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Oracle Identity Manager CA-Top Secret Advanced Connectorガイド
リリース9.0.4
E05494-03
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3 CA-Top Secretでのコネクタのデプロイ

CA-Top Secret Advanced ConnectorのReconciliation AgentとProvisioning Agentのコンポーネントをメインフレームにインストールする必要があります。次の項で、これらのエージェントのインストールと構成について説明します。

デプロイ要件の確認

表3-1に、Reconciliation AgentとProvisioning Agentをインストールするためのハードウェア、ソフトウェアおよび認可の前提条件を示します。

表3-1 デプロイ要件の確認

項目 要件

オペレーティング・システム

次のバージョンのIBM z/OSが必要です。

  • IBM z/OSバージョン1.6

  • IBM z/OSバージョン1.7

  • IBM z/OSバージョン1.8

  • IBM z/OSバージョン1.9

さらに、すべての現行パッチがインストールされていることを確認してください。

メッセージ・トランスポート・レイヤー

AES暗号化を使用したTCP/IP

CA-Top Secret IDリポジトリ

次のバージョンのCA-Top Secretが必要です。

  • CA-Top Secretバージョン12.0 Service Pack 02

  • CA-Top Secretバージョン8.0 Service Pack 04

  • CA-Top Secretバージョン9.0 Service Pack 01

さらに、z/OSの現行パッチがインストールされていることを確認してください。

Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentのターゲット・システムのユーザー・アカウント

SystemAdministrators権限を持つTop-Secret MSCAまたはSCA ACIDS


Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentの両方について、メインフレーム・システムでCA-Top Secretシステム・コマンドを実行するために必要な権限を含む、起動済のタスクおよびサービス・アカウントが必要です。

また、これらのエージェントには、メインフレーム・システムの権限を持つユーザー・アカウントがアクセスします。このユーザー・アカウントは、エージェントをデプロイする前にシステム・プログラマが作成する必要があります。


注意:

Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentのどちらのユーザー・アカウントも、管理APF認可ライブラリに配置する必要があります。これらのユーザー・アカウントには、少なくともメインフレームのSystemAdministratorsグループの権限が必要です。これらのユーザー・アカウントにはメインフレームの通常の管理者以上の権限があります。権限には、読取り権限、書込み権限、実行権限および変更権限が含まれます。

環境の設定および要件

メインフレームで次の要件が満たされていることを確認します。

  • Provisioning AgentおよびReconciliation Agentは、独自のメモリー・サブプールを使用して最大負荷条件に対処します。これらのサブプールでは、操作用にメインフレームのメモリーが1.5〜2.0 MB必要です。これはProvisioning AgentおよびReconciliation Agentをインストールする際に構成します。

  • プログラム自体に加え、プログラムの実行元のユーザー・アカウントにも、ホスト・プラットフォームのサブプールにアクセスするための認可が必要です。これはシステム・プログラマが構成する必要があります。

  • Reconciliation Agentは、メインフレームのオペレーティング・システム外で、ユーザーのexitテクノロジを使用して動作します。つまり、オペレーティング・システムとは異なるLPARで稼働します。

    コマンドの実行は、ネイティブのメインフレーム・コマンドが完全に完了する直前に、exitを介して渡されます。exitが失敗すると、コマンドも失敗してエラー・メッセージが戻されます。特定のパスワード書式の保持は、カスタムのexitの使用目的の一例です。Oracle Identity Managerのexitは、既存のexitが通常に機能できるよう、最後にコールされるexitとして開発されています。LPAR内のexitを編集した後で、LPARの初期プログラム・ロード(IPL)が必要になる場合があります。


    注意:

    システム・コンポーネントの変更または修正が行われた後で、システム・プログラマがIPLを実行する必要があります。

Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentのデプロイ

Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentをデプロイするには、次のようにします。

  1. 任意のコンピュータの一時ディレクトリにインストール・メディアから次のファイルの内容を抽出します。

    etc/Provisioning and Reconciliation Connector/Mainframe_TS.zip
    
  2. jcl.xmiファイルおよびlinklib.xmiファイルをメインフレームに転送するか、FTPを介してアップロードします。各ファイルの仕様は次のとおりです。

