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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server サーバ環境のコンフィグレーション
11g リリース 1 (10.3.1)
B55510-01
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4 ネットワーク リソースのコンフィグレーション

コンフィグレーション可能な WebLogic Server リソース (ネットワーク チャネルやドメイン全体の管理ポートなど) を使用すると、アプリケーションをホストし、サービスの質を管理するマシンのネットワーク機能を効果的に利用できます。

以下の節では、コンフィグレーション可能な WebLogic Server ネットワーク リソース、それらの使用例、およびコンフィグレーション プロセスについて説明します。

ネットワーク コンフィグレーションの概要

多くの開発環境では、管理対象サーバのリスン アドレスとリスン ポートを指定するだけで、WebLogic Server ネットワーク リソースを簡単にコンフィグレーションできます。ただし、ほとんどのプロダクション環境では、管理者がネットワークに対する要求と照らし合わせて限られたネットワーク リソースのバランスをとる必要があります。アプリケーションの可用性を維持するタスクは、アプリケーションの特定の必要条件、セキュリティの考慮事項、およびメンテナンス タスク (予定どおりのものと予定外のものの両方) によって複雑化します。

WebLogic Server では、アプリケーションに関連するネットワーク トラフィックをさまざまな方法で制御したり、アプリケーションやエンド ユーザの多様な要求を満たすように環境をコンフィグレーションしたりできます。以下のことができます。

以上のような接続特性を指定するには、ネットワーク チャネルを定義します。ネットワーク チャネルは、ネットワーク接続を管理するための主要なコンフィグレーション可能 WebLogic Server リソースです。ネットワーク チャネルは、Administration Console の [サーバプロトコルチャネル] を使用するか、NetworkAccessPointMBean を使用してコンフィグレーションします。

WebLogic Server の新しいネットワーク コンフィグレーション機能

WebLogic Server では、コンフィグレーション プロセスを簡略化するためにネットワーク チャネルの機能が拡張されています。ネットワーク チャネルの機能は、WebLogic Server 7.x でネットワーク チャネルとネットワーク アクセス ポイントの両方で求められた範囲にまで広がっています。現在、WebLogic Server では、ネットワーク チャネルが非推奨になりました。NetworkChannelMbean の使用は、NetworkAccessPointMBean が使われるようになって非推奨になっています。

ネットワーク チャネルについて

以降の節では、ネットワーク チャネル、WebLogic Server で事前にコンフィグレーションされている標準チャネル、およびチャネルの一般的なアプリケーションについて説明します。

チャネルとは

ネットワーク チャネルは、WebLogic Server に対するネットワーク接続の属性を定義するコンフィグレーション可能なリソースです。たとえば、ネットワーク チャネルでは以下の項目を定義できます。

  • 接続でサポートされるプロトコル

  • リスン アドレス

  • セキュア通信および非セキュア通信のリスン ポート

  • ログイン タイムアウト値や最大メッセージ サイズなどの接続プロパティ

  • 接続でトンネリングをサポートするかどうか

  • 接続は、ドメイン内の他の WebLogic Server インスタンスとの通信に使用できるか、クライアントとの通信にのみ使用するか

チャネルのコンフィグレーションの注意点

チャネルをコンフィグレーションするときには、以下のガイドラインに従ってください。

  • 特定のチャネルは 1 つのサーバ インスタンスのみに割り当てることができる

  • サーバ インスタンスには複数のチャネルを割り当てることができる

  • 特定のサーバ インスタンスに割り当てられた各チャネルは、リスン アドレス、リスン ポート、およびプロトコルの組み合わせがユニークでなければならない

  • 非 SSL チャネルと SSL チャネルを同じサーバ インスタンスに割り当てる場合は、同じポート番号が使用されないようにする

カスタム チャネルによるデフォルト チャネル属性の継承

チャネルをサーバ インスタンスに割り当てない場合は、WebLogic Server のデフォルト チャネルが使用されます。デフォルト チャネルは、ServerMBean または SSLMBean の属性に基づいて WebLogic Server によって自動的にコンフィグレーションされます。デフォルト チャネルについては、「デフォルト ネットワーク チャネル」を参照してください。

ServerMBeanSSLMBean は、サーバ インスタンスとその SSL コンフィグレーションを表します。[サーバコンフィグレーション全般] ページを使用してサーバ インスタンスのリスン アドレス、リスン ポート、および SSL リスン ポートをコンフィグレーションすると、それらの値はサーバ インスタンスの ServerMBean および SSLMBean に格納されます。

