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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Web サービス リファレンス
11g リリース 1 (10.3.1)
B55558-01
 

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3 JWS アノテーション リファレンス

以下の節では、WebLogic 固有の JWS アノテーションに関するリファレンスを提供します。

JWS アノテーション タグの概要

WebLogic Web サービスのプログラミング モデルでは、新しい JDK 5.0 メタデータ アノテーション http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/relnotes/features.html#annotations 機能 (http://www.jcp.org/en/jsr/detail?id=175 JSR-175 による仕様) を採用しています。このプログラミング モデルでは、アノテーション付きの Java ファイルを作成し、Ant タスクを使用してそのファイルを Java クラスにコンパイルし、関連するアーティファクトをすべて生成します。

アノテーション付きの Java Web サービス (JWS) ファイルは、Web サービスの中核部分です。このファイルには Web サービスの動作を決定する Java コードが含まれています。JWS ファイルは、アノテーションを使用して Web サービスの形式や特性を指定した、通常の Java クラス ファイルです。

サポートされる JWS アノテーションは、JAX-WS を作成しているか、JAX-RPC Web サービスを作成しているかによって異なります。次の表は、JAX-WS と JAX-RPC における Web サービスのアノテーション サポートの比較を示しています。

JWS アノテーションは、JWS ファイルのクラス、メソッド、またはパラメータのいずれかのレベルを対象にします。アノテーションの中には、複数のレベルを対象にできるものもあります。たとえば、@SecurityRoles は、クラスとメソッドの 2 つのレベルを対象にできます。

次に、標準 JSR-181 を使用した簡単な JWS ファイルの例を挙げます。標準 JSR-181 を使用している個所は太字で示しています。

package examples.webservices.complex;
// 標準の JWS アノテーション インタフェースをインポートする
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebParam;
import javax.jws.WebResult;
import javax.jws.WebService;
import javax.jws.soap.SOAPBinding;
// BasicStruct JavaBean をインポートする
import examples.webservices.complex.BasicStruct;
// Web サービスの portType 名を「ComplexPortType」、パブリック サービス名を「ComplexService」、
// 生成される WSDL で使用される targetNamespace を「http://example.org」と指定する、
// 標準の JWS アノテーション
@WebService(serviceName="ComplexService", name="ComplexPortType",
            targetNamespace="http://example.org")
// document-literal-wrapped 型の Web サービスであることを指定する
// 標準の JWS アノテーション
@SOAPBinding(style=SOAPBinding.Style.DOCUMENT,
             use=SOAPBinding.Use.LITERAL,
             parameterStyle=SOAPBinding.ParameterStyle.WRAPPED)
/**
 * この JWS ファイルは WebLogic Web サービスの基本となる。この Web サービスには
 * 以下の 2 つのパブリック オペレーションがある。
 *
 *  - echoInt(int)
 *  - echoComplexType(BasicStruct)
 *
 * この Web サービスは「document-literal」サービスとして定義される。
 * つまり、SOAP メッセージには、本文全体を定義する XML スキーマ要素
 * を参照している 1 つの部分がある。
 *
*/
public class ComplexImpl {
  // メソッドがパブリック オペレーションとして公開されることを指定する、
  // 標準の JWS アノテーション。  アノテーションにはメンバー値の
  // 「operationName」が含まれていないので、オペレーションの名前は
  // メソッド名 echoInt と同じになる。
  //
  // WebResult アノテーションは、生成される WSDL 内のオペレーションの
  // 結果の名前が、デフォルト名の「return」ではなく「IntegerOutput」
  // であることを指定する。   WebParam アノテーションは、WSDL ファイル内の
  // 入力パラメータ名が、パラメータの Java 名「input」ではなく、
  // 「IntegerInput」であることを指定する。
  @WebMethod()
  @WebResult(name="IntegerOutput",
             targetNamespace="http://example.org/complex")
  public int echoInt(
      @WebParam(name="IntegerInput",
                targetNamespace="http://example.org/complex")
      int input)
  {
    System.out.println("echoInt '" + input + "' to you too!");
    return input;
  }
  // メソッド「echoStruct」を「echoComplexType」というパブリック オペレーション
  // として公開するための、標準の JWS アノテーション。
  // WebResult アノテーションは、生成される WSDL 内のオペレーションの結果の名前が、
  // デフォルト名の「return」ではなく、「EchoStructReturnMessage」であることを
  // 指定する。
  @WebMethod(operationName="echoComplexType")
  @WebResult(name="EchoStructReturnMessage",
             targetNamespace="http://example.org/complex")
  public BasicStruct echoStruct(BasicStruct struct)
  {
    System.out.println("echoComplexType called");
    return struct;
  }
}

次の節では、サポートされる JWS アノテーションについて説明します。

Web サービス メタデータ アノテーション (JSR-181)

次の表は、Web サービスの形態と動作を指定するために JWS ファイルで使用可能な標準 JSR-181 アノテーションをまとめたものです。これらの各アノテーションは、javax.jws (http://java.sun.com/javase/6/docs/api/javax/jws/package-tree.html) または javax.jws パッケージ (http://java.sun.com/javase/6/docs/api/javax/jws/soap/package-tree.html) を使用することで利用できます。詳細については、http://www.jcp.org/en/jsr/detail?id=181 の「Web Services Metadata for the Java Platform 仕様 (JSR-181)」を参照してください。

表 3-2 標準 JSR-181 JWS アノテーション

アノテーション 説明
javax.jws.WebService

クラス レベルで JWS ファイルが Web サービスを実装することを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』または『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Web サービス入門』の「JWS ファイルが Web サービスを実装することの指定 (@WebService アノテーション)」を参照。

javax.jws.WebMethod

JWS ファイルのメソッドを Web サービスのパブリック オペレーションとして公開することを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』または『Oracle Fusion Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Web サービス入門』の「JWS メソッドをパブリック オペレーションとして公開することの指定 (@WebMethod および @OneWay アノテーション)」を参照。

javax.jws.OneWay

オペレーションが呼び出し側アプリケーションに値を返さないことを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』または『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Web サービス入門』の「JWS メソッドをパブリック オペレーションとして公開することの指定 (@WebMethod および @OneWay アノテーション)」を参照。

javax.jws.WebParam

Web サービス オペレーションの入力パラメータと生成される WSDL ファイルの要素との間のマッピングを指定したり、パラメータの動作を指定したりする。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』または『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Web サービス入門』の「オペレーションのパラメータと WSDL 要素のマッピングのカスタマイズ (@WebParam アノテーション)」を参照。

javax.jws.WebResult

Web サービス オペレーションの戻り値と生成される WSDL ファイル内の対応する要素との間のマッピングを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』または『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Web サービス入門』の「オペレーションの戻り値と WSDL 要素のマッピングのカスタマイズ (@WebResult アノテーション)」を参照。

javax.jws.HandlerChain

外部ハンドラ チェーンを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』または『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「SOAP メッセージ ハンドラの作成と使用」を参照。

javax.jws.soap.SOAPBinding

クラス レベルで Web サービスの SOAP バインディング (document-encoded または document-literal-wrapped など) を指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』または『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Web サービス入門』の「Web サービスと SOAP メッセージ プロトコルのマッピングの指定 (@SOAPBinding アノテーション)」を参照。


JAX-WS アノテーション (JSR-224)


注意 :

JAX-WS JWS アノテーションは、JAX-WS Web サービスにのみ関連します。この節の内容は、JAX-RPC Web サービスには適用されません。

次の表は、Web サービスの形態と動作を指定するために JWS ファイルで使用可能な JAX-WS (JSR-224) アノテーションをまとめたものです。これらの各アノテーションは、javax.xml.ws (http://java.sun.com/javase/6/docs/api/javax/xml/ws/package-tree.html) パッケージを使用することで利用できます。詳細については、https://jax-ws.dev.java.net/nonav/2.1.4/docs/annotations.html の「JAX-WS 2.1 アノテーション」を参照してください。

表 3-3 JAX-WS (JSR-244) アノテーション

アノテーション 説明
javax.xml.ws.Action

WS-Addressing Action メッセージ アドレッシング プロパティと、マップされた WSDL オペレーションの inputoutput、および fault メッセージの明示的な関連付けを許可するかどうかを指定する。

javax.xml.ws.BindingType

Web サービスの実装クラスに使用するバインディングを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「エンドポイントに使用するバインディングの指定 (@BindingType アノテーション)」を参照。

javax.xml.ws.FaultAction

WS-Addressing Action メッセージ アドレッシング プロパティと、例外クラスからマップされた WSDL オペレーションのフォールト メッセージの明示的な関連付けを許可するかどうかを指定する。@FaultAction アノテーションは、@Action アノテーションの内部で使用される。

javax.xml.ws.RequestWrapper

実行時にエンドポイント インタフェースのメソッドに使用される要求ラッパー Bean を指定する。

javax.xml.ws.ResponseWrapper

実行時にエンドポイント インタフェースのメソッドに使用される応答ラッパー Bean を指定する。

javax.xml.ws.ServiceMode

プロバイダ実装がプロトコル メッセージ全体を対象とするのか、ペイロードのみを対象にするのかを指定する。

javax.xml.ws.WebEndpoint

生成されたサービス インタフェースの getPortName() メソッドを指定する。

javax.xml.ws.WebFault

フォールト要素のローカルおよびネームスペース名、フォールト Beanの名前をそれぞれカスタマイズするためのサーバ固有の例外クラスを指定する。

javax.xml.ws.WebServiceClient

生成されたサービス インタフェースを指定する。

javax.xml.ws.WebServiceProvider

プロバイダ実装クラスを指定する。

javax.xml.ws.WebServiceRef

Web サービスへの参照を指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「@WebServiceRef アノテーションを使用した Web サービス参照の定義」を参照。


JAXB アノテーション (JSR-222)


注意 :

JAXB JWS アノテーションは、JAX-WS Web サービスにのみ関連します。この節の内容は、JAX-RPC Web サービスには適用されません。

JAXB (JSR-222) (http://jcp.org/en/jsr/detail?id=222) 仕様は、Web サービスの形態と動作を指定するために JWS ファイルで使用可能な JAXB アノテーションを定義しています。次の表は、JAXB アノテーションをまとめたものです。これらの各アノテーションは、javax.xml.bind.annotation (http://java.sun.com/javase/6/docs/api/javax/xml/bind/annotation/package-tree.html) パッケージを使用することで利用できます。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「JAXB アノテーションを使用した Java-to-XML スキーマ マッピングのカスタマイズ」または JAXB (http://jcp.org/en/jsr/detail?id=222 の JSR-222) 仕様を参照してください。

表 3-4 JAXB Mapping アノテーション (JSR-222)

アノテーション 説明
java.xml.bind.annotation.XmlAccessorType

デフォルトでフィールドまたはプロパティをマップするかどうかを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「フィールドおよびプロパティのデフォルト シリアライゼーションの指定 (@XmlAccessorType)」を参照。

java.xml.bind.annotation.XmlElement

クラスに格納されているプロパティを、格納しているクラスがマップされている XML スキーマの複合型のローカル要素へマップすることを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「プロパティとローカル要素のマッピング (@XmlElement)」を参照。

java.xml.bind.annotation.XmlRootElement

Web サービスの WSDL によって使用される XML スキーマのグローバル要素に最上位クラスをマップすることを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「最上位クラスとグローバル要素のマッピング (@XmlRootElement)」を参照。

java.xml.bind.annotation.XmlSeeAlso

現在のクラスをバインドするときにバインドする他のクラスを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「複数のクラスのバインディング (@XmlSeeAlso)」を参照。

java.xml.bind.annotation.XmlType

クラス型または列挙型を XML スキーマ型にマップすることを指定する。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「値クラスとスキーマ型のマッピング (@XmlType)」を参照。


共通アノテーション (JSR-250)

次の表は、Web サービスの形態と動作を指定するために JWS ファイルで使用可能な JAX-WS (JSR-250) アノテーションをまとめたものです。

これらの各アノテーションは、javax.annotation (http://java.sun.com/javase/6/docs/api/javax/annotation/package-tree.html) パッケージを使用することで利用できます。詳細については、Common Annotations for the Java Platform (JSR-250) (http://jcp.org/en/jsr/detail?id=250) 仕様を参照してください。

表 3-5 共通アノテーション (JSR-250)

アノテーション 説明
javax.annotation.Resource

アプリケーションが必要とするリソースを指定する。アノテーションは、アプリケーション コンポーネント クラス、コンポーネント クラスのフィールドまたはメソッドに適用できる。

javax.annotation.PostConstruct

依存性注入が完了した後に、初期化を実行するために呼び出す必要のあるメソッドを指定する。

javax.annotation.PreDestroy

コンテナがインスタンスを削除しようとしていることを知らせるコールバック通知を受信するメソッドを指定する。


WebLogic 固有のアノテーション

WebLogic Web サービスでは、JSR-181 の標準 JWS アノテーションに加え、さらに動作と機能を指定するのに使用できる JWS アノテーションのセットが定義されます。次の表は、WebLogic 固有のアノテーションをまとめたものです。JAX-WS または JAX-RPC でサポートされるかどうかを示しています。(ほとんどのアノテーションは JAX-RPC でのみサポートされます)。各アノテーションの詳細については、後の節で説明します。

表 3-6 WebLogic 固有のアノテーション

アノテーション 説明 JAX-WS/JAX-RPC/両方

weblogic.jws.AsyncFailure


メイン JWS ファイルが別の Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出したときに発生する可能性のある障害を処理するメソッドを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.AsyncResponse


メイン JWS ファイルが別の Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出したときの応答を処理するメソッドを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Binding


SOAP (Simple Object Access Protocol) メッセージの送受信時に、Web サービスで SOAP 実装のバージョン 1.1 を使うのか、バージョン 1.2 を使うのかを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.BufferQueue


