Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ロールおよびポリシーによるリソースの保護 11g リリース 1 (10.3.1) B55556-01 |
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XACML (eXtensible Access Control Markup Language) は、認可ポリシーおよびロールの割り当てを記述するための XML 言語です。XACML には拡張ポイントが用意されており、Oracle のようなベンダが独自のリソース、データ型、関数を XACML で表現できるようになっています。
WebLogic Server の XACML 認可プロバイダおよび XACML ロール マッピング プロバイダ :
http://docs.oasis-open.org/xacml/2.0/access_control-xacml-2.0-core-spec-os.pdf
にある OASIS XACML 2.0 のコア仕様 を実装および拡張します。
http://docs.oasis-open.org/xacml/2.0/access_control-xacml-2.0-rbac-profile1-spec-os.pdf
にある OASIS RBAC 仕様で説明されている「Core and Hierarchical Role Based Access Control (RBAC) Profile of XACML 2.0」も部分的に実装します。
以下の節では、XACML 2.0 ドキュメントを記述して WebLogic Server 上のリソースを保護する場合に使用できる拡張について説明します。また、WebLogic Server で XACML を使用する場合の制約についても説明します。
ここでは、XACML の WebLogic Server 拡張、およびその制限事項についてのみ説明しています。XACML 2.0 言語の完全なリファレンス情報については、OASIS XACML 2.0 コア仕様 および OASIS RBAC 仕様を参照してください。
WebLogic Server でリソースやポリシーを表現するためのモデルは、Java EE デプロイメント記述子のモデルに準拠しています。この Java EE モデルでは、リソースの階層を作成し、最上位のロールと認可ポリシーによって下位層のリソースを保護します。(リソースの階層の保護を参照。)下位階層のポリシーは、常に上位階層のポリシーをオーバーライドします。リソース階層の上位には、エンタープライズ アプリケーション、Web アプリケーション、および EJB が配置されます。リソース階層の最下位には、EJB メソッド、特定の URL パターンの HTTP メソッド、および MBean のゲッターとセッターが配置されます。
XACML モデルでも、リソースの階層は認識されます。しかし、ネイティブの WebLogic Server モデルと異なり、作成する XACML ポリシーでは、リソースをそのリソース自体のポリシーで保護するのか、リソースの親または祖先のポリシーで保護するのかを判断する方法を指定する必要があります。
また、XACML ドキュメントでは、リソースとリソースのアクションを区別するのが一般的です。たとえば、XACML ドキュメントでリソースとして EJB を定義したら、その EJB リソース内に EJB のメソッドを表すアクションを定義します。ネイティブの WebLogic Server モデルでは、EJB と各 EJB メソッドがリソースと見なされます。「図 A-1」を参照してくだい。
EJB メソッドなどのアクションを XACML リソースとして記述することが可能ですが、XACML でのより自然な表現方法は、EJB をリソースとして定義し、EJB メソッドをリソース内のアクションとして定義する方法です。
WebLogic Server でリソースやポリシーについて説明するための用語は、Java EE デプロイメント記述子のモデルに準拠しています。この Java EE モデルでは、以下の用語を使用して主要な概念を説明しています。
ロールには、特定の時間にどのユーザまたはグループにそのロールを割り当てるかを示す 1 つまたは複数の条件が含まれている。ロール式は、条件と、その条件に従ってロールに追加するユーザまたはグループの名前を組み合わせたものです。これらの式の集合をロール文と呼びます。
ポリシーには、特定の時間に誰がリソースにアクセスできるかを示す 1 つまたは複数の条件が含まれている。ポリシー式は、条件と、その条件に従ってアクセスを許可するユーザ、グループ、またはロールの名前を組み合わせたものです。これらの式の集合をポリシー文と呼びます。
XACML では、ポリシーはルールのセットから構成されており、誰にロールを割り当て、誰がリソースにアクセスできるかは、このポリシーを使用して決定します。つまり、XACML のポリシーは、WebLogic Server のロール文やポリシー文に相当します。
WebLogic Server では、XACML のコア仕様で必要とされているすべてのデータ型がサポートされます。それ以外にも、標準 XML データ型や、さまざまなカスタム データ型がサポートされています。このマニュアルでは、Oracle 独自のカスタム データ型を、bea:
というプレフィックスを付けて表します。
WebLogic XACML プロバイダで認識されるすべてのデータ型の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の (com.bea.common.security.xacml.Type
) を参照してください。
XACML では、Action
要素を使用して、リソース内での処理やリソースの階層を識別します。
WebLogic Server では、XACML のコア仕様にのすべての Action
識別子がサポートされます (XACML 2.0 のコア仕様を参照)。また、XACML の environment 識別子を使用できる場所ならどこでも使用できる追加の識別子 1 つもサポートされています。
WebLogic Server リソース内の処理 (たとえば、特定の EJB メソッド) を識別するには、表 A-1 の説明に従って action 識別子を使用します。
