| Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11gリリース1(11.1.1) B52029-02 |
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この章では、commandButton、navigationPaneおよびtrainなど、ADF Facesのナビゲーション・コンポーネントを使用して、Webユーザー・インタフェースでのナビゲーションを実現する方法を説明します。
この章に含まれる項は次のとおりです。
JSFアプリケーション同様、ADF Facesコンポーネントを使用するアプリケーションには、ボタンやリンク(またはその他のナビゲーション・コンポーネント)がクリックされた場合に、次に表示するページを選択する一連のルールがあります。ルールは、アプリケーションの構成リソース・ファイル(faces-config.xml)にJSFナビゲーション・ルールおよびケースを追加することで定義します。
JSFでは、結果の文字列は、ページ・ナビゲーションの実行に使用するナビゲーション・ルールの選択に使用されます。javax.faces.component.ActionSourceインタフェースを実装するADF Facesのナビゲーション・コンポーネントでは、ユーザーがコンポーネントをアクティブ化するとActionEventイベントが生成されます。JSF NavigationHandlerおよびデフォルトのActionListenerメカニズムでは、アクティブ化されたコンポーネントの結果文字列を使用して、一連のナビゲーション・ルールで一致するものが検出されます。JSFで一致が検出されると、対応するページが選択され、レスポンスのレンダリング・フェーズで選択したページがレンダリングされます。JSFライフサイクルの詳細は、第4章「JSFおよびADF Facesのライフサイクルの理解」を参照してください。また、ADF Facesアプリケーションのナビゲーションでは、部分ページ・レンダリングが使用される場合があります。詳細は、7.4項「部分ページ・ナビゲーション」を参照してください。
次に、ADF Facesのコマンド・コンポーネントに含まれるものを示します。
サーバー側のアクションの有無にかかわらず、別の場所にナビゲートするためのボタンおよびリンク・コンポーネント。18.2項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」を参照してください。
階層ページをナビゲートするためのタブおよびブレッドクラムなどの項目をレンダリングするコンポーネント。18.4項「ページ階層用のナビゲーション・アイテムの使用」を参照してください。
マルチステップ・プロセスをナビゲートするためのtrainコンポーネント。18.7項「trainコンポーネントを使用したマルチステップ・プロセス用のナビゲーション・アイテムの作成」を参照してください。
ナビゲーションにコマンド・コンポーネントを使用するのに加え、ADF Facesには、アクション・イベントの起動時に特定の機能を実行するためにコマンド・コンポーネントとともに使用できるリスナー・タグも含まれています。詳細は、18.3項「ボタンまたはリンクの機能の呼出し目的での使用」を参照してください。
ADF Facesのボタンおよびリンクには、コマンド・コンポーネントcommandButton、commandLinkおよびcommandImageLinkと、実行コンポーネントgoButtonおよびgoLinkが含まれます。コマンド・コンポーネントと実行コンポーネントの主な違いは、コマンド・コンポーネントはリクエストを送信してActionEventイベントを起動するのに対し、実行コンポーネントはアクションを配信せずに直接別の場所に移動する点です。図18-1に示すように、レンダリングされたコマンド・コンポーネントと実行コンポーネントは、視覚的には同じように見えます。
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ヒント: ADF Facesには、メニューやツールバー内で使用できる特殊なコマンド・コンポーネントも用意されています。詳細は、第14章「メニュー、ツールバーおよびツールボックスの使用方法」を参照してください。 |
commandImageLinkコンポーネントは、図18-2に示すように、オプションのテキストとともにイメージをリンクとしてレンダリングします。ユーザーがアイコンにカーソルを置いた場合、アイコンが押された場合または無効化された場合に、別々のアイコンを設定できます。
ADF Facesには、ツールバー・ボタンからポップアップ・メニューを開くことができるpopupファセットなど、その他の機能を提供するツールバー・ボタンもあります。詳細は、14.3項「ツールバーの使用方法」を参照してください。
通常、commandButton、commandLinkおよびcommandImageLinkコンポーネントは、ページ・ナビゲーションおよびサーバー側の処理を実行するために使用します。
コンポーネント・パレットからJSFページに「Button」をドラッグ・アンド・ドロップして、commandButtonコンポーネントを作成します。「リンク」をドラッグ・アンド・ドロップして、commandLinkコンポーネントを作成します。「イメージ・リンク」をドラッグ・アンド・ドロップして、commandImageLinkコンポーネントを作成します。
プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開いてtext属性を設定します。
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ヒント: かわりに、textAndAccessKey属性を使用して、ボタンまたはリンクに使用するラベルおよびアクセス・キーを定義する単一の値を指定できます。アクセス・キーの定義方法の詳細は、22.3.1項「ADF Facesコンポーネントのアクセス・キーの定義方法」を参照してください。 |
icon属性を、commandButtonまたはcommandImageLinkコンポーネント内に使用するイメージ・ファイルのURIに設定します(commandLinkではサポートされていません)。commandImageLinkコンポーネントの場合は、HoverIcon、DisabledIconおよびDepressedIcon属性を設定することも可能です。
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ヒント: text属性(またはtextAndAccessKey属性)かicon属性、あるいはその両方を使用できます。 |
action属性を、結果の文字列、または論理結果のStringを返すバッキングBeanのアクション・メソッドを参照するメソッド式に設定します。ページ間のナビゲーションを構成する方法の詳細は、2.3項「ページ・フローの定義」を参照してください。
デフォルトのJSF ActionListenerメカニズムでは、結果の文字列を使用して適切なJSFナビゲーション・ルールが選択され、レスポンスのレンダリング・フェーズに使用するページがJSF NavigationHandlerに通知されます。マネージドBeanメソッドを使用してダイアログを開く方法の詳細は、第13章「ポップアップ・ダイアログ、メニューおよびウィンドウの使用方法」を参照してください。JSFアプリケーションでの結果の文字列およびナビゲーションの詳細は、Sun社のWebサイト(http://java.sun.com)でJava EE 5チュートリアルを参照してください。
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ヒント: 結果を返すハンドラにバインドされている場合は、ナビゲーションにactionListener属性を使用することもできます。通常、この属性はナビゲーションではなく、ユーザー・インタフェース・ロジックの処理にのみ使用する必要があります。
たとえば、File Explorerアプリケーションの「検索」パネルの「検索」ボタンにはナビゲート先はありません。かわりに、検索の実行に使用されます。
actionListener="#{explorer.navigatorManager.searchNavigator.
searchForFileItem}"
この式は、実際に検索を実行するメソッドに評価されます。 |
コンポーネントを対話型ではないボタンまたはリンクとして表示する場合は、「動作」セクションを開いて、disabled属性をtrueに設定します。
コンポーネントがアクティブ化されるたびに部分ページ・リクエストが起動されるように、partialSubmit属性をtrueに設定します。詳細は、7.2項「部分ページ・レンダリングの宣言的有効化」を参照してください。
検証の処理およびモデルの更新フェーズをスキップする場合は、immediate属性をtrueに設定します。コンポーネントのアクション・リスナー(存在する場合)およびデフォルトのJSF ActionListenerハンドラは、JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズの最後に実行されます。詳細は、4.3項「immediate属性の使用」を参照してください。
コマンド・ボタンおよびリンクも、useWindow、windowHeight、windowWidth、launchListenerおよびreturnListenerの属性を使用して、2次ウィンドウを開くために使用できます。2次ウィンドウを開く方法の詳細は、第13章「ポップアップ・ダイアログ、メニューおよびウィンドウの使用方法」を参照してください。
goButtonおよびgoLinkコンポーネントは、ActionEventイベントを配信せずに、ページ・ナビゲーションを直接実行するために使用します。
実行ボタンおよび実行リンクを作成および使用する手順:
コンポーネント・パレットからJSFページに実行ボタンをドラッグ・アンド・ドロップして、goButtonコンポーネントを作成します。移動リンクをドラッグ・アンド・ドロップして、goLinkコンポーネントを作成します。
プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、text属性を設定します。
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ヒント: かわりに、textAndAccessKey属性を使用して、ボタンまたはリンクに使用するラベルおよびアクセス・キーを定義する単一の値を指定できます。アクセス・キーの定義方法の詳細は、22.3.1項「ADF Facesコンポーネントのアクセス・キーの定義方法」を参照してください。 |
icon属性を、goButtonコンポーネント内に使用するイメージ・ファイルのURIに設定します(goLinkではサポートされていません)。
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ヒント: text属性(またはtextAndAccessKey属性)かicon属性、あるいはその両方を使用できます。 |
destination属性を、リンクのナビゲート先のページのURIに設定します。
たとえば、File ExplorerアプリケーションのOracle Corporation Home Pageリンク(explorer.jspx)では、destination属性に次のEL式が設定されています。
destination="http://www.oracle.com"
targetFrame属性を設定して、新しいページの表示場所を指定します。使用できる値は次のとおりです。
_blank: リンクにより、ドキュメントは新しいウィンドウに開かれます。
_parent: リンクにより、ドキュメントは親ウィンドウに開かれます。たとえば、リンクがダイアログに表示された場合、結果のページは親ウィンドウにレンダリングされます。
_self: リンクにより、ドキュメントは同じページまたはリージョンに開かれます。
_top: リンクにより、ページ全体が置き換えられて、ドキュメントはウィンドウ全体に開かれます。
コンポーネントを対話型ではないボタンまたはリンクとして表示する場合は、「動作」セクションを開いて、disabled属性をtrueに設定します。
ナビゲーションにコマンド・コンポーネントを使用するのに加え、ADF Facesには、アクション・イベントの起動時に特定の機能を実行するためにコマンド・コンポーネントとともに使用できるリスナー・タグも含まれています。次に、ADF Facesに含まれるリスナー・タグを示します。
exportCollectionActionListener: ADF FacesアプリケーションからExcelのスプレッドシートにデータをエクスポートするために使用します。詳細は、10.9項「表、ツリーまたはツリー表からのデータのエクスポート」を参照してください。
fileDownloadActionListener: サーバーからローカル・コンピュータへのファイルのダウンロードを開始するために使用します。詳細は、18.3.1項「ファイルをダウンロードするためのコマンド・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
resetActionListener: 送信した値をリセットするために使用します。ただし、データ・モデルの状態は変更されません。詳細は、18.3.2項「入力フィールドをリセットするためのコマンド・コンポーネントの使用方法」を参照してください。入力コンポーネントを以前の状態、つまりサーバーへの部分的または完全な送信が成功している状態にリセットする場合は、「リセット」ボタンを使用できます。詳細は、9.2.3項「formへの「リセット」ボタンの追加方法」を参照してください。
returnActionListener: ダイアログまたはプロセスから値を返すために使用します。詳細は、13.4.1.3項「ダイアログ・ページを作成し、ダイアログ値を返す」を参照してください。
コマンド・ボタンなどのアクション・コンポーネントを作成し、fileDownloadActionListenerタグに関連付けることで、ユーザーがファイルをダウンロードする機能を作成できます。ユーザーがアクション・コンポーネントを選択またはクリックすると、図18-3に示すように、ユーザーが異なるダウンロード・オプションを選択できるポップアップ・ダイアログが表示されます。
コマンド・ボタン、コマンド・リンクまたはメニュー項目などのアクション・コンポーネントにより、プログラムを使用してファイルのコンテンツがユーザーに送信されるよう、fileDownloadActionListenerタグは宣言的に使用します。特定のコンテンツ・タイプまたはファイル名を宣言することもできます。ファイルのダウンロードは、XMLHttp AJAXリクエストではなく通常のリクエストで処理する必要があるため、サポートされている場合は、親コンポーネントのpartialSubmit属性をfalseに設定する必要があります。リージョン内でファイルのダウンロードを実行するために唯一サポートされているのは、fileDownloadActionListenerタグを使用する方法です。
コンテンツがブラウザに送信された後、そのコンテンツが表示または保存される方法は、ダイアログで選択したオプションにより異なります。プログラムで開くオプションを選択した場合、そのファイル・タイプに関連付けられているアプリケーションが起動されてコンテンツが表示されます。たとえば、テキスト・ファイルの場合はメモ帳アプリケーションが起動されます。ディスクに保存オプションを選択した場合は、ブラウザによっては、ファイル名およびコンテンツを格納する場所を選択するためのポップアップ・ダイアログが表示されます。
例18-1に、ユーザーにファイル・コンテンツ「Hi there!」をダウンロードするためにfileDownloadActionListenerタグを使用するコマンド・ボタンのタグを示します。
例18-1 コマンド・ボタンおよびfileDownloadActionListenerタグを使用したファイルのダウンロード
<af:commandButton value="Say Hello">
<af:fileDownloadActionListener filename="hello.txt"
contentType="text/plain; charset=utf-8"
method="#{bean.sayHello}"/>
</af:commandButton>
例18-2に、ファイルのダウンロード処理に使用されるマネージドBeanメソッドを示します。
例18-2 ファイルのダウンロード処理に使用されるマネージドBeanメソッド
public void sayHello(FacesContext context, OutputStream out) throws IOException{
OutputStreamWriter w = new OutputStreamWriter(out, "UTF-8");
w.write("Hi there!");
. . .