カスタム チャネルの定義で特定の接続属性を指定しないと、そのチャネルでは ServerMBean の属性に指定された値が継承されます。たとえば、チャネルを作成して、そのリスン アドレスを定義しない場合、そのチャネルでは ServerMBean で定義されたリスン アドレスが使用されます。同様に、管理対象サーバがチャネルでコンフィグレーションされたリスン アドレスまたはリスン ポートにバインドできない場合、その管理対象サーバは ServerMBean または SSLMBean からデフォルトを使用します。

ネットワーク チャネルを使用する理由

ネットワーク チャネルを使用すると、サービスの品質の管理、さまざまな接続要件への適合、システム リソースやネットワーク リソースの利用の効率化を行えます。たとえば、ネットワーク チャネルを使用すると以下のことができます。

  • さまざまなタイプのネットワーク トラフィックを分離する-チャネルが送信接続をポートするかどうかをコンフィグレーションできます。2 つのチャネルをサーバ インスタンスに割り当てると (送信接続をサポートするチャネルとサポートしないチャネル)、クライアント接続とサーバ接続で独立してネットワーク トラフィックをコンフィグレーションし、クライアント ネットワーク トラフィックとサーバ ネットワーク トラフィックを別々のリスン アドレスまたはリスン ポートに物理的に分けることができます。

    ドメイン全体の管理ポートまたは管理チャネルをコンフィグレーションすると、インスタンスの管理トラフィックとアプリケーション トラフィックを分離することもできます。詳細については、「管理ポートと管理チャネル」を参照してください。

  • 同じ管理対象サーバにあるアプリケーションまたはユーザの多様な要件をサポートする-管理対象サーバで複数のチャネルをコンフィグレーションすると、複数の異なるプロトコルをサポートするか、セキュアなトラフィック用と非セキュアなトラフィック用にプロパティを調整できます。

  • 内部アプリケーションのネットワーク トラフィックを分離する-特定のチャネルを EJB に割り当てることができます。

マルチホーム マシン上のサーバ インスタンスでネットワーク チャネルを使用する場合は、ServerMBean またはチャネルで、有効なリスン アドレスを入力する必要があります。チャネルおよび ServerMBean のリスン アドレスが空白の場合は、localhost アドレス (IP アドレス 0.0.0.0 または 127.*.*.*) を指定すると、サーバはネットワーク チャネルのリスン ポートと SSL リスン ポートを、マルチホーム マシンで使用可能なすべての IP アドレスにバインドします。ServerMBean のリスン アドレスの設定については、「デフォルト ネットワーク チャネル」を参照してください。

チャネルの障害の処理

リモート サーバとの接続を開始するときに、必要な送り先、プロトコル、およびサービスの質が同じ複数のチャネルが存在する場合、WebLogic Server は接続が確立されるか、試してみるチャネルがなくなるまでそれぞれを順番に試していきます。

RMI のサービス品質レベルについて

RMI ルックアップの場合にだけ、WebLogic Server は送信接続のサービス レベルをアップグレードできます。たとえば、RMI ルックアップを実行するために T3 接続が必要なときに、既存のチャネルで T3S しかサポートしていない場合、ルックアップは T3S チャネルを使用して実行されます。

このアップグレードの動作は URL を使用するサーバ要求には適用されません。URL 自体にプロトコルが組み込まれているためです。たとえば、サーバでは、https:// のみをサポートするチャネルから、http:// で始まる URL 要求を送信することはできません。

WebLogic Server の標準チャネル

WebLogic Server では、明示的に定義する必要のない定義済みチャネルが提供されます。

  • デフォルト チャネル-すべての管理対象サーバにデフォルト チャネルがあります。

  • 管理チャネル-ドメイン全体の管理ポートをコンフィグレーションすると、WebLogic Server ではドメイン内の管理対象サーバごとに管理チャネルがコンフィグレーションされます。

デフォルト ネットワーク チャネル

すべての WebLogic Server ドメインには、WebLogic Server によって自動的に生成されるデフォルト チャネルがあります。デフォルト チャネルは、ServerMBean および SSLMBean で定義されているリスン アドレスとリスン ポートに基づきます。デフォルト チャネルは、1 つのリスン アドレス、HTTP 通信用の 1 つのポート (デフォルトは 7001)、および HTTPS 通信用の 1 つのポート (デフォルトは 7002) を提供します。リスン アドレスとリスン ポートは、Administration Console の [コンフィグレーション全般] ページを使用してコンフィグレーションできます。割り当てられた値は、ServerMBean および SSLMBean の属性に格納されます。

