この付録では次の項について説明します。
Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)には、Oracle WSMをデプロイする環境でWebサービス操作の検証に使用するテスト・ページが用意されています。Oracle WSMのテスト・ページは、テストに必要とされる、有効なWebサービス・リクエストを自動的に生成します。Oracle WSMは、Oracle WSM GatewayまたはOracle WSM AgentにリモートWebサービスを登録する前に、そのサービスが機能するかどうかを検証する目的でサービスをテストする方法をユーザーに提供します。
「Webサービスのテスト」ページでは、JAX-RPCまたはREST Webサービスのデプロイが成功したかどうかをテストします。このページを使用すると、次のタスクを実行できます。
Webサービスの、デプロイしたサービス記述(WSDL)を表示します。
様々な値でWebサービス操作を実行します。
Webサービスのセキュリティおよび信頼性について、様々な値で操作を実行します。
リクエストに対してHTTP認証の値を提供します。
ストレス・テストを実行します。
WSDLをテストして、Webサービスにアクセスできるかどうかを確認するには、WSDLが登録されているOracle WSM Gatewayにリクエストを行う必要があります。そのためには、リクエストの送信先URLを取得する必要があります。
WebサービスのWSDLを表示するには
この項では、「Webサービスのテスト」ページを使用して、Webサービスから想定どおりの結果を受信できるかどうかを確認する方法について説明します。
Webサービスをテストするには
Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「ツール」→「テスト・ページ」を選択すると、「Webサービスのテスト」ページが表示されます(図B-3)。
ボックスにWSDL URLを入力して、「問合せの発行」をクリックします。
ページが更新され(図B-4)、WSDLのエンドポイントURLとポートが表示されます。「ポート」を使用して、Webサービスへのアクセスに使用するプロトコルとネットワーク・アドレスを指定します。次の項で説明するように、テストを構成して様々なタスクを実行できます。
「Webサービスのテスト」ページを使用すると、JAX-RPCまたはREST Webサービスで公開されている任意の操作をテストできます。デフォルトでは、編集可能なパラメータと属性はHTMLフォームで表示されます。フォーム上のオプションのパラメータと属性は、チェック・ボックスで示されます。
パラメータの値を入力するには、チェック・ボックスを選択します。
注意: HTMLフォーム上で属性とパラメータを区別するために、属性の前には@記号が付いています。 |
「操作」リストを使用して、テストするWebサービス操作を選択します。
フォーム上のプラス記号(+)は、構造のコピーを追加できることを示します。
フォーム上のXは、使用しない構造のコピーを削除できることを示します。
セキュリティと信頼性の機能について、様々な値でJAX-RPC Webサービス操作を起動できます。これらの機能のパラメータを公開するには、「信頼できるメッセージング」および「WSセキュリティ」の横にあるチェック・ボックスを選択します。テストでこれらの機能を有効にするには、「ヘッダーに含める」チェック・ボックスを選択します。
注意: Oracle Application Server Web Servicesで実装されるREST Webサービスは、セキュリティまたは信頼性の機能をサポートしません。REST Webサービス・リクエストに対してセキュリティまたは信頼性のオプションを指定しても、これらのオプションは無視されます。 |
信頼性の機能をテストに含めることを示すには、「信頼できるメッセージング」チェック・ボックスを選択します。信頼性のSOAPヘッダーが、リクエストのSOAPエンベロープに挿入されます。図B-5に、設定可能なパラメータを示します。
重複削除: この機能を有効にすると、重複削除の信頼性ヘッダーがメッセージに挿入されます。信頼できるエンドポイントに、送信メッセージの重複を削除するよう通知します。デフォルト値は「on」
です。
保証付き配信: この機能を有効にすると、保証付き配信の信頼性ヘッダーがメッセージに挿入されます。信頼できるエンドポイントに、メッセージの受信を確認する必要があることを通知します。デフォルト値は「on」
です。