}
コンポーネント・パレットからページにアクション・コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップします(アクション・コンポーネントの詳細は、18.2項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」を参照してください)。
コンポーネント・パレットの「操作」セクションを開き、ファイルのダウンロード・アクション・リスナー・タグをアクション・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで次の属性を設定します。
contentType: text/plain、text/csv、application/pdfなど、ファイルのMIMEタイプを指定します。
filename: オブジェクトの選択したファイル名を指定します。ファイル名を指定すると、通常は「ファイルの保存」ダイアログが表示されますが、最終的にはブラウザにより異なります。名前を指定しない場合、通常、コンテンツはブラウザにインライン表示されます(可能な場合)。
method: ファイル・コンテンツのダウンロードに使用されるメソッドを指定します。methodには、FacesContextオブジェクトおよびOutputStreamオブジェクトの2つの引数を指定できます。OutputStreamオブジェクトは自動的に閉じられるため、このmethodの唯一の目的は、すべてのバイトをOutputStreamオブジェクトに書き込むことです。
たとえば、コマンド・ボタンのコードは次のようになります。
<af:commandButton text="Load File">
<af:fileDownloadActionListener contentType="text/plain"
filename="MyFile.txt"
method="#(mybean.LoadMyFile"/>
</af:commandButton>
resetActionListenerタグとコマンド・コンポーネントを組み合せて使用して、入力値をリセットできます。すべての値は、nullまたは空に戻されます。入力コンポーネントを以前の状態、つまりサーバーへの部分的または完全な送信が成功している状態にリセットする場合は、「リセット」ボタンを使用する必要があります。詳細は、9.2.3項「formへの「リセット」ボタンの追加方法」を参照してください。
リセット・タグを使用する手順:
18.2項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」の説明に従い、コマンド・コンポーネントを作成します。
コンポーネント・パレットからリセット・アクション・リスナーをコマンド・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
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注意: アプリケーションにADFコントローラを含むFusionテクノロジ・スタックが使用されている場合は、ADFバインドなしタスク・フローおよびXMLMenuModel実装を使用して、アプリケーションのページ階層にナビゲーション・システムを作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「ページ階層の作成」を参照してください。 |
アプリケーションは、リンク・パスをドリルダウンすることでページ上の特定の情報にアクセスできる、ツリーのような階層に関連付けされ編成されたページで構成されます。例として、図18-4に、トップレベル・ノードHomeの下に3レベルのノードがある単純なページ階層を示します。トップレベル・ノードはルートの親ページを表します。第1レベルのノードBenefitsおよびEmployee Dataは、より詳細な情報が含まれる第2レベルの子ノード(Insurance、View Employeeなど)に関する一般的な情報を持つ親ページを表します。Insuranceノードも同様に親ノードで、第3レベルの子ノードHealthおよびDentalに関する一般的な情報を保持しています。ページ階層の各ノード(ルートのHomeノードを除く)は、同時に親ノードにも子ノードにもなることができ、ページ階層の各ノードは1つのページに対応します。
ページ階層のナビゲーションは、親子のリンクに従います。たとえば、Healthの情報を表示するには、ユーザーはBenefitsページからドリルダウンを開始し、2つの選択肢(一方がHealth)が用意されているInsuranceページに移動します。Homeから始まってHealthで終わるリンクのパスは、ツリーのフォーカス・パスと呼ばれます。
直接の親子のナビゲーションのみでなく、レベル間または親間のナビゲーションも可能です。たとえば、Dentalページから、ユーザーは第2レベルのPaid Time Offページに移動することも、第1レベルのBenefitsページまたはEmployee Dataページに移動することもできます。
図18-4に示すように、階層内のどのノードにもリンクされていないが、トップレベルのHomeノードと同じレベルにあるHelpノードは、グローバル・ノードです。グローバル・ノードは、階層内のどのページからもアクセスできるグローバル・ページ(「ヘルプ」ページなど)を表します。
ページ階層のWebユーザー・インタフェースで使用される一般的なウィジェットは、タブ、バー、グローバル・リンクで、すべてnavigationPaneコンポーネントを使用して作成できます。図18-5に、navigationPaneおよびその他のコンポーネントを使用してレンダリングされた図18-4の階層を示します。
図18-5にBenefitsおよびEmployee Dataページのタブが示されているように、一般的に、タブは第1レベルのノードとして使用されます。InsuranceおよびPaid Time Offなどの第2レベルのノードはバーとして、HealthおよびDentalなどの第3レベルのノードはリストとしてレンダリングされます。ただし、タブは、第1および第2レベルのノードの両方に使用できます。(グローバル・ノードを表す)グローバル・リンクは、テキスト・リンクとしてレンダリングされます。図18-5で、Homeおよび「ヘルプ」グローバル・リンクはテキスト・リンクとしてレンダリングされています。
第1、第2、第3レベルのノードまたはグローバル・ノードのいずれであるかにかかわらず、1つのnavigationPaneコンポーネントは、1レベルのノードに対応します。ナビゲーション・アイテムのタイプに関係なく、navigationPaneコンポーネントはレベルに対してレンダリングするよう構成されており、navigationPaneコンポーネント内の各項目を表すには、必ずcommandNavigationItemコンポーネントを使用します。
navigationPaneコンポーネントは、ナビゲーション用のタブ、バー、リストおよびグローバル・リンクをレンダリングするだけです。図18-7や図18-8に示されているような、位置指定やページ背景のビジュアルなスタイル設定を行うには、decorativeBoxコンポーネントを第1レベルのnavigationPaneコンポーネントの親として使用します。decorativeBoxコンポーネントは、テーマおよびスキニング・キーを使用して、その様々なファセットの枠および色を制御します。たとえば、デフォルトのテーマを使用する場合、decorativeBoxコンポーネント本体は白、枠は青で、左上隅は丸くなります。ミディアム・テーマを使用する場合、本体は中間色の青になります。テーマおよびスキンの使用の詳細は、第20章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
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ヒント: ページ階層を作成するには、階層内の各ページで同じレイアウトおよびルック・アンド・フィールを使用する必要があるため、ナビゲーション・コンポーネントの配置場所やスタイルを決定するためにテンプレートの使用を検討してください。詳細は、19.3項「ページ・テンプレートの使用」を参照してください。 |
より簡単な階層の各ページの場合は、まず一連のnavigationPaneコンポーネントを使用して、階層の各レベルを表します。その後、各レベルのリンクごとに、commandNavigationItemコンポーネントをnavigationPaneコンポーネントの直接の子として追加します。たとえば、図18-5のようなHealth保険ページを作成するには、ページに表示される各レベル用にまずnavigationPaneコンポーネントを使用する必要があります。この場合は4つで、それぞれ、グローバル・リンク、第1レベルのノード、第2レベルのノードおよび第3レベルのノード用です。続いて各navigationPaneコンポーネントに、個々のリンクを表すcommandNavigationItemコンポーネントを子として追加します。図18-6のような「利点」ページを作成している場合、作成するのは3つのnavigationPaneコンポーネント(グローバル、第1および第2レベル用に1つずつ)のみで、その後、このページから表示するリンク用にcommandNavigationItemコンポーネントのみを作成します。
大規模な階層では、このプロセスは非常に時間がかかり、ミスも発生しやすくなります。大規模な階層の場合は、各ページに別々のcommandNavigationItemコンポーネントをそれぞれ作成するのではなく、XMLMenuModel実装およびマネージドBeanを使用して、ページのナビゲーション・アイテムを動的に生成することをお薦めします。メタデータ・ファイルとともに使用するXMLMenuModelクラスには、各ページに適切な数の階層レベルを生成するためのすべての情報と、各レベルに属するナビゲーション・アイテムが含まれます。navigationPaneコンポーネント内に複数のcommandNavigationItemコンポーネントを使用し、各ページで現在の項目を選択済としてマーキングするかわりに、各navigationPaneコンポーネントを宣言的に同じXMLMenuModel実装にバインドし、nodeStampファセットにcommandNavigationItemコンポーネントを1つ使用してナビゲーション・アイテムを指定します。commandNavigationItemコンポーネントは、navigationPaneコンポーネントのスタンプとして機能し、XMLMenuModelオブジェクトに保持されている(各レベルの)ノードのナビゲーション・アイテムにスタンプを設定します。デフォルトのActionListenerメカニズムを使用したJSFナビゲーション・モデルを使用して、ユーザーがナビゲーション・アイテムを選択した時のナビゲート先のページが選択されます。メニュー・モデルの詳細は、18.6項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。
どのページでも、ユーザーの現在の位置をページ階層全体との関連で表示するには、一連のcommandNavigationItemコンポーネントまたは1つのcommandNavigationItemコンポーネントを含むbreadCrumbsコンポーネントをnodeStampとして使用し、現在のページ(フォーカス・パスの現在のノード)からルート・ページへ戻るリンクのパスを指定します。
ナビゲーション階層の手動による作成の詳細は、18.5項「単純なナビゲーション階層の作成」を参照してください。XMLMenuModelを使用したナビゲーション階層の作成の詳細は、18.6項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。
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注意: アプリケーションの変更の反映に使用できるメニュー(「Open」および「Delete」コマンドが含まれる「File」メニューなど)を作成する場合は、第14章「メニュー、ツールバーおよびツールボックスの使用方法」を参照してください。 |
図18-7および図18-8に、navigationPaneコンポーネントおよび個々のcommandNavigationItemコンポーネントを使用して、図18-4に示すページ階層のビューを作成した場合に、ユーザー・インタフェースがどのように表示されるかの例を示します。
手動で階層を作成する場合には、各ページのフォーカス・パス(ページが存在する階層内の正確な場所)を確認し、各ページに必要なnavigationPanesとcommandNavigationItemコンポーネントの正確な数、ならびにユーザーがページを表示した際に各コンポーネントを選択済として構成する必要があるかどうかを決定する必要があります。たとえば、Employee Dataページが表示されている図18-7では、必要なものはEmployee Dataの子のバーのみで、Employee Dataタブは選択済としてレンダリングされています。
同様に、Healthページが表示されている図18-8では、必要なものはBenefitsの子のバーのみで、Benefitsタブは選択済として構成する必要があります。また、このページには、Insuranceの下に子ノードを作成します。このノードは、ページ横の垂直のリストとして表示されます。ページのコンテンツは、垂直のリストの右側の中央に表示されます。
使用するナビゲーション・アイテムのタイプ(タブやバーなど)に関係なく、各navigationPaneコンポーネント内の一連のcommandNavigationItem子コンポーネントにより、実際のナビゲーション・アイテムが提供されます。たとえば、図18-8では、Employee Dataタブへの実際のリンク、InsuranceとPaid Time Offバー、およびリストのHealthとDentalリンクは、それぞれcommandNavigationItemコンポーネントによって表されています。
ナビゲーション階層に含まれるページ数が少なく、階層があまり深くない場合は、手動で作成することを選択できます。これには、ナビゲーション・メタデータの作成、navigationPaneコンポーネントを使用した階層の作成、およびcommandNavigationItemコンポーネントを使用したリンクの作成が含まれます。
ページ階層のすべてのノード(ページ)のナビゲーション・ケースが含まれるグローバルなJSFナビゲーション・ルールを1つ作成します。
たとえば、図18-4に示されているページ階層には、グローバルのHelpノードを含む10のノードがあります。この場合、例18-3に示すように、faces-config.xmlファイルの1つのグローバル・ナビゲーション・ルール内に10のナビゲーション・ケースを作成します。
各ナビゲーション・ケースに、一意の結果文字列と、指定された文字列に一致する結果値がナビゲーション・システムによって返された場合に表示するJSFページへのパスを指定します。
例18-3 faces-config.xml内のページ階層のグローバル・ナビゲーション・ルール
<navigation-rule>
<navigation-case>
<from-outcome>goHome</from-outcome>
<to-view-id>/home.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHelp</from-outcome>
<to-view-id>/globalhelp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goEmp</from-outcome>
<to-view-id>/empdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goBene</from-outcome>
<to-view-id>/benefits.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goIns</from-outcome>
<to-view-id>/insurance.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goPto</from-outcome>
<to-view-id>/pto.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goView</from-outcome>
<to-view-id>/viewdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goCreate</from-outcome>
<to-view-id>/createemp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHealth</from-outcome>
<to-view-id>/health.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goDental</from-outcome>
<to-view-id>/dental.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
</navigation-rule>
JDeveloperにおけるナビゲーション・ケースの作成方法の詳細は、2.3項「ページ・フローの定義」を参照してください。
メニュー・タブのスタイルを設定する場合は、コンポーネント・パレットのレイアウト・セクションから装飾ボックスをJSFページにドラッグ・アンド・ドロップして、decorativeBoxコンポーネントを作成します。テーマを設定して、タブの表示方法を決定します。有効な値は次のとおりです。
default: 本体は白で、枠は青です。左上隅は丸くなります。
light: 本体は薄い青です。左上隅は丸くなります。
medium: 本体は中間色の青です。左上隅は丸くなります。
dark: 本体は濃い青です。左上隅は丸くなります。
