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app1 |
app1(外部アプリケーションの表示名としても使用される) |
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|
app1 |
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サポートされていない属性 |
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サポートされていない属性 |
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サポートされていない属性 |
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サポートされていない属性 |
ExtAppbc638395-2860-41ae-a9ff-edfc6b79110f |
WebCenter 10.1.3.xアプリケーションが外部アプリケーションに依存している場合、そのアプリケーションの移行時に、関連する外部アプリケーションも自動的に移行されます。 たとえば、外部アプリケーションに依存するPDK-Javaプロデューサを使用したWebCenter 10.1.3.xアプリケーションを移行すると、その外部アプリケーションも自動的に移行されます。 WebCenterアプリケーションの移行中、移行ユーティリティによって、外部アプリケーションに対して次のタスクが実行されます。
10.1.3.xの外部アプリケーションの名前が、移行後のアプリケーションの内部名(ExtAppId
)として使用されます。
プロデューサのメタデータが新しい外部アプリケーションIDで更新されます。ポートレット・プロデューサのメタデータ内では、新しいIDで外部アプリケーションが参照されます。
外部アプリケーションのメタデータが、WebCenterアプリケーションのadf-config.xml
で設定されているMDSストアからconnections.xml
に移行されます。
外部アプリケーション・ポートレットを含むプロジェクトに、自動ログイン構成が追加されます。
表B-3に記載された新しい属性が、移行後の外部アプリケーションに追加されます。
外部アプリケーション・ポートレットを含むプロジェクトに設定されている資格証明プロビジョニング・ページと、各プロジェクトに定義されているマネージドBeanおよびナビゲーション・ルールが削除されます。 Oracle Fusion Middleware 11gでは、資格証明プロビジョニング・ページが外部アプリケーション・ライブラリにパッケージ化されます。
外部アプリケーション・ライブラリを設定します(WebCenter外部アプリケーション・サービスとWebCenter外部アプリケーション・サービス・ビュー)。
ポートレットを使用するWebCenterアプリケーションを移行する際、JDeveloperでは移行後のアプリケーション内で、ポートレット・タグに関連する様々な変更が自動的に加えられます。
WebCenter 10.1.3.xアプリケーションでは、adfp:portlet
タグはhttp://xmlns.oracle.com/adf/faces/portlet
ネームスペース内のポートレットを示します。
WebCenter 11gアプリケーションでは、ポートレット・タグはTrinidad HTMLポートレット・タグに変換されます。 adfp:portlet
ポートレット・タグはhttp://xmlns.oracle.com/adf/faces/portlet/html
ネームスペースのadfph:portlet
に移行されます。
表B-4は、ポートレットを含む移行後のWebCenterアプリケーションで名前を変更、または削除される属性を示したものです。
表B-4 ポートレットを含む移行後のWebCenterアプリケーションでの属性変更
属性 | 移行後のアプリケーションでの変更 |
---|---|
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
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この属性は、名前が |
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この属性は削除されます。 |
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この属性は削除されます。 |
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この属性はHTMLポートレットから削除されます。 Oracle WebCenter 11gでは、この属性はリッチ・テキスト・ポートレットにのみ適用できます。 |
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JDeveloper 11gでは、この属性に使用できる値は |
Oracle WebCenterのコンテンツ統合機能では、Oracle Content Server、Oracle Portal、ファイル・システムなどの各種のコンテンツ・リポジトリに分散するコンテンツを、WebCenterアプリケーションに統合できます。 このセクションでは、Oracle WebCenter 10.1.3.xおよびOracle WebCenter 11gアプリケーションでサポートされている認証方法について説明します。 また、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションを移行する際の、コンテンツ・リポジトリ接続に使用する外部アプリケーションへの資格証明の移行方法についても説明します。
コンテンツ・リポジトリのコンテンツをWebCenterアプリケーションに統合するときには、そのリポジトリへの接続を作成する必要があります。 Oracle WebCenter 11gでは、コンテンツ・リポジトリ接続を作成するときに、認証方法を次のいずれかに設定できます。
アイデンティティ伝播: この方法では、コンテンツ・リポジトリに資格証明が渡されません。 そのかわりに、Javaのセキュリティ・コンテキストによる現在のユーザーのアイデンティティが、リポジトリ接続に使用されます。通常この方法は、アプリケーションとコンテンツ・リポジトリが同じアイデンティティ・ストアを使用してユーザーを認証する場合に使用されます。
外部アプリケーション: 現在のユーザーのアイデンティティをコンテンツ・リポジトリに直接伝播する必要がない場合は、この方法を使用できます。
