ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP 管理ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55552-01
  目次
目次

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

3 WebLogic Server 通知について

WebLogic Server SNMP エージェントをコンフィグレーションして、管理対象リソース内で特定のしきい値または条件を検出し、1 つまたは複数の SNMP マネージャにレポート (通知) を送信するようにできます。WebLogic Server SNMP エージェントでは、SNMPv1、SNMPv2、および SNMPv3 プロトコルに準拠する通知を生成できます。

以下の節では、WebLogic Server SNMP エージェントが生成できる通知について説明します。

WebLogic Server 通知をコンフィグレーションする手順または削除する手順については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP を使用した WebLogic Server のモニタ」を参照してください。

INFORM 通知と TRAP 通知

SNMPv2 または SNMPv3 プロトコルを使用する SNMP エージェントでは、モニタされた属性が定義済みのしきい値に到達すると、2 種類の通知のうちの一方を送信できます。

デフォルトでは、WebLogic Server SNMP エージェントは TRAP 通知を送信します。INFORM 通知を送信するように SNMP エージェントをコンフィグレーションする方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「INFORM 通知のコンフィグレーション」を参照してください。

自動的に生成される通知

WebLogic Server SNMP エージェントでは、表 3-1 に記載されている通知を自動的に生成できます。これらの通知には、イベントをより詳細に記述するための名前と値のペア (変数バインド) が含まれているものもあります。

表 3-1 自動的に生成される通知

通知 生成される時点 変数バインド

coldStart

SNMP エージェントをホストする WebLogic Server インスタンスが起動するとき。

なし

serverStart

停止していた WebLogic Server インスタンスが起動するとき。

管理対象サーバ上の SNMP エージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバの起動時のみ。管理サーバ上の SNMP エージェントは、ドメイン内のどのサーバが起動してもこの通知を生成する。

サーバの起動時刻とサーバ名を識別する名前と値のペアが 2 つ含まれる。

serverShutDown

起動していたサーバが停止するとき。

管理対象サーバ上の SNMP エージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバの停止時のみ。管理サーバ上の SNMP エージェントは、ドメイン内のどのサーバが停止してもこの通知を生成する。

サーバの停止時刻とサーバ名を識別する名前と値のペアが 2 つ含まれる。


ログ メッセージ通知

WebLogic Server インスタンス上のサブシステムおよびデプロイ可能なモジュール (アプリケーションなど) は、ログ メッセージを生成してステータスや他の操作データを通知します。

各サーバ インスタンスは、これらのメッセージをローカル ログ ファイルに格納してから、JMX 通知としてブロードキャストします。JMX 通知をすべてリスンするように WebLogic Server SNMP エージェントを設定したり、以下のような条件に基づいてフィルタを設定したりできます。

たとえば、セキュリティ サービスのメッセージのうち、重大度レベルが ERROR 以上のものだけが SNMP エージェントに送信されるように指定できます。SNMP エージェントを設定してメッセージをリスンする方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP ログ フィルタの作成」を参照してください。

メッセージを受信したエージェントでは、SNMP ログ通知が生成されます (図 3-1 を参照)。

図 3-1 ログ メッセージ通知

図 3-1 の説明については以下を参照
「図 3-1 ログ メッセージ通知」の説明

ログ メッセージ通知における変数バインド

この節では、ログ メッセージ通知によって SNMP マネージャに渡される、変数バインド フィールドの名前と値のペアについて説明します。

  • trapTime : 通知が生成された時刻。

  • trapServerName : ログ メッセージを生成したサーバ インスタンスの名前。

  • trapMachineName : サーバ インスタンスが稼動するマシンの名前。

  • trapLogThreadId : ログ メッセージのスレッド ID。

  • trapLogTransactionId : ログ メッセージのトランザクション ID (存在する場合)。トランザクション ID は、トランザクションのコンテキスト内で記録されたメッセージに対してのみ生成されます。

  • trapLogUserId : ログ メッセージのユーザ ID。このユーザ ID から、ログ メッセージの生成に使用されたセキュリティ コンテキストが分かります。

  • trapLogSubsystem : ログ メッセージを生成したサブシステム。

  • trapLogMsgId : ログ メッセージのログ メッセージ ID。

  • trapLogSeverity : ログ メッセージのメッセージ重大度。

  • trapLogMessage : ログ メッセージのテキスト。

ログ メッセージおよび WebLogic Server ロギング サブシステムの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ログ ファイルのコンフィグレーションとログ メッセージのフィルタ処理』の「WebLogic ロギング サービスについて」を参照してください。

モニタ通知

WebLogic リソースの値が変更されたかどうかを定期的にチェックするには、JMX モニタを設定し、これらのモニタからの通知を SNMP エージェントがリスンするようにコンフィグレーションします。