テーマの表示方法は変更できます。詳細は、第20章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
コンポーネント・パレットのレイアウト・セクションからナビゲーション・ペインをdecorativeBoxコンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップして、navigationPaneコンポーネントを作成します。階層の各レベルにnavigationPaneコンポーネントを追加します。
たとえば、図18-8のようなHealthページを作成するには、navigationPaneコンポーネントを4つドラッグ・アンド・ドロップします。Healthページでは、すでにページのルック・アンド・フィールを作成するためのレイアウト・コンポーネントが含まれているテンプレートの特定の領域に、コンポーネントをドロップします。
プロパティ・インスペクタで「共通」セクションを開き、各navigationPaneコンポーネントのhint属性を次に示すナビゲーション・アイテムのいずれかのタイプに設定して、navigationPaneコンポーネントをどのように表示するかを決定します。
bar: バーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図18-8のInsuranceおよびPaid Time Offリンクなどがこれに当たります。
buttons: グローバル領域のバーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図18-8のHomeおよび「ヘルプ」リンクなどがこれに当たります。
choice: 関連付けられたドロップダウン・アイコンがクリックされると、ナビゲーション・アイテムがポップアップ・リストで表示されます。navigationPaneコンポーネントのicon属性に値を含める必要があります。これにより、title属性を使用して、ラベルをドロップダウン・リストに関連付けられます。
list: ナビゲーション・アイテムが箇条書きリストで表示されます。図18-8のHealthおよびDentalリンクなどがこれに当たります。
tabs: ナビゲーション・アイテムがタブで表示されます。図18-8のBenefitsおよびEmployee Dataタブなどがこれに当たります。
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」セクションから「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップし、異なるリンクを表示するために必要なcommandNavigationItemコンポーネントを、各navigtaionPaneコンポーネントに追加します。必要な各リンクのnavigationPaneコンポーネントの子として、「ナビゲーション・アイテム」をドロップします。
たとえば、図18-8のようなHealthページを作成するには、各navigationPaneコンポーネントに2つずつ、合計6つのcommandNavigationItemコンポーネントを使用します。
各commandNavigationItemコンポーネントで、ナビゲーションを必要なページに設定します。プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、アクションの静的な結果文字列を指定するか、EL式を使用し、actionプロパティを介してアクション・メソッドを参照します。文字列を使用する場合は、手順1で作成したページのナビゲーション・ルールに設定されたナビゲーション・メタデータに一致する必要があります。メソッドを参照する場合は、必要な文字列がそのメソッドにより返される必要があります。
プロパティ・インスペクタで、「動作」セクションを開き、selected属性を設定します。ページが最初にレンダリングされる際にcommandNavigationItemコンポーネントを選択済として表示する場合は、この属性をtrueにする必要があります。そうでない場合は、falseにします。
実行時、ユーザーがナビゲーション・アイテムを選択すると、そのコンポーネントのselected属性が選択済に変更され、その項目が選択されたことをユーザーに示すために外観が変更されます。たとえば、図18-8では、Benefitsタブ、InsuranceバーおよびHealthリスト項目は、背景色またはフォント・スタイルの変更により選択済として表示されています。選択済のステータスを表示するために、コードを記述する必要はありません。属性値がtrueの場合は、項目のcommandNavigationItemコンポーネントのselected属性により、選択済のステータスがオンになります。
図18-4に、現在のページがHealthの場合に使用可能なナビゲーション・アイテムの生成に使用されるコードを示します。HealthページはBenefitsページを経由してInsuranceページからアクセスされているため、これらの3つのリンクのcommandNavigationItemコンポーネントではselected="true"です。
例18-4 1つのページに個々のナビゲーション・アイテムを使用したサンプル・コード
<af:navigationPane hint="buttons">
<af:commandNavigationItem text="Home" action="goHome"/>
<af:commandNavigationItem text="Help" action="goHelp"/>
</af:navigationPane>
.
.
.
<af:navigationPane hint="tabs">
<af:commandNavigationItem text="Benefits" action="goBene"
selected="true"/>
<af:commandNavigationItem text="Employee Data" action="goEmp"/>
</af:navigationPane>
.
.
.
<af:navigationPane hint="bar">
<af:commandNavigationItem text="Insurance" action="goIns"
selected="true"/>
<af:commandNavigationItem text="Paid Time Off" action="goPto"/>
</af:navigationPane>
.
.
.
<af:navigationPane hint="list">
<af:commandNavigationItem text="Health" action="goHealth"
selected="true"/>
<af:commandNavigationItem text="Dental" action="goDental"/>
</af:navigationPane>
図18-7および図18-8の両方で、ページ階層におけるユーザーの現在の位置は、現在のページからルート・ページに戻るリンクのパスで示されています。ブレッドクラムとも呼ばれるリンクのパスは、2番目のバーの下、垂直のリスト(存在する場合)の上に表示されます。そのようなリンクのパスを作成するには、一連のcommandNavigationItemコンポーネントを子として含むbreadCrumbsコンポーネントを使用します。
コンポーネント・パレットからJSFページにブレッド・クラム・コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップして、breadCrumbsコンポーネントを作成します。
デフォルトでは、ブレッドクラム・リンクは水平に表示されます。レイアウトが垂直になるように変更するには、プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、orientation属性をverticalに設定します。
ブレッドクラムの各リンクに、コンポーネント・パレットからbreadCrumbsコンポーネントの子として「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップし、commandNavigationItemコンポーネントを作成します。最後の項目が現在のページを表します。
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ヒント: レンダラまたはクライアントのデバイス・タイプによっては、ブレッドクラムの最後のリンクが表示されない場合がありますが、commandNavigationItemコンポーネントを追加する必要があります。最後のブレッドクラム・リンクを表示するクライアントでは、現在のページに対応しているため、リンクは常に自動的に無効にされます。 |
各commandNavigationItemコンポーネント(最後を除く)で、ナビゲーションを必要なページに設定します。プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、アクションの静的な結果文字列を指定するか、EL式を使用し、actionプロパティを介してアクション・メソッドを参照します。文字列を使用する場合は、手順1で作成したページのナビゲーション・ルールに設定されたナビゲーション・メタデータに一致する必要があります。メソッドを参照する場合は、必要な文字列がそのメソッドにより返される必要があります。
たとえば、図18-8のHealthページのようにブレッドクラムを作成するには、例18-5に示すように、navigationPaneコンポーネントを4つドラッグ・アンド・ドロップします。
例18-5 個々の子commandNavigationItemのあるbreadCrumbsコンポーネント
<af:breadCrumbs> <af:commandNavigationItem text="Home" action="goHome"/> <af:commandNavigationItem text="Benefits" action="goBene"/> <af:commandNavigationItem text="Insurance" action="goIns"/> <af:commandNavigationItem text="Health"/> </af:breadCrumbs>
|
注意: 同様に、個々のcommandNavigationItemコンポーネントを使用するかわりに、breadCrumbsコンポーネントのvalue属性をXMLMenuModel実装にバインドし、breadCrumbsコンポーネントのnodeStampファセットにcommandNavigationItemコンポーネントの1つ使用して、ページの項目にスタンプを設定することもできます。XMLMenuModelクラスの詳細は、18.6項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。 |
|
注意: アプリケーションにFusionテクノロジ・スタックまたはADFコントローラが使用されている場合は、ADFバインドなしタスク・フローおよびXMLMenuModel実装を使用して、アプリケーションのページ階層にナビゲーション・システムを作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「ページ階層の作成」を参照してください。 |
18.4項「ページ階層用のナビゲーション・アイテムの使用」に、複数のcommandNavigationItem子コンポーネントを含むnavigationPaneコンポーネントを使用して、非常に単純なページ階層用のナビゲーション・メニューを作成する方法が説明されています。より複雑なページ階層で同じ方法を使用すると時間がかかり、ミスが起こりやすくなります。ナビゲーションを可能にするすべての項目を作成するために、複数のJSFページのnavigationPaneおよびbreadCrumbsコンポーネントに個々のcommandNavigationItemコンポーネントを手動で挿入し構成するのは、非効率的で単調な作業です。各項目について正確なselectedステータスを管理したり、現在のページからルート・ページに戻るブレッドクラム・リンクをたどって追跡するのも困難です。
より複雑なページ階層の場合(および単純なページ階層の場合でも)、ナビゲーション・メニューを作成するより効率的な方法は、メニュー・モデルを使用することです。メニュー・モデルは、特別なツリー・モデルです。ツリー・モデルは、行キーで索引付けされた行のコレクションです。ツリーでは、現在行に子の行を含めることができます(ツリー・モデルの詳細は、10.5項「ツリーへのデータの表示」を参照してください)。メニュー・モデルは、現在フォーカス(フォーカス・ノード)があるノードのrowKeyを取得できるツリー・モデルです。メニュー・モデルにはページ・ナビゲーションの特別な情報はなく、ツリーにアクセスするノードに対する要件もありません。
XMLMenuModelクラスは、ナビゲーション・ツリー・モデルからメニュー・モデルを作成します。ただし、XMLMenuModelクラスには、XMLメタデータにナビゲーションの階層ツリーを定義できる追加のメソッドがあります。(他のADF Facesのメニュー・モデル・クラスの1つを使用している場合のように)Javaクラスを作成し多数のマネージドBeanを構成してメニュー・モデルを定義および作成するかわりに、XMLMenuModelクラスでメニュー・モデルを作成する際に必要なすべてのノード情報を含む1つ以上のXMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成します。
メニュー・モデルを含むnavigationPaneコンポーネントを使用すると、ユーザーがタブを切り替えるたびにフル・ページ・リフレッシュが実行されます。かわりに、panelTabbedコンポーネントを使用できます(8.9項「アコーディオン・パネルおよびタブ付きのパネルにおけるコンテンツの表示または非表示」を参照)。このコンポーネントでは、タブ付きコンテンツの部分ページ・レンダリングがサポートされています。ただし、ナビゲーション・モデルにはバインドできず、ページ内からすべてのコンテンツにアクセスできる必要があるため、適用性は制限されています。 |
ページ階層のJSFナビゲーション・ルールおよびナビゲーション・ケースを作成し、XMLMenuModelメタデータを作成します。18.6.1項「メニュー・モデル・メタデータの作成方法」を参照してください。
XMLMenuModelクラスにマネージドBeanを構成します。このマネージドBeanは、アプリケーションにより階層の作成に使用されます。この構成は、JDeveloperで「ADFメニュー・モデルの作成」ダイアログを使用してXMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成する際に、自動的に行われます。18.6.2項「ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用する場合の処理」を参照してください。
各階層ノード(グローバル・ノードも含む)にJSFページを作成します。
|
ヒント: 通常、各レベルの項目(グローバル項目およびブレッドクラムを含む)に対するファセットが含まれるページ・テンプレートを使用して、各JSFページを作成します。たとえば、グローバル項目を表すnavigationPaneコンポーネントはnavigationGlobalという名前のファセットでラップし、第1レベルのタブを表すnavigationPaneコンポーネントはnavigation1という名前のファセットでラップします。ページ・テンプレートの作成の詳細は、第19章「フラグメント、テンプレート、コンポーネントの作成および再利用」を参照してください。 |
各ページで、navigationPaneおよびbreadCrumbsコンポーネントをXMLMenuModelクラスにバインドします。18.6.3項「JSFページでのXMLMenuModelへのバインド方法」および18.6.4項「breadCrumbsコンポーネントの使用方法」を参照してください。
XMLMenuModelメタデータ・ファイルは、XML形式によるページ階層用のナビゲーション・メニューの表現です。XMLMenuModelメタデータ・ファイルでは、ページ階層全体が、ファイルのルート要素であるmenu要素内に説明されています。各XMLMenuModelメタデータ・ファイルにはmenu要素が必要で、使用できるmenu要素は1つのみです。
階層の残りのノードは、項目ノード、グループ・ノードおよび共有ノードで構成されています。項目ノードは、階層のナビゲート可能なノード(またはページ)を表します。たとえば、図18-9に示すような階層を作成するとします。
階層の各ノードにユーザーがナビゲートできる独自のページを作成する場合は、各ページのメタデータに項目ノードを作成します。親ノードに子ノードをネストさせて階層を作成します。ただし、Employee Dataノードにはページが必要ないが、ユーザーが直接View Employeeページにナビゲートできるようにするとします。その場合は、グループ・ノードを使用してEmployee Dataページを表します。グループ・ノードを使用すると、単に子ノードの集約であるノード用にページを作成せずに階層を維持できます。
共有ノードを使用して、メニュー・モデルもネストさせることができます。たとえば、アプリケーション全体で再利用できるように、Benefitsツリー全体を独自のモデルとして作成するとします。それぞれに使用するためにノードを作成するかわりに、別のメニューとして一度ノードを作成し、異なる階層で共有ノードを使用してBenefitsメニュー・モデルを参照できます。
例18-6に、図18-9に示されているページ階層を定義するための、XMLMenuModelメタデータ・ファイルを示します。
例18-6 XMLMenuModelメタデータ・ファイルのサンプル
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu">
<itemNode id="Home" focusViewId="/home.jspx" label="Home" action="goHome">