JMS キューの JNDI 名を指定する。WebLogic Server は、それに対して以下の操作を行う。

  • バッファ付き Web サービス オペレーションの呼び出しを格納する。

  • 信頼性のある Web サービス オペレーションの呼び出しを格納する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Callback


アノテーション付き変数がコールバックであることを指定する。つまり、アノテーション付き変数を使って、対象 Web サービスのオペレーションを呼び出したクライアント Web サービスにコールバック イベントを返送できる。

JAX-RPC

weblogic.jws.CallbackMethod


コールバック Web サービスから受け取るメッセージを処理する、クライアント Web サービスのメソッドを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.CallbackService


JWS ファイルが実際に、コールバック Web サービスを記述する Java インタフェースであることを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Context


アノテートされたフィールドが Web サービスの実行時コンテキストへのアクセスを提供するように指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Conversation


@Conversation アノテーション付きのメソッドが、2 つの WebLogic Web サービスの間の会話、またはスタンドアロン Java クライアントと会話形式の Web サービスとの間の会話の一部として呼び出すことができるように指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Conversational


JWS ファイルが会話形式の Web サービスを実装するように指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.FileStore


会話状態などの内部状態情報の格納に、WebLogic Server のデフォルト ファイルストアではなく、プログラマ指定のファイルストアを使用することを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.MessageBuffer


JWS のどのパブリック メソッドがバッファされるかを指定する。クラス レベルで指定した場合、すべてのパブリック メソッドがバッファされます。一部のメソッドのみバッファする場合、適切なメソッド レベルでアノテーションを指定します。

JAX-RPC

weblogic.jws.Policies


@weblogic.jws.Policy アノテーションの配列を指定する。

両方

weblogic.jws.Policy


デジタル署名、暗号化、または Web サービスの信頼性のあるメッセージングに関する情報を格納している WS-Policy ファイルを要求または応答 SOAP メッセージに適用するように指定する。

両方

weblogic.jws.ReliabilityBuffer


WebLogic Server による JMS キューから Web サービス実装へのメッセージ配信試行回数、およびサーバが待機すべき再試行間隔など、信頼性のある Web サービスのオペレーションに対する信頼性のあるメッセージングのプロパティを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.ReliabilityErrorHandler


クライアント Web サービスが信頼性のある Web サービスを呼び出したが、信頼性のある Web サービスが実際にそのメッセージを受け取ったという確認応答をそのクライアントが受信しなかった場合に発生するエラーを処理するメソッドを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.SecurityPolicies


@weblogic.jws.SecurityPolicy アノテーションの配列を指定する。

JAX-WS

weblogic.jws.SecurityPolicy


デジタル署名または暗号化に関する情報を格納している Oracle Web Services Manager (Oracle WSM) WS-Policy ファイルを要求または応答 SOAP メッセージに適用するように指定する。

JAX-WS

weblogic.jws.ServiceClient


JWS ファイルのアノテーション付き変数が、以下の機能を使用するときに、別の WebLogic Web サービスを呼び出すスタブであることを指定する。

  • Web サービスの信頼性のあるメッセージング

  • 非同期の要求/応答

  • 会話

JAX-RPC

weblogic.jws.StreamAttachments


WebLogic Web サービス ランタイムで、Web サービスのすべてのメソッド パラメータを読み込む際に Streaming API を使用するように指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Transactional


アノテーション付きのオペレーション、またはアノテーションがクラスレベルで指定されている場合は JWS ファイルのすべてのオペレーションがトランザクション内で実行されるかどうかを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.Types


戻り値またはパラメータの代替データ型の完全修飾 Java クラス名のカンマ区切りリストを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.WildcardBinding


javax.xml.soap.SOAPElement または org.apache.xmlbeans.XmlObject などのワイルドカード クラスがバインドする先の XML スキーマ データ型を指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.WildcardBindings


@weblogic.jws.WildcardBinding アノテーションの配列を指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.WLHttpTransport


生成された WSDL のポート名に加え、HTTP 転送形式で Web サービスを呼び出すために使用するコンテキスト パスおよび URL のサービス URI セクションを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.WLHttpsTransport


生成された WSDL のポート名に加え、HTTPS 転送形式で Web サービスを呼び出すために使用するコンテキスト パスおよび URL のサービス URI セクションを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.WLJmsTransport


生成された WSDL のポート名に加え、JMS 転送形式で Web サービスを呼び出すために使用するコンテキスト パスおよび URL のサービス URI セクションを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.WSDL


デプロイされた WebLogic Web サービスの WSDL をエクスポーズするかどうかを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.CallbackRolesAllowed


Web サービスのコールバック メソッドを呼び出す許可を与えられたロールをリストする @SecurityRole JWS アノテーションの配列を指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.RolesAllowed


Web サービスの基本認証を有効にするかどうかを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.RolesReferenced


Web サービスの呼び出しが許可されている実際のロールを参照する、ロール名のリストを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.RunAs


WebLogic Server 内の Web サービスを実際に実行するロールおよびユーザ ID を指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.SecurityRole


Web サービスの呼び出しを許可されているロールの名前を指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.SecurityRoleRef


Web サービスの呼び出しを許可されている、指定済みのロールにリンクするロール名参照を指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.UserDataConstraint


クライアントが Web サービスを呼び出す際に、HTTPS 転送の使用が必要であるかどうかを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.WssConfiguration


Web サービスで使用する Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの名前を指定する。

両方

weblogic.jws.soap.SOAPBinding


SOAP メッセージ プロトコルに対する Web サービス オペレーションのマッピングを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.SecurityRoles (非推奨)


Web サービスのオペレーションにアクセスできるロールを指定する。

JAX-RPC

weblogic.jws.security.SecurityIdentity (非推奨)


呼び出された Web サービスが前提とする ID を指定する。

JAX-RPC


weblogic.jws.AsyncFailure

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド

メイン JWS ファイルが別の Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出したときに発生する可能性のある障害を処理するメソッドを指定します。

JWS ファイルの内部から Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出すと、応答 (または障害の場合は例外) は、オペレーション呼び出しの直後ではなく、多少遅れて返されます。オペレーション呼び出しは応答を待たないので、JWS ファイル内の別のメソッドは、応答が返された時点でその応答を処理する必要があります。同様に、さらに別のメソッドは障害を処理する必要があります。@AsyncFailure アノテーションは、非同期オペレーション呼び出しによって発生する可能性がある障害を処理する、JWS ファイル内のメソッドを指定するために使用します。

@AsyncFailure アノテーションは、呼び出し対象となる Web サービスのスタブの名前と、非同期的に呼び出すオペレーションの名前の 2 つのパラメータを取ります。スタブは、@ServiceClient アノテーションが付けられているスタブです。

非同期障害を処理するメソッドは、以下のガイドラインに従う必要があります。

  • void を返す。

  • onMethodNameAsyncFailure という名前が付けられている。このうち、MethodName は、非同期的に呼び出すメソッドの名前 (先頭の文字は常に大文字) です。

    メイン JWS ファイルで、非同期メソッドの呼び出しは次のような形式になります。

    port.getQuoteAsync (apc, symbol);
    

    getQuote はメソッドの非同期名ではない名前、apc は非同期呼び出し前のコンテキスト、symbolgetQuote オペレーションに対する標準的なパラメータです。

  • 非同期呼び出し後のコンテキスト (weblogic.wsee.async.AsyncPostCallContext オブジェクトに格納)、および非同期オペレーション呼び出しで送出される可能性がある Throwable 例外の 2 つのパラメータを持っている。

メソッド自体の内部では、コンテキストからメソッド障害に関する詳細を入手し、特定の型の障害を問い合わせ、それに従って処理を実行できます。

通常、非同期オペレーション障害を処理するメソッドを明示的に指定する場合は、必ず @AsyncFailure アノテーションを使用します。このアノテーションを使用しない唯一のケースは、単一のメソッドで、別の Web サービスを呼び出す複数のスタブの障害を処理する場合です。この場合、スタブは別の Web サービスに接続しますが、Web サービス ランタイムは、アノテーションではなくメソッドの名前を基に (onMethodNameAsyncFailure) 非同期障害の処理方法を判別するので、各 Web サービスは、名前が似ているメソッドを持っている必要があります。ただし、オペレーションのいずれか 1 つから非同期障害を処理するメソッドとスタブとの間に必ず 1 対 1 の対応が必要な場合は、@AsyncFailure を明示的に使用することをお勧めします。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「非同期の要求と応答を使用した Web サービスの呼び出し」を参照してください。

属性

表 3-7 weblogic.jws.AsyncFailure JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
target

オペレーションを非同期的に呼び出す Web サービスのスタブの名前。

スタブは、@ServiceClient フィールドレベルのアノテーションが付けられているスタブ。

文字列

必須

operation

非同期的に呼び出すオペレーションの名前。

この名前は、WSDL ファイルで示されているオペレーションの実際の名前。JWS ファイルのメイン コードでこのオペレーションを呼び出すときに、そのオペレーション名に Async を追加する。

たとえば、operation="getQuote" と設定した場合、JWS ファイルでは、オペレーションを次のように非同期的に呼び出す。

port.getQuoteAsync (apc, symbol);

文字列

必須


以下のサンプル スニペットでは、別の Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出す、JWS ファイル内の @AsyncFailure アノテーションの使い方を示します。ここでは、関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices.async_req_res;
...
public class StockQuoteClientImpl {
  @ServiceClient(wsdlLocation="http://localhost:7001/async/StockQuote?WSDL",
                 serviceName="StockQuoteService", portName="StockQuote")
  private StockQuotePortType port;
  @WebMethodpublic void getQuote (String symbol) {
    AsyncPreCallContext apc = AsyncCallContextFactory.getAsyncPreCallContext();
    apc.setProperty("symbol", symbol);
    try {
      port.getQuoteAsync(apc, symbol );
      System.out.println("in getQuote method of StockQuoteClient WS");
    }
    catch (RemoteException e) {
      e.printStackTrace();
    }
  }
...
  @AsyncFailure(target="port", operation="getQuote")
  public void onGetQuoteAsyncFailure(AsyncPostCallContext apc, Throwable e) {
    System.out.println("-------------------");
    e.printStackTrace();
    System.out.println("-------------------");
  }
}

この例では、port というスタブが、http://localhost:7001/async/StockQuote にある Web サービスを呼び出すために使用されています。getQuote オペレーションが非同期的に呼び出され、この呼び出しで例外が発生すると、@AsyncFailure アノテーションで指定されている onGetQuoteAsyncFailure メソッドによって処理されます。

weblogic.jws.AsyncResponse

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド

メイン JWS ファイルが別の Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出したときの応答を処理するメソッドを指定します。

JWS ファイルの内部から Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出すと、応答は、オペレーション呼び出しの直後ではなく、多少遅れて返されます。オペレーション呼び出しは応答を待たないので、JWS ファイル内の別のメソッドは、応答が最終的に返された時点でその応答を処理する必要があります。@AsyncResponse アノテーションは、非同期オペレーション呼び出しの応答を処理する、JWS ファイル内のメソッドを指定するために使用します。

@AsyncResponse アノテーションは、呼び出し対象となる Web サービスのスタブの名前と、非同期的に呼び出すオペレーションの名前の 2 つのパラメータを取ります。スタブは、@ServiceClient アノテーションが付けられているスタブです。

非同期応答を処理するメソッドは、以下のガイドラインに従う必要があります。

  • void を返す。

  • OnMethodNameAsyncResponse という名前が付けられている。このうち、MethodName は、非同期的に呼び出すメソッドの名前 (先頭の文字は常に大文字) です。

    メイン JWS ファイルで、非同期メソッドの呼び出しは次のような形式になります。

    port.getQuoteAsync (apc, symbol);
    

    getQuote はメソッドの非同期名ではない名前、apc は非同期呼び出し前のコンテキスト、symbolgetQuote オペレーションに対する標準的なパラメータです。

  • 非同期呼び出し後のコンテキスト (weblogic.wsee.async.AsyncPostCallContext オブジェクトに格納)、およびオペレーションの通常の戻り値の 2 つのパラメータを持っている。

非同期応答メソッド自体の内部では、応答を処理するコードを追加します。また、コンテキストからメソッド呼び出しに関する詳細を入手できます。

通常、非同期オペレーション応答を処理するメソッドを明示的に指定する場合は、必ず @AsyncResponse アノテーションを使用します。このアノテーションを使用しない唯一のケースは、単一のメソッドで、別の Web サービスを呼び出す複数のスタブの応答を処理する場合です。この場合、スタブは別の Web サービスに接続しますが、Web サービス ランタイムは、アノテーションではなくメソッドの名前を基に (onMethodNameAsyncResponse) 非同期応答の処理方法を判別するので、各 Web サービスは、名前が似ているメソッドを持っている必要があります。ただし、オペレーションのいずれか 1 つから非同期応答を処理するメソッドとスタブとの間に必ず 1 対 1 の対応が必要な場合は、@AsyncResponse を明示的に使用することをお勧めします。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「非同期の要求と応答を使用した Web サービスの呼び出し」を参照してください。

属性

表 3-8 weblogic.jws.AsyncResponse JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
target

オペレーションを非同期的に呼び出す Web サービスのスタブの名前。

スタブは、@ServiceClient フィールドレベルのアノテーションが付けられているスタブ。

文字列

必須

operation

非同期的に呼び出すオペレーションの名前。

この名前は、WSDL ファイルで示されているオペレーションの実際の名前。JWS ファイルのメイン コードでこのオペレーションを呼び出すときに、そのオペレーション名に Async を追加する。

たとえば、operation="getQuote" と設定した場合、JWS ファイルでは、オペレーションを次のように非同期的に呼び出す。

port.getQuoteAsync (apc, symbol);

