Oracle Application Server Adapter for J.D. Edwards OneWorldユーザーズ・ガイド 10g リリース3(10.1.3.4.0) B53280-01 |
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OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldを使用すると、J.D. Edwards OneWorldとの接続が可能になり、J.D. Edwards OneWorldシステム上で相互作用を実行できます。この章では、統合プロジェクトを達成するために、OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldの情報について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、J.D. Edwards OneWorldシステムと他のアプリケーション、データベースおよび外部ビジネス・パートナ・システムとの間でリアルタイムのビジネス・データを交換する手段を提供します。このアダプタにより、J.D. Edwards OneWorldとのインバウンド処理およびアウトバウンド処理が可能になります。
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、J2EE Connector Architecture(J2CA)1.0リソース・アダプタとしてデプロイできます。このデプロイをOracleAS J2CAアダプタと呼びます。また、OracleAS Adapter Business Services Engine(BSE)と呼ばれるように、Webサービス・サーブレットとしてもデプロイできます。
OracleAS Adapter for J.D. EdwardsはXMLメッセージを使用することにより、非J.D. Edwardsアプリケーションがサービスおよびイベントを使用してJ.D. Edwardsと通信およびトランザクション交換できるようにします。サービスおよびイベントは、次のように説明できます。
イベント機能をサポートするために、チャネルがサポートされます。 チャネルは、バックエンド・システムまたは他のタイプのシステムの特定インスタンスへの構成済接続を表します。
チャネルは、企業情報システム(EIS)アプリケーションからリアルタイムでイベントを受信するアダプタ・コンポーネントです。このチャネル・コンポーネントには、ファイル・リーダー、HTTPリスナー、TCP/IPリスナー、FTPリスナーなどがあります。チャネルは常にEIS固有です。 このアダプタでは、特定のEISに対して複数のチャネルがサポートされるため、ユーザーはデプロイメント要件に基づいて最適なチャネル・コンポーネントを選択できます。
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、次のものを提供します。
J2CA 1.0および1.5リソース・アダプタ用のXMLスキーマおよびWSDLファイル。
BSE用Webサービス。
関連項目: 『Oracle Application Server Adapter 概要』 |
次の表に、サポートされているアダプタ・プラットフォームとJ.D. Edwards OneWorldプラットフォームの組合せと、組合せごとにサポートされているJ.D. Edwards OneWorld製品およびリリースを示します。
アダプタ・プラットフォーム: | J.D. Edwards OneWorldプラットフォーム | J.D. Edwards OneWorld製品およびリリース |
---|---|---|
Windows、AS400、HP 9000/B、SunまたはIBM RS/6000 | Windows、AS400、HP 9000/B、SunまたはIBM RS/6000 |
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UNIXプラットフォーム上では、J.D. Edwards OneWorld用のマニュアル・インバウンドWSDL文書を生成できます。
次の項では、J.D. Edwards OneWorldの作業ユニット(UOW)について説明します。
iWayは、J.D. Edwards OneWorldのビジネス関数を個別に生成してからグループ化することをお薦めします。
ビジネス関数を個別に生成してからグループ化する操作は、J.D. Edwards OneWorldのビジネス関数に関連する経験と知識に完全に基づきます。 UOWの生成に関する文書はありません。
UOWに使用可能なXMLスキーマ文書(XSD)ファイルを作成する手順は、次のとおりです。
J.D. Edwards OneWorld GUIから適切なイベントをトリガーし、イベントに基づくXML出力ファイルを生成します。
XMLファイルを使用して、XMLSPYなどのXMLエディタを使用してXSDファイルを作成します。
XSDの作成時に、XSDがSOA 10.1.3.1のネームスペース要件を満たしていることを確認します。 SOA 10.1.3.1に必須のネームスペース、ターゲット・ネームスペースおよびその他の項目を手動で追加します。
生成後に、UOW用のXSDファイルをリポジトリ・フォルダにコピーします。 このリポジトリ・フォルダは、Application Explorerを使用してJ.D. Edwards OneWorldターゲットを作成すると、ファイル・システム上で自動的に構成されます。
次の表に、OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldに必須のライブラリ・ファイルをバージョン別に示します。
J.D. Edwards OneWorldのバージョン | 必須ライブラリ・ファイル |
---|---|
XE(B7333) | Connector.jarおよびKernel.jar |
ERP 8.0(B7334) | Connector.jarおよびKernel.jar |
EnterpriseOne 8.9(B9) | Connector.jar、Kernel.jar、jdeutil.jarおよびlog4j.jar |
EnterpriseOne 8.10 | Connector.jar、Kernel.jar、jdeutil.jarおよびlog4j.jar |
EnterpriseOne 8.11(SP1およびToolsリリース8.95) | Connector.jar、Kernel.jar、jdeutil.jarおよびlog4j.jar |
EnterpriseOne 8.12(Toolsリリース8.96 2.0) | Connector.jar、log4j.jar、xalan.jar、xerces.jar、Base_JAR.jar、EventProcesser_EJB.jar、EventProcesser_JAR.jar. JdeNet_JAR.jarおよびSystem_JAR.jar |
