Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11gリリース1(11.1.1) B52029-02 |
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この付録では、ポインティング・デバイスのかわりに使用できるキーボード・ショートカットについて説明します。
この付録では次の項について説明します。
ポインティング・デバイスのかわりにキーボード・ショートカットを使用してページのナビゲートを行えます。BLAF Plusアプリケーションでは、タブのトラバース、アクセラレータ・キー、アクセス・キー、デフォルトのカーソルまたはフォーカスの配置、および特定のコンテキストでの[Enter]キーの使用という5つのタイプのキーボード・ショートカットが提供されています。
BLAF Plusアプリケーションで提供されるキーボード・ショートカットには次の5つのタイプがあります。
[Tab]キーおよび[Shift]+[Tab]キーを使用したタブのトラバース: 画面上のUI要素間でフォーカスを移動します。
アクセラレータ・キー(ホット・キー): [Ctrl]+[C]でコピーを実行するなど、メニューやページ・ナビゲーションを経由せずにアクションを直接実行します。
アクセス・キー: [Alt]+[F](Windowsの場合)で「ファイル」メニューに移動するなど、フォーカスを特定のUI要素に移動します。
カーソルはデフォルトで1つのコンポーネントに初期フォーカスされているため、キーボード・ユーザーはあまり移動せずにページとの対話操作を開始できます。
[Enter]キー: カーソルが特定のフィールドに置かれたり、フォーカスがリンクまたはボタンに置かれるとアクションが起動されます。
キーボード・ショートカットはアクセシビリティには必要ありません。ユーザーはキーボード・ショートカットなしでキーボードを使用して、アプリケーションのすべての部分および機能にナビゲートできる必要があります。キーボード・ショートカットは、機能に迅速にアクセスするための追加の方法を提供するものです。
タブのトラバースを使用すると、ユーザーはページ上の様々なUI要素にフォーカスを移動できます。
タブのトラバースによって、つまり[Tab]キーを使用して次のコントロールに移動し、[Shift]+[Tab]を使用して前のコントロールに移動することで、ページのすべてのアクティブな要素にアクセスできます。多くの場合、コントロールにフォーカスがあるときに[Enter]を押すとアクションを開始できます。
複雑なコンポーネントでは、[Tab]キーを使用してコンポーネントにフォーカスを置いた後で、矢印キーを使用してナビゲートする場合もあります。
デフォルトのタブのトラバースの順序は、図C-1に示すように左から右、上から下です。2列のフォーム・レイアウトのタブのトラバースは、このパターンには従わず、コラム・パターンに従って行われます。最下部に到達すると、タブの順序は上部から再度繰り返されます。
タブのトラバースの順序の管理にカスタム・コードを使用しないようにしてください。結果のページの管理が難しくなりすぎて、1つのアプリケーションおよびアプリケーション間で、ページ全体のユーザー操作に一貫性がなくなる可能性があります。
ユーザーのキーボード・ナビゲーションの効率を向上するには、最初のコンテンツ関連のタブ位置に直接ナビゲートするskip navigation
リンクをページの上部に含める必要があります。
アクセラレータ・キーを使用すると、メニューやページのナビゲーションを経由せずにアクションを直接実行できます。アクセラレータ・キーは、ホット・キーと呼ばれることもあります。Internet ExplorerなどのWindowsアプリケーションには、[Ctrl]+[O]で開く、[Ctrl]+[P]で印刷などの共通のアクセラレータ・キーがあります。
アクセラレータ・キーは、キーを1回押す([Enter]および[Esc])またはキーの組合せ([Ctrl]+[A]など)によって、アクティブになるとすぐにアクションが開始します。キーの組合せはメタ・キーと実行キーで構成されます。メタ・キーには、[Ctrl](Macintoshキーボードでは[Command])、[Alt](Macintoshキーボードでは[Option])および[Shift]が含まれます。実行キーはメタ・キーと組み合せて押されるキーです。
BLAF Plusコンポーネントには、いくつかのビルトイン・アクセラレータ・キーがあります。カスタムのアクセラレータ・キーは、図C-2に示すように、メニューでのみサポートされています。
アクセラレータ・キーのガイドラインは次のとおりです。
アクセラレータ・キーでは常に、マウスでの直接処理(ボタンをクリックする、ドラッグ・アンド・ドロップ)など別の操作が必要になります。