デフォルトのコンフィグレーションは、以下の場合に使用できます。

  • 単純なネットワーク要件を備えたテスト環境にインストールしている場合。

  • 1 つの NIC だけを使用し、デフォルト ポート番号によって、ドメイン内のネットワーク トラフィックを分割するのに十分な柔軟性が提供される場合。

デフォルト コンフィグレーションを使用すると、サードパーティの管理ツールと新しいインストールとの互換性が確保されます。ネットワーク コンフィグレーションは、この場合も ServerMBean および SSLMBean に格納されるためです。

ドメインにカスタム ネットワーク チャネルを定義して使用しても、デフォルト チャネルの設定は ServerMBeanSSLMBean にそのまま格納され、必要に応じてサーバ インスタンスに接続を提供するために使用されます。

管理ポートと管理チャネル

ドメインではオプションの管理ポートを定義できます。コンフィグレーションされた管理ポートは、ドメインの各管理対象サーバで、ドメインの管理サーバとの通信用に排他的に使用されます。

管理ポートの機能

管理ポートを使用すると、以下のことができます。

  • スタンバイ状態でサーバを起動する。そのように起動すると、他のネットワーク接続でクライアント接続を受け入れられない状態で管理対象サーバを管理できます。スタンバイ状態の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server サーバの起動と停止の管理』の「STANDBY 状態」を参照してください。

  • ドメイン内で、管理トラフィックをアプリケーション トラフィックから分離する。プロダクション環境では、この 2 つのトラフィックを分離すると、同じネットワーク接続上に大量のアプリケーション トラフィックがある状態で重要な管理操作 (サーバの起動と停止、サーバのコンフィグレーションの変更、およびアプリケーションのデプロイ) が行われることがなくなります。

  • weblogic.Admin コマンドライン ユーティリティを使用して、デッドロック状態のサーバ インスタンスを管理する。管理ポートをコンフィグレーションしないと、THREAD_DUMPSHUTDOWN などの管理コマンドがデッドロック状態のサーバ インスタンスで機能しません。

管理ポートが有効になっている場合、WebLogic Server はサーバ インスタンスの起動時にポート設定に基づいて自動的に管理チャネルを生成します。

管理ポートの制限事項

管理ポートはセキュアな SSL トラフィックのみを受け付け、管理ポート経由の接続はすべて認証を必要とします。管理ポートを有効にすると、ドメインに以下の制約が課せられます。

  • ドメイン内の管理サーバとすべての管理対象サーバは、SSL プロトコルをサポートするようにコンフィグレーションする必要がある。SSL をサポートしない管理対象サーバは、起動時に管理サーバに接続できません。そのようなサーバをコンフィグレーションするためには、管理ポートを無効にする必要があります。

  • ドメイン内のすべてのサーバ インスタンスが同時に管理ポートを有効または無効にする必要があるため、管理ポートはドメインレベルでコンフィグレーションする。個々の管理対象サーバの管理ポート番号は変更できますが、管理対象サーバごとに管理ポートを有効または無効にすることはできません。ポート番号を変更できると、同じリスン アドレスを持つサーバ インスタンスが複数存在する場合に便利です。

  • 管理ポートを有効にした後にドメイン内の管理対象サーバを起動するには、管理サーバへの SSL 接続を確立する必要がある。この制限は、管理対象サーバをコマンドラインから起動するのか、またはノード マネージャを使用して起動するのかに関係なく適用されます。SSL 接続の確立方法については、「管理ポートで必須の SSL」を参照してください。

  • 管理ポートを有効にした後は、すべての Administration Console のトラフィックについて管理ポートを介した接続が必須になる。

  • ドメイン全体の管理ポートを使用するドメイン内の同一のコンピュータ上で複数のサーバ インスタンスが実行される場合には、以下のいずれかを行う必要がある。

    • それらのサーバ インスタンスをマルチホーム マシンでホストし、各サーバ インスタンスにユニークなリスン アドレスを割り当てる。

    • マシン上の 1 つのサーバ インスタンスを除くすべてのサーバ インスタンスでドメイン全体のポートを無効にする。ポートを無効にするには、Administration Console の [サーバ全般] ページの [詳細] オプション部分の [ローカル管理ポートのオーバーライド] オプションを使用します。