JMX は、管理データをエクスポーズするための Java EE 仕様であり、WebLogic Server 管理システムの基礎です。JMX 仕様では、管理データおよび管理処理は、管理対象 Bean (MBean) を通じて公開されます。WebLogic Server MIB の管理対象オブジェクトは、MBean と MBean 属性に対応します。「MIB モジュールと WebLogic Server MBean データ モデルの関係」を参照してください。

JMX モニタは、WebLogic Server MBean を指定された間隔でポーリングし、指定のイベント (しきい値への到達など) が発生した場合は WebLogic SNMP エージェントに通知を送ります。SNMP エージェントは通知を生成して、SNMP マネージャに送信します (図 3-2 を参照)。

監視する属性のデータ型に応じて、以下の 3 種類の JMX モニタをコンフィグレーションできます (属性が返すデータ型については『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server MBean Reference』を参照)。

モニタ通知の変数バインド

JMX モニタは、指定したしきい値または条件に対してポーリングを行います。値が指定のしきい値に到達したか、または指定の条件が発生した場合に、エージェントはモニタ通知を生成します。WebLogic Server SNMP エージェントには、各モニタ通知の変数バインドに、次のような名前と値のペアがあります。

  • trapTime : 通知が生成された時刻。

  • trapServerName : 通知を生成した属性値を持つローカル サーバ。

  • trapMonitorType : CounterMonitorStringMonitor、または GaugeMonitor のいずれか。

  • trapMonitorThreshold : 通知をトリガしたしきい値の ASCII 表記。

  • trapMonitorValue : 通知をトリガした値の ASCII 表記。

  • trapMBeanName : モニタ対象の属性を含む MBean の名前。

  • trapMBeanType : モニタ対象の属性を含む MBean のタイプ。

  • trapAttributeName : 通知をトリガした値を持つ属性の名前。

属性変更通知

JMX モニタを使用して WebLogic Server リソースを定期的にポーリングし、特定のしきい値の範囲を超える変化が属性にないか調べることができますが、属性に何らかの変更があったらすぐに通知を送信するように SNMP エージェントをコンフィグレーションすることもできます。たとえば、JMX モニタを使用して、現在アクティブな JDBC 接続の数に変化がないかどうかをポーリングします。アクティブな接続数がしきい値を超えた場合、SNMP エージェントは通知を送信できます。

属性変更通知を送信するように SNMP エージェントをコンフィグレーションする方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「属性変更の作成」を参照してください。


注意 :

実行時 MBean の属性変更の作成はサポートされていません。サポートされているのは、コンフィグレーション MBean 属性の属性変更通知のみです。

属性変更通知の変数バインド

属性変更通知の変数バインドには、次のような名前と値のペアが含まれます。

  • trapTime : 通知が生成された時刻。

  • trapServerName : 管理サーバの名前。

  • trapMBeanName : 属性を含む MBean の名前。

  • trapMBeanType : 属性を含む MBean のタイプ。

  • trapAttributeName : 変更されたコンフィグレーション属性の名前。

  • trapAttributeChangeType : ADDREMOVEUPDATE のいずれかの値。

  • trapAttriruteOldVal : 変更前の属性の値。

  • trapAttributeNewVal - 変更後の属性の値。

WebLogic Server 通知の OID

すべての WebLogic Server 通知のオブジェクト識別子 (OID) は、WebLogic Server OID である .1.3.6.1.4.140.625 で開始されます。

表 3-2 は、WebLogic Server 通知の OID において次に来る値を示したものです。

表 3-2 WebLogic Server 通知の OID

生成される時点

60

ログ通知を送信するためにユーザが定義した基準と一致するメッセージが、サーバ インスタンスで記録されたとき。

たとえば、.1.3.6.1.4.140.625.60

65

停止していた WebLogic Server インスタンスが起動するとき。

管理対象サーバ上の SNMP エージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバの起動時のみ。管理サーバ上の SNMP エージェントは、ドメイン内のどのサーバが起動してもこの通知を生成する。

これを serverStart 通知と呼ぶ。

たとえば、.1.3.6.1.4.140.625.65

70

起動していたサーバが停止するとき。

管理対象サーバ上の SNMP エージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバの停止時のみ。管理サーバ上の SNMP エージェントは、ドメイン内のどのサーバが停止してもこの通知を生成する。

これを serverShutDown 通知と呼ぶ。

たとえば、.1.3.6.1.4.140.625.70

75

ユーザが定義した JMX モニタが、しきい値への到達またはイベントの発生を検出したとき。

たとえば、.1.3.6.1.4.140.625.75

80

ユーザが選択した属性の値が変更されたとき。

たとえば、.1.3.6.1.4.140.625.80


変数バインドが含まれる通知もあります。変数バインドの OID については、BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zip を参照してください。