注意 : resource 識別子を使用して処理 (EJB メソッドなど) を記述することは可能ですが、XACML でのより自然な表現方法は action 識別子を使用する方法です。「WebLogic Server と XACML のセキュリティ モデルの比較」を参照してください。 |
表 A-1 Action 識別子
識別対象 | 使用する識別子 |
---|---|
処理 |
|
プロバイダがセキュリティ チェックを実行するタイミング |
WebLogic Security SPI には、プロバイダが要求されたセキュリティ チェックを実行するタイミングを指定するためのオプション機能が含まれている。
この 詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「 注意 : 認可プロバイダでは、Direction オブジェクトを判定内で使用することもできる。WebLogic Server の XACML 認可プロバイダでは、 |
表 A-2 では、action-id
識別子に指定する値について説明します。
表 A-2 action-id 識別子の値
その処理を含むリソースの種類 | 指定する値 |
---|---|
Admin |
Admin リソースによって保護する管理アクティビティの名前。たとえば 有効な値については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「 |
アプリケーション |
Administration Console に表示されるアプリケーション名。 |
コントロール |
Java コントロール内のメソッドの名前。Java コントロールは、再利用可能なコンポーネントで、WebLogic Platform アプリケーション内の任意の場所で使用できる。WebLogic Workshop が提供する組み込みコントロールを使用しても、独自のコントロールを作成しても構わない。 |
EJB |
EJB メソッドの名前。たとえば |
JDBC |
JDBC リソースによって保護する管理アクティビティの名前。 有効な値については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「 |
JMS |
JMS リソースによって保護する管理アクティビティの名前。 有効な値については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「 |
JMX |
WebLogic Server MBean 内の処理の名前。たとえば |
JNDI |
JNDI リソースによって保護する管理アクティビティの名前。 有効な値については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「 |
サーバ |
サーバ リソースによって保護するサーバ ライフサイクル アクティビティの名前。たとえば 有効な値については、「サーバ リソース」を参照。 |
URL |
HTTP メソッドの名前。たとえば |
Web サービス |
Web サービス メソッドの名前。たとえば |
ワーク コンテキスト |
ワーク コンテキスト リソースによって保護する管理アクティビティの名前。 有効な値については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「 |
その他 |
文字列 |
次の例では、Action
要素を使用して、SimpleSoap Web サービス内の mymethod
を対象として指定しています。
<Target> <Resources> <Resource> <ResourceMatch MatchId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:string-equal"> <AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string"> type=<webservices>, application=webservicesJwsSimpleEar, contextPath=/jws_basic_simple, webService=SimpleSoapPort </AttributeValue> <ResourceAttributeDesignator AttributeId="urn:oasis:names:tc:xacml:2.0:resource:resource-ancestor" DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string" MustBePresent="true"/> </ResourceMatch> </Resource> </Resources> <ActionMatch MatchId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:string-equal"> <AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string"> mymethod </AttributeValue> <ActionAttributeDesignator AttributeId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:action:action-id" DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string" MustBePresent="true"/> </ActionMatch> </Target>
XACML では、必要に応じて Environment
要素を使用して、対象にアクセスを許可する前に満たされなければならない条件をオペレーション環境内に記述できます。たとえば、Environment
要素を使用して、アクセスを許可する日付と時間の範囲を指定できます。
Weblogic Server では、XACML のすべての Environment
識別子がサポートされます。(http://docs.oasis-open.org/xacml/2.0/access_control-xacml-2.0-core-spec-os.pdf