管理ポートで必須の SSL

管理ポートでは SSL が必要です。SSL は、WebLogic Server をインストールするとデフォルトで有効になります。ドメインのいずれかのサーバ インスタンス (管理サーバとすべての管理対象サーバを含む) で SSL が無効になっている場合は、Administration Console の [サーバコンフィグレーション全般] ページを使用して再び有効にする必要があります。

ドメイン内の各サーバ インスタンスでは、デフォルト リスン ポートまたはデフォルト SSL リスン ポートがコンフィグレーションされている必要があります。デフォルト ポートは、Administration Console の [サーバ|コンフィグレーション|全般] ページで割り当てます。デフォルト ポートは、コンフィグレーションされた管理ポートにサーバがバインドできない場合に必要となります。追加のデフォルト ポートが使用できる場合、サーバは起動を続行します。その後で管理ポートを適切な値に変更できます。

デフォルトの WebLogic Server は、デモ用の証明書ファイルを使用するようにコンフィグレーションされます。プロダクションのセキュリティ コンポーネントをコンフィグレーションするには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server のセキュリティ』の「SSL のコンフィグレーション」にある手順に従います。

管理ポートのコンフィグレーション

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプ の「ドメイン全体の管理ポートの有効化」にある説明に従って、管理ポートを有効にします。

管理ポートをコンフィグレーションした後は、その新しい管理ポートを使用するために、管理サーバとすべての管理対象サーバを再起動する必要があります。

管理ポートを使用するための管理対象サーバの起動

コマンドラインまたは起動スクリプトで管理対象サーバを再起動する場合は、URL のポート部分で管理ポートを指定します。URL は、次のように http:// ではなく https:// を指定する必要があります。

-Dweblogic.management.server=https://host:admin_port

注意 :

ノード マネージャを使用して管理対象サーバを再起動する場合は、管理対象サーバの起動設定または引数を修正する必要はありません。ノード マネージャは、正確な URL を自動的に取得し、それを使用して管理対象サーバを起動します。

URL のホスト名が管理サーバの証明書のホスト名と同じでない場合は、次のように、コマンドラインまたは起動スクリプトでホスト名検証を無効にします。

-Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
管理チャネルを使用するための管理対象サーバの起動

管理対象サーバが、再起動の際に管理チャネルにバインドできるようにするには、次のコマンドライン オプションを使用します。

-Dweblogic.admin.ListenAddress=<addr>

これにより、管理対象サーバは、管理チャネルを使用して起動できるようになります。最初のブートストラップ接続後、標準の管理チャネルが使用されます。


注意 :

このオプションは、config.xml のダウンロード前に、確実に適切な NIC セマンティクスが使用されるようにするのに役立ちます。

カスタム管理チャネル

標準の WebLogic Server 管理チャネルで必要条件が満たされない場合は、管理トラフィック用にカスタム チャネルをコンフィグレーションできます。たとえば、カスタム管理チャネルを使用すると、管理トラフィックを独立した NIC に分けることができます。

管理トラフィック用のカスタム チャネルをコンフィグレーションするには、「チャネルのコンフィグレーション」の説明に従ってチャネルをコンフィグレーションし、チャネル プロトコルとして「admin」を選択します。以下の参照先で説明されているコンフィグレーションと使用方法のガイドラインに注意してください。

内部チャネルの使い方

以前のバージョンの WebLogic Server では、外部トラフィック用に複数のチャネルをコンフィグレーションすることは可能でしたが、サーバ インスタンス間の内部トラフィックにはデフォルト チャネルを使用する必要がありました。WebLogic Server では、クラスタ間の管理トラフィックや通信を処理するためのネットワーク チャネルを作成できるようになりました。この機能は、以下の状況において有用です。

  • 内部管理トラフィックを、他のネットワーク トランザクションとは別にセキュアな接続で発生させる必要がある

  • 他のタイプのネットワーク トラフィック (たとえばレプリケーション データ) を、別のネットワーク接続で発生させる必要がある

  • 特定のタイプのネットワーク トラフィックをモニタする必要がある

チャネルの選択

すべての内部トラフィックは、ネットワーク チャネルを介して処理されます。管理トラフィックやクラスタ化されたトラフィックを処理するためのカスタム ネットワーク チャネルを作成していない場合は、接続に必要なプロトコルに基づいてデフォルト チャネルが自動的に選択されます。デフォルト チャネルの詳細については、「デフォルト ネットワーク チャネル」を参照してください。