文字列

必須


以下のサンプル スニペットでは、別の Web サービスのオペレーションを非同期的に呼び出す、JWS ファイル内の @AsyncResponse アノテーションの使い方を示します。ここでは、関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices.async_req_res;
...
public class StockQuoteClientImpl {
  @ServiceClient(wsdlLocation="http://localhost:7001/async/StockQuote?WSDL",
                 serviceName="StockQuoteService", portName="StockQuote")
  private StockQuotePortType port;
  @WebMethodpublic void getQuote (String symbol) {
    AsyncPreCallContext apc = AsyncCallContextFactory.getAsyncPreCallContext();
    apc.setProperty("symbol", symbol);
    try {
      port.getQuoteAsync(apc, symbol );
      System.out.println("in getQuote method of StockQuoteClient WS");
    }
    catch (RemoteException e) {
      e.printStackTrace();
    }
  }
...
  @AsyncResponse(target="port", operation="getQuote")
  public void onGetQuoteAsyncResponse(AsyncPostCallContext apc, int quote) {
    System.out.println("-------------------");
    System.out.println("Got quote " + quote );
    System.out.println("-------------------");
  }
}

この例では、port というスタブが、http://localhost:7001/async/StockQuote にある Web サービスを呼び出すために使用されています。getQuote オペレーションが非同期的に呼び出され、この呼び出しに対する応答は、@AsyncResponse アノテーションで指定されている onGetQuoteAsyncResponse メソッドによって処理されます。

weblogic.jws.Binding

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

SOAP (Simple Object Access Protocol) メッセージの送受信時に、Web サービスで SOAP 実装のバージョン 1.1 を使うのか、バージョン 1.2 を使うのかを指定します。デフォルトでは、WebLogic Web サービスは SOAP 1.1 を使用します。

属性

表 3-9 weblogic.jws.Binding JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

Web サービスを呼び出す際に、要求および応答の SOAP メッセージにおいて使用する SOAP のバージョンを指定する。

この属性の有効な値は以下のとおり。

  • Type.SOAP11

  • Type.SOAP12

デフォルト値は Type.SOAP11

enum

省略可能


次に、SOAP 1.2 を指定する例を示します (関連コードのみ表示)。

package examples.webservices.soap12;
...
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import weblogic.jws.Binding;
@WebService(name="SOAP12PortType",
            serviceName="SOAP12Service",
            targetNamespace="http://example.org")
@Binding(Binding.Type.SOAP12)
public class SOAP12Impl {
  @WebMethod()
  public String sayHello(String message) {
...
  }
}

weblogic.jws.BufferQueue

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

JMS キューの JNDI 名を指定します。WebLogic Server は、それに対して以下の操作を行います。

  • バッファ付き Web サービス オペレーションの呼び出しを格納する。

  • 信頼性のある Web サービス オペレーションの呼び出しを格納する。

バッファ付き Web サービスで使用する場合、このアノテーションは、バッファリングされた JWS のメソッドを指定する @MessageBuffer と組み合わせて使用します。信頼性のある Web サービスで使用する場合、このアノテーションは、Web サービスに関連付けられた、信頼性のあるメッセージング WS-Policy ファイルを指定する @Policy と組み合わせて使用します。

Web サービスに対してバッファ付きまたは信頼性のあるメッセージングを有効にしているが、@BuffereQueue アノテーションを指定していない場合、WebLogic Server は、デフォルトの Web サービス JMS キュー (weblogic.wsee.DefaultQueue) を使用して、バッファ付きまたは信頼性のあるオペレーションの呼び出しを格納します。この JMS キューは、JMS 転送機能のデフォルト キューでもあります。これらの機能のいずれかに対してこの JMS キューを使用する場合は、JMS キューをあらかじめ作成していることが前提となります。

バッファ付きまたは信頼性のある Web サービスの詳細および作成例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「バッファ付き Web サービスの作成」と「Web サービスの信頼性のあるメッセージングの使用」を参照してください。

属性

表 3-10 weblogic.jws.BufferQueue JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
name

バッファ付きまたは信頼性のあるオペレーションの呼び出しを入れる JMS キューの JNDI 名。

文字列

必須


以下の例では、JWS ファイルのコード スニペットを示します。ここでは、パブリック オペレーションがバッファ付きで、WebLogic Server がオペレーションの呼び出しを入れている JMS キューが my.buffere.queue と呼ばれています。関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices.buffered;
...
@WebService(name="BufferedPortType",
            serviceName="BufferedService",
            targetNamespace="http://example.org")
@BufferQueue(name="my.buffer.queue")
public class BufferedImpl {
...
  @WebMethod()
  @MessageBuffer(retryCount=10, retryDelay="10 seconds")
  @Oneway()
  public void sayHelloNoReturn(String message) {
    System.out.println("sayHelloNoReturn: " + message);
  }
}

weblogic.jws.Callback

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : フィールド

アノテーション付き変数がコールバックであることを指定します。つまり、アノテーション付き変数を使って、対象 Web サービスのオペレーションを呼び出したクライアント Web サービスにコールバック イベントを返送できます。

対象 Web サービスにおいて @Callback アノテーションを指定すると、クライアント Web サービスにコールバックできます。アノテーション付き変数のデータ型は、コールバック インタフェースです。

コールバック機能は、2 つの WebLogic Web サービス間で機能します。ただし、この機能をプログラミングする際、次の 3 つの Java ファイルを作成します。

  • コールバック インタフェース : コールバック メソッドを定義する Java インタフェース ファイル。このファイルは、明示的に実装するのではなく、jwsc Ant タスクによってこのインタフェースの実装が自動的に生成されます。この実装によって、対象 Web サービスからクライアント Web サービスにメッセージが返送されます。生成された Web サービスは、クライアント Web サービスをホストする同じ WebLogic Server にデプロイされます。

  • 対象 Web サービスを実装する JWS ファイル : 対象 Web サービスには、コールバック インタフェースで定義されたメソッドを呼び出す 1 つまたは複数の標準オペレーションが含まれます。このメソッドによって、対象 Web サービス オペレーションの呼び出し元のクライアント Web サービスにメッセージが返送されます。

  • クライアント Web サービスを実装する JWS ファイル : クライアント Web サービスは、対象 Web サービスのオペレーションを呼び出します。この Web サービスには、コールバック メソッドを介して対象 Web サービスからコールバック メッセージを受け取ったときに、クライアントが実行すべき動作を指定する 1 つまたは複数のメソッドが含まれます。

コールバック機能のプログラミングに関する詳細および手順については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「コールバックによるクライアントへのイベントの通知」を参照してください。

@Callback アノテーションには、属性はありません。

次に、callback という変数に @Callback アノテーションを付けた非常に簡単な対象 Web サービスの例を示します。この変数のデータ型は CallbackInterface で、これは、コールバック Web サービスがこの名前で存在する必要があることを意味します。変数にコールバック情報が注入された後で、CallbackInterface で定義されているコールバック メソッドを呼び出すことができます。この例では、callbackOperation() がコールバック メソッドです。

関連コードは、太字で示しています。

package examples.webservices.callback;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;
import weblogic.jws.Callback;
import javax.jws.WebService;
import javax.jws.WebMethod;
@WebService(name="CallbackPortType",
            serviceName="TargetService",
            targetNamespace="http://examples.org/")
@WLHttpTransport(contextPath="callback",
                 serviceUri="TargetService",
                 portName="TargetServicePort")
public class TargetServiceImpl {
  @Callback
  CallbackInterface callback;
  @WebMethod
  public void targetOperation (String message) {
        callback.callbackOperation (message);
  }
}

weblogic.jws.CallbackMethod

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド

コールバック Web サービスから受け取るメッセージを処理する、クライアント Web サービスのメソッドを指定します。この属性を使うと、クライアント Web サービス内のコールバック メッセージ ハンドラ メソッドと、コールバック インタフェース内のコールバック メソッドをリンクできます。

コールバック機能は、2 つの WebLogic Web サービス間で機能します。ただし、この機能をプログラミングする際、次の 3 つの Java ファイルを作成します。

  • コールバック インタフェース : コールバック メソッドを定義する Java インタフェース ファイル。このファイルは、明示的に実装するのではなく、jwsc Ant タスクによってこのインタフェースの実装が自動的に生成されます。この実装によって、対象 Web サービスからクライアント Web サービスにメッセージが返送されます。生成された Web サービスは、クライアント Web サービスをホストする同じ WebLogic Server にデプロイされます。

  • 対象 Web サービスを実装する JWS ファイル : 対象 Web サービスには、コールバック インタフェースで定義されたメソッドを呼び出す 1 つまたは複数の標準オペレーションが含まれます。このメソッドによって、対象 Web サービス オペレーションの呼び出し元のクライアント Web サービスにメッセージが返送されます。

  • クライアント Web サービスを実装する JWS ファイル : クライアント Web サービスは、対象 Web サービスのオペレーションを呼び出します。この Web サービスには、コールバック メソッドを介して対象 Web サービスからコールバック メッセージを受け取ったときに、クライアントが実行すべき動作を指定する 1 つまたは複数のメソッドが含まれます。

コールバック機能のプログラミングに関する詳細および手順については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「コールバックによるクライアントへのイベントの通知」を参照してください。

属性

表 3-11 weblogic.jws.CallbackMethod JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
operation

このメソッドで処理するコールバック メッセージのコールバック インタフェース内のコールバック メソッドの名前を指定する。

文字列

必須

target

コールバックを受け取るスタブの名前を指定する。

スタブは、@ServiceClient フィールドレベルのアノテーションが付けられているスタブ。

文字列

必須


次に、@CallbackMethod アノテーションが付けられているクライアント Web サービスのメソッドを示します。この属性では、port という変数に前もってスタブ情報が注入されていること、およびアノテーション付きメソッドが callbackOperation() というコールバック オペレーションから受信したメッセージを処理することが示されています。

  @CallbackMethod(target="port", operation="callbackOperation")
  @CallbackRolesAllowed(@SecurityRole(role="engineer",  mapToPrincipals="shackell"))
  public void callbackHandler(String msg) {
        System.out.println (msg);
  }

weblogic.jws.CallbackService

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

JWS ファイルが実際に、コールバック Web サービスを記述する Java インタフェースであることを指定します。このアノテーションは、@javax.jws.WebService に似ていますが、コールバックに限定され、属性の数も制限されています。

コールバック機能は、2 つの WebLogic Web サービス間で機能します。ただし、この機能をプログラミングする際、次の 3 つの Java ファイルを作成します。

  • コールバック インタフェース : コールバック メソッドを定義する Java インタフェース ファイル。このファイルは、明示的に実装するのではなく、jwsc Ant タスクによってこのインタフェースの実装が自動的に生成されます。この実装によって、対象 Web サービスからクライアント Web サービスにメッセージが返送されます。生成された Web サービスは、クライアント Web サービスをホストする同じ WebLogic Server にデプロイされます。

  • 対象 Web サービスを実装する JWS ファイル : 対象 Web サービスには、コールバック インタフェースで定義されたメソッドを呼び出す 1 つまたは複数の標準オペレーションが含まれます。このメソッドによって、対象 Web サービス オペレーションの呼び出し元のクライアント Web サービスにメッセージが返送されます。

  • クライアント Web サービスを実装する JWS ファイル : クライアント Web サービスは、対象 Web サービスのオペレーションを呼び出します。この Web サービスには、コールバック メソッドを介して対象 Web サービスからコールバック メッセージを受け取ったときに、クライアントが実行すべき動作を指定する 1 つまたは複数のメソッドが含まれます。

@CallbackInterface アノテーションを使うと、Java ファイルがコールバック インタフェース ファイルであることが指定されます。

コールバック インタフェースをプログラミングする際、標準の非コールバック Web サービスと同様に、1 つまたは複数のコールバック メソッドを指定し、これらのメソッドに @javax.jws.WebMethod アノテーションを付け、それらが Web サービス オペレーションであることを指定します。ただし、非コールバック メソッドとは異なり、これらのコールバック メソッドの実際の実装コードを記述する必要はありません。代わりに、jwsc Ant タスクを使ったクライアント Web サービスのコンパイル時に、そのタスクで自動的にコールバック インタフェースの実装が作成され、それが Web サービスにパッケージ化されます。こうして生成された実装によって、コールバック メソッドがすべて同じ処理を行う (コールバック メソッドを呼び出す対象 Web サービスからクライアント Web サービスにメッセージを返送する) ことが指定されます。

コールバック機能のプログラミングに関する詳細および手順については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「コールバックによるクライアントへのイベントの通知」を参照してください。

属性

表 3-12 weblogic.jws.CallbackService JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
name

コールバック Web サービスの名前。WSDL ファイルの <wsdl:portType> 要素に対応している。

デフォルト値は、JWS ファイルの Java クラスの未修飾名。

文字列

省略可能

serviceName

コールバック Web サービスのサービス名。WSDL ファイルの <wsdl:service> 要素に対応している。

デフォルト値は、JWS ファイルの Java クラスの未修飾名に、文字列 Service を付けた値。

文字列

省略可能


次に、非常に簡単なコールバック インタフェースの例を示します。結果のコールバック Web サービスは、callbackOperation() というコールバック メソッドを 1 つ持ちます。

package examples.webservices.callback;
import weblogic.jws.CallbackService;
import javax.jws.Oneway;
import javax.jws.WebMethod;
@CallbackService
public interface CallbackInterface {
  @WebMethod
  @Oneway
  public void callbackOperation (String msg);
}

weblogic.jws.Context

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : フィールド

アノテートされたフィールドが Web サービスの実行時コンテキストへのアクセスを提供するように指定します。

クライアント アプリケーションが、JWS ファイルで実装された WebLogic Web サービスを呼び出すと、WebLogic Server は、Web サービスが、サービスに関する実行時情報のアクセス、および場合によっては変更に使用できるコンテキストを自動的に作成します。この情報の多くは、現在の会話が終了したか、会話のプロパティの現在の値、実行時の会話のプロパティの変更など、会話に関連しています。コンテキストを介してアクセス可能な情報には、Web サービスの呼び出しに使用されたプロトコル (HTTP/S または JMS)、SOAP メッセージ要求内にあった SOAP ヘッダなど、より一般的なものもあります。アノテーション フィールドのデータ型は weblogic.wsee.jws.JwsContext です。これは、コンテキストを問い合わせるメソッドを含む WebLogic Web サービス API です。