にある OASIS XACML 2.0 コア仕様 を参照)。また、XACML の environment 識別子 を使用できる場所ならどこでも使用できる追加の識別子 1 つもサポートされています。表 A-3 では、コンテナからプロバイダに渡す値を保持するのに使用できる識別子に対しての値のリストを提供します。
表 A-3 WebLogic Server の Environment 識別子
識別子 | 値 および 説明 |
---|---|
属性 ID : |
urn:bea:xacml:2.0:environment:context:key
この識別子では、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server セキュリティ プロバイダの開発』の「ContextHandler と WebLogic リソース」で定義されているように、 |
データ型 : |
|
値 : |
一致させたい |
次の例では、Environment
要素を使用して、WebLogic Server のリスン ポートの値を一致させています。このような要素を使用して、リクエストをリスン ポート 9001 で受け付けることを要件とするポリシーを作成できます。
<Environment>
<EnvironmentMatch
MatchId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:double-equal">
<EnvironmentAttributeDesignator
AttributeId="urn:bea:xacml:2.0:environment:context:com.bea.cont
extelement.channel.Port"
DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#double"/>
<AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#double">
9001
</AttributeValue>
</EnvironmentMatch>
</Environment>
XACML では、Policy
要素を使用して 1 つまたは複数のルールを記述し、PolicySet
要素を使用して 1 つまたは複数のポリシーを記述できます。各要素には、ユニークな識別子を提供するための PolicySetId
属性を含める必要があります。XACML 仕様では、PolicySetId
識別子を有効な URI 値にすることが要件になっています。
XACML ドキュメントでは、PolicySetId
を使用して、特定の Policy
または PolicySet
要素を別の PolicySet
要素に含めることができます。WebLogic Server では、認可プロバイダやロール マッピング プロバイダのポリシー ストアで、PolicySetId
をキーとして使用します。
WebLogic Server では、urn:bea:
で始まる URI 値は内部使用のために予約されています。urn:bea:
で始まる URI を使用して独自のポリシーを作成することはできませんが、それらの値を使用して Oracle のポリシーを独自のポリシー セットに含めることはできます。
XACML では、Resource
要素を使用して、データ、サービス、またはシステム コンポーネントを表現します。
WebLogic Server では、XACML 2.0 コア仕様の説明に従って、すべての XACML Resource
識別子がサポートされます。
Weblogic server リソースを識別するには、Resource 識別子を表 A-4 に説明する方法で使用します。WebLogic Server リソースについては、「ポリシーで保護できるリソースのタイプ」を参照してください。
表 A-4 WebLogic Server の Resource 識別子
識別対象 | 以下の識別子を使用します。 |
---|---|
Resource |
「保護するリソースの ID の取得」を参照。 |
リソースとその祖先 |
「保護するリソースの ID の取得」を参照。 |
リソースの親 |
「保護するリソースの ID の取得」を参照。 |
リソースの祖先 |
「保護するリソースの ID の取得」を参照。 |
次の例では、Resource
要素が SimpleSoapPort という Web サービスに一致し、その Web サービス内のすべてのメソッドが返されます。
<Resource> <ResourceMatch MatchId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:string-equal"> <AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string"> type=<webservices>, application=webservicesJwsSimpleEar, contextPath=/jws_basic_simple, webService=SimpleSoapPort </AttributeValue> <ResourceAttributeDesignator AttributeId="urn:oasis:names:tc:xacml:2.0:resource:resource-ancestor" DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string" MustBePresent="true"/> </ResourceMatch> </Resource>
XACML では、Subject
要素を使用して、述部から参照できる属性を持つアクタを表現します。
WebLogic Server では、XACML 2.0 のコア仕様に記載されている、XACML Subject 識別子がサポートされています。
WebLogic Server レルムに定義されている WebLogic Server のユーザ、グループ、またはロールを識別するには、subject 識別子を 表 A-5 に説明する方法で使用します。
表 A-5 WebLogic の Subject 識別子
識別対象 | 以下の識別子を使用します。 |
---|---|
ユーザ プリンシパル |
|
グループ プリンシパル |
|
ロール |
注意 : WebLogic Server では、この属性を定義している RBAC プロファイル仕様の一部のみがサポートされている。 |