<itemNode id="benefits" focusViewId="/benefits.jspx" action="goBene"
label="Benefits">
<itemNode id="insurance" focusViewId="/insurance.jspx" action="goIns"
label="Insurance">
<itemNode id="health" focusViewId="/health.jspx" action="goHealth"
label="Health"/>
<itemNode id="dental" focusViewId="/dental.jspx" action="goDental"
label="Dental"/>
</itemNode>
<itemNode id="pto" focusViewId="/pto.jspx" action="goPto"
label="Paid Time Off">
<itemNode id="vacation" focusViewId="/vacation.jspx"
action="goVacation" label="Vacation"/>
<itemNode id="sick" focusViewId="/sick.jspx" action="goSick"
label="Sick Pay"/>
</itemNode>
</itemNode>
<groupNode id="empData" idref="newEmp" label="Employee Data">
<itemNode id="newEmp" focusViewId="/createemp.jspx" action="goCreate"
label="Create New Employee"/>
<itemNode id="viewdata" focusViewId="/viewdata.jspx" action="goView"
label="View Data"/>
</groupNode>
</itemNode>
<itemNode id="help" focusViewId="/globalhelp.jspx" action="goHelp"
label="Help"/>
<itemNode id="help" focusViewId="/preferences.jspx" action="goPref"
label="Preferences"/>
</menu>
ルートのmenu要素内において、グローバル・ノードはmenu要素の直接の子である任意のタイプのノードです。つまり、menu要素の下の第1レベルの要素はグローバル・ノードです。たとえば、例18-6のコードには、Home、HelpおよびPreferencesの3つのグローバル・ノードが示されています。第1レベルの子ノード内では、ノードをネストさせてさらに多くのナビゲーション・レベルを作成できます。たとえば、例18-6のコードでは、Homeの下にBenefitsおよびEmployee Dataの2つの第2レベルのノードが示されています。Benefitsには、InsuranceおよびPaid Time Offの第3レベルのノードが2つとその他のノードがあります。
JDeveloperでは、ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを提供することで、XMLMenuModelクラス用のメタデータの作成が簡略化されています。
ページ階層のすべてのノードのナビゲーション・ケースが含まれるグローバルなJSFナビゲーション・ルールを1つ作成します。
たとえば、図18-4に示されているページ階層には、グローバルのHelpノードを含む10のノードがあります。この場合、例18-3に示すように、faces-config.xmlファイルの1つのグローバル・ナビゲーション・ルール内に10のナビゲーション・ケースを作成します。
各ナビゲーション・ケースに、一意の結果文字列と、指定された文字列に一致する結果値がナビゲーション・システムによって返された場合に表示するJSFページへのパスを指定します。
例18-7 faces-config.xml内のページ階層のグローバル・ナビゲーション・ルール
<navigation-rule>
<navigation-case>
<from-outcome>goHome</from-outcome>
<to-view-id>/home.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHelp</from-outcome>
<to-view-id>/globalhelp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goEmp</from-outcome>
<to-view-id>/empdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goBene</from-outcome>
<to-view-id>/benefits.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goIns</from-outcome>
<to-view-id>/insurance.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goPto</from-outcome>
<to-view-id>/pto.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goView</from-outcome>
<to-view-id>/viewdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goCreate</from-outcome>
<to-view-id>/createemp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHealth</from-outcome>
<to-view-id>/health.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goDental</from-outcome>
<to-view-id>/dental.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
.
.
.
</navigation-rule>
JDeveloperにおけるナビゲーション・ケースの作成方法の詳細は、2.3項「ページ・フローの定義」を参照してください。
アプリケーション・ナビゲータで、XMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成するプロジェクトを探します。プロジェクトの「Webコンテンツ - WEB-INF」フォルダで、faces-config.xmlファイルを右クリックし、ポップアップ・メニューから「ADFメニューの作成」を選択します。
|
注意: アプリケーションでADFコントローラが使用されている場合は、このメニュー・オプションを使用できません。かわりに、バインド・タスク・フローを使用して階層を作成できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「ページ階層の作成」を参照してください。 |
「ADFメニュー・モデルの作成」ダイアログで、XMLMenuModelメタデータ・ファイルのファイル名(root_menuなど)を入力します。
メタデータ・ファイルのディレクトリを入力します。JDeveloperにより、デフォルトで、アプリケーションのWEB-INFディレクトリにXMLMenuModelメタデータ・ファイルが保存されます。
「OK」をクリックすると、JDeveloperにより自動的に次の操作が行われます。
手順3で指定した名前がマネージドBean名として使用され、faces-config.xmlファイルにモデルのマネージドBeanが作成されます。
マネージドBeanのsourceマネージド・プロパティの値が、手順3で指定した/WEB-INF/root_menu.xmlなどのXMLMenuModelメタデータ・ファイルに設定されます。
例18-8に示すように、ソース・ファイル(/WEB-INF/root_menu.xml)が、空のXMLMenuModelメタデータ・ファイルとしてソース・エディタに表示されます。
例18-8 空のXMLMenuModelメタデータ・ファイル
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?> <menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu"> </menu>
JDeveloperにより自動的に追加されるマネージドBean構成の詳細は、18.6.2項「ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用する場合の処理」を参照してください。
構造ウィンドウでmenuノードを選択し、プロパティ・インスペクタに適切な情報を入力します。
表18-1に、menu要素に指定できる属性を示します。
表18-1 menu要素の属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
|
|
オプション。実行時にナビゲーション・アイテムのラベル(表示されるテキスト)に使用するためのリソース・バンドル。 |
|
|
リソース・バンドルを使用している場合は、ナビゲーション・アイテム・ラベルのEL式のバンドルの参照に使用するIDを指定します。 |
|
xmlns |
必須。 |
例18-9に、ナビゲーション・アイテムのラベルのリソース・バンドルにアクセスするためにEL式を使用する、サンプルのXMLMenuModelメタデータ・コードを示します。
例18-9 リソース・バンドルを使用したXMLMenuModel
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu"
resourceBundle="org.apache.myfaces.demo.xmlmenuDemo.resource.MenuBundle"
var="bundle">
<itemNode id="in1" label="#{bundle.somelabel1}" ../>
<itemNode id="in2" label="#{bundle.somelabel2}" ../>
</menu>
|
注意: sharedNode要素を使用してサブメニューを作成し、ナビゲーション・アイテムのラベルにリソース・バンドルを使用する場合は、共有メニュー・モデルでルートのmenu要素のvar属性に同じ値が使用される可能性があります。XMLMenuModelクラスでは、解析中に各リソース・バンドルに一意のハッシュ・キーが割り当てられていることを確認することにより、この可能性に対応します。 |
リソース・バンドルの使用方法の詳細は、第21章「ページの国際化およびローカライズ」を参照してください。
構造ウィンドウで、必要に応じてitemNode、groupNodeまたはsharedNodeを使用して、階層のノードに必要な要素を追加します。まず、menuを右クリックして「menuの中に挿入」を選択し、図18-10に示されているように、ポップアップ・メニューから必要な要素を選択します。
要素は次のいずれかです。
groupNode: 子コンポーネントをグループ化します。groupNode自体にはナビゲーション機能はありません。子ノードはitemNodeまたは別のgroupNodeです。
たとえば、Employee Dataノードにはページが必要ないが、ユーザーが直接View Employeeページにナビゲートできるようにするとします。その場合は、グループ・ノードを使用してEmployee Dataページを表します。グループ・ノードを使用すると、単に子ノードの集約であるノード用にページを作成せずに階層を維持できます。
sharedNode: 別のXMLMenuModelインスタンスを参照します。sharedNode要素は真のノードではありません。ナビゲーションの実行も、独自にレンダリングすることもできません。
sharedNode要素は、階層内の任意の場所に挿入できます。たとえば、例18-10に示されているコードでは、sharedNode要素によりグローバル・ノードと同じレベルにサブメニューが追加されています。
XMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成すると、図18-11に示すように、メニュー・メタデータのインデント・レベルが構造ウィンドウに表示されるツリー構造に正確に反映されます。
ノードの作成に使用されている各要素に、プロパティ・インスペクタでプロパティを設定します。itemNode要素は表18-2に、groupNode要素は表18-3に、sharedNode要素は表18-4に説明されています。
表18-2 itemNode要素の属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
|
|
結果文字列、または結果文字列を返すELメソッド・バインディング式を指定します。どちらの場合も、結果文字列は、 |
|
|
ノードが選択された場合にナビゲートするページのURI( または、そのURIに評価されるELメソッド式を指定します。
|
|
|
必須。ノードのナビゲーション結果に一致するページのURI。つまり、 たとえば、ノードのアクション結果が(
|
|
|
必須。ノードの一意の識別子を指定します。 例18-6に示されているように、各 |
|
|
ノードに表示するラベル・テキストを指定します。リソース・バンドルの文字列へのEL式( |
groupNode要素には、直接ナビゲーションを実行するactionまたはdestination属性はありませんが、(actionまたはdestination属性のある)子のitemNodeを直接示すか、itemNode要素に到達するまで、子ノードのいずれかを示す子のgroupNodeを間接的に示すことにより、アクション結果または宛先のURIを含む子ノードを示します。ナビゲーションは、その後、アクション結果またはそのitemNode要素の宛先のURIから決定されます。
例18-11に示されているgroupNodeのコードを例にとります。実行時に、ユーザーがgroupNode id="gn1"、groupNode id="gn11"またはitemNode id="in1"をクリックすると、到達する最初のitemNode(itemNode id="in1")に指定されているように、ナビゲーション結果はgoToSubTabOneになります。表18-3に、groupNode要素を使用する際に指定する必要のある属性を示します。
例18-11 groupNode要素
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns:"http://myfaces.apache.org/trinidad/menu">
<groupNode id="gn1" idref="gn11" label="GLOBAL_TAB_0">
<groupNode id="gn11" idref="in1" label="PRIMARY_TAB_0">
<itemNode id="in1" label="LEVEL2_TAB_0" action="goToSubTabOne"
focusViewId="/menuDemo/subtab1.jspx"/>
<itemNode id="in2" label="LEVEL2_TAB_1" action="goToSubTabTwo"
focusViewId="/menuDemo/subtab2.jspx"/>
</groupNode>
<itemNode id="in3" label="PRIMARY_TAB_1" focusViewId="/menuDemo/tab2.jspx"
destination="/faces/menuDemo/tab2.jspx"/>
</groupNode>
<itemNode id="gin1" label="GLOBAL_TAB_1" action="goToGlobalOne"
focusViewId="/menuDemo/global1.jspx"/>
<itemNode id="gin2" label="GLOBAL_TAB_2"
destination="/faces/menuDemo/global2.jspx"
focusViewId="/menuDemo/global2.jspx"/>
</menu>
表18-3 groupNode要素の属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
|
|
グループ・ノードの一意の識別子。 例18-6に示されているように、各 |
|
|
子ノードのID(
|
|
|
グループ・ノードに表示するラベル・テキストを指定します。リソース・バンドルの文字列へのEL式( |
ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用してXMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成する場合、マネージドBean名として指定したメタデータ・ファイル名を使用して、JDeveloperによりfaces-config.xmlファイルのメタデータ・ファイルにマネージドBeanが自動的に構成されます。
例18-12に、XMLMenuModelメタデータ・ファイルの構成が1つ含まれるfaces-config.xmlファイルの一部を示します。JDeveloperでは、デフォルトで、org.apache.myfaces.trinidad.model.XMLMenuModelクラスがマネージドBeanクラスとして使用され、必須で変更できないrequestはマネージドBeanスコープとして使用されます。
例18-12 faces-config.xml内のXMLMenuModelのマネージドBean構成
<managed-bean>
<managed-bean-name>root_menu</managed-bean-name>
<managed-bean-class>org.apache.myfaces.