このアノテーションの使用に関する詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「Web サービスの実行時情報へのアクセス」参照してください。

このアノテーションには、属性はありません。

以下の JWS ファイルのスニペットでは、@Context アノテーションの使い方を示します。ここでは、ファイルの一部のみを示し、該当するコード箇所は太字になっています。

...
import weblogic.jws.Context;
import weblogic.wsee.jws.JwsContext;

...
public class JwsContextImpl {
  @Context
  private JwsContext ctx;
  @WebMethod()
  public String getProtocol() {
...

weblogic.jws.Conversation

説明

対象 : メソッド

@Conversation アノテーション付きのメソッドが、2 つの WebLogic Web サービスの間の会話、またはスタンドアロン Java クライアントと会話形式の Web サービスとの間の会話の一部として呼び出すことができるように指定します。

会話形式の Web サービスは通常、3 つのメソッドを指定します。各メソッドには、会話の開始、継続、終了の各フェーズに対応する @Conversation アノテーションが付けられています。@Conversational アノテーションは、Web サービスが会話形式になるようにクラス レベルで指定する場合、および最大アイドル時間などの会話のプロパティをコンフィグレーションする場合に使用します。

2 つの Web サービスの間の会話の場合、クライアント サービスでは、@ServiceClient アノテーションを使用して、wsdl、サービス名、呼び出された会話サービスのポートを指定します。サービスとスタンドアロン クライアントとの間の会話の場合、クライアントは、開始メソッド、継続メソッド、および終了メソッドを適切な順序で呼び出し、会話を行います。Web サービスを会話形式にするために、唯一の追加要件として、java.io.Serializable を実装する必要があります。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「会話形式の Web サービスの作成」を参照してください。

属性

表 3-13 weblogic.jws.Conversation JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

アノテーション付きのメソッドが実装する会話のフェーズを指定する。

指定できる値は次のとおり。

  • Phase.START

    メソッドが新しい会話を開始するように指定する。このメソッドの呼び出しによって、新しい会話 ID とコンテキストが作成され、そのアイドルおよび存続期間のタイマーがリセットされる。

  • Phase.CONTINUE

    メソッドが進行中の会話の一部であることを指定する。このメソッドの呼び出しによって、アイドル タイマーがリセットされる。このメソッドは、開始メソッドと終了メソッドの間に必ず呼び出す必要がある。

  • Phase.FINISH

    メソッドが進行中の会話を明示的に終了するように指定する。

デフォルト値は Phase.CONTINUE

enum

省略可能


以下のサンプル スニペットでは、会話の開始、継続、および終了の各フェーズを指定するために @Conversation アノテーションが付けられた 3 つのメソッド (startmiddle、および finish) を含む JWS ファイルを示します。

...
public class ConversationalServiceImpl implements Serializable {
  @WebMethod
  @Conversation (Conversation.Phase.START)
  public String start() {
    // 会話を開始する Java コードがここに入る
  }
  @WebMethod
  @Conversation (Conversation.Phase.CONTINUE)
  public String middle(String message) {
    // 会話を継続する Java コードがここに入る
  }
  @WebMethod
  @Conversation (Conversation.Phase.FINISH)
  public String finish(String message ) {
    // 会話を終了する Java コードがここに入る
  }
}

weblogic.jws.Conversational

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

JWS ファイルが会話形式の Web サービスを実装するように指定します。

Web サービスを会話形式にするために、このアノテーションを使用する必要はありません。@Conversation アノテーションを 1 つのメソッドに付けるだけで、JWS ファイルのすべてのメソッドは自動的に会話形式になります。クラス レベルの @Conversational アノテーションは、会話形式の動作の一部を変更する場合や、クラス レベルで JWS が会話形式であることを明示する場合にのみ使用します。

JWS ファイルで @Conversational アノテーションを使用しない場合でも、デフォルト値がニーズに合っていれば、属性なしでアノテーションを指定できます。ただし、会話で可能な最大アイドル時間、会話の最大継続時間などの値を変更する場合は、それぞれに対応した属性を指定します。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「会話形式の Web サービスの作成」を参照してください。

属性

表 3-14 weblogic.jws.Conversational JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
maxIdleTime

WebLogic Server によって終了されるまで、会話がアイドル状態を維持できる時間を指定する。アクティビティは、会話のいずれかのフェーズを実行しているクライアント Web サービスによって定義される。

有効な値は数値で、以下のいずれか。

  • seconds

  • minutes

  • hours

  • days

  • years

たとえば、最大アイドル時間を 10 分に設定するには、次のようにアノテーションを指定する。

@Conversational(maxIdleTime="10 minutes")

0 の値 (0 seconds0 minutes など) を指定した場合、アイドル状態が原因で会話がタイムアウトすることはない。

デフォルト値は 0 seconds

文字列

省略可能

maxAge

WebLogic Server によって終了されるまで、会話がアクティブ状態を維持できる時間。

有効な値は数値で、以下のいずれか。

  • seconds

  • minutes

  • hours

  • days

  • years

たとえば、最大アイドル時間を 3 日に設定するには、次のようにアノテーションを指定する。

@Conversational(maxAge="3 days")

デフォルト値は 1 day

文字列

省略可能

runAsStartUser

既存の会話の継続フェーズと終了フェーズが、会話を開始したユーザによって実行されるかどうかを指定する。

通常、同じユーザが会話の開始、継続、および終了メソッドを実行するので、この属性の値を変更しても、何の影響もない。ただし、singlePrincipal 属性を false に設定すると、会話を開始したユーザとは別のユーザが既存の会話の継続および終了フェーズを実行できるので、その場合、runAsStartUser 属性は、メソッドを実際に実行するのは会話を開始したユーザか、会話の残りのフェーズを実行する別のユーザかを指定することになる。

有効な値は、true および false。デフォルト値は false

ブール

省略可能

singlePrincipal

会話を開始したユーザとは別のユーザが会話の継続フェーズと終了フェーズを実行できるかどうかを指定する。

通常、同じユーザが会話のすべてのフェーズを実行する。ただし、この属性を false に設定した場合、別のユーザが既存の会話の会話 ID を取得し、会話の残りのフェーズを実行することができる。

有効な値は、true および false。デフォルト値は false

ブール

省略可能


以下のサンプル スニペットでは、JWS ファイルが会話形式の Web サービスを実装するように指定する方法を示します。会話で許可されている最大アイドル時間は 10 分、会話の最大継続時間はアクティビティに関係なく 1 日です。会話の継続および終了フェーズは、会話を開始したユーザとは別のユーザによって実行されます。各フェーズが発生すると、対応するメソッドが、元のユーザではなく新しいユーザとして実行されます。

package examples.webservices.conversation;
...
@Conversational(maxIdleTime="10 minutes",
                maxAge="1 day",
                runAsStartUser=false,
                singlePrincipal=false )
public class ConversationalServiceImpl implements Serializable {
...

weblogic.jws.FileStore

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

会話状態などの内部状態情報の格納に、WebLogic Server のデフォルト ファイルストアではなく、プログラマ指定のファイルストアを使用することを指定します。JWS ファイルでこの JWS アノテーションを指定しなかった場合、Web サービスでは WebLogic Server にコンフィグレーションされているデフォルト ファイルストアが使用されます。

信頼性のある Web サービスの内部状態の格納に対しても、この JWS アノテーションを使用できます。

Web サービスをクラスタにデプロイする場合は、クラスタ内のすべてのサーバでファイルストアが同じ名前で使用できるように、ファイルストアの論理名を指定してください。


注意 :

このアノテーションはファイルストアにのみ適用され、JDBC ストアには適用されません。

属性

表 3-15 weblogic.jws.FileStore JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
storeName

ファイルストアの名前を指定する。

文字列

必須


weblogic.jws.MessageBuffer

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

JWS のどのパブリック メソッドがバッファされるかを指定します。クラス レベルで指定した場合、すべてのパブリック メソッドがバッファされます。一部のメソッドのみバッファする場合、適切なメソッド レベルでアノテーションを指定します。

クライアント Web サービスが、別の WebLogic Web サービスのバッファ付きオペレーションを呼び出すと、呼び出された Web サービスをホストしている WebLogic Server は、呼び出しメッセージを JMS キューに入れます。実際の呼び出しは、後で WebLogic Server が JMS キューの先頭から Web サービスの実装にメッセージを配信したときに処理されます。クライアントは、応答を待つ必要がなく、処理の実行を継続できます。このため、バッファリングされたオペレーション (追加の非同期機能なしの場合) は、void のみを返すことができ、@Oneway アノテーションが付けられている必要があります。値を返すオペレーションをバッファリングする場合は、呼び出し側のクライアント Web サービスからの非同期の要求と応答も使用する必要があります。詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「非同期の要求と応答を使用した Web サービスの呼び出し」を参照してください。

バッファリングは、バッファされた一方のオペレーションをもう一方が呼び出す 2 つの Web サービスの間でのみ機能します。

@MessageBuffer の省略可能な属性を使用すると、JMS キューによる、バッファされた Web サービス オペレーションの呼び出しが成功するまでの回数、およびその呼び出しの間隔を指定できます。

省略可能なクラスレベルの @BufferQueue アノテーションを使用すると、呼び出しメッセージを入れる JMS キューを指定できます。このアノテーションを指定しなかった場合、メッセージは、デフォルト Web サービス キュー weblogic.wsee.DefaultQueue に入れられます。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「バッファ付き Web サービスの作成」を参照してください。

属性

表 3-16 weblogic.jws.MessageBuffer JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
retryCount

呼び出された WebLogic Server インスタンスの JMS キューが、呼び出しメッセージを Web サービスの実装に問題なく配信できるまでの再試行回数を指定する。

デフォルト値は 3。

int

省略可能

retryDelay

メッセージ配信の再試行間隔を指定する。再試行間隔は、JMS キューの呼び出しメッセージと Web サービスの実装へのメッセージ配信までの間隔。

有効な値は数値で、以下のいずれか。

  • seconds

  • minutes

  • hours

  • days

  • years

たとえば、2 日後に再試行する場合は、次のように指定する。

@MessageBuffer(retryDelay="2 days")

デフォルト値は 5 seconds

文字列

省略可能


以下の例では、JWS ファイルのコード スニペットを示します。ここでは、パブリック オペレーション sayHelloNoReturn がバッファ付きで、WebLogic Server がオペレーションの呼び出しを入れている JMS キューが my.buffere.queue と呼ばれています。呼び出された Web サービスをホストしている WebLogic Server インスタンスは、最大再試行回数 10 回、再試行間隔 10 秒で、JMS キュー内の呼び出しメッセージを Web サービスの実装に配信しようとしています。以下のスニペットでは、関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices.buffered;
...
@WebService(name="BufferedPortType",
            serviceName="BufferedService",
            targetNamespace="http://example.org")
@BufferQueue(name="my.buffer.queue")
public class BufferedImpl {
...
  @WebMethod()
  @MessageBuffer(retryCount=10, retryDelay="10 seconds")
  @Oneway()
  public void sayHelloNoReturn(String message) {
    System.out.println("sayHelloNoReturn: " + message);
  }
}

weblogic.jws.Policies

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

@weblogic.jws.Policy アノテーションの配列を指定します。

このアノテーションは、複数の WS-Policy ファイルを JWS ファイルのクラスまたはメソッドにアタッチする場合に使用します。アタッチする WS-Policy ファイルが 1 つだけの場合は、@weblogic.jws.Policy を単独で使用できます。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「Web サービスの信頼性のあるメッセージングの使用」および『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Web サービスのセキュリティ』の「メッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。

この JWS アノテーションには、属性はありません。

@Policies({
    @Policy(uri="policy:firstPolicy.xml"),
    @Policy(uri="policy:secondPolicy.xml")
  })

weblogic.jws.Policy

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

デジタル署名、暗号化、または Web サービスの信頼性のあるメッセージングに関する情報を格納している WS-Policy ファイルを要求または応答 SOAP メッセージに適用するように指定します。

このアノテーションを単独で使用すると、単一の WS-Policy ファイルをクラスまたはメソッドに適用できます。複数の WS-Policy ファイルをクラスまたはメソッドに適用する場合は、@weblogic.jws.Policies アノテーションを使用し、WS-Policy ファイルをまとめて適用します。

このアノテーションをクラス レベルで指定した場合、WS-Policy ファイル (1 つまたは複数) は Web サービスのあらゆるパブリック オペレーションに適用されます。アノテーションをメソッド レベルで指定した場合、WS-Policy ファイルは、対応するオペレーションにのみ適用されます。

デフォルトでは、WS-Policy ファイルは要求 (着信) と応答 (発信) の両方の SOAP メッセージに適用されます。このデフォルトの動作は、direction 属性を使用して変更できます。

デフォルトではまた、指定した WS-Policy ファイルは、Web サービス用に生成されてパブリッシュされた WSDL ファイルにアタッチされるので、コンシューマは、Web サービスの WS-Policy に関するすべての要件を確認できます。このデフォルトの動作を変更するには、attachToWsdl 属性を使用します。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「Web サービスの信頼性のあるメッセージングの使用」および『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Web サービスのセキュリティ』の「メッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。


注意 :

すべての JWS のアノテーションにあてはまることですが、@Policy アノテーションは実行時にはオーバーライドできません。つまり、ビルド時にアノテーションを使用して指定した WS-Policy ファイルが、常に Web サービスに関連付けられることになります。これは、たとえば Administration Console を使用して実行時に関連付けられた WS-Policy ファイルを確認できても、それを削除 (関連付け解除) することはできないことを意味します。ただし、Administration Console を使用して追加の WS-Policy ファイルを関連付けることはできます。手順の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「WS-Policy ファイルと Web サービスとの関連付け」を参照してください。