SOAP ドキュメントに署名したサブジェクト |
|
Web サービスへのアクセスを保護するために使用できるセキュリティ ロールを、表 A-7 に示した識別子を使用して定義している XACML ドキュメントの例については、「コード リスト 7-2」を参照してください。
以下の節では、XACML のコア仕様に定義されている関数以外に、WebLogic Server の XACML プロバイダでサポートされる関数について説明します。
以下の function 識別子は、標準の XACML 関数を直接移植したもので、XML および WebLogic Server のデータ型 long
、float
、decimal
、および bea:Character
に使用できます。これらのデータ型の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server API リファレンス』の「com.bea.common.security.xacml.Type
」を参照してください。
この一覧の type
には、データ型の名前 (long
、float
、decimal
、または character
) が入ります。
urn:bea:xacml:2.0:function:type-equal urn:bea:xacml:2.0:function:type-greater-than urn:bea:xacml:2.0:function:type-greater-than-or-equal urn:bea:xacml:2.0:function:type-less-than urn:bea:xacml:2.0:function:type-less-than-or-equal urn:bea:xacml:2.0:function:type-one-and-only urn:bea:xacml:2.0:function:type-bag-size urn:bea:xacml:2.0:function:type-is-in urn:bea:xacml:2.0:function:type-bag urn:bea:xacml:2.0:function:type-intersection urn:bea:xacml:2.0:function:type-union urn:bea:xacml:2.0:function:type-at-least-one-member-of urn:bea:xacml:2.0:function:type-subset urn:bea:xacml:2.0:function:type-set-equals
bea:Object
を比較する関数については、「オブジェクトの比較」を参照してください。
次に、urn:bea:xacml:2.0:function:character-equal
を使用して 2 つの bea:character
を比較する Condition
の例を示します。
<Condition> <Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:character-equal"> <AttributeValue DataType="urn:bea:xacml:2.0:data-type:character"> Q </AttributeValue> <AttributeValue DataType="urn:bea:xacml:2.0:data-type:character"> Q </AttributeValue> </Apply> </Condition>
表 A-6 に、標準の XACML 関数以外に WebLogic SERVER で提供されるその他の関数をまとめます。
表 A-6 その他の WebLogic Server XACML 関数
関数 | 説明 |
---|---|
in-development-mode |
『Oracle WebLogic Server コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』の「WebLogic ドメインの作成」を参照。 |
instance-method |
この関数は、以下の引数を取る。
呼び出されたメソッドの戻り値は、関数からは |
instance-method-match |
この関数は、以下の引数を取る。
この関数は、パラメータ 呼び出されたメソッドの戻り値は、関数からは |
instance-method-v2 |
この関数は、以下の引数を取る。
呼び出されたメソッドの戻り値は、関数からは |
instance-method-match-v2 |
この関数は、以下の引数を取る。
呼び出されたメソッドの戻り値は、関数からは |
instance-method-match-v3 |
この関数は、Java Reflection API を使用して、指定された
|
次のポリシーは、リクエストが特定の URL パターンに一致すると、instance-method
関数を使用して HttpServletRequest.getAuthType()
メソッドを呼び出します (http://java.sun.com/javaee/5/docs/api/javax/servlet/http/HttpServletRequest.html#getAuthType()
にある Java EE 5.0 API Specification の javax.servlet.http.HttpServletRequest.getAuthType()
を参照)。WebLogic Server の ContextHandler
は、サーブレット コンテナ経由で受け付けるすべてのリクエストにおいて、この HttpServletRequest
オブジェクトを認可プロバイダおよびロール マッピング プロバイダで使用できるようにします。URL リソースのすべてのポリシーは、このメソッドまたは他の HttpServletRequest
メソッドを呼び出すことができます。
コード リスト A-1 HttpServletRequest.getAuthType() を呼び出すポリシー