クラスタ内の内部チャネル

クラスタ内には、以下のタイプのサーバ間接続を処理するための内部チャネルを作成できます。

  • マルチキャスト トラフィック

  • レプリケーション トラフィック

  • 管理トラフィック

クラスタ内のチャネルのコンフィグレーションについては、「クラスタにおけるネットワーク チャネルのコンフィグレーション」を参照してください。

チャネルのコンフィグレーション

ネットワーク チャネルは、Administration Console の [サーバプロトコルチャネル] ページを使用するか、NetworkAccessPointMBean を使用してコンフィグレーションします。

クラスタ化されている管理対象サーバのチャネルをコンフィグレーションするには、「クラスタにおけるネットワーク チャネルのコンフィグレーション」を参照してください。

ネットワーク チャネルに関する主要な事実の要約と、そのコンフィグレーションのガイドラインについては、「チャネルのコンフィグレーションのガイドライン」を参照してください。

チャネルのコンフィグレーションのガイドライン

チャネルをコンフィグレーションするときには、以下のガイドラインに従ってください。

チャネルとサーバ インスタンス

  • 特定のサーバ インスタンスでコンフィグレーションした各チャネルは、リスン アドレス、リスン ポート、およびプロトコルの組み合わせがユニークである必要がある。

  • チャネルは 1 つのサーバ インスタンスに割り当てることができる。

  • サーバ インスタンスには複数のチャネルを割り当てることができる。

  • 非 SSL チャネルと SSL チャネルを同じサーバ インスタンスに割り当てる場合は、アドレスとポート番号の同じ組み合わせが使用されないようにする必要がある。

チャネルの動的なコンフィグレーション

  • WebLogic Server では、サーバを再起動せずにネットワーク チャネルをコンフィグレーションできる。また、動的にコンフィグレーションされたチャネルを、サーバの実行中に開始したり停止したりできます。ただし、サーバの実行中にチャネルを停止した場合、進行中のタスクの正常な終了な試行されません。

チャネルとプロトコル

  • 一部のプロトコルではチャネルの特定の機能がサポートされていない。特に、COM プロトコルでは SSL またはトンネリングがサポートされていません。

  • サーバ インスタンスでサポートする必要のある各プロトコルで、別々のチャネルを定義する必要がある (HTTP を除く)。

    HTTP は、チャネルを作成するとデフォルトで有効になります。その理由は、RMI プロトコルではスタブとクラスをダウンロードするために HTTP のサポートが必要になるからです。HTTP のサポートは、Administration Console の [サーバプロトコルチャネル] ページの [詳細] オプション部分で無効にできます。

予約済みの名前

  • WebLogic Server は、内部チャネル名 .WLDefaultChannel および .WLDefaultAdminChannel を使用する。.WL プレフィックスはチャネル名用に予約されています。カスタム チャネルの名前の先頭で .WL を使用しないでください。

チャネル、プロキシ サーバ、およびファイアウォール

(『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server クラスタの使い方』の「プロキシ レイヤとクラスタの間のファイアウォール」で説明されているように) プロキシ Web サーバとクラスタの間のファイアウォールがコンフィグレーションに含まれており、クラスタ化されたサーバが、https トラフィックと http トラフィックを分離するために 2 つのカスタム チャネルでコンフィグレーションされている場合、それらのチャネルでは同じリスン アドレスを共有する必要があります。さらに、http トラフィックと https トラフィックを両方ともサポートする必要がある場合は、それぞれに対してカスタム チャネルが必要となります。どちらかでデフォルト コンフィグレーションを使用することはできません。

それらのチャネルのいずれかで PublicAddress が定義されている場合、ファイアウォールが存在する場合のように、両方のチャネルで PublicAddress を定義する必要があり、かつ両方とも同じ PublicAddress を定義する必要があります。

クラスタにおけるネットワーク チャネルのコンフィグレーション

クラスタ化されている管理対象サーバのチャネルをコンフィグレーションするには、「チャネルのコンフィグレーションのガイドライン」の情報に注意し、以降の節で説明されているガイドラインに従ってください。