属性

表 3-17 weblogic.jws.Policies JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
uri

WS-Policy ファイルを検索する場所を指定する。

Web 上の WS-Policy ファイルの URL を指定するには、http: プレフィックスを使用する。

WS-Policy ファイルが WebLogic Server の Web サービス アーカイブ ファイルまたは共有可能な Java EE ライブラリにパッケージ化されていることを指定する場合は、以下の例のように policy: プレフィックスを使用する。

@Policy(uri="policy:MyPolicyFile.xml")

Web サービス アーカイブ形式で WS-Policy ファイルをパブリッシュする場合は、EJB JAR ファイル (EJB 実装の Web サービスの場合) の META-INF/policies ディレクトリまたは WAR ファイル (Java 実装の Web サービスの場合) の WEB-INF/policies ディレクトリのどちらかに WS-Policy XML ファイルを格納する必要がある。

ライブラリ内の WS-Policy ファイルのパブリッシュの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』の「共有 J2EE ライブラリおよびオプション パッケージの作成」を参照。

文字列

必須

direction

policy: を着信要求 SOAP メッセージに対して適用するか、発信応答 SOAP メッセージに対して適用するか、またはその両方 (デフォルト) に対して適用するかを指定する。

この属性の有効な値は以下のとおり。

  • Policy.Direction.both

  • Policy.Direction.inbound

  • Policy.Direction.outbound

デフォルト値は Policy.Direction.both

enum

省略可能

attachToWsdl

Web サービスを記述する WSDL に WS-Policy ファイルをアタッチするかどうかを指定する。

有効な値は、true および false。デフォルト値は false

ブール

省略可能


  @Policy(uri="policy:myPolicy.xml", 
          attachToWsdl=true, 
          direction=Policy.Direction.outbound)

weblogic.jws.ReliabilityBuffer

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド

WebLogic Server による JMS キューから Web サービス実装へのメッセージ配信試行回数、およびサーバが待機すべき再試行間隔など、信頼性のある Web サービスのオペレーションに対する信頼性のあるメッセージングのプロパティを指定します。


注意 :

JWS ファイルでこのアノテーションを指定する場合は、Web サービス用に信頼性のあるメッセージングを有効にするために、@Policy アノテーションで、Web サービスの信頼性のあるメッセージング ポリシー アサーションがある WS-Policy ファイルも指定していることを前提にしています。

@ReliabilityBuffer アノテーションを指定しているが、関連付けられている WS-Policy ファイルで信頼性のあるメッセージングを有効にしていない場合、WebLogic Server はこのアノテーションを無視します。


Web サービスに対して信頼性のある Web サービス メッセージングを有効にする際の詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「Web サービスの信頼性のあるメッセージングの使用」を参照してください。

属性

表 3-18 weblogic.jws.ReliabilityBuffer JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
retryCount

送り先の WebLogic Server インスタンスの JMS キューが、信頼性のあるオペレーションを呼び出すクライアントから Web サービスの実装にメッセージを配信する際の再試行回数を指定する。

デフォルト値は 3。

int

省略可能

retryDelay

メッセージ配信の再試行間隔を指定する。再試行間隔は、JMS キューにあるクライアントの要求メッセージと Web サービスの実装へのメッセージ配信までの間隔。

有効な値は数値で、以下のいずれか。

  • seconds

  • minutes

  • hours

  • days

  • years

たとえば、2 日後に再試行する場合は、次のように指定する。

@ReliabilityBuffer(retryDelay="2 days")

デフォルト値は 5 seconds

文字列

省略可能


以下のサンプル スニペットでは、メソッドレベルで信頼性のあるオペレーションのデフォルトの再試行回数と再試行間隔を変更する @ReliabilityBuffer アノテーションの使い方を示します。ここでは、関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices.reliable;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import javax.jws.Oneway;

...
import weblogic.jws.ReliabilityBuffer;
import weblogic.jws.Policy;
@WebService(name="ReliableHelloWorldPortType",
              serviceName="ReliableHelloWorldService")

...
@Policy(uri="ReliableHelloWorldPolicy.xml",
          direction=Policy.Direction.inbound,
          attachToWsdl=true)
public class ReliableHelloWorldImpl {
  @WebMethod()
  @Oneway()
  @ReliabilityBuffer(retryCount=10, retryDelay="10 seconds")
  public void helloWorld(String input) {
    System.out.println(" Hello World " + input);
  }
}

weblogic.jws.ReliabilityErrorHandler

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド

クライアント Web サービスが信頼性のある Web サービスを呼び出したが、信頼性のある Web サービスが実際にそのメッセージを受け取ったという確認応答をそのクライアントが受信しなかった場合に発生するエラーを処理するメソッドを指定します。

このアノテーションは、Web サービスの信頼性のあるメッセージング機能を実装する場合にのみ関係します。アノテーションは、信頼性のある Web サービスを呼び出すクライアントサイドの Web サービスで指定します。

@ReliabilityErrorHandler アノテーションを付けるメソッドでは、データ型 weblogic.wsee.reliability.ReliabilityErrorContext のパラメータを 1 つ取ります。このコンテキストを使うと、エラーの原因 (エラーの原因となったオペレーション、対象 Web サービス、障害など) に関する詳細な情報を取得できます。メソッドは、void を返す必要があります。

@ReliabilityErrorHandler アノテーションの 1 つの属性では、クライアント Web サービスが呼び出している信頼性のある Web サービスのスタブ情報を注入した変数を指定します。この情報は、@weblogic.jws.ServiceClient アノテーションを使って変数に注入します。

属性

表 3-19 weblogic.jws.ReliabilityErrorHandler JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
target

このメソッドで信頼性機能を処理する対象スタブ名を指定する。

文字列

必須


信頼性のある Web サービスを呼び出すクライアント Web サービスの次のコードでは、@ReliabilityErrorHandler アノテーションの使用方法を示します。ここでは、コードの一部のみが示され、このアノテーションに関連するコードについては太字で示されています。

package examples.webservices.reliable;
...
import weblogic.jws.ServiceClient;
import weblogic.jws.ReliabilityErrorHandler;
import examples.webservices.reliable.ReliableHelloWorldPortType;
import weblogic.wsee.reliability.ReliabilityErrorContext;
import weblogic.wsee.reliability.ReliableDeliveryException;
@WebService(name="ReliableClientPortType",
...
public class ReliableClientImpl
{
  @ServiceClient(
     wsdlLocation="http://localhost:7001/ReliableHelloWorld/ReliableHelloWorld?WSDL",
     serviceName="ReliableHelloWorldService",
     portName="ReliableHelloWorldServicePort")
  private ReliableHelloWorldPortType port;
  @WebMethod
  public void callHelloWorld(String input, String serviceUrl)
     throws RemoteException {
   ...
  }
  @ReliabilityErrorHandler(target="port")
  public void onReliableMessageDeliveryError(ReliabilityErrorContext ctx) {
    ReliableDeliveryException fault = ctx.getFault();
    String message = null;
    if (fault != null) {
      message = ctx.getFault().getMessage();
    }
    String operation = ctx.getOperationName();
    System.out.println("Reliable operation " + operation + " may have not invoked. The error message is " + message);
  }
}

上の例では、port 変数は ReliableHelloWorldService Web サービスに対応するスタブで注入されており、クライアント Web サービスの特定の場所で、このスタブのオペレーションが呼び出されると見なされます。onReliableMessageDeliveryError メソッドは、@ReliabilityErrorHandler アノテーションが付けられ、port スタブとリンクされているため、信頼性のある Web サービスの呼び出しにおいて障害が発生した場合、このメソッドが呼び出されます。信頼性のあるエラー処理メソッドでは、ReliabilityErrorContext オブジェクトを使用して、このエラーの原因の詳細を取得します。

weblogic.jws.SecurityPolicies

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

@weblogic.jws.SecurityPolicy アノテーションの配列を指定します。

このアノテーションは、複数の Oracle Web Services Manager (Oracle WSM) WS-Policy ファイルを JWS ファイルのクラスまたはメソッドにアタッチする場合に使用します。アタッチする Oracle WSM WS-Policy ファイルが 1 つだけの場合は、@weblogic.jws.Security Policy を単独で使用できます。

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Web サービスのセキュリティ』の「Oracle Web サービス セキュリティ ポリシー の使用」を参照してください。

この JWS アノテーションには、属性はありません。

@SecurityPolicies({
    @SecurityPolicy(uri="policy:firstPolicy.xml"),
    @SecurityPolicy(uri="policy:secondPolicy.xml")
  })

weblogic.jws.SecurityPolicy

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

デジタル署名または暗号化に関する情報を格納している Oracle Web Services Manager (Oracle WSM) WS-Policy ファイルを要求または応答 SOAP メッセージに適用するように指定します。

このアノテーションを単独で使用すると、単一の Oracle WSM WS-Policy ファイルをクラスまたはメソッドに適用できます。複数の Oracle WSM WS-Policy ファイルをクラスまたはメソッドに適用する場合は、@weblogic.jws.SecurityPolicies アノテーションを使用し、Oracle WSM WS-Policy ファイルをまとめて適用します。

このアノテーションをクラス レベルでのみ指定すると、Oracle WSM WS-Policy ファイル (1 つまたは複数) は Web サービスのあらゆるパブリック オペレーションに適用されていることを示します。

Oracle WSM WS-Security ポリシーは WebLogic Server JAX-WS Web サービスの WSDL に公開されません。(通常、Web サービスに関連付けられたポリシー ファイルはその WSDL にアタッチされます。Web サービス クライアント ランタイムはこれを読み取り、クライアント アプリケーションから呼び出されたオペレーションからの SOAP メッセージ リクエストのデジタル署名やデジタル暗号化を行うかどうかを判別したり、行う場合はその方法を判別したりします。)

このアノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Web サービスのセキュリティ』の「Oracle Web サービス セキュリティ ポリシー の使用」を参照してください。


注意 :

すべての JWS のアノテーションにあてはまることですが、@SecurityPolicy アノテーションは実行時にはオーバーライドできません。つまり、ビルド時にアノテーションを使用して指定した Oracle WSM WS-Policy ファイルが、常に Web サービスに関連付けられることになります。これは、たとえば Administration Console を使用して実行時に関連付けられた Oracle WSM WS-Policy ファイルを確認できても、それを削除 (関連付け解除) することはできないことを意味します。ただし、Administration Console を使用して追加の Oracle WSM WS-Policy ファイルを関連付けることはできます。手順の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Web サービスのセキュリティ』の「Administration Console で Oracle WSM セキュリティ ポリシーのコンフィグレーション」を参照してください。

属性

表 3-20 weblogic.jws.SecurityPolicy JWS アノテーション タグ属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
uri

Oracle WSM WS-Policy ファイルを取得する場所を指定する。

Web 上の Oracle WSM WS-Policy ファイルの URL を指定するには、http: プレフィックスを使用する。

Oracle WSM WS-Policy ファイルが WebLogic Server の Web サービス アーカイブ ファイルまたは共有可能な Java EE ライブラリにパッケージ化されていることを指定する場合は、以下の例のように policy: プレフィックスを使用する。

@SecurityPolicy(uri=
"policy:oracle/wss10_username_token_with_message_protection_server_policy")

環境にカスタム Oracle WSM WS-Policy を追加するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Web サービスのセキュリティ』の「カスタム Oracle WSM WS-Security ポリシーの追加」を参照。

文字列

必須


@SecurityPolicy(uri=
"policy:oracle/wss10_username_token_with_message_protection_server_policy")

weblogic.jws.ServiceClient

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : フィールド

JWS ファイルのアノテーション付き変数が、以下の機能を使用するときに、別の WebLogic Web サービスを呼び出すスタブであることを指定します。

  • Web サービスの信頼性のあるメッセージング

  • 非同期の要求/応答

  • 会話

信頼性のあるメッセージング機能および非同期の要求と応答機能は、2 つの Web サービスの間でのみ使用します。つまり、たとえば、スタンドアロン クライアントからではなく、別の Web サービスからのみ信頼性のある Web サービス オペレーションを呼び出すことができます。信頼性のあるメッセージングの場合は、http://docs.oasis-open.org/ws-rx/wsrm/200702/wsrm-1.1-spec-os-01.pdf にある WS-ReliableMessaging 仕様を実装された任意の 2 つのアプリケーション サーバ間で機能します。非同期の要求と応答機能は、2 つの WebLogic Server インスタンス間でのみ機能します。

クライアント Web サービスの場合、どの変数が、@ServiceClient 属性で記述した Web サービスのポートのタイプかを指定するには、@ServiceClient アノテーションを使用します。クライアント Web サービスを格納するエンタープライズ アプリケーションも、呼び出している Web サービスのスタブを含んでいる必要があります。このスタブは、clientgen Ant タスクで生成します。

@ServiceClient アノテーションの詳細および使用例については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』を参照してください。

属性

表 3-21 weblogic.jws.ServiceClient JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
serviceName

呼び出す Web サービスの名前を指定する。呼び出された Web サービスの WSDL にある <service> 要素の name 属性に対応する。

JWS ファイルを使用して、呼び出された Web サービスを実装した場合、この属性は、その Web サービスの @WebService JWS アノテーションの serviceName 属性に対応する。

文字列

必須

portName

呼び出す Web サービスのポート名を指定する。<service> 要素の子要素 <port>name 属性に対応する。

JWS ファイルを使用して、呼び出された Web サービスを実装した場合、この属性は、その Web サービスの @WLHttpTransport JWS アノテーションの portName 属性に対応する。