trinidad.model.XMLMenuModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>request</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>createHiddenNodes</property-name>
<value>false</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>source</property-name>
<property-class>java.lang.String</property-class>
<value>/WEB-INF/root_menu.xml</value>
</managed-property>
</managed-bean>
また、各XMLMenuModelのマネージドBeanに、次のマネージド・プロパティが追加されます。
createHiddenNodes: trueの場合、コンポーネントのrendered属性がfalseの場合でも、階層ノードを作成する必要があることを指定します。createHiddenNodes値は、取得されて、ソース・メニュー・メタデータ・ファイルが開かれて解析されると使用可能になります。これにより、実際のコンポーネントをレンダリングする必要がない場合でも、階層全体を作成できます。
createHiddenNodesプロパティは、sourceプロパティの前に配置する必要があります。マネージドBeanが自動的に構成される場合には、これはJDeveloperによって行われます。正しく解析し、sourceマネージド・プロパティからメニューのXMLメタデータを作成するには、この値がXMLMenuModelマネージドBeanに設定されている必要があります。
source: 使用するソース・メタデータ・ファイルを指定します。
ウィザードを使用してプロジェクトに作成する各XMLMenuModelメタデータ・ファイルのそれぞれについて、JDeveloperによりfaces-config.xmlファイルにマネージドBeanが構成されます。たとえば、XMLMenuModelでsharedNode要素を使用して、(例18-10に示されているように)別のXMLMenuModelメタデータ・ファイルを参照する場合は、2つのメタデータ・ファイルを作成しています。JDeveloperによりfaces-config.xmlファイルに2つのマネージドBean構成が追加されます。例18-13に示すように、1つはメイン(ルート)のメニュー・モデル用で、2つ目のマネージドBeanは共有(参照)メニュー・モデル用です。
例18-13 faces-config.xml内の共有メニュー・モデルのマネージドBean
<!-- managed bean for referenced, shared menu model -->
<managed-bean>
<managed-bean-name>shared_menu</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
<managed-bean-class>org.apache.myfaces.
trinidad.model.XMLMenuModel</managed-bean-class>
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>request</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>createHiddenNodes</property-name>
<value>true</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>source</property-name>
<property-class>java.lang.String</property-class>
<value>/WEB-INF/shared_menu.xml</value>
</managed-property>
</managed-bean>
つまり、XMLMenuModelメタデータ・ファイルに共有ノードを使用すると、faces-config.xmlファイルには、ルート・メニュー・モデルのマネージドBeanと、共有ノードを介して参照される任意のメニュー・モデル用のメニュー・モデルのマネージドBeanが含まれます。
ページ階層の各ノードは1つのJSFページに対応します。各ページで、XMLMenuModelメタデータ・ファイルに定義したナビゲーション・アイテム(グローバル・アイテムを含む)の各レベルに、navigationPaneコンポーネントを1つ使用します。レベルはゼロベースの索引番号により定義されます。メタデータ・ファイルのグローバル・ノード(例18-6に示されているmenu要素の下の直接の子ノード)から始まり、level属性値は0(ゼロ)で、次のレベル(通常はタブ)の1、その次のレベル(通常はバー)の2のように続きます。たとえば、図18-9および例18-6に示されているようなページ階層がある場合、Homeのようなページには(Homeノードの下の3レベルのナビゲーション用に)navigationPaneコンポーネントを3つと、グローバル・ノード用にもう1つnavigationPaneコンポーネントを使用します。
|
ヒント: メニュー・モデルにより、動的に階層(各navigationPaneコンポーネントに表示されるリンク)が決定され、フォーカス・パスの現在のノードが選択済として設定されるため、事実上、各ページに同じコードを再利用できます。実行する必要があるのは、ページのドキュメント・タイトルの変更と、そのページに表示する特定のページ・コンテンツの追加のみです。
コードが似ているため、 |
18.5.1項「単純なページ階層の作成方法」で説明されているように、各階層レベルに使用するナビゲーション・アイテムのタイプ(buttons、tabsまたはbarなど)を指定するにはhint属性を使用します。ただし、複数のcommandNavigationItemコンポーネントを手動で追加してナビゲーション・アイテムを指定するのではなく、例18-14に示すように、各navigationPaneコンポーネントをXMLMenuModelマネージドBeanにバインドし、各navigationPaneコンポーネントのnodeStampファセットにcommandNavigationItemコンポーネントを1つのみ挿入します。
例18-14 XMLMenuModelマネージドBeanにバインドされたnavigationPaneコンポーネント
<af:navigationPane var="menuInfo" value="#{root_menu}" level="1"
hint="tabs">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{menuInfo.label}"
action="#{menuInfo.doAction}"
icon="#{menuInfo.icon}"
destination="#{menuInfo.destination}"
visible="#{menuInfo.visible}"
rendered="#{menuInfo.rendered}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
XMLMenuModelマネージドBeanとともに使用するnodeStampファセットと単一のcommandNavigationItemコンポーネントにより、次の操作が実行されます。
レベル内のナビゲーション・アイテムの適切な数がスタンプ設定されます。
正しいラベル・テキストとその他のプロパティが、メタデータに定義されているとおりに表示されます。たとえば、EL式#{menuInfo.label}によりナビゲーション・アイテムに使用する適切なラベル・テキストが取得され、#{menuInfo.doAction}は同じ項目に定義されているアクション結果に評価されます。
フォーカス・パスの現在の項目が選択済とマークされます。commandNavigationItemコンポーネントにselected属性を指定する必要はありません。
|
注意: 特定の階層レベル(第3レベルのリストなど)のXMLMenuModelオブジェクトにノード情報がない場合、ページにはそのレベルのnavigationPaneコードが含まれていても、ADF Facesではページにそれらの項目は表示されません。 |
XMLMenuModelマネージドBeanにバインドする手順:
メニュー・タブのスタイルを設定する場合は、コンポーネント・パレットのレイアウト・セクションから装飾ボックスをJSFページにドラッグ・アンド・ドロップして、decorativeBoxコンポーネントを作成します。テーマを設定して、タブの表示方法を決定します。有効な値は次のとおりです。
default: 本体は白で、枠は青です。左上隅は丸くなります。
light: 本体は薄い青です。左上隅は丸くなります。
medium: 本体は中間色の青です。左上隅は丸くなります。
dark: 本体は濃い青です。左上隅は丸くなります。
テーマの表示方法は変更できます。詳細は、第20章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
コンポーネント・パレットからJSFページにナビゲーション・ペインをドラッグ・アンド・ドロップして、navigationPaneコンポーネントを作成します。階層の各レベルにnavigationPaneコンポーネントを追加します。
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ヒント: ナビゲーション・ペイン・コンポーネントは、コンポーネント・パレットのレイアウト・ペインにあります。 |
たとえば、図18-5の階層のようなページを作成するには、navigationPaneコンポーネントを4つドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで「共通」セクションを開き、各navigationPaneコンポーネントのhint属性を次に示すナビゲーション・アイテムのいずれかのタイプに設定して、navigationPaneで次のものをどのように表示するかを決定します。
bar: バーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図18-8のInsuranceおよびPaid Time Offリンクなどがこれに当たります。
buttons: グローバル領域のバーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図18-8のHomeおよび「ヘルプ」リンクなどがこれに当たります。
choice: 関連付けられたドロップダウン・アイコンがクリックされると、ナビゲーション・アイテムがポップアップ・リストで表示されます。navigationPaneコンポーネントのicon属性に値を含める必要があります。これにより、title属性を使用して、ラベルをドロップダウン・リストに関連付けられます。
list: ナビゲーション・アイテムが箇条書きリストで表示されます。図18-8のHealthおよびDentalリンクなどがこれに当たります。
tabs: ナビゲーション・アイテムがタブで表示されます。図18-8のBenefitsおよびEmployee Dataタブなどがこれに当たります。
level属性を、XMLMenuModelメタデータ・ファイルのメタデータの適切なレベルを示すように設定します。level属性はゼロベースの索引番号です。メタデータ・ファイルのグローバル・ノード(例18-6に示されているmenu要素の下の直接の子ノード)から始まり、level属性値は0(ゼロ)で、次のレベル(通常はタブ)の1、その次のレベル(通常はバー)の2のように続きます。
commandNavigationItemコンポーネントは、親のnavigationPaneコンポーネントのlevel属性を介して、メタデータ・ファイルからメタデータを取得できます。level属性値を指定しない場合は、デフォルトで0(ゼロ)が使用されます。これは、navigationPaneコンポーネントでは、commandNavigationItemコンポーネントによりレンダリングされるmenu要素の下の第1レベルから、メタデータが取得されることを意味します。
プロパティ・インスペクタで、「データ」セクションを開きます。value属性を、faces-config.xmlファイルのルートXMLMenuModelクラスに構成されているメニュー・モデルのマネージドBeanに設定します。
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注意: value属性が参照できるのは、共有ノードを介して参照されるメニュー・モデルではなく、ルート・メニュー・モデルのみです。たとえば、(例18-10に示されているように)メインのXMLMenuModelメタデータに共有ノードを使用している場合は、JDeveloperにより、その共有ノードにマネージドBean構成が作成され、共有モデルを使用するルートXMLMenuModel Beanも作成されます。共有モデルのマネージドBeanは、起動時にメニュー・ツリーが解析されると、ルート・メニュー・モデルのマネージドBeanに自動的に組み込まれます。 |
var属性を、メニュー・モデルから必要なデータを取得するためにcommandNavigationItemコンポーネントで使用するテキストに設定します。
実行時に階層が作成されて各ノードにスタンプが設定されると、EL式を使用して特定可能なvar属性に現在のノードのデータがコピーされます。varプロパティを使用して、このプロパティに使用する名前をEL式に指定します。
|
ヒント: ページまたはアプリケーションのすべてのnavigationPaneコンポーネントのvar属性に同じ値を使用します。 |
navigationPaneコンポーネントのnodeStampファセットに、コンポーネント・パレットから「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップします。
(必要な情報が含まれるメタデータを持つ)メニュー・モデルを参照するEL式を使用して、対応する値がメタデータに保持される残りの属性に値を設定します。手順6で、値がメタデータで保持されている対応するitemNode要素の名前とともに、親のnavigationPaneコンポーネントに設定したvar属性の値を使用してこれらの値にアクセスします。表18-5に、対応する値がメタデータにあるナビゲーション・アイテムの属性を示します。
表18-5 ナビゲーション・アイテムの属性および関連付けられたメニュー・モデルの属性
| ナビゲーション・アイテムの属性 | 関連付けられたメニュー・モデル要素の属性 |
|---|---|
|
text |
label |
|
action |
doAction |
|
icon |
icon |
|
destination |
destination |
|
visible |
visible |
|
rendered |
rendered |
たとえば、親のnavigationPaneコンポーネントのvar属性をmenuInfoに設定した場合、action属性の値のEL式として#{menuInfo.doAction}コンポーネントを使用します。これは、各ノードのメタデータに設定されているactionプロパティに解決されます。例18-15に、HRの例のメニュー・モデルにバインドするためのJSFコードを示します。
例18-15 XMLモデルへのバインド
<af:form>
<af:navigationPane hint="buttons" level="0" value="#{root_menu}"
var="item">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{item.label}"
action="#{item.doAction}"
icon="#{item.icon}"
destination="#{item.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
<af:navigationPane hint="tabs" level="1" value="#{root_menu}"