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldを使用して、住所録や購買オーダー、受注オーダーなどのJ.D. Edwards OneWorld マスタービジネス関数をコールできます。また、OneWorldをOneWorld以外のシステムと接続するための統一作業の一部として、このアダプタを使用できます。OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、XML文書を受信したり、J.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを介してXML文書をOneWorldに渡すことで1つ以上のJ.D. Edwardsマスター・ビジネス関数(MBF)を実行することができます。
J.D. Edwards OneWorldでは、互換性を提供するために複数のメソッドと技術をサポートしています。次の3つのエントリ・ポイントがサポートされています。
フラット・ファイル
データベース表
マスター・ビジネス関数(MBF)相互作用コール
リクエストをJ.D. Edwards OneWorldに送信できるようにOracle ASアダプタを構成します。 アダプタでXML文書に埋め込まれているJ.D. Edwards OneWorldマスター・ビジネス関数(MBF)のリクエストを処理し、バックエンドJ.D. Edwards OneWorldシステムに送信します。結果レスポンス情報が返され、ルート用に処理されます。OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldでは、クライアントからXMLリクエスト文書を受信し、ターゲット企業情報システム(EIS)で指定の機能をコールできます。OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldはリクエスト・メッセージのコンシューマとして動作し、レスポンスを返します。 アダプタにより、次の機能が実行されます。
旧システム、他のEISまたはEIS以外のクライアントからのリクエストの受信
XMLリクエスト文書をEIS固有の書式に変換
EISの基盤となる機能のコールおよびそのレスポンスの待機
EIS固有のデータ形式からXML文書へのレスポンスの変換
アダプタがJ.D. Edwards OneWorldからメッセージを受信できるように、チャネルを構成できます。 チャネルが受信する情報はXMLレコードのビルドに使用され、さらなる処理のために特定の配置に転送されます。チャネルはEIS固有のメッセージのコンシューマで、レスポンスを返す場合と返さない場合があります。 チャネルにより、次の機能が実行されます。
EISクライアントからのメッセージの受信
EIS固有のメッセージ書式のXML書式への変換
J.D. Edwards OneWorldからの内部リスナーの伝播
J.D. Edwards OneWorldリスナーと外部システムの統合は、リバースの場合を除き、アウトバウンド処理と同様です。データ・エクスポート制御表では、トランザクションを外部システムと統合させる必要があるかどうかの決定が保持されます。トランザクションを統合させる必要がある場合、MBFにより、未編集のトランザクション表に対するすべての追加、変更および削除についてログ処理が行われます。 トランザクション情報が表に書き込まれると、レコードのキーがMBFからサブシステム・データ・キューに送信されます。サブシステム・データ・キューでは、汎用アウトバウンド・サブシステム・バッチ処理を起動して新規レコードの処理をトリガーし、すべてのインバウンド・トランザクションを処理します。 J. D. Edwardsアウトバウンド・サブシステムがデータ・エクスポート制御表にアクセスし、構成済の外部サブスクライバの実行を決定します。
J.D. Edwards OneWorldの互換性のあるフレームワーク
J.D. Edwards OneWorldを使用すると、互換性フレームワークを利用したシステム統合が可能です。アダプタでは、OneWorldフレームワークを使用し、様々な統合アクセス・メソッドを利用して最大限の柔軟性と機能を提供します。OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldでは、次の統合アクセス・メソッドがサポートされています。
図1-1に、アウトバウンド処理フレームワークを示します。
アダプタではJ.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを使用して、OneWorldアプリケーションと通信します。 ThinNet APIを使用すると、アダプタで、1つ以上のMBFを単一の作業単位(UOW)で実行できます。いずれかのMBFが失敗した場合、部分的な更新を避けるためにUOW全体が失敗します。 アダプタによりMBFが実行されるため、データ検証、ビジネス・ルールおよび基盤データベースとの通信はOneWorldアプリケーションにより処理されます。
図1-2に、インバウンド処理フレームワークを示します。
アウトバウンド処理では、指定のMBFがJ.D. Edwards OneWorld環境で実行されるとイベントを開始します。 MBFにより、イベントの必須情報が適切なインタフェース表へ書き込まれ、イベントの発生がサブシステムBatch Function(BF)に通知されます。 サブシステムBFにより、サブシステム・データ・キューにイベントについてのエントリが配置されます。J.D. Edwardsアウトバウンド・サブシステムはデータ・キュー・エントリを受信すると、通知のために外部処理用のデータ・エクスポート制御表を検索します。 J.D. Edwardsアウトバウンド・サブシステムにより、通知付きでOracle Application Server Adapter for J.D. Edwards OneWorldリスナーがコールされます。リスナーにより通知がジェネレータに渡されます。ジェネレータは、J.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを使用し、インタフェース表から適切な情報を取得します。
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、次のいずれかのコンポーネントとともにApplication Explorerを使用します。
OracleAS Adapter Application Explorer(Application Explorer)