この属性を指定しなかった場合、WSDL の <service> 要素には、@ServiceClient が使用する <port> 子要素が 1 つだけ含まれているものと見なされる。複数のポートがある場合、クライアント Web サービスは実行時例外を返す。

文字列

省略可能

wsdlLocation

呼び出す Web サービスを記述する WSDL ファイルを指定する。

この属性を指定しなかった場合、クライアント Web サービスが使用する WSDL ファイルは、呼び出される Web サービスの Service 実装を作成する際に clientgen Ant タスクが使用したものと同じ WSDL ファイル。

文字列

省略可能

endpointAddress

呼び出す Web サービスのエンドポイント アドレスを指定する。

この属性を指定しなかった場合、クライアント Web サービスは、WSDL ファイルで指定したエンドポイント アドレスを使用する。

文字列

省略可能


以下の JWS ファイルの抜粋では、クライアント Web サービスで @ServiceClient アノテーションを使用し、呼び出される Web サービス (WSDL が http://localhost:7001/ReliableHelloWorld/ReliableHelloWorld?WSDL という URL 上にある ReliableHelloWorldService) のスタブでフィールド (port) にアノテーションを付ける方法を示します。ここでは、関連する部分のみを示します。

package examples.webservices.reliable;
import javax.jws.WebService;
...
import weblogic.jws.ServiceClient;
import examples.webservices.reliable.ReliableHelloWorldPortType;
@WebService(...
public class ReliableClientImpl
{
  @ServiceClient(
     wsdlLocation="http://localhost:7001/ReliableHelloWorld/ReliableHelloWorld?WSDL",
     serviceName="ReliableHelloWorldService",
     portName="ReliableHelloWorldServicePort")
  private ReliableHelloWorldPortType port;
  @WebMethod
  public void callHelloWorld(String input, String serviceUrl)
     throws RemoteException {
    port.helloWorld(input);
    System.out.println(" Invoked the ReliableHelloWorld.helloWorld operation reliably." );
  }
}

weblogic.jws.StreamAttachments

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

WebLogic Web サービス ランタイムで、Web サービスのすべてのメソッド パラメータを読み込む際に Streaming API を使用するように指定します。これによって、特に画像など、大きなパラメータの場合に Web サービス オペレーションの呼び出しのパフォーマンスが向上します。

同じ Web サービスで次の機能も使用している場合、このアノテーションは使用できません。

  • 会話

  • 信頼性のあるメッセージング

  • JMS 転送

  • クライアント アプリケーションと呼び出し対象の Web サービスとの間のプロキシ サーバ

@StreamAttachments アノテーションには、属性はありません。

次に、@StreamAttachments アノテーションを指定する簡単な JWS ファイルを示します。単一のメソッド echoAttachment()DataHandler パラメータを取り、Web サービス オペレーションを呼び出したクライアント アプリケーションにエコー バックします。WebLogic Web サービス ランタイムでは、DataHandler の内容を読み込む際にストリーミングが使用されます。

package examples.webservices.stream_attach;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;
import weblogic.jws.StreamAttachments;
import javax.activation.DataHandler;
import java.rmi.RemoteException;
@WebService(name="StreamAttachPortType",
            serviceName="StreamAttachService",
            targetNamespace="http://example.org")
@WLHttpTransport(contextPath="stream_attach",
                 serviceUri="StreamAttachService",
                 portName="StreamAttachServicePort")
@StreamAttachments
/**
 * 添付ファイルのストリーミング例
 */
public class StreamAttachImpl {
  @WebMethod()
  public DataHandler echoAttachment(DataHandler dh) throws RemoteException {
        return dh;
  }
}

weblogic.jws.Transactional

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

アノテーション付きのオペレーション、またはアノテーションがクラスレベルで指定されている場合は JWS ファイルのすべてのオペレーションがトランザクション内で実行されるかどうかを指定します。デフォルトでは、オペレーションはトランザクションでは実行されません

属性

表 3-22 weblogic.jws.Transactional JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

特定のオペレーション (メソッドレベルで使用する場合) または Web サービスのすべてのオペレーション (クラスレベルで指定されている場合) がトランザクション内で実行されるかどうかを指定する。

有効な値は、true および false。デフォルト値は false

ブール

省略可能

timeout

現在のトランザクションにおけるタイムアウト値 (単位は秒) を指定する。

この属性のデフォルト値は 30 秒。

int

省略可能


以下の例では、@Transactional アノテーションを使って、Web サービスのオペレーションがトランザクションの一部として実行されるように指定する方法を示します。

package examples.webservices.transactional;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;
import weblogic.jws.Transactional;
@WebService(name="TransactionPojoPortType",
            serviceName="TransactionPojoService",
            targetNamespace="http://example.org")
@WLHttpTransport(contextPath="transactionsPojo",
                 serviceUri="TransactionPojoService",
                 portName="TransactionPojoPort")
/**
 * この JWS ファイルは、1 つのオペレーション sayHello を含む簡単な
 * WebLogic Web サービスの基本となる。  オペレーションはトランザクションの
 * 一部として実行される。
*/
public class TransactionPojoImpl {
  @WebMethod()
  @Transactional(value=true)
  public String sayHello(String message) {
    System.out.println("sayHello:" + message);
    return "Here is the message: '" + message + "'";
  }
}

weblogic.jws.Types

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド、パラメータ

戻り値またはパラメータの代替データ型の完全修飾 Java クラス名のカンマ区切りリストを指定します。代替データ型は、メソッド シグネチャで指定されたデータ型を拡張する必要があります。これに当てはまらない場合、JWS ファイルを Web サービスにコンパイルする際に jwsc Ant タスクは検証エラーを返します。

たとえば、Address 基本データ型を作成してから、この基本型を拡張する USAAddress および CAAddress を作成しているものと仮定します。メソッド シグネチャで、この型が Address パラメータを取ることが指定されている場合、このパラメータに @Types アノテーションを付け、パブリック オペレーションでも、基本 Address データ型の他に、パラメータとして USAAddress および CAAddress を取るように指定できます。

このアノテーションを使うと、java.util.Collection または java.util.List など、コレクション データ型の戻り値またはパラメータに格納可能なデータ型を制限することもできます。許容される格納データ型を制限することによって、生成される WSDL は明確で一義的となり、クライアント アプリケーションが Web サービス オペレーションを呼び出す際、Web サービス ランタイムはパラメータの適格確認処理を効率よく実行できます。

このアノテーションをメソッド レベルで指定すると、適用対象は戻り値に限定されます。アノテーションをパラメータに適用する場合、各関連パラメータについて、パラメータ レベルで指定する必要があります。

属性

表 3-23 weblogic.jws.Types JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

コレクション タイプのパラメータまたは戻り値に格納可能なデータ型、または元のデータ型の代わりに使用できる代替データ型の完全修飾クラス名のカンマ区切りリスト。

文字列

必須


次の例では、@Types アノテーションを使用する簡単な JWS ファイルを示します。関連する Java コードは太字で示しています。

package examples.webservices.types;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;
import weblogic.jws.Types;
import examples.webservices.types.BasicStruct;
@WebService(serviceName="TypesService",
            name="TypesPortType",
            targetNamespace="http://example.org")
@WLHttpTransport(contextPath="types",
                 serviceUri="TypesService",
                 portName="TypesServicePort")
public class TypesImpl {
  @WebMethod()
  @Types({"examples.webservices.types.ExtendedStruct"})
  public BasicStruct echoStruct(
     @Types({"examples.webservices.types.ExtendedStruct"}) BasicStruct struct)
  {
    System.out.println("echoStruct called");
    return struct;
  }
}

上の例では、echoStruct() メソッドのシグネチャにおいて、パラメータおよび戻り値の両方として BasicStruct 値を取ることが示されています。ただし、メソッドおよび struct パラメータはともに @Types アノテーションが付けられているため、echoStruct オペレーションを呼び出すクライアント アプリケーションは、データ型 ExtendedStruct のパラメータも渡すことができます。この場合、オペレーションも ExtendedStruct 値を返します。ここでは、ExtendedStructBasicStruct を拡張するものと見なされています。

weblogic.jws.WildcardBinding

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

javax.xml.soap.SOAPElement または org.apache.xmlbeans.XmlObject などのワイルドカード クラスがバインドする先の XML スキーマ データ型を指定します。デフォルトでは、これらの Java データ型は <xsd:any> XML スキーマ データ型にバインドされます。このクラス レベルのアノテーションを使用すると、ワイルドカード クラスを代わりに <xsd:anyType> にバインドするように指定できます。

属性

表 3-24 weblogic.jws.WildcardBinding JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
className

このバインドが適用されるワイルドカード クラスの完全修飾名を指定する。一般的な値は javax.xml.soap.SOAPElement および org.apache.xmlbeans.XmlObject

String

必須

binding

ワイルドカード クラスがバインドする先の XML スキーマ データ型を指定する。

以下のいずれかの値を指定可能。

  • WildcardParticle.ANY

  • WildcardParticle.ANYTYPE

enum

必須


次に、@WildcardBinding アノテーションを使って、Apache XMLBeans データ型の XMLObject が、この Web サービスの <xsd:any> XML スキーマ データ型にバインドされるように指定する例を示します。

@WildcardBindings({
    @WildcardBinding(className="org.apache.xmlbeans.XmlObject", 
                      binding=WildcardParticle.ANY),
    @WildcardBinding(className="org.apache.xmlbeans.XmlObject[]",
                      binding=WildcardParticle.ANY)})
public class SimpleImpl {
...

weblogic.jws.WildcardBindings

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

@weblogic.jws.WildcardBinding アノテーションの配列を指定します。

この JWS アノテーションには、属性はありません。

例については、weblogic.jws.WildcardBinding を参照してください。

weblogic.jws.WLHttpTransport

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

生成された WSDL のポート名に加え、HTTP 転送形式で Web サービスを呼び出すために使用するコンテキスト パスおよび URL のサービス URI セクションを指定します。

このアノテーションは、JWS ファイル内で最大で一度だけ指定できます。

属性

表 3-25 weblogic.jws.WLHttpTransport JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
contextPath

Web サービスのコンテキスト パス。この値は、Web サービスを呼び出す URL 内で使用する。

たとえば、Web サービスのコンテキスト パスを financial に設定した場合、デプロイされる WebLogic Web サービスの WSDL で指定可能な URL は次の形式になる。

http://hostname:7001/financial/GetQuote?WSDL

この属性のデフォルト値は JWS ファイルの名前。ただし、拡張子は付かない。たとえば、JWS ファイルが HelloWorldImpl.java の場合、その contextPath のデフォルト値は HelloWorldImpl になる。

文字列

省略可能

serviceUri

URL の Web サービス URI 部分。この値は、Web サービスを呼び出す URL 内で使用する。

たとえば、この属性を GetQuote に設定した場合、デプロイされるサービスの WSDL で指定可能な URL は以下の形式になる。

http://hostname:7001/financial/GetQuote?WSDL

この属性のデフォルト値は JWS ファイルの名前。ただし、拡張子は付かない。たとえば、JWS ファイルが HelloWorldImpl.java の場合、その serviceUri のデフォルト値は HelloWorldImpl になる。

文字列

省略可能

portName

生成された WSDL のポートの名前。この属性は、WSDL の <port> 要素の name 属性に対応している。

この属性のデフォルト値は、JWS ファイルの @javax.jws.WebService アノテーションに基づく。つまり、デフォルトの portName は、@WebService アノテーションの name 属性の値に SoapPort というテキストを付け加えた形になる。たとえば、@WebService.nameMyService に設定されている場合、デフォルトの portName は MyServiceSoapPort となる。

文字列

省略可能


@WLHttpTransport(contextPath="complex", 
                 serviceUri="ComplexService",
                 portName="ComplexServicePort")

weblogic.jws.WLHttpsTransport

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス


注意 :

@weblogic.jws.WLHttpsTransport アノテーションは、WebLogic Server 9.2 で非推奨になりました。代わりに、@weblogic.jws.WLHttpTransport アノテーションを使用してください。これは HTTP および HTTPS プロトコルを両方ともサポートするようになったためです。クライアント アプリケーションに HTTPS プロトコルのみを使用して Web サービスにアクセスさせるには、JWS ファイルで @weblogic.jws.security.UserDataConstraint JWS アノテーションを指定する必要があります。

生成された WSDL のポート名に加え、HTTPS 転送形式で Web サービスを呼び出すために使用するコンテキスト パスおよび URL のサービス URI セクションを指定します。

このアノテーションは、JWS ファイル内で最大で一度だけ指定できます。

属性

表 3-26 weblogic.jws.WLHttpsTransport JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
contextPath

Web サービスのコンテキスト パス。この値は、Web サービスを呼び出す URL 内で使用する。

たとえば、Web サービスのコンテキスト パスを financial に設定した場合、デプロイされる WebLogic Web サービスの WSDL で指定可能な URL は次の形式になる。

https://hostname:7001/financial/GetQuote?WSDL

この属性のデフォルト値は JWS ファイルの名前。ただし、拡張子は付かない。たとえば、JWS ファイルが HelloWorldImpl.java の場合、その contextPath のデフォルト値は HelloWorldImpl になる。

文字列

省略可能

serviceUri

URL の Web サービス URI 部分。この値は、Web サービスを呼び出す URL 内で使用する。

たとえば、この属性を GetQuote に設定した場合、デプロイされるサービスの WSDL で指定可能な URL は以下の形式になる。

https://hostname:7001/financial/GetQuote?WSDL

この属性のデフォルト値は JWS ファイルの名前。ただし、拡張子は付かない。たとえば、JWS ファイルが HelloWorldImpl.java の場合、その serviceUri のデフォルト値は HelloWorldImpl になる。

文字列

省略可能

portName

生成された WSDL のポートの名前。この属性は、WSDL の <port> 要素の name 属性に対応している。

この属性のデフォルト値は、JWS ファイルの @javax.jws.WebService アノテーションに基づく。つまり、デフォルトの portName は、@WebService アノテーションの name 属性の値に SoapPort というテキストを付け加えた形になる。たとえば、@WebService.nameMyService に設定されている場合、デフォルトの portName は MyServiceSoapPort となる。