アクセラレータ・キーはアクションを直接実行するため、ユーザーがアクセラレータ・キーを気付かずに押すと、データが失われたり、不適切なデータが入力されたりする可能性があります。ユーザーのエラーが発生する可能性を低くするため、アクセラレータ・キーは慎重に、アプリケーション全体で頻繁および繰り返し使用される機能にのみ使用する必要があります。原則として、アクセラレータ・キーを設定するのは使用可能な機能の25%未満にしてください。
BLAF Plusがサポートされたブラウザのメニューで使用されるアクセラレータ・キーをカスタムのアクセラレータ・キーでオーバーライドすることはできません(BLAF Plusでサポートされるオペレーティング・システムおよびブラウザについてはブラウザおよびシステム要件を参照)。また、スクリーン・リーダーなどの支援技術で使用されるアクセラレータ・キーをオーバーライドすることもできません。
カスタム・メニューのアクセラレータ・キーは、常にキーの組合せになります。メタ・キーには、[Ctrl]、[Ctrl]+[Shift]または[Ctrl]+[Alt]を使用できます。[Ctrl]および[Ctrl]+[Shift]はブラウザでよく使用されるため、メタ・キーには[Ctrl]+[Alt]をお薦めします。実行キーは、印刷可能な文字である必要があります(ASCIIコード33〜126)。
カスタム・メニューのアクセラレータ・キーは、ページ全体でグローバルになります。1つのページ内の複数のメニューで同じアクセラレータが使用されていると、ブラウザの動作によってはそのアクセラレータがどのアクションを実行するのかを予測するのが困難な場合があります。このため、メニューのアクセラレータ・キーはページ全体で一意であることが必要です。
一部のアクセラレータ・キーは、すでにBLAF Plusコンポーネントに割り当てられています。そのうちの一部はページレベルのコンポーネントに予約されていますが、その他はそのコンポーネントがページに使用されていなければメニューに割り当てることができます。次の項で、これらのアクセラレータ・キーおよびコンポーネントを示します。
注意: Windowsの場合、ユーザーは[Ctrl]+[Alt]+文字キーの順番をアプリケーションのデスクトップ・ショートカットに割り当てることができます。この場合、このキー割当てがブラウザレベルのキーのキー割当てをオーバーライドします。ただし、この機能はめったに使用されないため通常は無視されます。 |
表C-1にリストされ、すでにページレベルのBLAF Plusコンポーネントに組み込まれているアクセラレータ・キーは使用できません。
表C-1 ページレベルのコンポーネントに予約されたアクセラレータ・キー
アクセラレータ | 使用箇所 | 機能 |
---|---|---|
[Ctrl]+[Alt]+[R] |
アクティブ・データ |
更新されたデータの確認 |
[Ctrl]+[Alt]+[W] |
メニュー メッセージング 2次ウィンドウ |
ポップアップと1次ウィンドウとの間のフォーカスの切替え |
[Ctrl]+[Alt]+[P] |
スプリッタ |
スプリッタ・バーへのフォーカスの移動 |
一部のBLAF Plusコンポーネントには、コンポーネントにフォーカスがあるときに適用されるビルトイン・アクセラレータ・キーがあります。ただし、同じページのメニュー・コマンドに同じアクセラレータ・キーがあると、メニュー・コマンドが優先されるため、コンポーネントレベルのアクセラレータは機能しません。このため、同じページに関連コンポーネントも表示される場合、表C-2にリストされているアクセラレータ・キーをメニューで使用するのは避ける必要があります。
表C-2 オプションのコンポーネントに割り当てられたアクセラレータ・キー
アクセラレータ・キー | コンポーネント | 機能 |
---|---|---|
[Ctrl]+[Alt]+[+] |
リッチ・テキスト・エディタ |
上付き |
[Ctrl]+[Alt]+[-] |
リッチ・テキスト・エディタ |
下付き |
[Ctrl]+[/] |
階層ビューア |
コンテンツ・パネルの切替え |
[Ctrl]+[Alt]+[0]. . .[Ctrl]+[Alt]+[5] |
階層ビューア |
ダイアグラム・レイアウトの切替え |
[Ctrl]+[5] |
リッチ・テキスト・エディタ |
取消し線 |
[Ctrl]+[A] |
ファイルのアップロード 複数選択の選択肢リスト 複数選択のリスト・ボックス ピボット・テーブル リッチ・テキスト・エディタ スピン・ボックス テキストボックスおよび領域 表 |
すべて選択 |
[Ctrl]+[B] |
リッチ・テキスト・エディタ |
太字 |
[Ctrl]+[Alt]+[C] |
リッチ・テキスト・エディタ |
ソース・コード編集の切替え |
[Ctrl]+[E] |
リッチ・テキスト・エディタ |
中央揃え |
[Ctrl]+[H] |