<Policy xmlns="urn:oasis:names:tc:xacml:2.0:policy:schema:os" PolicyId="urn:sample:xacml:2.0:function:instance-method" RuleCombiningAlgId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:rule-combining-algorithm: first-applicable"> <Description>function:instance-method</Description> <Target> <Resources> <Resource> <ResourceMatch MatchId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:string-equal"> <AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string"> type=<url>, application=MedRecEAR, contextPath=,uri=/docs/* </AttributeValue> <ResourceAttributeDesignator AttributeId="urn:oasis:names:tc:xacml:2.0:resource: resource-ancestor-or-self" DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string" MustBePresent="true"/> </ResourceMatch> </Resource> </Resources> </Target> <!-- Declaring the instance-method function as a variable because this policy invokes it multiple times. --> <VariableDefinition VariableId="authType"> <Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:instance-method"> <!-- HttpServletRequest オブジェクトを関数に渡す。 BEA の ContextHandler は、このオブジェクトをセキュリティ フレームワークで使用できるようにする。 --> <Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:object-one-and-only"> <EnvironmentAttributeDesignator DataType="urn:bea:xacml:2.0:data-type:object" AttributeId="urn:bea:xacml:2.0:environment:context:com.bea. contextelement.servlet.HttpServletRequest" /> </Apply> <!-- 呼び出す HttpServletRequest の名前として getAuthType() を渡す。 --> <AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string"> getAuthType </AttributeValue> <!-- getAuthType() メソッド シグネチャにはパラメータは含まれないため、 クラスの空のバッグを渡す。 --> <Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:class-bag" /> </Apply> </VariableDefinition> <!-- getAuthType() が null 以外の値として「CLIENT_CERT」 を返した場合にのみリソースへのアクセスを許可する ルールを作成する。 --> <Rule RuleId="primary-rule" Effect="Permit"> <Condition> <Apply FunctionId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:and"> <Apply FunctionId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:not"> <Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:object-is-null"> <VariableReference VariableId="authType" /> </Apply> </Apply> <Apply FunctionId="urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:function:string-equal"> <!-- 関数は bea:Object を返すため、 このポリシーでは関数を object-to-string 関数内にラップする。 これにより、別の文字列で出力される関数の比較が可能 になる。 --> <Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:object-to-string"> <VariableReference VariableId="authType" /> </Apply> <!-- Declaring a String object to compare to the HttpServletRequest.getAuthType() return value. --> <AttributeValue DataType="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string"> CLIENT_CERT </AttributeValue> </Apply> </Apply> </Condition> </Rule> <Rule RuleId="deny-rule" Effect="Deny" /> </Policy>
表 A-7 に、XACML の日付と時刻を別のデータ型に変換するための Oracle 提供の関数をまとめます。
表 A-7 WebLogic Server の日付および時刻の変換
関数 | 説明 |
---|---|
dateTime-dayOfMonth |
|
dateTime-dayOfMonthMaximum |
|
dateTime-dayOfWeek |
|
dateTime-secondsOfDay |