文字列

省略可能


@WLHttpsTransport(portName="helloSecurePort",
                 contextPath="secure",
                 serviceUri="SimpleSecureBean")

weblogic.jws.WLJmsTransport

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

生成された WSDL のポート名に加え、JMS 転送形式で Web サービスを呼び出すために使用するコンテキスト パスおよび URL のサービス URI セクションを指定します。WebLogic Server がオペレーションの呼び出しの SOAP 要求メッセージを入れる JMS キューを指定する場合にも、このアノテーションを使用します。

このアノテーションは、JWS ファイル内で最大で一度だけ指定できます。

属性

表 3-27 weblogic.jws.WLJmsTransport JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
contextPath

Web サービスのコンテキスト パス (コンテキスト ルート)。この値は、Web サービスを呼び出す URL 内で使用する。

文字列

省略可能

serviceUri

クライアント アプリケーションが Web サービスの呼び出しに使用する URL の Web サービス URI 部分。

文字列

省略可能

queue

JMS 転送用にコンフィグレーション済みの JMS キューの JNDI 名。JMS 転送の使用の詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「接続プロトコルとしての JMS 転送の使用」を参照。

この属性を指定しない場合のデフォルト値は weblogic.wsee.DefaultQueue。その場合でも、Web サービスのデプロイ先となる WebLogic Server インスタンスで、この JMS キューを作成する必要がある。

文字列

省略可能

portName

生成された WSDL のポートの名前。この属性は、WSDL の <port> 要素の name 属性に対応している。

この属性を指定しない場合、jwsc は、Web サービスを実装しているクラスの名前を基にデフォルト名を生成する。

文字列

省略可能

connectionFactory

JMS 転送用にコンフィグレーション済みの JMS 接続ファクトリの JNDI 名。JMS 転送の使用の詳細については、『Oracle Fusion Middleware JAX-RPC を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス プログラマーズ ガイド』の「接続プロトコルとしての JMS 転送の使用」を参照。

文字列

必須


以下の例では、JMS 転送を使用して呼び出される Web サービスが JWS ファイルで実装されるように指定する方法を示します。WebLogic Server が、サービス オペレーションの呼び出しにある SOAP メッセージ要求を入れる JMS キューは JMSTransportQueue です。ここでは、この JMS キューは WebLogic Server 用にすでにコンフィグレーションされていることを前提としています。

WLJmsTransport(contextPath="transports", 
                serviceUri="JMSTransport",
                queue="JMSTransportQueue", 
                portName="JMSTransportServicePort")

weblogic.jws.WSDL

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

デプロイされた WebLogic Web サービスの WSDL をエクスポーズするかどうかを指定します。

デフォルトでは、WSDL は次の URL でエクスポーズされます。

http://[host]:[port]/[contextPath]/[serviceUri]?WSDL

各要素の説明は次のとおりです。

  • host - WebLogic Server が動作しているコンピュータの名前。

  • port - WebLogic Server がリスンしているポート番号 (デフォルト値は 7001)。

  • contextPath は、Web サービスを実装する JWS ファイルの @WLHttpTransport JWS アノテーションで指定されている contextPath 属性の値、serviceUriserviceUri 属性の値を指す。

たとえば、次の @WLHttpTransport アノテーションを使用しているとします。

@WLHttpTransport(portName="helloPort",
                 contextPath="hello",
                 serviceUri="SimpleImpl")

Web サービスが ariel というホストのデフォルトのポート番号で実行されているとすると、その Web サービスの WSDL を表示する URL は次のとおりです。

http://ariel:7001/hello/SimpleImpl?WSDL

属性

表 3-28 weblogic.jws.WSDL JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
exposed

デプロイされた Web サービスの WSDL をエクスポーズするかどうかを指定する。

有効な値は、true および false。デフォルト値は true で、WSDL はデフォルトでエクスポーズされる

ブール

省略可能


以下の @WSDL アノテーションの使用例では、デプロイされる Web サービスの WSDL がエクスポーズされないように指定する方法を示します。ここでは、関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices;
import weblogic.jws.WSDL;
@WebService(name="WsdlAnnotationPortType",
            serviceName="WsdlAnnotationService",
            targetNamespace="http://example.org")
@WSDL(exposed=false)
public class WsdlAnnotationImpl {
...
}

weblogic.jws.security.CallbackRolesAllowed

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド、フィールド

Web サービスのコールバック メソッドを呼び出す許可を与えられたロールをリストする @SecurityRole JWS アノテーションの配列を指定します。未指定のロールにマップされたユーザ、またはロールにマップされていないユーザは、コールバック メソッドの呼び出しを許可されません。

このアノテーションをフィールド レベルで使用した場合、指定したロールは、Web サービスのすべてのコールバック オペレーションの呼び出しを許可されます。このアノテーションをメソッド レベルで使用した場合、指定したロールは、コールバック メソッドのみの呼び出しを許可されます。両方のレベルで指定し、衝突がある場合、メソッド値がフィールド値をオーバーライドします。

属性

表 3-29 weblogic.jws.security.CallbackRolesAllowed JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

コールバック メソッドの呼び出しを許可されたロールをリストする @ weblogic.jws.security.RolesAllowed の配列。

文字列

必須


次に、メソッド レベルで @CallbackRolesAllowed アノテーションを使って、ロール engineer がコールバック メソッドの呼び出しを許可されるように指定する例を示します。

@CallbackMethod(target="port", operation="callbackOperation")
@CallbackRolesAllowed(@SecurityRole(role="engineer", mapToPrincipals="shackell"))
public void callbackHandler(String msg) {
      System.out.println (msg);
}

weblogic.jws.security.RolesAllowed

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

Web サービスの基本認証を有効にするかどうかを指定します。具体的には、これは Web サービスを呼び出す許可を与えられたロールのリストを記述した @SecurityRole JWS アノテーションの配列を指定します。未指定のロールにマップされたユーザ、またはロールにマップされていないユーザは、Web サービスの呼び出しを許可されません。

このアノテーションをクラス レベルで使用した場合、指定したロールは、Web サービスのすべてのオペレーションの呼び出しを許可されます。特定のオペレーション群のみに対してロールを指定するには、アノテーションをオペレーションレベルで指定します。

属性

表 3-30 weblogic.jws.security.RolesAllowed JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

Web サービス メソッドの呼び出しを許可されたロールをリストする @ weblogic.jws.security.RolesAllowed の配列。

文字列

必須


package examples.webservices.security_roles;
...
import weblogic.jws.security.RolesAllowed;
import weblogic.jws.security.SecurityRole;
@WebService(name="SecurityRolesPortType",
            serviceName="SecurityRolesService",
            targetNamespace="http://example.org")
@RolesAllowed (  {
    @SecurityRole (role="manager",
                   mapToPrincipals={ "juliet","amanda" }),
    @SecurityRole (role="vp")
} )
public class SecurityRolesImpl {
...

この例では、ロール manager および vp のみが Web サービスの呼び出しを許可されています。Web サービスのコンテキスト内で、ユーザ juliet および amanda にはロール manager が割り当てられます。しかしロール vp には、ユーザが外部でこのロールにマップされたことを示唆する mapToPrincipals 属性が含まれていません。ここでは、2 人のユーザ juliet および amanda が WebLogic Server セキュリティ レルムにすでに追加されていることが前提となっています。

weblogic.jws.security.RolesReferenced

説明

対象 : クラス

Web サービスの呼び出しが許可されている実際のロールを参照する、ロール名のリストを指定します。具体的には、@SecurityRoleRef JWS アノテーションの配列を指定します。各アノテーションには、参照されるロール名と、@SecurityRole アノテーションで定義される実際のロールの間のリンクが記述されています。

この JWS アノテーションには、属性はありません。

package examples.webservices.security_roles;
...
import weblogic.jws.security.RolesAllowed;
import weblogic.jws.security.SecurityRole;
import weblogic.jws.security.RolesReferenced;
import weblogic.jws.security.SecurityRoleRef;
@WebService(name="SecurityRolesPortType",
            serviceName="SecurityRolesService",
            targetNamespace="http://example.org")
@RolesAllowed (  {
    @SecurityRole (role="manager",
                   mapToPrincipals={ "juliet","amanda" }),
    @SecurityRole (role="vp")
} )
@RolesReferenced (
    @SecurityRoleRef (role="mgr", link="manager")
)
public class SecurityRolesImpl {
...

この例では、ロール mgr は Web サービスの呼び出しを許可されているロール manager にリンクされています。つまり、mgr のロールに割り当てられたユーザはすべて、Web サービスの呼び出しを許可されているということです。

weblogic.jws.security.RunAs

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

WebLogic Server 内の Web サービスを実際に実行するロールおよびユーザ ID を指定します。

たとえば、@RunAs アノテーションが、roleA ロールと userA プリンシパルを指定すると仮定します。これは、Web サービスが userB (roleB にマップされている) によって呼び出された場合でも、関連のオペレーションは内部で実際には userA として実行されているということです。

属性

表 3-31 weblogic.jws.security.RunAs JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
role

Web サービスが実行されるロールを指定する。

String

必須

mapToPrincipal

ロールにマップするプリンシパル ユーザを指定する。

通常は Administration Console を使用して、指定されたプリンシパル (ユーザ) を有効な WebLogic Server ユーザとしてコンフィグレーション済みであることが前提となっている。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「ユーザの作成」を参照。

文字列

必須


package examples.webservices.security_roles;
import weblogic.jws.security.RunAs;
...
@WebService(name="SecurityRunAsPortType",
            serviceName="SecurityRunAsService",
            targetNamespace="http://example.org")
@RunAs (role="manager", mapToPrincipal="juliet")
public class SecurityRunAsImpl {
...

この例では、どのユーザによって呼び出されたかに関係なく、Web サービスを常にロール manager にマップされているユーザ juliet として実行するということを指定する方法を示します。

weblogic.jws.security.SecurityRole

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド

Web サービスの呼び出しを許可されているロールの名前を指定します。このアノテーションは、JWS ファイルの中で常に @RolesAllowed 配列のメンバーとして指定されます。

クライアント アプリケーションは保護された Web サービスを呼び出す際、基本認証の一部としてユーザおよびパスワードを指定します。管理者は Administration Console を使用してユーザを有効な WebLogic Server ユーザとしてコンフィグレーション済みであることが前提となっています。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「ユーザの作成」を参照してください。

Web サービスを呼び出すユーザは、関連のロールにもマップされている必要があります。このタスクは、次の 2 つの方法のいずれかによって実行できます。

  • Administration Console でユーザをロールにマップする。この場合、@SecurityRole アノテーションの mapToPrincipals 属性は指定しません。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「ロールへのユーザの追加」を参照してください。

  • mapToPrincipals 属性を使用して 1 人以上のユーザを指定することで、Web サービスのコンテキスト内でのみユーザをロールにマップする。

複数のロールが Web サービスの呼び出しを許可されていることを指定するには、複数の @SecurityRole アノテーションを @RolesAllowed アノテーション内に含めます。

属性

表 3-32 weblogic.jws.security.SecurityRole JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
role

Web サービスの呼び出しを許可されているロールの名前。

文字列

必須

mapToPrincipals

ロールにマップするユーザ名の配列。

この属性を指定しない場合は、通常 Administration Console を使用してユーザとロールの間のマッピングを外部で定義済みであると想定される。

文字列

省略可能


package examples.webservices.security_roles;
...
import weblogic.jws.security.RolesAllowed;
import weblogic.jws.security.SecurityRole;
@WebService(name="SecurityRolesPortType",
            serviceName="SecurityRolesService",
            targetNamespace="http://example.org")
@RolesAllowed (  {
    @SecurityRole (role="manager",
                   mapToPrincipals={ "juliet","amanda" }),
    @SecurityRole (role="vp")
} )
public class SecurityRolesImpl {
...

この例では、ロール manager および vp のみが Web サービスの呼び出しを許可されています。Web サービスのコンテキスト内で、ユーザ juliet および amanda にはロール manager が割り当てられます。しかしロール vp には、ユーザが外部でこのロールにマップされたことを示唆する mapToPrincipals 属性が含まれていません。ここでは、2 人のユーザ juliet および amanda が WebLogic Server セキュリティ レルムにすでに追加されていることが前提となっています。

weblogic.jws.security.SecurityRoleRef

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

Web サービスの呼び出しを許可されている、指定済みのロールにリンクするロール名参照を指定します。

ロール参照にマップされたユーザは、参照されたロールが Web サービスの @RolesAllowed アノテーションで指定されている限り、Web サービスを呼び出すことができます。

属性

表 3-33 weblogic.jws.security.SecurityRoleRef JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
role

ロール参照の名前。

文字列

必須

link

Web サービスの呼び出しを許可されている指定済みのロールの名前。この属性の値は、同じ JWS ファイルで指定されている @SecurityRole annotationrole 属性の値に対応します。

文字列

必須


package examples.webservices.security_roles;
...
import weblogic.jws.security.RolesAllowed;
import weblogic.jws.security.SecurityRole;
import weblogic.jws.security.RolesReferenced;
import weblogic.jws.security.SecurityRoleRef;
@WebService(name="SecurityRolesPortType",
            serviceName="SecurityRolesService",
            targetNamespace="http://example.org")
@RolesAllowed (  {
    @SecurityRole (role="manager",
                   mapToPrincipals={ "juliet","amanda" }),
    @SecurityRole (role="vp")
} )
@RolesReferenced (
    @SecurityRoleRef (role="mgr", link="manager")
)
public class SecurityRolesImpl {
...