Oracle WebCenter 10.1.3.xでは、コンテンツ・リポジトリ接続の認証方法は「セキュリティにJAASを使用」チェック・ボックスで決定します。 ユーザーのアイデンティティをリポジトリに転送し、資格証明を渡さずにWebCenterアプリケーションとコンテンツ・リポジトリ間の信頼関係を利用することを選択する場合は、「セキュリティにJAASを使用」チェック・ボックスを選択します。 JAASセキュリティを使用しない場合、資格証明を指定して、このチェック・ボックスの選択を解除する必要があります。
図B-1は、JAASセキュリティを使用しないWebCenter 10.1.3.xアプリケーションのコンテンツ・リポジトリ接続の詳細を示しています。 図B-1では、「セキュリティにJAASを使用」チェック・ボックスの選択が解除されており、「ユーザー名」と「パスワード」フィールドで資格証明が指定されています。
JAASセキュリティを使用しているWebCenter 10.1.3.xアプリケーション(「セキュリティにJAASを使用」チェック・ボックスが選択されている)を移行すると、移行後のアプリケーションの接続の認証方法として、「アイデンティティ伝播」が自動的に設定されます。 (「セキュリティにJAASを使用」機能は「アイデンティティ伝播」と同じものです。)
「セキュリティにJAASを使用」チェック・ボックスが選択されていないWebCenter 10.1.3.xアプリケーションの場合、アプリケーションの移行時に認証方法として「外部アプリケーション」が設定されます。 さらに、10.1.3.xのコンテンツ・リポジトリ接続で使用されていた資格証明を使用して、パブリック資格証明を持つ新しい外部アプリケーションが自動的に作成されます。 図B-2は、移行後のアプリケーションのコンテンツ・リポジトリ接続の詳細を示しています。認証方法として「外部アプリケーション」が選択されていて、移行後のアプリケーションに新しい外部アプリケーションが作成されています。 図B-3は、新しく作成された外部アプリケーションにパブリック資格証明が自動的に指定されているところを示しています。
注意: アプリケーションに資格証明を使用するコンテンツ・リポジトリ接続があり、移行中に資格証明ストアからの資格証明の取得、または外部アプリケーションの作成に問題がある場合は、移行後のコンテンツ・リポジトリ接続を編集する必要があります。 コンテンツ・リポジトリ接続の編集ウィザードでは、認証方法として「外部アプリケーション」を選択し、必要な資格証明で外部アプリケーションを作成する必要があります。 |
デフォルトでは、事前構成されたポートレット・プロデューサに関連するカスタマイズ内容は次の場所に保存されます。
ORACLE_HOME
/portal/portletdata
別の場所にポートレットのカスタマイズ内容を保存することもできます。 この項では、事前構成した様々なポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容の保存先を変更する方法について説明します。
WSRPポートレット・プロデューサのポートレットのカスタマイズ内容の保存先としてファイルのプリファレンス・ストアを指定するには、次のエントリを使用してプロデューサのWEB-INF/web.xml
を更新します。
<env-entry>
<env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/fileStoreRoot</env-entry-name>
<env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
<env-entry-value>{YOUR_PORTLET_DATA_PATH
}</env-entry-value>
</env-entry>
YOUR_PORTLET_DATA_PATH
は、ポートレットのカスタマイズ内容の保存先のパスです。
WSRPポートレット・プロデューサでデータベースのプリファレンス・ストアを使用する場合は、データベースのプリファレンス・ストアを設定する必要があります。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』のプリファレンス・ストアの設定に関する項を参照してください。
Webクリッピング・カスタマイズ内容の保存先を指定するには、mds-config.xml
で次のエントリを更新します。
<property name="metadata-path" value="{YOUR_PORTLET_DATA_PATH
}"/>
Webクリッピング・ポートレット構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』のWebクリッピング・ポートレット構成のヒントに関する項を参照してください。
OmniPortletについては、provider.xml
にカスタマイズ内容の保存先を指定します。 ファイルはOracle WebLogic Serverの次の場所で使用可能です。
FMW_HOME/user_projects/domains/wc_domain/servers/WLS_Portlet/tmp/_WL_user/portalTools_11.1.1.1.0/RANDOMLY_GENERATED_DIRECTORY/war/WEB-INF/providers/omniPortlet/provider.xml
OmniPortletポートレット・プロデューサのポートレットのカスタマイズ内容の保存先としてファイルのプリファレンス・ストアを指定するには、provider.xml
の次のエントリを更新します。
<preferenceStore class="oracle.webdb.reformlet.ReformletFilePreferenceStore">
<name>omniPortletprefStore</name>
<useHashing>true</useHashing>
<rootDirectory>{YOUR_PORTLET_DATA_PATH
}</env-entry-value</rootDirectory>
</preferenceStore>
その他のPDK-Javaポートレット・プロデューサについても、ファイル・プリファレンスの保存先を同様に変更できます。
OmniPortletおよびその他のPDK-Javaポートレット・プロデューサにデータベースのプリファレンス・ストアを使用する場合は、データベースのプリファレンス・ストアを設定する必要があります。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』のプリファレンス・ストアの設定に関する項を参照してください。