    RECFM=FB、LRECL=80、BLKSIZE=3120、DSORG=PS

  3. メインフレームのTSO環境にログインします。

  4. ISPFコマンドラインから次のコマンドを実行して、CNTLデータセットを展開し、インストール用の出力データセットを作成します。

    TSO RECEIVE INDA('IDF.CNTL.XMIT')
    
  5. リストア・パラメータを指定するよう要求された場合には、次のように入力します。

    DA('IDF.LINKLIB')
    

    注意:

    DAはRestoreコマンドのパラメータです。データセットを意味します。

  6. LINKLIBデータセットを展開するには、次のコマンドをTSOオプション#6またはReadyコマンドライン・プロンプトから入力します。

    TSO RECEIVE INDA('IDF.LINKLIB.XMIT')
    
  7. リストア・パラメータを入力するよう要求された場合には、次のように入力します。

    DA('IDF.LINKLIB')
    
  8. インストールを完了するには、Reconciliation AgentのIDF.CNTLメンバー#INSTVOY、およびProvisioning Agentのメンバー#INSTPIOの手順に従います。

Reconciliation Agentのexitのインストール

exitモジュールはz/OSのロード・ライブラリにあるため、インストールを完了するためにIPLが必要な場合と必要ではない場合があります。これは、z/OSのロード・ライブラリがLinkListに追加されているかどうかによって決まります。LinkListは、IPLの実行時に定義されるz/OSの記憶領域です。LDAP Gatewayでイベントをすべて取得するためには、認証リポジトリを共有する各LPARに、Reconciliation Agentおよびexitがインストールされている必要があります。

Reconciliation Agentのexitに関するガイドラインを次に示します。

ここでは次の項目についても説明します。

Reconciliation Agentのexitのインストール


注意:

Top Secretに他のexitがインストールされていない場合は、次の項で説明する手順を実行します。

Reconciliation Agentのexitをインストールするには、次のようにします。

  1. exitをIDF.LINKLIBからLPARにあるユーザー定義のCA loadlibにコピーします。

  2. ユーザー定義のCA LPA LoadlibをSYS1.PARMLIBメンバーLPALST00に追加します。

  3. z/OSでIPLを実行します。

  4. z/OSオペレータ・コンソールから次のコマンドを実行して、exitコードをアクティブ化します。

    'F TSS,EXIT(ON')
    

注意:

CA-Top Secret環境のexitは1つのみです。通常、本番デプロイでは独自のカスタム変更がexitにすでに書き込まれています。コネクタで提供されるexitは、外部プログラムへのコールが3つ追加されているという点で、CA-Top Secretで提供されるexitとは異なります。

exitのアクティブ化を解除するには、次のコマンドを実行します。

'F TSS,EXIT(OFF)'

exitの統合


注意:

Top Secretに他のexitがインストールされている場合は、次の項で説明する手順を実行します。

Top Secret(SSINSTX)のexitとともに1つ以上のサード・パーティ製モジュールがインストールされている場合は、統合が必須です。この統合を実行するには、Reconciliation Agentのexitまたはサード・パーティ製exitのコードを変更します。

ここでは次の項目について説明します。

Reconciliation Agentのexitのソースの操作

Reconciliation Agentのexitを多数の方法で変更し、Top Secretの既存のexitと統合できます。この変更を加えるために、exitのソースがmaclib.xmiファイルの中で提供されています。


注意:

この手順を実施するのは、経験のあるメインフレーム・プログラマのみに限定する必要があります。exitはz/OSのスーパーバイザー・モードで動作するので、exitを変更する前に適切な注意を払う必要があります。

exitのソースを操作するには、次のようにします。

  1. TSOのOption #6を使用してmaclib.xmiファイルをバイナリ・フォーマットでアップロードします。

  2. アップロードが完了した後、次のTSOコマンドを実行します。

    RECEIVE da('filename upload')
    
  3. 要求されたときに、データセット名IDF.MACLIB.CNTLを指定します。

  4. maclib.xmiファイルには、標準的なexitに対応するソースおよびマクロであるTSSINSTXが収録されています。これらは、インストール可能なバイナリのアセンブリとリンク編集に使用されます。TSSINSTX DD SYSLIBを次のようにカスタマイズする必要があります。