var="item">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{item.label}"
action="#{item.doAction}"
icon="#{item.icon}"
destination="#{item.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
<af:navigationPane hint="bar" level="2" value="#{root_menu}"
var="item">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{item.label}"
action="#{item.doAction}"
icon="#{item.icon}"
destination="#{item.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
<af:navigationPane hint="list" level="3" value="#{root_menu}"
var="item">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{item.label}"
action="#{item.doAction}"
icon="#{item.icon}"
destination="#{item.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
</af:form>
メニュー・モデルを使用したブレッドクラムの作成は、ページ階層の作成に似ています。commandNavigationItemコンポーネントにスタンプを設定するnodeStampファセットを含むbreadCrumbsコンポーネントは、モデルのデータとともに使用します。
ブレッドクラムを作成する手順:
コンポーネント・パレットからJSFページにブレッド・クラム・コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップして、breadCrumbsコンポーネントを作成します。
デフォルトでは、ブレッドクラム・リンクは水平に表示されます。レイアウトが垂直になるように変更するには、プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、orientation属性をverticalに設定します。
プロパティ・インスペクタで、「データ」セクションを開きます。faces-config.xmlファイルに構成されているように、value属性をルート・メニュー・モデルのマネージドBeanに設定します。これが、navigationPaneコンポーネントがバインドされるのと同じBeanです。
|
注意: value属性が参照できるのは、共有ノードを介して参照されるメニュー・モデルではなく、ルート・メニュー・モデルのみです。たとえば、(例18-10に示されているように)メインのXMLMenuModel要素に共有ノードを使用している場合は、JDeveloperにより、その共有ノードにマネージドBean構成が作成され、共有モデルを使用するルートXMLMenuModel Beanも作成されます。共有モデルのマネージドBeanは、起動時にメニュー・ツリーが解析されると、ルート・メニュー・モデルのマネージドBeanに自動的に組み込まれます。 |
var属性を、メニュー・モデルから必要なデータを取得するためにcommandNavigationItemコンポーネントで使用するテキストに設定します。
実行時に階層が作成されて各ノードにスタンプが設定されると、EL式を使用して特定可能なvar属性に現在のノードのデータがコピーされます。varプロパティを使用して、このプロパティに使用する名前をEL式に指定します。
|
ヒント: ページまたはアプリケーションのnavigationPaneコンポーネントで実行したように、breadCrumbsコンポーネントのvar属性に同じ値を使用できます。 |
コンポーネント・パレットから「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップし、breadCrumbsコンポーネントのnodeStampファセットに、子としてcommandNavigationItemコンポーネントを1つ追加します。
(必要な情報が含まれるメタデータを持つ)メニュー・モデルを参照するEL式を使用して、対応する値がメタデータに保持される残りの属性に値を設定します。手順4で、値がメタデータで保持されている対応するitemNode要素の名前とともに、親のbreadCrumbsコンポーネントに設定したvar属性の値を使用してこれらの値にアクセスします。表18-5に、対応する値がメタデータにあるナビゲーション・アイテムの属性を示します。
たとえば、breadCrumbsコンポーネントのvar属性をmenuInfoに設定した場合、action属性の値のEL式として#{menuInfo.doAction}を使用します。これは、各ノードのメタデータに設定されているactionプロパティに解決されます。
navigationPaneコンポーネントのvalue属性は、XMLMenuModel要素のマネージドBeanを参照します。そのマネージドBeanがリクエストされると、次の処理が実行されます。
faces-config.xmlファイルのmanaged-property要素に指定されているように、XMLMenuModelクラスのsetSource()メソッドが、モデルのメタデータの場所を使用してコールされます。
パーサー(SAXParser)が、メタデータへのInputStreamオブジェクトを使用できるようになります。ナビゲーション・アイテムのメタデータが解析され、MenuContentHandlerメソッドへのコールが実行されます。
MenuContentHandlerにより、次のようにして、ナビゲーション・メニューのツリー構造がListオブジェクトとして作成されます。
メタデータ内のノードの処理が開始される際に、startElement()メソッドがコールされます。
ノードの処理の終了時に、endElement()メソッドがコールされます。
各ノードが処理されると、メニュー・モデルのページ階層を構成するナビゲーション・メニュー・ノードのListが作成されます。
ナビゲーション・メニュー・ノードのリストから、TreeModelオブジェクトが作成されます。
TreeModelオブジェクトからXMLMenuModelオブジェクトが作成されます。
groupNode要素のidref属性に複数の子IDがある場合は、次の処理が実行されます。
IDはリストされている順序で処理されます。現在のIDで子ノードが検出されない場合は次のIDが使用され、これが繰り返されます。
idrefリストの現在のIDに一致する子ノードが検出されると、そのノードでは、rendered属性がtrueに設定されていること、disabled属性がfalseに設定されていること、readOnly属性がfalseに設定されていること、およびvisible属性がtrueに設定されていることが確認されます。条件のいずれかが一致しない場合は、idrefリストの次のIDが使用され、これが繰り返されます。
条件に一致する最初の子ノードは、アクション結果または宛先のURIの取得に使用されます。条件に一致する子ノードが検出されない場合は、エラーが記録されます。ただし、UIにはエラーは表示されません。
条件に一致する最初の子ノードが別のgroupNode要素の場合、処理はその子に続行されます。処理は、actionまたはdestination属性を含むitemNode要素が出現すると止まります。
itemNode要素にaction属性がある場合は、ユーザーの選択によりPOSTアクションが開始され、アクション結果を介してナビゲーションが実行されます。itemNode要素にdestination属性がある場合は、ユーザーの選択によりGETアクションが開始され、destination値を使用して直接ナビゲーションが実行されます。
XMLMenuModelクラスには、ナビゲーション・メニュー・システムを使用してナビゲートすると、ナビゲーション・メニューの項目(タブやバーなど)が適切に強調表示および有効にされるモデルがあります。モデルはlabel、doAction、およびナビゲーション・アイテムの動的な生成に使用されるその他のプロパティの値でもインスタンス化されます。
XMLMenuModelクラスではレンダリングは行われません。navigationPaneコンポーネントでは、コールからgetFocusRowKey()メソッドへの戻り値を使用して、レベルのナビゲーション・メニュー・アイテムがページにレンダリングされます。
navigationPaneコンポーネントのnodeStampファセットの中のcommandNavigationItemコンポーネントは、各ナビゲーション・アイテムのラベル・テキストおよびアクション結果を提供します。nodeStampファセットにスタンプが設定されるたびに、現在のナビゲーション・アイテムのデータがELに到達可能なプロパティにコピーされます。このプロパティの名前は、nodeStampファセットを含むnavigationPaneコンポーネントのvar属性によって定義されます。nodeStampは、ELに到達可能なプロパティから詳細なプロパティを取得して、各項目のデータを表示します。ナビゲーション・メニューのレンダリングが完了すると、このプロパティは削除されます(または以前の値に戻ります)。ユーザーがナビゲーション・アイテムを選択すると、デフォルトのJSF actionListenerメカニズムでは、アクション結果文字列または宛先のURIを使用してページ・ナビゲーションが処理されます。
XMLMenuModelクラスはnodeStampファセットとともに、ナビゲーション・アイテムを選択済としてレンダリングするかどうかを制御します。前述のように、XMLMenuModelオブジェクトは、各ノードのviewId属性の情報が含まれたツリー・モデルから作成されます。XMLMenuModelクラスには、getFocusRowKey()というメソッドがあります。このメソッドは、フォーカスされるページを決定し、ノードがそのフォーカス・パス上にあれば自動的にそのノードを選択済としてレンダリングします。最も単純な形式のgetFocusRowKey()メソッドによって行われる処理は次のとおりです。
現在のviewId属性が取得されます。
重複するviewId値の解決に使用される内部マップのID、およびメニュー・モデルの作成時にツリーをトラバースすることにより作成されたviewIdFocusPathMapオブジェクトのIDと、viewId属性の値が比較されます。
現在のviewId属性があるノードへのフォーカス・パスが返されるか、現在のviewId属性値が検出されない場合にはnullが返されます。
ノードのviewId属性は、フォーカスrowKeyオブジェクトの特定に使用されます。モデルの各項目には、現在のrowKeyオブジェクトに基づいてスタンプが設定されます。ユーザーがナビゲートして現在のviewId属性が変更されると、モデルのフォーカス・パスも変更されて、新しいナビゲーション・アイテムのセットがアクセスされます。
作成したカスタム属性を表示できるのはitemNode要素のみです。itemNode要素を追加してカスタム属性の値にアクセスできるようにするには、次のようにしてメニュー・モデルからツリーを取得する必要があります。
メニュー・モデルのgetWrappedData()メソッドをコールします。
getFocusRowKey()メソッドをコールして、現在のフォーカス・パスを取得します。
このフォーカス・パスを使用してツリーをトラバースし、フォーカス・パスのノードのリストを返します。
getCustomProperty() APIをコールし、カスタム属性に関してこれらのノードを1つ以上テストします。
例18-17に、必要なコードの例を示します。
例18-17 XMLMenuModelからのカスタム属性へのアクセス
/**
* Returns the nodes corresponding to a focus path
*
* @param tree
* @param focusPath
*/
public List getNodesFromFocusPath(TreeModel tree, ArrayList focusPath)
{
if (focusPath == null || focusPath.size() == 0)
return null;
// Clone the focusPath cause we remove elements
ArrayList fp = (ArrayList) focusPath.clone();
// List of nodes to return
List nodeList = new ArrayList<Object>(fp.size());
// Convert String rowkey to int and point to the
// node (row) corresponding to this index
int targetNodeIdx = Integer.parseInt((String)fp.get(0));
tree.setRowIndex(targetNodeIdx);
// Get the node
Object node = tree.getRowData()
// put the Node in the List
nodeList.add(node);
// Remove the 0th rowkey from the focus path
// leaving the remaining focus path
fp.remove(0);
// traverse into children
if ( fp.size() > 0
&& tree.isContainer()
&& !tree.isContainerEmpty()
)
{
tree.enterContainer();
// get list of nodes in remaining focusPath
List childList = getNodesFromFocusPath(tree, fp);
// Add this list to the nodeList
nodeList.addAll(childList);
tree.exitContainer();
}
return nodeList;
}
public String getElementLabel(XMLMenuModel model, Object myVal, String myProp)
{
TreeModel tree = model.getWrappedData();
Object node = findNodeByPropertyValue(tree, myVal, myProp);
FacesContext context = FacesContext.getCurrentInstance();
PropertyResolver resolver = context.getApplication().getPropertyResolver();
String label = (String) resolver.getValue(node, _LABEL_ATTR);
return label;
}
public Object findNodeByPropertyValue(TreeModel tree, Object myVal, String myProp)
{
FacesContext context = FacesContext.getCurrentInstance();
PropertyResolver resolver = context.getApplication().getPropertyResolver();
for ( int i = 0; i < tree.getRowCount(); i++)
{
tree.setRowIndex(i);
// Get a node
Object node = tree.getRowData();
// Get the value of the attribute of the node
Obect propVal = resolver.getValue(node, myProp);
if (propVal == myVal)
{
return node;
}