|
dayTimeDuration-timeZoneOffset |
|
string-to-dateTime |
|
string-to-date |
|
object-to-dateTime |
|
object-to-date |
|
表 A-8 に、算術値を別の入力型に変換するための Oracle 提供の関数、および XACML で定義されている算術関数の基本セットを拡張するための Oracle 提供の関数をまとめます。
表 A-8 Weblogic Server の算術変換および算術関数
関数 | 説明 |
---|---|
float-to-double |
|
long-to-double |
|
long-to-float |
|
integer-to-float |
|
integer-to-long |
|
string-to-double |
|
string-to-long |
|
string-to-integer |
|
string-to-float |
|
to-degrees |
|
to-radians |
|
acos |
|
asin |
|
atan |
|
atan2 |
|
ceil |
|
cos |
|
exp |
|
ieee-remainder |
|
log |
|
maximum |
|
minimum |
|
pow |
|
random-number |
|
rint |
|
sqrt |
|
tan |
|
WebLogic Server には、XACML データを Java オブジェクトに変換するためのさまざまな関数が用意されています。各関数の URI は、次のようになっています。
urn:bea:xacml:2.0:function:type-to-object
type
には、XACML データ型の名前が入ります。表 A-9 に、すべてのデータ型と、それらに対応する関数によって返される Java オブジェクトをまとめます。
たとえば、この関数では、java.lang.String
オブジェクトとして「test」が返されます。
<Apply FunctionId="urn:bea:xacml:2.0:function:string-to-object">test</Apply>
表 A-9 データから Java オブジェクトへの変換
XACML データ型 (type 部分) | urn:bea:xacml:2.0:function:type-to-object 関数の戻り値 |
---|---|
character |
java.lang.Character |
string |
java.lang.String |
boolean |
java.lang.Boolean |
integer |
java.lang.Integer |
double |
java.lang.Double |
float |
java.lang.Float |
long |
java.lang.Long |
decimal |
java.lang.Double |
base64Binary |
java.lang.Byte[] |
hexBinary |
java.lang.Byte[] |
date |
java.util.Calendar |
time |
java.util.Calendar |
dateTime |
java.util.Calendar |
dayTimeDuration |
java.lang.Long |
yearMonthDuration |
java.lang.Integer |
rfc822Name |
java.lang.String |
x500Name |
java.lang.String |
anyURI |
java.net.URI |
ipAddress |
java.lang.String |
dnsAddress |
java.lang.String |
表 A-10 には、文字列または Java オブジェクトを別のデータ型またはオブジェクト型に変換するための Oracle 提供の関数をまとめます。コンテナが現在のコンテキストで使用可能にするオブジェクトを渡すには、environment 識別子 urn:bea:xacml:2.0:environment:context:
key
を使用して、bea:Object.
を指定します。「Environment 識別子」を参照。
表 A-10 WebLogic Server オブジェクトの変換
関数 | 説明 |
---|---|
string-to-class |
|
object-to-string |
|
object-to-double |
|
object-to-integer |
|
表 A-11 に、Java オブジェクトを比較するための Oracle 提供の関数をまとめます。
表 A-11 WebLogic Server オブジェクトの比較
関数 | 説明 |
---|---|
object-is-null |
|
object-equal |
|
object-greater-than |
|
object-greater-than-or-equal |
|
object-less-than |
|
object-less-than-or-equal |
|
object-collection-contains |
|
object-collection-contains-all |
|
表 A-12 に、Java オブジェクトを比較するための Oracle 提供の関数をまとめます。
表 A-12 Weblogic Server での文字列の比較と操作
関数 | 説明 |
---|---|
string-char-at |
|
string-compare-to-ignore-case |
この関数は、
比較では、大文字小文字は区別されない。 |
string-contains |
|
string-starts-with |
|
string-ends-with |
|
string-length |
|
string-replace |
|
string-substring |
|
string-normalize-to-upper-case |
|
判定に複数の PolicySet
を適用する場合は、それらの結果が次のアルゴリズムで結合されます。
urn:oasis:names:tc:xacml:1.0:policy-combining-algorithm:deny-overrides