クラスタの作成

クラスタがまだコンフィグレーションされていない場合は、以下のことができます。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server クラスタの使い方』の「クラスタ化されたドメインを作成する」の説明に従い、コンフィグレーション ウィザードを使用して、新しくクラスタ化されたドメインを作成する。または、

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「クラスタの作成とコンフィグレーション」の説明に従い、Administration Console を使用して、既存のドメインにクラスタを作成する。

WebLogic Server クラスタのコンフィグレーションに関する詳細やガイドラインについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server クラスタの使い方』の「始める前に」を参照してください。

ネットワーク チャネルの作成および割り当て

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「デフォルト ネットワーク接続のコンフィグレーション」にある指示に従って、クラスタ内の各管理対象サーバ用に新しいネットワーク チャネルを作成します。新しいチャネルを作成する場合は、以下のようにします。

  • クラスタで使用するチャネルごとに、クラスタ内の各管理対象サーバで名前も含めてまったく同じようにチャネルをコンフィグレーションする。

  • 各管理対象サーバのチャネルで定義したリスン ポートと SSL リスン ポートが、管理対象サーバのデフォルト リスン ポートと必ず異なるようにする。カスタム チャネルで管理対象サーバのデフォルト ポートと同じポートが指定される場合は、カスタム チャネルと管理対象サーバのデフォルト チャネルがそれぞれ同じポートにバインドしようとするので、管理対象サーバを起動できなくなります。

  • クラスタでクラスタ アドレスが明示的にコンフィグレーションされている場合は、[サーバプロトコルチャネルコンフィグレーション] ページの [クラスタ アドレス] フィールドにそのアドレスが表示される。

    動的なクラスタ アドレッシングを使用している場合は、[クラスタ アドレス] フィールドが空白になっており、クラスタ アドレスを指定する必要はありません。クラスタ アドレスの詳細や、WebLogic Server で動的にクラスタ アドレスを生成する方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server クラスタの使い方』の「クラスタ アドレス」を参照してください。


    注意 :

    動的なクラスタ アドレッシングを使用する場合は、[サーバプロトコルチャネルコンフィグレーション] ページでクラスタ アドレスを指定しないようにしてください。クラスタ アドレスを明示的に指定すると、その値が優先されて、クラスタ アドレスが動的に生成されなくなります。

レプリケーション チャネルのコンフィグレーション

レプリケーション チャネルは、クラスタ間でレプリケーション情報を転送するためのネットワーク チャネルです。レプリケーション チャネルが明示的に定義されていない場合、レプリケーション情報はデフォルトのネットワーク チャネルで転送されます。

WebLogic Server でデフォルトのネットワーク チャネルをレプリケーション チャネルとして使用する場合、SSL 暗号化はデフォルトでは使用されません。ClusterMBeansecureReplicationEnabled 属性を使用して SSL 暗号化を有効にする必要があります。この設定は、Administration Console から更新することもできます。

SSL 暗号化を有効にすると、設計上、セッション レプリケーションによってブロックされるため (つまり、レプリケーションが完了するまで応答がクライアントに送信されないため)、クラスタ化されたアプリケーションのスループットに直接影響する可能性があります。レプリケーション チャネルで SSL を有効にする場合は、この点を考慮に入れるようにしてください。

レプリケーション チャネルが明示的に定義されている場合は、そのチャネルのプロトコルを使用してレプリケーション トラフィックが転送されます。

多数チャネルの使用時におけるパケット サイズの増大

1 つのクラスタ内でおよそ 20 以上のチャネルを使用すると、ヘッダのマルチキャスト送信がデフォルトの最大パケット サイズを超過することがあります。config.xmlServer 要素に含まれる MTUSize 属性では、関連するネットワーク カードを使用して、送信されるパケットの最大サイズを 1500 に設定しています。MTUSize の値を超えるパケットを送信すると、java.lang.NegativeArraySizeException が送出されます。パケットのサイズが MTUSize を超えることから生じる例外を防止するには、MTUSize の値をデフォルト値の 1500 より大きくします。

EJB へのカスタム チャネルの割り当て

EJB にカスタム チャネルを割り当てることができます。カスタム チャネルをコンフィグレーションしたら、weblogic-ejb-jar.xmlnetwork-access-point 要素を使用して EJB に割り当てます。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server エンタープライズ JavaBeans (EJB) プログラマーズ ガイド』の「network-access-point」を参照してください。