リッチ・テキスト・エディタ |
ハイパーリンクの作成 |
[Ctrl]+[Shift]+[H] |
リッチ・テキスト・エディタ |
ハイパーリンクの削除 |
[Ctrl]+[I] |
リッチ・テキスト・エディタ |
イタリック体 |
[Ctrl]+[J] |
リッチ・テキスト・エディタ |
|
[Ctrl]+[L] |
リッチ・テキスト・エディタ |
均等割付け |
[Ctrl]+[Shift]+[L] |
リッチ・テキスト・エディタ |
左揃え |
[Ctrl]+[Alt]+[L] |
リッチ・テキスト・エディタ |
番号付きリスト |
[Ctrl]+[M] |
リッチ・テキスト・エディタ |
インデントの増加 |
[Ctrl]+[Shift]+[M] |
リッチ・テキスト・エディタ |
インデントの減少 |
[Ctrl]+[Alt]+[M] |
ガント ピボット・テーブル 表 ツリー ツリー表 |
ポップアップ・メニューの起動 |
[Ctrl]+[R] |
リッチ・テキスト・エディタ |
右揃え |
[Ctrl]+[Alt]+[R] |
リッチ・テキスト・エディタ |
リッチ・テキスト編集の切替え |
[Ctrl]+[Shift]+[S] |
リッチ・テキスト・エディタ |
テキスト・スタイルのクリア |
[Ctrl]+[U] |
リッチ・テキスト・エディタ |
下線 |
[Ctrl]+[Y] |
リッチ・テキスト・エディタ |
やり直し |
[Ctrl]+[Z] |
リッチ・テキスト・エディタ |
元に戻す |
[Ctrl]+[Shift]+[^] |
階層ビューア ツリー ツリー表 |
1つ上に移動 |
アクセス・キーはフォーカスを特定のUI要素に移動します。
アクセス・キーにより、カーソルまたは選択のフォーカスを特定のインタフェース・コンポーネントに移動できます。定義可能なフォーカスのあるページ上の各コンポーネントは、タブのトラバース([Tab]および[Shift]+[Tab]を使用)でアクセスできますが、アクセス・キーを使用すると、頻繁に使用されるコンポーネントに迅速にアクセスできます。アクセス・キーはページ内で一意であることが必要です。
アクセス・キーを押した結果は、関連付けられた要素およびブラウザによって異なります。
ボタン: FirefoxおよびInternet Explorerでアクセス・キーを使用すると、コンポーネントにフォーカスが移動して直接アクションが実行されます。
リンク: Firefoxでアクセス・キーを使用すると、コンポーネントにフォーカスが移動して直接リンクにナビゲートします。Internet Explorerでアクセス・キーを使用した場合は、フォーカスがリンクに移動するだけです。
その他の要素: どちらのブラウザでアクセス・キーを使用した場合も、フォーカスが要素に移動するだけです。
アクセス・キーは、Firefoxでは[Shift]+[Alt]+ニーモニック、Internet Explorerでは[Alt]+ニーモニックでトリガーされます。
ニーモニックがコンポーネント・ラベルまたはプロンプトのテキストに存在する場合(メニュー名、ボタンのラベルまたはテキスト・ボックスのプロンプトなど)、図C-3に示すように下線付き文字としてインタフェースに表示されます。文字がラベルまたはプロンプトのテキストの一部でない場合は、インタフェースに表示されません。
アクセス・キー使用のガイドラインは次のとおりです。
アクセス・キーは、使用頻度の高いボタンおよびその他のコンポーネントに使用します。複数の製品チームが、保存や取消などの共通するアクションに、クロスアプリケーションの標準的なキー割当てを設定できます。これらの各ボタンには保存はS、取消はCなど、各言語で標準的なニーモニック文字が割り当てられます。
1つの文字または記号は、1つのページのアクションの単一のインスタンスにのみ割り当てることができます。1つのページに、同じニーモニックを使用するボタンのインスタンスが複数あると、ユーザーがどのボタンでアクセス・キーが起動されるかわからなくなる可能性があります。
アクセス・キーで開始されるフォーカス変更には、マウスでの直接処理(ボタンをクリックする)など、別の操作が必要になります。
ニーモニックは句読点や記号ではなく英数字にする必要があり、常に大文字と小文字は区別されません。ニーモニックには、数字より文字を使用することをお薦めします。
Internet Explorerでは、アプリケーションのアクセス・キーがブラウザ固有のメニュー・アクセス・キー(「ファイル」メニューの[Alt]+[F]など)をオーバーライドするため、習慣的にブラウザのアクセス・キーを使用するユーザーにユーザビリティの問題が生じる場合があります。このため、チームはBLAF Plusがサポートされたブラウザでは、トップレベルのアクセス・キーと競合するアクセス・キーの使用を避ける必要があります(Windows XP用英語版Internet Explorerでは、[Alt]+[F]、[E]、[V]、[A]、[T]または[H]など)。