if (tree.isContainer() && !tree.isContainerEmpty())
{
tree.enterContainer();
node = findNodeByPropertyValue(tree, myVal, myProp);
if (node != null)
return node;
tree.exitContainer();
}
}
return null;
}
|
注意: アプリケーションにFusionテクノロジ・スタックまたはADFコントローラが使用されている場合は、ADFタスク・フローを使用して、アプリケーションのページ階層にナビゲーション・システムを作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「トレインの作成」を参照してください。 |
ユーザーが特定の順序で表示する必要のある一連のページがある場合は、各ページにtrainコンポーネントを使用して、マルチステップ・プロセスをガイドする一連のナビゲーション・アイテムを表示することを検討してください。図18-12に、レンダリングされたtrainコンポーネントがページでどのように表示されるかの例を示します。trainはマルチステップ・プロセスのステップ数を表示するだけでなく、プロセス全体との関連における現在のステップの位置も示します。
trainコンポーネントにより、トレイン・ストップとして表される構成済の各ステップがレンダリングされます。すべてのストップは線でつながっています。各トレイン・ストップには、下にラベルがあるイメージ(四角いブロックなど)があります。
各トレイン・ストップは、マルチステップ・プロセスの1つのステップまたはページに対応します。ユーザーは、イメージまたはラベルをクリックしてトレイン・ストップをナビゲートし、それにより新しいページが表示されます。通常、トレイン・ストップは順番に表示する必要があります。ユーザーはステップ1から開始して、ステップ2、ステップ3へと移動する必要があり、ステップ2を完了していない場合はステップ3に移動できません。
図18-12に示すように、trainコンポーネントにはトレイン・ストップのスタイルが少なくとも4つあります。ユーザーが表示している現在のストップは、トレイン・ストップのラベルが太字のフォント・スタイルで示され、そのストップには異なるイメージが使用されます。現在のストップの前に表示されたストップは、異なるラベル・フォント色およびイメージ色で示されます。現在のストップの次のストップは有効にされて表示され、まだ表示していないその他のストップはグレー表示されます。
トレイン・ストップには、サブトレインを含めることができます。つまり、親ストップから子のマルチステップ・プロセスを開始し、サブプロセスを完了してから適切な親ストップに戻ることができます。4番目のストップに、3つのストップを含むサブプロセス・トレインがあるとします。ユーザーがサブプロセス・トレインの最初のストップにナビゲートすると、ADF Facesにより、図18-13に示すように、サブプロセス・トレインの前後に親トレインを表すアイコンが表示されます。
trainコンポーネントにtrainButtonBarコンポーネントを使用して、図18-14に示すように、「戻る」および「次へ」ボタンという形で、trainに追加のナビゲーション・アイテムを指定できます。これらの「戻る」および「次へ」ボタンを使用した場合、ユーザーは現在のストップから前後のトレイン・ストップにのみナビゲートできます。trainButtonBarコンポーネントは、trainコンポーネントなしでも使用できます。たとえば、表示されないストップがある場合、いくつかの条件付きロジックに基づいて、ストップを表示せずに「戻る」および「次へ」ボタンのみを表示することが必要な場合があります。
どちらのtrainコンポーネントも、value属性をタイプorg.apache.myfaces.trinidad.model.MenuModelのトレイン・モデルにバインドすることで機能します。トレイン・メニュー・モデルには、次の処理に必要な情報が含まれています。
特定のトレイン動作の制御(トレインによりユーザーがどのようにトレイン・ストップを前進してマルチステップ・プロセスを完了するか)
トレイン・ストップ・ラベルを含むトレイン・ストップおよび各ストップのステータスの動的な生成(現在ストップは選択、完了、未完了または無効のいずれの状態であるか)
|
注意: ADFモデル・レイヤーおよびADFコントローラを使用しているアプリケーションでは、このナビゲーションおよび表示は異なる方法で設定および処理されています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「トレインの作成」を参照してください。 |
つまり、トレインのメニュー・モデルは、続いてTreeModelクラスを拡張するMenuModel抽象クラスを拡張することで実装されます(詳細は、第10章「表およびツリーの使用」を参照してください)。MenuModelオブジェクトは、ページやアプリケーションのメニュー構造を表すことも、ページの階層やフローに含まれるストップを表すこともあります。
MenuModelクラスのインスタンスは特殊なTreeModelオブジェクトで、TreeModelオブジェクトのノードはトレインのストップを表すことができます。トレイン・コンポーネント内のトレイン・ストップを表すノード・インスタンスは、タイプTrainStopModelにできます。また、TrainStopModelオブジェクトと同じEL構造であるかぎり、どのようなオブジェクトでもかまいません。ただし、TrainStopModelクラスでは、ストップのラベルや、immediate、disabledおよびvisited属性の状態だけでなく、結果を取得するためのメソッドも公開されます。
MenuModelクラスは、ツリーのどの部分で現在のトレイン・ストップ(ページ)がフォーカスされているかを示すこともできます。MenuModelクラスのgetFocusRowKey()メソッドは、現在のviewIdのフォーカス・ページのrowKeyオブジェクトを返します。トレインのメニュー・モデル実装には、org.apache.myfaces.trinidad.model.ProcessMenuModelクラスを拡張することで作成できる固有のトレイン動作も必要です。トレイン動作は、現在のトレイン・ストップを表示している間に、ユーザーがトレインのどのストップを表示できるかを制御します。
トレイン・ストップ・モデルを作成するには、TrainStopModel抽象クラスを拡張して抽象メソッドを実装することも、同じメソッド・シグネチャを使用して独自のクラスを作成することもできます。作成するクラスではrowDataオブジェクトを返す必要があります。
トレイン・メニュー・モデルへのtrainコンポーネントのバインドは、XMLMenuModelクラスへのnavigationPaneコンポーネントのバインドに似ています(詳細は、18.6.3項「JSFページでのXMLMenuModelへのバインド方法」で説明されています)。ただし、TrainStopModelの実装でrowDataオブジェクトが戻される場合は、各ストップにcommandNavigationItemコンポーネントを提供する必要はありません。ADF Facesにより、実行時にnodeStampファセットおよびcommandNavigationItemコンポーネントが動的に作成され、トレイン・ストップ・モデルのメソッドがcommandNavigationItemコンポーネントの適切なプロパティに自動的にバインドされます。例18-18に、トレインの簡略化されたバインディングを示します。
|
ヒント: 様々な場所のトレイン・ストップの情報を照合する必要がある場合は、nodeStampファセットおよびそれらのトレイン・ストップを表す個々のcommandNavigationItemコンポーネントを手動で作成する必要があります。詳細は、18.7.3項「JSFページでのトレイン・モデルへのバインド方法」を参照してください。 |
トレイン・モデルのMenuModel実装には、特定のトレイン動作が必要です。トレイン動作は、現在表示されているページに基づいてユーザーがアクセスできるページをどのように制御するかを定義します。ADF Facesでは、Plus OneおよびMax Visitedという2つのトレイン動作がサポートされています。
トレインに5つのページまたは5つのストップがあり、ユーザーはページ1からページ4まで順番にナビゲート済であるとします。ページ4でユーザーはページ2に戻ります。ここでは、トレイン・モデルで使用されているトレイン動作に応じて、ユーザーは次に進むことができます。
Max Visitedでは、ユーザーは現在のページ2からページ1に戻ることも、ページ3に進むことも、ページ4に移動することもできます。つまり、Max Visitedを使用すると、ユーザーは前のページに戻ることも、すでに表示した最も先のページまで進むこともできます。ページ5はまだ表示されていないため、ユーザーはページ2からページ5に移動することはできません。
同じ状況で、Plus One動作の場合には、ユーザーはページ3に進むかページ1に戻ることしかできません。つまり、Plus Oneを使用すると、ユーザーは前のページに戻るか、現在のストップの1つ先のストップに進むことができます。ページ4がすでに表示されている場合でも、ユーザーはページ4に移動することはできません。
マルチステップ・プロセスのすべてのページにトレインを定義および使用する手順:
トレインにJSFナビゲーション・ルールおよびナビゲーション・ケースを作成します。トレインのナビゲーション・ルールおよびナビゲーション・ケースの作成方法は、18.5.1項「単純なページ階層の作成方法」に似ています。ここでは、トレインのすべてのトレイン・ストップに対するナビゲーション・ケースのあるグローバル・ナビゲーション・ルールを1つ作成します。
特定のトレイン動作を実装するトレイン・モデルを作成し、スタンプを設定するためのトレイン・ストップ項目を指定します。これには、トレイン・ストップ・モデル・クラスおよびメニュー・モデル・クラスの作成が含まれます。詳細は、18.7.1項「トレイン・モデルの作成方法」を参照してください。
トレイン・モデルにマネージドBeanを構成します。詳細は、18.7.2項「トレイン・モデルへのマネージドBeanの構成方法」を参照してください。
各トレイン・ストップにJSFページを作成します。
各ページで、トレイン・モデルにtrainコンポーネントをバインドします。18.7.3項「JSFページでのトレイン・モデルへのバインド方法」を参照してください。レインに追加のナビゲーション・ボタンを指定する場合は、オプションで、同じトレイン・モデルにtrainButtonBarコンポーネントをバインドします。
トレイン・メニュー・モデルを定義するには、次のものを作成します。
トレイン・ストップをレンダリングするためのデータを提供するトレイン・ストップ・モデル
特に、現在のトレイン・ストップを表示している間にユーザーがトレインのどのストップを表示できるか、どのストップを無効にする必要があるか、またはトレインを順番にナビゲートする必要があるかを制御する特定のトレイン動作(Max VisitedまたはPlus One)が指定されたMenuModel実装
ADF Facesを使用すると、次のような追加のpublicクラスが用意されているため、トレイン・メニュー・モデルの定義がより簡単になります。
トレイン・ストップ・モデルを実装するための抽象クラスTrainStopModel
トレイン・モデルのトレイン動作を実装するためのクラスProcessMenuModelおよびProcessUtils
トレイン・モデル・クラスの例として、ADF Facesデモ・アプリケーションのoracle.adfdemo.view.nav.richパッケージを参照してください。
トレイン・ストップ・モデル・クラスを作成します。トレイン・ストップ・モデル・オブジェクトには、各トレイン・ストップにスタンプを設定するための行データが保持されます。作成するトレイン・ストップ・モデル実装では、トレインの各ストップのプロパティを設定および取得し、トレイン・ストップのレンダリングに必要なメソッドを定義する必要があります。トレイン・ストップのプロパティは、commandNavigationItemコンポーネントのプロパティに対応します。このため、例18-18に示すように、簡略化されたバインディングを使用できます。
または、抽象クラスTrainStopModelを拡張して、サブクラスの抽象メソッドを実装できます。
ELにより自動的にバインドされるcommandNavigationItemコンポーネントのプロパティを次に示します。
action: 静的なアクション結果、またはアクション結果を返すアクション・メソッドへの参照。結果は、JSFのデフォルトのActionListenerメカニズムを介して、ページ・ナビゲーションに使用されます。
disabled: トレイン・ストップが非対話型である必要があるかどうかを示すブール値。使用するトレイン動作が、このプロパティ値に影響することに注意してください。詳細は、手順2を参照してください。
immediate: データ検証を実行する必要があるかどうかを決定するブール値。使用するトレイン動作が、このプロパティ値に影響することに注意してください。詳細は、手順2を参照してください。
messageType: トレイン・ストップ・イメージ上のメッセージ・アラート・アイコンを指定する値。使用可能な値は、none、error、warning、infoおよびcompleteです。メッセージの詳細は、第17章「ヒント、メッセージおよびヘルプの表示」を参照してください。
shortDesc: クライアント・ユーザー・エージェントにより、トレイン・ストップのツールチップ・ヘルプ・テキストの表示に一般的に使用される値。
showRequired: 必要な値がそのトレイン・ストップ・ページに含まれていることを示すために、トレイン・ストップの隣にアスタリスクを表示するかどうかを決定するブール値。
textAndAccessKey: トレイン・ストップに表示するラベル・テキストと、使用するアクセス・キーの両方を設定する単一の値。
visited: トレイン・ストップがすでに表示済であるかどうかを示すブール値。使用するトレイン動作が、このプロパティ値に影響することに注意してください。詳細は、手順2を参照してください。
MenuModelクラスに基づいてクラスを作成し、トレイン・モデルの構成を簡略化します。
トレイン・モデルのMenuModel実装には、特定のトレイン動作が必要です。org.apache.myfaces.trinidad.modelパッケージのProcessMenuModelクラスは、Plus OneおよびMax Visitedという2つのトレイン動作をサポートするMenuModelクラスの参照実装です。トレイン・モデルにトレイン動作を実装するには、ProcessMenuModelクラスを拡張するか独自のクラスを作成できます。
トレイン・モデル・クラスで、getFocusRowKey()メソッド(MenuModelクラスを参照)をオーバーライドし、トレイン動作(ProcessMenuModelクラスおよびProcessUtilsクラスを参照)を実装します。
ProcessMenuModelクラスに指定されているトレイン動作は、commandNavigationItemコンポーネントのvisited、immediate、およびdisabledプロパティに影響があります。
visited属性をtrueに設定するのは、トレインのそのページが表示済の場合のみです。ProcessMenuModelクラスでは、visited属性の値の決定に次のロジックが使用されます。
Max Visited: 現在のセッションでユーザーが表示した最も先のストップが最大表示ストップです。最大表示ストップより前、または最大表示ストップ自体の場合、ストップではvisitedがtrueに設定されます。
Plus One: Plus Oneストップでは、表示済の最も先のストップは追跡されません。現在のストップ、または現在のストップの前のストップでは、visited属性がtrueに設定されます。
現在のページのデータを検証する必要がない場合は、immediate属性をtrueに設定する必要があります。前述のPlus One動作のページ4に、検証が必要なデータがあるとします。ページ4に進んでページ2に戻った場合、ページ5に進むためにユーザーは後からページ4に戻る必要があります。これは、ページ4からページ1、2または3に戻る場合はページ4のデータを検証する必要はないが、ページ5に進む場合にはデータを検証する必要があることを意味します。immediate属性がどのように機能するかの詳細は、4.3項「immediate属性の使用」を参照してください。