    // SYSLIB DD DISP=SHR,DSN=SYS1.MACLIB
    //        DD DISP=SHR,DSN=SYS1.MODGEN
    //        DD DISP=SHR,DSN=SYS1.AMODGEN
    //        DD DISP=SHR,DSN=CAI.TSSOPMAT
    //        DD DISP=SHR,DSN=IDF.MACLIB.CNTL
    

    SYS1ライブラリはz/OSライブラリであり、CAIはexitマクロを収録したTop SecretのMaclibです。IDF.MACLIB.CNTLは、RECEIVEコマンドで作成するもので、アセンブリに必要なコピーブックを含みます。

  5. アセンブルとリンク編集に関する次のパラメータを変更します。

    //AL PROC LMOD='IDF.LINKLIB',
    

    このパラメータは事前定義されたz/OSプロシージャの中にあり、LMODパラメータを使用しますが、LMODはexitモジュールの宛先となるLoadlibの名前を表します。インストール時に、アセンブリおよびこのライブラリに対するリンク編集を実行し、その後(オプションで)APFによってライブラリが許可されます。通常、ライブラリはLinklistの中にとどまります。オペレーティング環境にこのことが該当する場合は、APFによる許可は必須ではありません。

Reconciliation Agentのexitと他のexitの統合


注意:

Reconciliation Agentのexitに対して実行するのと同様の変更を、サード・パーティ製exitに実行することもできます。ただし、正確な手順は、サード・パーティ製exitの内容によって異なります。

ただ1つのモジュールがTop Secretのexit(TSSINSTX)として呼び出されます。他のすべてのexitは、単一の統合型TSSINSTXに統合するか、モジュールが競合しないように名前を変更する必要があります。

Reconciliation Agentのexitの統合は、次の方法のいずれかで実施できます。

Reconciliation Agentのexitを他のexitによる最初の実行対象として使用

注意:

Reconciliation Agentのexitのコードに対する変更はexitセクション内で行うので、Reconciliation Agentのexitのコードを実行した後で、他のexitのコードが呼び出されることになります。

Reconciliation Agentのexitを他のexitによる最初の実行対象として使用するには、次のようにします。

  1. 次のコマンドを実行し、現在インストール済のTSSINSTXのアクティブ化を解除します。

    F TSS,EXIT(OFF)
    
  2. 適切なロード・ライブラリの中で、インストール済のTSSINSTXをTSSEXITという名前に変更します。

  3. Reconciliation Agentのexitを次のように変更します。

    1. exitラベルの直後に次の命令を挿入します。

      EXIT DS 0H
      LA R1,R9           Copy parmlist ptr to Reg1(R1)
      LR R11,R13         Save TSS's savearea PTR
      LA R13,WORKAREA
      L  R15,=V(TSSEXIT) Load Reg15 with address of TSSEXIT
      BALR R14,R15
      LTR  R15,R15
      LM   R0,R14,0(R13)
      BR   R14           End
      
    2. 変更済のexitをインストールのTSS製品ライブラリの中に保存します。

    3. IDF.JCLLIBのASMINSTXメンバーの中で提供されているJCLをカスタマイズし、実行します。

      この結果、カスタマイズ済のTSSINSTXのexitがアセンブルおよびリンク編集されます。

    4. MVS条件コードがすべて0000であるかを調べ、TSSINSTXがアセンブルされたことを確認します。

    5. TSS製品ライブラリがLinklistの中にある場合は、次のコマンドを実行して更新します。

      F LLA,REFRESH
      
    6. 更新が完了した後、次のコマンドを実行して新しいexitをアクティブ化します。

      F TSS,EXIT(ON)
      
Reconciliation Agentのexitを他のexitによる最後の実行対象として使用

注意:

Reconciliation Agentのexitのコードに対する変更はPREINITセクション内で行うので、Reconciliation Agentのexitのコードを実行する前に、他のexitのコードが呼び出されることになります。

Reconciliation Agentのexitを他のexitによる最後の実行対象として使用するには、次のようにします。

  1. 次のコマンドを実行し、現在インストール済のTSSINSTXのアクティブ化を解除します。

    F TSS,EXIT(OFF)
    