この例では、ロール mgr は Web サービスの呼び出しを許可されているロール manager にリンクされています。つまり、mgr のロールに割り当てられたユーザはすべて、Web サービスの呼び出しを許可されているということです。

weblogic.jws.security.UserDataConstraint

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

クライアントが Web サービスを呼び出す際に、HTTPS 転送の使用が必要であるかどうかを指定します。

WebLogic Server は、このアノテーションの transport 属性が、Web サービスを実装する JWS ファイル内で Transport.INTEGRALTransport.CONFIDENTIAL のうちのいずれかに設定されていると、クライアントと Web サービスの間にセキュア ソケット レイヤ (SSL) 接続を確立します。

このアノテーションを JWS ファイル内で指定した場合は、weblogic.jws.WLHttpTransport アノテーション (または、jwsc Ant タスクの<WLHttpTransport>要素) も指定して、HTTPS バインディングが jwsc Ant タスクによって WSDL ファイル内に確実に生成されるようにする必要があります。

属性

表 3-34 weblogic.jws.security.UserDataConstraint JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
transport

クライアントが Web サービスを呼び出す際に、HTTPS 転送の使用が必要であるかどうかを指定する。

有効な値は以下のとおり。

  • Transport.NONE - Web サービスが転送の保証を必要としていないことを指定する。

  • Transport.INTEGRAL - Web サービスにおいて、転送中にデータが変更されない方法でクライアントと Web サービス間のデータ送信を行う必要があることを指定する。

  • Transport.CONFIDENTIAL - Web サービスにおいて、データの内容を覗かれないようにデータを送信する必要があることを指定する。

デフォルト値は Transport.NONE

enum

省略可能


package examples.webservices.security_https;
import weblogic.jws.security.UserDataConstraint;
...
@WebService(name="SecurityHttpsPortType",
            serviceName="SecurityHttpsService",
            targetNamespace="http://example.org")
@UserDataConstraint(
           transport=UserDataConstraint.Transport.CONFIDENTIAL)
public class SecurityHttpsImpl {
...

weblogic.jws.security.WssConfiguration

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス

Web サービスで使用する Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの名前を指定します。JWS ファイルでこのアノテーションを指定しなかった場合、デフォルトのセキュリティ コンフィグレーション (default_wss) をドメインで作成済みであれば、Web サービスは、そのセキュリティ コンフィグレーションに関連付けられます。

@WssConfiguration アノテーションは、Web サービスでメッセージレベルのセキュリティ (暗号化およびデジタル署名) がコンフィグレーションされている場合にのみ有効です。このアノテーションを使用して Web サービスに関連付けられたセキュリティ コンフィグレーションでは、ID の認証に X.509 証明書を使用するかどうか、パスワード ダイジェストを使用するかどうか、暗号化やデジタル署名にキーストアを使用するかどうかなどを指定します。

WebLogic Web サービスは、必ずしもセキュリティ コンフィグレーションと関連付ける必要はありません。Web サービスのセキュリティ ランタイムのデフォルトの動作が十分なものであれば、追加のコンフィグレーションは不要です。しかし、Web サービスでデフォルトとは異なる動作が必要とされる場合 (ID の認証に、デフォルトのユーザ名/パスワードのトークンではなく X.509 証明書を使用する場合など) は、Web サービスにセキュリティ コンフィグレーションを関連付ける必要があります。

セキュリティ コンフィグレーションを指定した Web サービスを呼び出すことができるようにするには、あらかじめ Administration Console でセキュリティ コンフィグレーションを作成しておく必要があります。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Console ヘルプ』の「Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの作成」を参照してください。メッセージレベルのセキュリティの概要については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Web サービスのセキュリティ』の「メッセージレベルのセキュリティ のコンフィグレーション」を参照してください。


注意 :

@WssConfiguration アノテーションを使用する場合、単一の Web アプリケーションにパッケージ化されているすべての WebLogic Web サービスは同じセキュリティ コンフィグレーションに関連付けられている必要があります。たとえば、特定の Web アプリケーションに含まれる Web サービスを実装するすべての JWS ファイルに @WssConfiguration アノテーションが存在している場合は、各 @WssConfigurationvalue 属性が同じでなければなりません。

jwsc Ant タスクを使用して JWS ファイルを Web サービスにコンパイルするときに複数の Web サービスが単一の Web アプリケーションに含まれていることを指定するには、単一の <module> 要素で対応する <jws> 要素をグループ化します。


属性

表 3-35 weblogic.jws.security.WssConfiguration JWS アノテーション タグの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

この Web サービスに関連付けられた Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの名前を指定する。デフォルト コンフィグレーション名は default_wss

Web サービスを問題なく呼び出すことができるようにするには、Administration Console であらかじめセキュリティ コンフィグレーション (デフォルト コンフィグレーションも含む) を作成しておく必要がある。

文字列

必須


以下の例では、Web サービスが my_security_configuration セキュリティ コンフィグレーションに関連付けられるように指定する方法を示します。ここでは、関連する Java コードのみを示します。

package examples.webservices.wss_configuration;
import javax.jws.WebService;
...
import weblogic.jws.security.WssConfiguration;
@WebService(...
...
@WssConfiguration(value="my_security_configuration")
public class WssConfigurationImpl {
...

weblogic.jws.soap.SOAPBinding

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : メソッド

SOAP メッセージ プロトコルに対する Web サービス オペレーションのマッピングを指定します。

このアノテーションは、@javax.jws.soap.SOAPBinding に似ていますが、クラスではなく、メソッドに適用される点が異なります。たとえば、このアノテーションを使用すると、ある Web サービス オペレーションで RPC エンコードの SOAP バインディングを使用し、同じ Web サービスの別のオペレーションでは document-literal-wrapped の SOAP バインディングを使用するように指定できます。


注意 :

@weblogic.jws.soap.SOAPBinding および @javax.jws.soap.SOAPBinding は同じクラス名を持つため、JWS ファイルで使用する際は、どちらのアノテーションを指しているかに注意する必要があります。

属性

表 3-36 weblogic.jws.soap.SOAPBinding JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
style

呼び出されたアノテーション付きオペレーションの要求および応答の SOAP メッセージのメッセージ スタイルを指定する。

有効な値は以下のとおり。

  • SOAPBinding.Style.RPC

  • SOAPBinding.Style.DOCUMENT

デフォルト値は SOAPBinding.Style.DOCUMENT

enum

省略可能

use

呼び出されたアノテーション付きオペレーションの要求および応答の SOAP メッセージのフォーマット スタイルを指定する。

有効な値は以下のとおり。

  • SOAPBinding.Use.LITERAL

  • SOAPBinding.Use.ENCODED

デフォルト値は SOAPBinding.Use.LITERAL

enum

省略可能

parameterStyle

メソッド パラメータがメッセージ本文を表しているかどうか、パラメータがオペレーションに基づく名前の最上位の要素内にラップされている要素かどうかを判別する。

有効な値は以下のとおり。

  • SOAPBinding.ParameterStyle.BARE

  • SOAPBinding.ParameterStyle.WRAPPED

デフォルト値は SOAPBinding.ParameterStyle.WRAPPED

注意 : この属性は、ドキュメントリテラル形式の Web サービスに対してのみ有効となる。つまり、style 属性を SOAPBinding.Style.DOCUMENT に、use 属性を SOAPBinding.Use.LITERAL に設定している場合にのみ、この属性を指定できる。

enum

省略可能


次に、Web サービスのオペレーションが document-literal-wrapped の SOAP バインディングをデフォルトで使用するように指定する簡単な JWS ファイルを示します。これは、@javax.jws.soap.SOAPBinding アノテーションをクラス レベルで使用することによって指定できます。この例では、@weblogic.jws.soap.SOAPBinding アノテーションをメソッド レベルで使用して個々のメソッドに異なる SOAP バインディングを指定する方法も示します。具体的には、sayHelloDocLitBare() メソッドでは document-literal-bare の SOAP バインディングを使用し、sayHelloRPCEncoded() メソッドでは RPC エンコードの SOAP バインディングを使用します。

package examples.webservices.soap_binding_method;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import javax.jws.soap.SOAPBinding;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;
@WebService(name="SoapBindingMethodPortType",
            serviceName="SoapBindingMethodService",
            targetNamespace="http://example.org")
@SOAPBinding(style=SOAPBinding.Style.DOCUMENT,
             use=SOAPBinding.Use.LITERAL,
             parameterStyle=SOAPBinding.ParameterStyle.WRAPPED)
@WLHttpTransport(contextPath="soap_binding_method",
                 serviceUri="SoapBindingMethodService",
                 portName="SoapBindingMethodServicePort")
/**
 * メソッドの SOAP バインディングを指定する簡単な JWS の例 */
public class SoapBindingMethodImpl {
  @WebMethod()
  @weblogic.jws.soap.SOAPBinding(
               style=SOAPBinding.Style.DOCUMENT,
               use=SOAPBinding.Use.LITERAL,
               parameterStyle=SOAPBinding.ParameterStyle.BARE)
  public String sayHelloDocLitBare(String message) {
    System.out.println("sayHelloDocLitBare" + message);
    return "Here is the message: '" + message + "'";
  }
  @WebMethod()
  @weblogic.jws.soap.SOAPBinding(
               style=SOAPBinding.Style.RPC,
               use=SOAPBinding.Use.ENCODED)
  public String sayHelloRPCEncoded (String message) {
    System.out.println("sayHelloRPCEncoded" + message);
    return "Here is the message: '" + message + "'";
  }
}

weblogic.jws.security.SecurityRoles (非推奨)

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス、メソッド


注意 :

WebLogic Server 9.0 以降では、@weblogic.security.jws.SecurityRoles JWS アノテーションは非推奨となっています。

Web サービスのオペレーションにアクセスできるロールを指定します。

このアノテーションをクラス レベルで指定した場合、指定したロールは、Web サービスのすべてのパブリック オペレーションに適用されます。複数のロールを同じ Web サービスの複数のオペレーションに関連付ける場合は、メソッド レベルでロールのリストを指定することもできます。


注意 :

@SecurityRoles アノテーションは、EJB 実装の Web サービスのコンテキスト内でのみ有効です。そのため、このアノテーションは、javax.ejb.SessionBean を明示的に実装している JWS ファイル内でのみ指定できます。EJB へのアクセス保護の概念については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Security プログラマーズ ガイド』の「エンタープライズ JavaBean (EJB) のセキュリティ対策)」を参照してください。JWS ファイル内での EJB の明示的な実装については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「ステートレス セッション EJB を実装すべき場合」を参照してください。

属性

表 3-37 weblogic.jws.security.SecurityRoles JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
rolesAllowed

Web サービスにアクセスできるロールのリストを指定する。

このアノテーションは、Web サービスを実装するステートレス セッション EJB の ejb-jar.xml デプロイメント記述子の <method-permission> 要素と同じ役割を持っている。

文字列の配列

不可

rolesReferenced

Web サービスで参照されるロールのリストを指定する。

Web サービスは、リストされたロールの資格を使用して他のリソースにアクセスできる。

このアノテーションは、Web サービスを実装するステートレス セッション EJB の ejb-jar.xml デプロイメント記述子の <security-role-ref> 要素と同じ役割を持っている。

文字列の配列

省略可能


以下の例では、Admin ロールのみが Web サービスを呼び出すことができるようにクラスレベルで指定する方法を示します。ここでは、関連する部分のみを示します。

package examples.webservices.security_roles;
import javax.ejb.SessionBean;
import javax.ejb.SessionContext;
import weblogic.ejbgen.Session;
import javax.jws.WebService;
...
import weblogic.jws.security.SecurityRoles;
@Session(ejbName="SecurityRolesEJB")
@WebService(...
// Web サービス全体を呼び出すことができるロールを指定する
@SecurityRoles(rolesAllowed="Admnin")
public class SecurityRolesImpl implements SessionBean {
...

weblogic.jws.security.SecurityIdentity (非推奨)

以降の節では、アノテーションを詳細に説明します。

説明

対象 : クラス


注意 :

WebLogic Server 9.1 以降では、@weblogic.security.jws.SecurityIdentity JWS アノテーションは非推奨となっています。

呼び出された Web サービスが前提とする ID を指定します。

別の値を指定した場合を除き、Web サービスは、認証された呼び出し側の ID を前提とします。このアノテーションを使用すると、Web サービスが特定のロールで実行されるように設定を変更できます。ロールは、WebLogic Server のセキュリティ レルム内のユーザまたはグループに対応している必要があります。


注意 :

@SecurityIdentity アノテーションは、EJB 実装の Web サービスのコンテキスト内でのみ有効です。そのため、このアノテーションは、javax.ejb.SessionBean を明示的に実装している JWS ファイル内でのみ指定できます。EJB へのアクセス保護の概念については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Security プログラマーズ ガイド』の「エンタープライズ JavaBean (EJB) のセキュリティ対策)」を参照してください。JWS ファイル内での EJB の明示的な実装については、『Oracle Fusion Middleware JAX-WS を使用した Oracle WebLogic Server Web サービス入門』の「ステートレス セッション EJB を実装すべき場合」を参照してください。

属性

表 3-38 weblogic.jws.security.SecurityIdentity JWS アノテーションの属性

名前 説明 データ型 必須/省略可能
value

呼び出された Web サービスが前提とするロールを指定する。ロールは、WebLogic Server のセキュリティ レルム内のユーザまたはグループに対応している必要がある。

文字列

必須


以下の例では、呼び出された Web サービスが Admin ロールで実行されるように指定する方法を示します。

package examples.webservices.security_roles;
import javax.ejb.SessionBean;
import javax.ejb.SessionContext;
import weblogic.ejbgen.Session;
import javax.jws.WebService;
...
import weblogic.jws.security.SecurityIdentity;
@Session(ejbName="SecurityRolesEJB")
@WebService(...
// Web サービスが Admin ロールで実行されるように指定する
@SecurityIdentity( value="Admin")
public class SecurityRolesImpl implements SessionBean {
...