ProcessMenuModelクラスでは、immediate属性の値の決定に次のロジックが使用されます。
Plus One: immediate属性は、前のステップに対してはtrueに設定され、それ以外に対してはfalseに設定されます。
Max Visited: 現在のページと、表示した最大ページが同じである場合、動作はPlus Oneシナリオと同じです。現在のページが表示された最大ページよりも前にある場合、immediate属性はfalseに設定されます。
disabled属性をtrueに設定するのは、現在のページからそのページに移動できない場合のみです。ProcessMenuModelクラスでは、disabled属性の値の決定に次のロジックが使用されます。
Plus One: 次に使用可能なページより先のページでは、disabled属性がtrueになります。
Max Visited: 現在のストップと、表示した最大ページが同じである場合、動作はPlus One動作と同じです。現在のページが表示された最大ページよりも前にある場合、表示された最大ページより先のページではdisabledがtrueに設定されます。
ADF Facesでは、トレイン・モデルにnull以外のmaxPathKey値が渡されると、動作をサポートするために作成するマネージドBeanで決定されているとおりに、デフォルトで、Max Visited動作が使用されます(詳細は、18.7.2項「トレイン・モデルへのマネージドBeanの構成方法」を参照してください)。maxPathKey値がnullの場合には、Plus One動作が使用されます。
トレイン・モデルでマネージドBeanを使用して、個々のトレイン・ストップをArraylistオブジェクトにまとめます。これは、トレイン・モデルを作成するためにメニュー・モデルに組み込まれるツリー・モデルに変換されます。モデルに組み込むための適切な値を含むBeanをインスタンス化し、トレインの各トレイン・ストップまたはページにマネージドBeanを構成する必要があります。
トレイン・モデルにマネージドBeanを構成する手順:
インストール時に設定する必要のあるプロパティ値が含まれるマネージドBeanをトレインの各ストップに構成し、ArrayListに渡すトレイン・ストップを作成します。
トレイン・ストップに子のサブプロセス・トレインがある場合は、各サブプロセス・トレイン・ストップにもマネージドBeanが必要です。
各Beanは、18.7.1項「トレイン・モデルの作成方法」で作成したトレイン・ストップ・モデル・クラスのインスタンスである必要があります。例18-19に、faces-config.xmlファイルのトレイン・ストップのサンプルのマネージドBeanコードを示します。
例18-19 すべてのトレイン・ストップのマネージドBean
<!-- First train stop -->
<managed-bean>
<managed-bean-name>train1</managed-bean-name>
<managed-bean-class>project1.DemoTrainStopModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewId</property-name>
<value>/train.jspx</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>outcome</property-name>
<value>guide.train</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>label</property-name>
<value>First Step</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>model</property-name>
<value>trainMenuModel</value>
</managed-property>
</managed-bean>
<!-- Second train stop -->
<managed-bean>
<managed-bean-name>train2</managed-bean-name>
<managed-bean-class>project1.DemoTrainStopModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewId</property-name>
<value>/train2.jspx</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>outcome</property-name>
<value>guide.train2</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>label</property-name>
<value>Second Step</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>model</property-name>
<value>trainMenuModel</value>
</managed-property>
</managed-bean>
<!-- And so on -->
.
.
.
マネージド・プロパティにより、トレイン・ストップ・モデル・オブジェクト(18.7.1項「トレイン・モデルの作成方法」の手順1で作成されたクラス)に値が設定されます。
viewId値は、ユーザーがトレイン・ストップをクリックした場合にナビゲートされるページへのパスおよびファイル名です。
outcomeプロパティ値は、JSFナビゲーション・ケースに一致するアクション結果文字列です。デフォルトのJSF ActionListenerメカニズムは、トレイン・ストップが選択された際のナビゲート先のビューとしてトレイン・ストップに関連付けられたページの選択に使用されます。
labelプロパティ値は、トレイン・ストップ・イメージの下に表示されるトレイン・ストップのラベル・テキストです。値は静的にすることも、リソース・バンドルの文字列に評価されるEL式にすることもできます。
modelプロパティ値は、トレイン・モデルのマネージドBean名です(例18-23を参照)。
トレイン・ストップに子のサブプロセス・トレインがある場合には、例18-20に示すように、マネージドBean構成にも、値式(#{train4a}など)でサブプロセス・トレイン・ストップのマネージドBean名をリストするプロパティ(childrenなど)を指定する必要があります。
例18-20 子のサブプロセス・トレインを含むトレイン・ストップのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>train4</managed-bean-name>
<managed-bean-class>project1.DemoTrainStopModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewId</property-name>
<value>/train4.jspx</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>outcome</property-name>
<value>guide.train4</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>label</property-name>
<value>Fourth Step</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>children</property-name>
<list-entries>
<value-class>project1.DemoTrainStopModel</value-class>
<value>#{train4a}</value>
<value>#{train4b}</value>
<value>#{train4c}</value>
</list-entries>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>model</property-name>
<value>trainMenuModel</value>
</managed-property>
</managed-bean>
ArrayListオブジェクトのインスタンスであるマネージドBeanを構成し、トレイン・ツリー・モデルに渡すトレイン・ストップのリストを作成します。
例18-21に、トレイン・ストップのリストを作成するためのサンプルのマネージドBeanコードを示します。
例18-21 トレイン・リストのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>trainList</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
java.util.ArrayList
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>
none
</managed-bean-scope>
<list-entries>
<value-class>project1.DemoTrainStopModel</value-class>
<value>#{train1}</value>
<value>#{train2}</value>
<value>#{train3}</value>
<value>#{train4}</value>
<value>#{train5}</value>
</list-entries>
</managed-bean>
list-entries要素には、トレインにストップが表示される順序でリストされた値式(#{train1}など)のトレイン・ストップ(サブプロセス・トレイン・ストップを除く)のマネージドBean名が含まれます。
マネージドBeanを構成して、トレイン・リストからトレイン・ツリー・モデルを作成します。
トレイン・ツリー・モデルは、サブプロセス・トレインのリストも含む、トレイン・リスト全体をラップします。トレイン・モデルのマネージドBeanは、子のサブプロセス・トレインのリストを表すプロパティ名と同一であるchildProperty値を使用して、インスタンス化する必要があります(例18-20を参照)。
例18-22 トレイン・ツリー・モデルのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>trainTree</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
org.apache.myfaces.trinidad.model.ChildPropertyTreeModel
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>childProperty</property-name>
<value>children</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>wrappedData</property-name>
<value>#{trainList}</value>
</managed-property>
</managed-bean>
childPropertyプロパティには、サブプロセス・トレインのある各トレイン・ストップの子のリスト・エントリの取得に使用するプロパティ名を定義します。
wrappedDataプロパティ値は、ステップ2でマネージドBeanにより作成された、ラップするトレイン・リスト・インスタンスです。
マネージドBeanを構成して、トレイン・ツリー・モデルからトレイン・モデルを作成します。
これが、各ページのtrainコンポーネントがバインドされるBeanです。トレイン・モデルは、トレイン・ツリー・モデルをラップします。トレイン・モデルのマネージドBeanは、トレイン・ストップに関連付けられたページを表すプロパティ名と同一であるviewIdProperty値を使用して、インスタンス化する必要があります。
例18-23に、トレイン・モデルのサンプルのマネージドBeanコードを示します。
例18-23 トレイン・モデルのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>trainMenuModel</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
org.apache.myfaces.trinidad.model.ProcessMenuModel
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>session</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewIdProperty</property-name>
<value>viewId</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>wrappedData</property-name>
<value>#{trainTree}</value>
</managed-property>
<!-- to enable plusOne behavior instead, comment out the maxPathKey property -->
<managed-property>
<property-name>maxPathKey</property-name>
<value>TRAIN_DEMO_MAX_PATH_KEY</value>
</managed-property>
</managed-bean>
viewIdPropertyプロパティ値は、ユーザーがトレイン・ストップをクリックした場合にナビゲートされるページの指定に使用されるプロパティに設定されます。
wrappedDataプロパティ値は、ステップ3でマネージドBeanにより作成された、ラップするトレイン・ツリー・インスタンスです。
maxPathKeyプロパティ値は、Max Visitedトレイン動作を使用するためにトレイン・モデルに渡される値です。ADF Facesでは、トレイン・モデルにnull以外のmaxPathKey値が渡されるとMax Visited動作が使用されます。maxPathKey値がnullの場合には、Plus One動作が使用されます。
トレインの各ストップは、1つのJSFページに対応します。各ページに、trainコンポーネント、およびオプションでtrainButtonBarコンポーネントを1つずつ使用し、ユーザーがトレインを移動できるようにするボタンを作成します。
トレイン・コンポーネントをトレイン・モデルにバインドする手順:
コンポーネント・パレットからJSFページに「トレイン」をドラッグ・アンド・ドロップして、trainコンポーネントを作成します。オプションで、「トレイン・ボタン・バー」をドラッグ・アンド・ドロップします。
コンポーネントをバインドします。トレイン・モデルのMenuModel実装により、public抽象クラスoracle.adf.view.rich.model.TrainStopModelに似たrowDataオブジェクトが返される場合は、次のコードに示すように、trainコンポーネントにトレイン・バインディングの簡略化されたフォームを使用できます。
<af:train value="#{trainMenuModel}"/>
<af:trainButtonBar value="#{trainMenuModel}"/>
trainMenuModel EL式は、トレイン・モデルのマネージドBean名です(例18-23を参照)。
簡略化されたバインディングを使用できない場合は、トレイン値をトレイン・モデルBeanにバインドし、トレインにnodeStampファセットを手動で追加する必要があります。さらに、例18-24に示すように、そのトレインにcommandNavigationItemコンポーネントを追加します。