  2. 適切なロード・ライブラリの中で、インストール済のTSSINSTXをTSSEXITという名前に変更します。

  3. Reconciliation Agentのexitを次のように変更します。

    1. PREINITのうち##MATRIXバイトを、#####YESという値に変更します。

    2. PREINITラベルの直後に次の命令を挿入します。

      LA R1,R9           Copy parmlist ptr to Reg1(R1)
      LR R11,R13         Save TSS's savearea PTR
      LA R13,WORKAREA
      L  R15,=V(TSSEXIT) Load Reg15 with address of TSSEXIT
      BALR R14,R15
      B  PASSPASS        Branch to continue
      
    3. 変更済のexitをインストールのTSS製品ライブラリの中に保存します。

    4. IDF.JCLLIBのASMINSTXメンバーの中で提供されているJCLをカスタマイズし、実行します。

      この結果、カスタマイズ済のTSSINSTXのexitがアセンブルおよびリンク編集されます。

    5. MVS条件コードがすべて0000であるかを調べ、TSSINSTXがアセンブルされたことを確認します。

    6. TSS製品ライブラリがLinklistの中にある場合は、次のコマンドを実行して更新します。

      F LLA,REFRESH
      
    7. 更新が完了した後、次のコマンドを実行して新しいexitをアクティブ化します。

      F TSS,EXIT(ON)
      
Reconciliation Agentのexitを他のexitの間での実行対象として使用

最初に実行されるexitおよび最後に実行されるexitに関して説明した変更を組み合せることにより、実行スタックの中間で呼び出されるように、Reconciliation Agentのexitを構成できます。

TCP/IP接続および初期タスクの構成

次の項で、LDAP Gatewayに対するTCP/IP接続を確立する方法、および初期タスクの作成と操作について説明します。


注意:

  • exitテクノロジを使用してReconciliation Agentにより検出されたイベントは、メッセージに変換されてLDAP Gatewayに渡されます。

  • TCP/IPを使用すると、メッセージがLDAP Gatewayに安全に送信されます。

  • LDAP Gatewayが停止している場合には、メッセージはGatewayが再開されるまで保持され、メインフレーム上でAES暗号化ファイルとして保護されます。これらのメッセージは、LDAP Gatewayが実行を再開すると送信されます。

  • サブプールが管理者により停止されると、Provisioning Agentが停止され、送信されていないメッセージがすべて破棄されます。ただし、AES暗号化ファイル内のメッセージには影響はなく、リカバリできます。


LDAP Gatewayとの接続の確立

この項では、TCP/IPをメッセージ・トランスポート・レイヤーとして構成する方法について説明します。TCP/IPの使用方法の詳細は、システム・プログラマに確認してください。メッセージのプーリング、およびメインフレームやLDAP Gatewayサーバーの両方の負荷を大幅に減らすことができる、ステートフル接続の確立を目的とします。

LDAP Gatewayに対するTCP/IP接続を確立するには、次のようにします。

  1. LDAP Gatewayを起動します。


    注意:

    LDAP Gatewayの起動と停止の手順は、「LDAP Gatewayのインストールおよび構成」を参照してください。

  2. Provisioning Agent初期タスクを開始します。このタスクも、指定されたIPアドレスおよびポート番号のLDAP Gatewayに対してTCP/IP接続を確立するよう事前に設定されています。

    Reconciliation Agentにも同様の手順を適用します。LDAP Gatewayを起動し、Reconciliation Agent初期タスクを開始します。

TCP/IPをメッセージ・トランスポート・レイヤーとして使用するには、次のIPアドレスが必要です。

  • メインフレームで使用されるIPアドレス

  • ルーター用のIPアドレス

  • ドメイン・ネーム・サーバー用のIPアドレス


注意:

TCP/IPをメッセージ・トランスポート・レイヤーとして使用するには、メインフレームにポートを作成し、セキュリティ認可を指定するために、システム・プログラマの協力が必要になることがあります。

コネクタに同梱されているProvisioning AgentおよびReconciliation AgentのJCLプロシージャを編集して、環境ごとに異なるユーザー・パラメータを指定する必要があります。Provisioning AgentおよびReconciliation AgentのJCLを編集するには、VoyagerおよびPioneerの初期タスク(STC)のプロシージャを編集する必要があります。次のようにします。

