Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 診断フレームワークのコンフィグレーションと使い方 11g リリース 1 (10.3.1) B55523-01 |
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WebLogic 診断フレームワーク (WLDF) の診断イメージ キャプチャ コンポーネントを使用すると、キャプチャ時のサーバ内部の実行時状態について診断スナップショット (ダンプ) を作成できます。この情報は、サーバ障害の原因の分析に役立ちます。
以下の節では、診断イメージ キャプチャ コンポーネントについて説明します。
診断イメージ キャプチャは、以下のいずれかによって開始されます。
コンフィグレーションされた監視通知。「通知のコンフィグレーション」を参照。
Administration Console でユーザが開始した要求 (および、サード パーティの診断ツールから開始された要求)。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「診断イメージのコンフィグレーションとキャプチャ」を参照してください。
JMX による直接 API 呼び出し。コード リスト 4-1 を参照してください。
WLST コマンド
診断イメージ キャプチャは、主に障害発生後の解析ツールとして利用するものなので、どのような情報をキャプチャするかについては限られた権限しか与えられていません。診断イメージ キャプチャで指定可能なコンフィグレーション オプションは次のとおりです。
イメージの送り先
デフォルトの送り先とは別の送り先 (指定したキャプチャの場合)
サーバの障害発生から回復までにイメージがキャプチャされる頻度を設定するロックアウト (タイムアウト) 期間
他の WLDF コンポーネントと同様に、診断イメージ キャプチャは、Administration Console (『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「診断イメージのコンフィグレーションとキャプチャ」を参照) や WebLogic Scripting Tool (WLST) を使用して、またはプログラム的にコンフィグレーションできます。
コード リスト 4-1 では、イメージ キャプチャを生成するための WLST コマンドの例を示します。
コード リスト 4-1 診断イメージを生成するための WLST コマンドのサンプル
url='t3://localhost:7001' username='system' password='gumby1234' server='myserver' timeout=120 connect(username, password, url) serverRuntime() cd('WLDFRuntime/WLDFRuntime/WLDFImageRuntime/Image') argTypes = jarray.array(['java.lang.Integer'],java.lang.String) argValues = jarray.array([timeout],java.lang.Object) invoke('captureImage', argValues, argTypes)
注意 : 多くの場合、サーバ障害の発生時に診断イメージ キャプチャを生成するのが有効です。そのためには、サーバの状態が FAILED に変更されたときに true に評価されるように監視ルールを設定し、監視にイメージ通知を関連付けます。監視ルールは以下のとおりです。
詳細については、ハーベスタ監視のコンフィグレーションおよび イメージ通知のコンフィグレーション『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「監視および通知のコンフィグレーション」も参照してください。 |
診断イメージ キャプチャのコンフィグレーションはドメインの config.xml ファイルで永続化されます (サーバの <server> 要素の <server-diagnostic-config> 要素内)。コード リスト 4-2 を参照してください。
コード リスト 4-2 診断イメージ キャプチャのコンフィグレーションのサンプル
<domain> <!-- 他のドメインのコンフィグレーション要素 --> <server> <name>myserver</name> <server-diagnostic-config> <image-dir>logs\diagnostic_images</image-dir> <image-timeout>2</image-timeout> </server-diagnostic-config> <!-- このサーバの他のコンフィグレーションの詳細 --> </server> <!-- このドメインの他のサーバ コンフィグレーション --> </domain>
注意 : Oracle は、直接 config.xml ファイルを編集しないことをお勧めします。 |
診断イメージ キャプチャでは、以下のようなサーバの状態の最も一般的な情報がキャプチャされます。
コンフィグレーション
ログ キャッシュの状態
Java 仮想マシン (JVM)
ワーク マネージャの状態
JNDI の状態
最近収集されたデータ
診断イメージ キャプチャ コンポーネントは、さまざまなサーバ サブシステムによって生成されたイメージをキャプチャおよび結合して、単一の ZIP ファイルにします。サーバ状態の最も一般的な情報をキャプチャするだけでなく、このコンポーネントは、たとえば JMS、JDBC、EJB、および JNDI サブシステムによって生成されたイメージなど、すべてのサーバ サブシステムからイメージをキャプチャします。
注意 : 診断イメージは、重大な障害を診断するためにサーバ レベルの状態ダンプとして利用できる、サイズの大きなアーティファクトです。診断イメージは、構造化されたフォーマットで重要なデータを大量にキャプチャできるので、サポート部門のスタッフによる問題の解析に役立てることができます。 |
各イメージは、サーバ全体で 1 つのファイルとしてキャプチャされます。デフォルトの場所は SERVER\logs\diagnostic_images。各イメージ インスタンスには、次のようにユニークな名前が付けられます。
diagnostic_image_DOMAIN_SERVER_YYYY_MM_DD_HH_MM_SS.zip
ファイルには、少なくとも以下の情報が収められています。
診断イメージの作成日および作成時間
キャプチャ要求のソース
診断イメージに含まれる各イメージ ソースの名前と処理にかかった時間
JVM および OS 情報 (取得可能な場合)
コマンドライン引数 (使用可能な場合)
WLS のバージョン (パッチおよびビルド番号情報を含む)
図 4-1 はイメージ ファイルの内容を示します。この ZIP ファイル内のほとんどのファイルは、テキスト エディタで開いて内容を確認できます。