製品チームは特定のコンポーネントにアクセス・キーを割り当てます。アクセス・キーの文字を選択する場合に、重要な考慮事項がいくつかあります。
学習容易性: ラベルに下線付き文字を使用することで、ユーザーにはどの文字がアクセス・キーかが明確に示されますが、ラベルを見なくてもユーザーが簡単に覚えられるような文字を選択することをお薦めします。よく使用されるのは、YesのYのようなラベルの最初の文字、またはNextのxのようにラベルを読み上げたときに強く発音される文字です。
一貫性: 複数ページで同じコマンドには同じアクセス・キーを使用することをお薦めします。ただし、同じコマンド・ラベルが1つのページに複数回表示されたり、そのページでより頻繁に使用される別のコマンドに同じアクセス・キーが使用されている場合があるため、これは常に可能とは限りません。
翻訳: ラベルを翻訳すると英語でアクセス・キーに使用されている文字が翻訳に存在しない場合があります。製品チームは、ローカライゼーション部門と連携して、翻訳後のコンポーネント・ラベルにかわりのアクセス・キーが存在することを確認する必要があります。たとえば、英語ではNextボタンにニーモニック文字xを割り当てることができますが、ラベルをフランス語でSuivantesに翻訳すると、この文字はラベルには表示されません。どの文字が使用可能かによって、Sまたはv(またはSuivantesという単語の中で割当てがされていないその他の文字)などのかわりの文字を翻訳された用語に割り当てる必要があります。
注意: 翻訳上の理由により、アクセス・キーはラベルの一部として指定する必要があります。たとえば、CancelというラベルをCというアクセス・キーでレンダリングする場合は、accessKey プロパティでCを使用するのではなく、textAndAccessKey プロパティで&Cancel を使用することをお薦めします(ここでアンパサンドはニーモニックを示す)。製品スイートではサポートされる各言語内でアクセス・キーが重複しないこと、および明示的に意図する場合を除き、サポートされる各ブラウザ内のアクセス・キーをオーバーライドしないことを確認する必要があります。 |
カーソルはデフォルトで1つのコンポーネントに初期フォーカスされているため、キーボード・ユーザーはあまり移動せずにページとの対話操作を開始できます。
フォーカスとは、ユーザーが[Tab]キーまたはアクセス・キーを押したときに、ページ内を移動する選択領域のことです。フォーカスがデータの入力が可能なフィールドに移動すると、フィールドにはカーソルが表示されます。フィールドにすでにデータが含まれている場合は、そのデータが強調表示されます。また、一部のコントロールを使用した後(値リスト(LOV)や日時ピッカーなど)、カーソルまたはフォーカスの配置はコンポーネントによって事前定義された特定の場所に移動します。
標準的なBLAF Plusページのロード中、フォーカスはページ上で最初のフォーカス可能なコンポーネント、つまり編集可能なウィジェットまたはナビゲーション・コンポーネント上に表示されます。そのページにフォーカス可能な要素がない場合、フォーカスはブラウザのアドレス・フィールドに表示されます。
デフォルトのカーソルおよびフォーカスの配置使用のガイドラインは次のとおりです。
BLAF Plusアプリケーションでは、キーボード・ユーザーがページの上部でUI要素をタブで移動せずに、コンテンツ領域に直接アクセスできるように、大半のページでデフォルトのカーソルまたはフォーカスの配置を提供する必要があります。
製品チームはページがロードされるときに、デフォルト以外の別のコンポーネントにフォーカスを設定できます。ページ内のデータ入力に共通の開始点がある場合、異なるコンポーネントにフォーカスを設定しておけば、ユーザーは、キーボードやマウスであまり移動することなく、データの入力を開始できます。ページにデータ入力の共通の開始点がない場合、この設定は行わないでください。キーボード・ユーザー(特にスクリーン・リーダーのユーザー)がページのロード中に正しい場所を判断するのが難しくなります。
カーソルが特定のフィールドにある場合や、フォーカスがリンクまたはボタンにある場合、[Enter]キーでアクションが起動されます。ログイン・フォームやダイアログなどで共通のコミット・ボタンをアクティブ化する場合に[Enter]キーを使用します。
多くのコンポーネントに、[Enter]キーのビルトインのアクションが設定されています。次のような例があります。
フォーカスがリンクまたはボタンにある場合、[Enter]キーにより、リンクにナビゲートされるかアクションが起動されます。
カーソルが問合せ検索領域、クイック問合せ検索または例による問合せ(QBE)フィールドにある場合、[Enter]キーにより検索が実行されます。