  1. PARM='TCPN=TCPIP'の値を実行中のTCP/IP初期タスクの名前に変更します。

  2. IPアドレスを、Provisioning Agentを起動するLPAR(z/OSシステム)のアドレスに変更します。

  3. ポート番号を、Provisioning Agentを起動するLPAR(z/OSシステム)に割り当てられたポートに変更します。

  4. Voyager Reconciliation Agentの場合、TSOによってVOYAGERXプロシージャが次のように編集されます。

    //VOYAGERX EXEC PGM=VOYAGERX,REGION=0M,TIME=1440,
    //    PARM=('TCPN=TCPIP',
    //          'IPAD=&SERVER',  ------ This must match the IP address of the LDAP Gateway.
    //          'PORT=&PORT',  ----- Port must be 5190.
    //          'DEBUG=Y',
    //          'ESIZE=16',
    //          'DELAY=10',
    //          'STARTDELAY=10',
    //          'PRTNCODE=SHUTRC')
    //STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=IDF.LINKLIB   ------This is not required for Linklist.
    //         DD DISP=SHR,DSN=TCPIP.SEZATCP
    //CACHESAV DD DSN=VOYAGER.CACHESAV,DISP=SHR
    //SYSPRINT DD SYSOUT=X
    //SYSUDUMP DD SYSOUT=X
    //
    

    各パラメータの意味は次のとおりです。

    • ESIZE=16は、AES暗号化を指定するために使用されます。

    • DELAY=01〜99(秒)。これはTop Secretキャッシュ用です。DELAYの値は、CA-Top Secretを実行するほとんどのz/OSシステムでは10になります。

    • STARTDELAY=10は推奨値(秒)です。

    • PRTNCODE=SHUTRCは、Reconciliation Agentが停止した後にすべてのMVS条件コードを示します。

    • PRTNCODE=SHUTRCは、Reconciliation Agentが停止した後にすべてのMVS条件コードを示します。また、PRTNCODE=TERMRCは、Reconciliation Agentが停止した後にMVS条件コード0000(正常終了を示す)を表示します。


      注意:

      Reconciliation Agentを停止するには、z/OSのオペレータ・コンソールから次のコマンドを実行します。
      'F VOYAGER,SHUTDOWN'
      

      Provisioning Agentを停止するには、z/OSのオペレータ・コンソールから次のコマンドを実行します。

      'F PIONEER,SHUTDOWN'
      

    • TCPN=TCPIPはTCPIP STCの名前です。

    • DEBUGには、Reconciliation AgentとProvisioning Agentの両方に対して次のいずれかを指定できます。

      • デバッグ内容を出力しない場合はN

      • デバッグ内容を出力する場合はY

      • 詳細なデバッグはZ


    注意:

    メンバーを編集しようとして「データセット使用中」というメッセージが表示された場合は、[F1]キーを2回押すと、編集しようとしたメンバーの詳細が表示されます。例外を引き起こしたジョブの名前が表示されます。z/OSコンソールで、pまたはcコマンドを使用してジョブを削除できます。

    Reconciliation Agentを操作する際には、次のガイドラインを適用してください。

    • Reconciliation Agentを起動する前に、サブプール(RUNSTART.JCL)を起動する必要があります。サブプールは、メッセージ作成のためのメモリー内記憶域として使用されます。

    • TCP/IPを使用しているため、LDAP Gatewayを最初に起動する必要があります。Reconciliation Agentを最初に起動すると、LDAP Gatewayが使用できないため、RETCODE=-01およびERRORNO=61のエラーが生成されます。

    Voyager Cachesavデータセット:

    Voyager Reconciliation AgentのCachesavデータセットを次のデータセット属性を使用して事前に割り当てます。

    DSORG=PS, LRECL=32, RECFM=FB, BLKSIZE=27968, CYLS = 5
    

    Pioneer Provisioning Agentの場合:

    //PIONEER  EXEC PGM=PIONEERX,REGION=0M,TIME=1440,
    //        PARM=('TCPN=TCPIP',
    //                     'IPAD=0.0.0.0',
    //                     'PORT=5790',
    //                     'DEBUG=N',
    //                     'ESIZE=16',
    //                     'LPAR=XXXXXXXX')
    //STEPLIB      DD  DSN=IDF.LINKLIB ,DISP=SHR
    //SYSPRINT   DD SYSOUT=*
    //SYSPUNCH DD  SYSOUT=(*,INTRDR)
    //SYSUDUMP DD  SYSOUT=*
    