URLへの返信: 非同期確認を必要とするメッセージについて、確認とフォルトの送信先URLを示します。URLは、通常、リスナーが機能しているポートを持つクライアントのホスト名です。
返信パターン: クライアントがエンドポイントと相互運用する方法を示します。有効な値は、「Callback」(非同期確認またはフォルト)、または「Poll」(確認またはフォルトのポーリングが必要)です。デフォルト値は「Poll」
です。
セキュリティ機能をテストに含めることを示すには、「WSセキュリティ」チェック・ボックスを選択します。セキュリティのSOAPヘッダーが、SOAPエンベロープに挿入されます。「ユーザー名」と「パスワード」パラメータに対して様々な設定を選択できます(図B-6)。
Oracle WSM Agentのパラメータ(図B-7)を使用して、Oracle WSM Agentを経由するWebサービス・リクエストを実行します。エージェントは、Webサービス・リクエストに対して、そのエージェントに構成されたポリシーを適用します。「構成場所」は、Oracle WSM Agentをインストールするディレクトリの場所です。このディレクトリの場所には、完全修飾パスを使用します。
JAX-RPCまたはREST Webサービスの「HTTP認証」オプションを表示するには、「トランスポート情報の表示」チェック・ボックスを選択します(図B-8)。テストしているHTTPサービスがパスワードで保護されている場合、「トランスポート情報の表示」の下にあるパラメータを使用して、ユーザー名とパスワードを入力できます。サービスが、SOAPリクエストに対して特殊なフィルタリングを行う必要がある場合、「SOAPアクション」の値も指定できます。
JAX-RPCまたはREST Webサービス操作の連続起動を作成および構成するオプションを表示するには、「ストレス・テストの実行」チェック・ボックスを選択します(図B-9)。
同時スレッド数: 起動を送信する同時スレッド数。デフォルトは10スレッドです。
ループ数: 操作を起動する回数。デフォルトは5回です。
遅延: ある操作から次の操作を起動するまでに待機する時間(ミリ秒数)。デフォルトは1000ミリ秒(1秒)です。
テストを起動すると、ストレス・レポート・ページが返されます。レポート・ページは、テストするサービス・エンドポイントと操作、送信メッセージのサイズ、操作を実行する同時スレッド数、各スレッドで操作を実行する回数、ある操作から次の操作を起動するまでの遅延を特定します。
JAX-RPC Webサービス・エンドポイントに対し、メッセージをSOAPリクエストとして送信するには、「起動」をクリックします。「テスト結果」には、サービスからのレスポンスが表示されます。このレスポンスは、フォーマット済XML(デフォルト)または生XML(ワイヤー形式)で表示できます。
REST Webサービスの「Webサービスのテスト」ページを使用すると、RESTサービスに対し、テスト・メッセージをXML REST POSTまたはGET操作として送信できます。さらに、Oracle Application Server Web Servicesには、SOAPリクエストとしてメッセージを送信するオプションがあります。
「Webサービスのテスト」ページには、テスト・メッセージに対してWebサービス操作を起動できる次のオプションが用意されています。
起動: HTTPでSOAPリクエストとしてXML RESTリクエストを起動します。サービスは、テスト・ページ・アプリケーションにSOAPレスポンス・メッセージを返します。このレスポンスは、フォーマット済XML(デフォルト)またはフォーマットされていないXMLとして表示できます。
REST POSTの起動: REST POSTリクエストを生成および起動します。レスポンスは、テスト・ページ・アプリケーションに返されます。このレスポンスは、フォーマット済XML(デフォルト)またはフォーマットされていないXMLとして表示できます。
REST GETの起動: WebブラウザでHTML GETコマンドとしてサービスにリクエストを送信します。レスポンスは、テスト・ページ・アプリケーションを使用せずにブラウザに表示されます。
「Webサービスのテスト」ページを構成して特定のテストを一度実行すると、これらの設定を保存して、後からそのテストを再利用できます。「テストの保存」の横にあるチェック・ボックスを選択して、テストの名前と説明を入力します(図B-10)。
このテストを再実行するには、ナビゲーション・ペインで「ツール」→「保存済テスト」を選択します。「テストのリスト」にテストが表示されます。「実行」をクリックしてテストを再実行するか、「編集」をクリックしてテストを変更できます。