Application Explorerは、データベース接続の構成やWebサービスおよびイベントの作成に使用します。 Application Explorerを、BSEまたはEnterprise Connector for J2EE Connector Architecture(J2CA)とともにWebサービス環境で動作するように構成できます。J2CA環境で動作する場合、コネクタではWebサービスのかわりにアダプタを使用して迅速な統合サービスを行うため、Common Client Interface(CCI)を使用します。BSEおよびJ2CA用コネクタは、Application Explorerおよびアダプタ付属のアプリケーションにデプロイされます。
Application Explorerでは、ビジネス関数をJ.D. Edwards OneWorldシステムで参照するためにエクスプローラ・メタファを使用します。Application Explorerを使用すると、関連付けられたビジネス関数用のXMLスキーマおよびWebサービスを作成できます。
リソース・アダプタ
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldは、リソース・アダプタとも呼ばれるJ2CAベースのコンポーネントです。リスース・アダプタを使用すると、本来相互通信できるように設計されていなかったアプリケーションも相互に接続できます。 アダプタは双方向であるため、企業情報システム(EIS)にリクエストを送信でき、かつEISで発生したイベントについても通知を受信できます。
Oracle Application Server Adapter Business Services Engine(BSE)のアーキテクチャ
図1-3に、パッケージされたアプリケーション用のOracle Webサービス・アダプタの汎用アーキテクチャを示します。 アダプタは、J2EEアプリケーション・サーバーのWebコンテナにデプロイされているBSEとともに動作します。
図1-3 OracleAS Adapter Business Services Engine(BSE)のアーキテクチャ
注意: 本番環境でBSEに対してファイル・リポジトリを使用しないでください。 |
Application ExplorerはBSEとともにデプロイされる設計時ツールです。この設計時ツールを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成を行います。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、BSEによりリポジトリに格納されます。
BSEはプロトコルとしてSOAPを使用し、クライアントからのリクエストを受信し、EISと相互作用してEISからのレスポンスをクライアントに送信します。
Oracle Application Server Adapterの汎用J2CAアーキテクチャ
図1-4に、パッケージされたアプリケーション用のOracle J2CAアダプタの汎用アーキテクチャを示します。J2CAコネクタは標準のJ2CAコンテナにデプロイされ、アダプタのホスト・コンテナとして機能します。コネクタは、リポジトリで構成されます。
Application Explorerは、コネクタとともに動作する設計ツールです。この設計ツールを使用し、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成を行います。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、コネクタによりリポジトリに格納されます。このリポジトリはファイル・システムでもOracleデータベースでもかまいません。リポジトリはRARファイルとしてデプロイされ、ra.xml
と呼ばれるデプロイメント・ディスクリプタが関連付けられます。OC4Jデプロイメント・ディスクリプタoc4j-ra.xml
を編集して、複数のコネクション・ファクトリを作成できます。OC4Jデプロイの詳細は、第3章「OC4Jのデプロイおよび統合」を参照してください。
ビジネス関数の処理
OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldでは、J.D. Edwards OneWorld ThinNet APIを介して、OneWorldビジネス関数を処理できます。APIを使用すると、複雑で非実用的なバッチ処理を行う必要がありません。 さらに、リスナーがTCP接続を介して定義されているため、IBM MQSeries、FileまたはHTTPなどのトランスポート層は必要ありません。OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldを介してOneWorldにアクセスする外部アプリケーションは、XMLスキーマまたはWebサービスを使用して、アダプタとの間でデータを受け渡します。第2章「OracleAS Adapter for J.D. Edwards One Worldの構成」では、Application Explorerを使用して、アダプタを使用したJ.D. マスタービジネス関数(MBF)用XMLスキーマとWebサービスを作成する方法について説明します。
関連項目:
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OracleAS Adapter for J.D. Edwards OneWorldをBPEL Process Managerとともに使用する場合は、次の事項に注意してください。
OracleAS Adapter J2CAのデプロイでのみ、BPEL Process Managerとのインバウンド統合(イベント通知)がサポートされます。
OracleAS Adapter J2CAおよびBSEのデプロイの両方で、BPEL Process Managerとのアウトバウンド統合(リクエスト/レスポンス・サービス)がサポートされます。
次の3つの要素は、BSEのデプロイとOracleAS Adapter J2CAのデプロイの相違点を示しています。これらの要素を理解すると、デプロイ・オプションの選択に役立ちます。
BSEは、次の理由から優先されるデプロイ・オプションです。
Oracle Application Serverの異なるインスタンスにデプロイできます。
負荷がより効率的に分散されます。
サード・パーティのライブラリのエラーからより分離されています。
デバッグ目的で問題を分離する機能がより優れています。
アプリケーション作成のためのサービス指向アーキテクチャ(SOA)モデルにより準拠しています。
OracleAS Adapter J2CAの方が多少高いパフォーマンスを提供します。
OracleAS Adapter J2CAの方がBSEよりも多少高いパフォーマンスを提供します。ただし、トランザクション率が高くなるとその差異は低下します。
OracleAS Adapter J2CAおよびBSEオプションの両方が、実行時に識別情報の伝播を提供します。
BSEオプションには、SOAPヘッダーを使用して識別情報を渡す機能があります。OracleAS Adapter J2CAの場合は、CCIの接続仕様を使用してユーザー名とパスワードが渡されます。