    各パラメータの意味は次のとおりです。

    • TCPN=TCPIPはTCPIP STCの名前です。

    • IPADは常に0にする必要があります。

    • PORT=5790は、LDAP Gatewayのプロビジョニング・ポートと一致する必要があります。

    • ESIZE=16はこのままにしておく必要があります。

    • LPAR= 'XXXXXXXX'。これは、Provisioning Agentが実行するシステム・パーティションを示す8文字の一意識別子です。

初期タスクの作成および操作

Provisioning AgentおよびReconciliation Agentの設定と実行には、2つの異なるJCLがあります。各エージェント用のJCLメンバーがあります。RUNPIONXおよびRUNVOYAXは、初期タスクを設定するためのサンプルです。

RUNPIONXのパラメータ:

  • TCPN: TCPプロセスの名前

  • IPAD: Provisioning Agentが実行するコンピュータのIPアドレス

  • PORT: Provisioning Agentの着信接続ポート

  • DEBUG: 追加の出力を表示するためのデバッグ・スイッチ

  • ESIZE: AES暗号化の使用

RUNVOYAXのパラメータ:

  • TCPN: TCPプロセスの名前

  • IPAD: 接続されるReconciliation AgentのコンピュータのIPアドレス

  • PORT: Reconciliation Agentの発信接続ポート

  • DEBUG: トラブルシューティングに役立つ大容量の出力をz/OS JES2キューに生成するためのデバッグ・スイッチ

  • ESIZE: AES暗号化の使用

各プログラムのソース・コードを次に示します。

RUNPIONXの場合:

//PIONEERX EXEC PGM=PIONEERX,REGION=0M,TIME=1440,
//  PARM=('TCPN=TCPIP',
//     'IPAD=&SERVER',
//     'PORT=&PORT'
//     'DEBUG=Y',
//     'ESIZE=16',
//     'LPAR=TOPSECRET-SYS')

//    'LPAR= name ')
//STEPLIB DD DISP=SHR,DSN=IDF.LINKLIB
//     DD DISP=SHR,DSN=TCPIP.SEZATCP
//BATJINFO DD DISP=SHR,DSN=hlq.BATJCARD
//VSAMGETU DD DISP=SHR ,DSN=hlq.SWUSERS
//VSAMGETO DD DISP=SHR,DSN=hlq.TOPSCOUT
//SYSPRINT DD SYSOUT=X
//SYSUDUMP DD SYSOUT=X
//

注意:

このコードでは、hlqはインストール上位レベル修飾子を表します。

RUNVOYAXの場合:

//VOYAGERX EXEC PGM=VOYAGERX,REGION=0M,TIME=1440,
//    PARM=('TCPN=TCPIP',
//          'IPAD=&SERVER',          ß--- must match LDAPS IP address
//          'PORT=&PORT',             ß---  must be Port 5190
//          'DEBUG=Y',
//          'ESIZE=16',
//          'DELAY=00',
//          'STARTDELAY=10',
//          'PRTNCODE=SHUTRC')
//STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=IDF.LINKLIB    ß- not required for Linklist
//         DD DISP=SHR,DSN=TCPIP.SEZATCP
//CACHESAV DD DSN=VOYAGER.CACHESAV,DISP=SHR
//SYSPRINT DD SYSOUT=X
//SYSUDUMP DD SYSOUT=X
//

Reconciliation Agentの場合:

Cachesavのデータセット属性は次のとおりです。

Cachesav         -       DSORG(PS),LRECL=(32),RECFM=(FB),BLKSIZE=(27968)

Pioneerの必須データセットそれぞれのデータセット属性を次に示します。

1.    BATJCARD    -       DSORG=(PS),LRECL=(80),RECFM=(FB),BLKSIZE=(8000)
2.    VSAMGETU       -       DSORG=(PS),LRECL=(80),RECFM=(FB),BLKSIZE=(8000)
3.    VSAMGETO       -       DSORG=((PS),LRECL=(133),RECFM=(FB),BLKSIZE=(27930)

VSAMGETUは使用されない場合も割り当てる必要があります。


注意:

BATJINFO、VSAMGETOおよびVSAMGETUは、CA-Top Secretでは必須ではありません。これらはTSO ISPFオプション3.2で割り当てる必要があります。