この章では、特定のビジネス要件に対応するよう、コネクタを変更する際に実行する手順を説明します。
この章では、次のオプションの手順について説明します。
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注意: これらの手順は、コネクタの機能拡張を目的としています。 |
「既存のフィールド・マッピングの変更」では、ターゲット・システムとOracle Identity Managerのフィールド間のマッピングを変更するための手順を説明します。
「ターゲット・リソースのリコンシリエーション用の新規フィールドの追加」では、ターゲット・システムとOracle Identity Managerのフィールド間にマッピングを追加するための手順を説明します。
プロビジョニング用の新規フィールドの追加: ターゲット・システムとOracle Identity Managerのフィールド間のマッピングを追加する手順について説明します。
ターゲット・システムの複数のインストールに対するコネクタの構成: ターゲット・システムの複数のインストールに対してコネクタを構成する手順について説明します。
ターゲット・システムとOracle Identity Managerのフィールド間のデフォルトのマッピングは、次の各項を参照してください。
これらのマッピングを変更する場合は、次のようにします。
Design Consoleにログインします。
「Administration」を開いて「Lookup Definition」をダブルクリックします。
変更する参照定義を検索して開きます。
表4-1に、リコンシリエーションおよびプロビジョニングのフィールド・マッピング情報を含む参照定義の内容を説明します。
表4-1 フィールド・マッピング情報を格納する参照定義
| 参照定義 | コード・キー列の内容 | デコード列の内容 |
|---|---|---|
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Lookup.Exchange.Configuration リコンシリエーションおよびプロビジョニング中に使用されます。 |
Microsoft Active Directoryのフィールド名 |
Microsoft Active Directoryに対するプロセス・フォーム・フィールドの名前 |
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AtMap.Exchange プロビジョニング時に使用されます。 |
Microsoft Active Directory上のMicrosoft Exchangeのフィールド名 |
Microsoft Exchangeのプロセス・フォーム・フィールドの名前 |
コード・キー値およびデコード値を変更して、フィールド・マッピングに必要な変更を加えます。
たとえば、distinguishedNameの「Code Key」値をsAMAccountNameに変更できます。
保存アイコンをクリックします。
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注意: この項ではオプションの手順を説明します。この手順は、ターゲット・リソースのリコンシリエーション用に新規フィールドを追加する場合にのみ実行します。 |
表1-3「ターゲット・リソースのリコンシリエーション用のメールボックス・フィールド」にリストされているフィールドは、デフォルトで、ターゲット・システムとOracle Identity Manager間のリコンシリエーション用にマッピングされています。必要に応じて、ターゲット・リソースのリコンシリエーション用に新しいフィールドを追加できます。
ターゲット・リソースのリコンシリエーション用に新しいフィールドを追加する場合、先にフィールドのターゲット・システム名を次のようにして特定する必要があります。
インストールされていない場合は、Microsoft Active Directoryスキーマをインストールします。
スキーマのインストールの詳細は、Microsoft社のWebサイトを参照してください。
Microsoft Active Directoryスキーマを開きます。
「Console Root」フォルダを開いてスキーマを開き、「Attributes」をクリックします。
追加するフィールドを探して、その名前をメモします。
たとえば、リコンシリエーション用にTelephone Numberフィールドを追加する場合は、telephoneNumberをメモします。図4-1に、「telephoneNumber Properties」ダイアログ・ボックスに追加されたTelephone Numberフィールドを示します。
ターゲット・リソースのリコンシリエーション用に新しいフィールドを追加するには、次のようにします。
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関連項目: これらの手順の詳細は、『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Identity Manager Design Consoleにログインします。
次のようにして、新しいバージョンのプロセス・フォームを作成します。
「Development Tools」を展開します。
「Form Designer」をダブルクリックします。
UD_MSEXCHGプロセス・フォームを検索して開きます。
「Create New Version」をクリックします。「Create a new version」ダイアログ・ボックスで、「Label」フィールドに新しいバージョンを入力して「Save」アイコンをクリックします。図4-2に、プロセス・フォームに作成された新しいバージョンのフォームを示します。
次のようにして、プロセス・フォームに新しいフィールドを追加します。
「Add」をクリックします。リストにフィールドが追加されます。フィールドの詳細を入力します。
たとえば、Telephone Numberフィールドを追加する場合は、「Name」フィールドにUD_MSEXCHG_TELEPHONE_NUMBERと入力してから、このフィールドのその他の詳細を入力します。
「Save」をクリックします。
新しく作成したフォームをアクティブ化するには、「Make Version Active」をクリックします。図4-3に、プロセス・フォームに追加された新規フィールドの詳細を示します。
リソース・オブジェクトのリコンシリエーション・フィールドのリストに、次のようにして、新しいフィールドを追加します。
「Resource Management」を開きます。
「Resource Objects」をダブルクリックします。
「Exchange User」リソース・オブジェクトを検索して開きます。
「Object Reconciliation」タブで、「Add Field」をクリックします。
「Add Reconciliation Field」ダイアログ・ボックスで、このフィールドの詳細を入力します。
たとえば、「Field Name」フィールドにTelephone Numberと入力して、「Field Type」リストから「String」を選択します。
この手順でこの後、リコンシリエーションのための参照定義の中に作成するエントリのデコード値として、フィールド名を入力します。
「Save」をクリックします。図4-4に、プロセス・フォームの「Resource Object」に追加された新規リコンシリエーション・フィールドを示します。
次のようにして、プロセス・フォームの新規フィールドに、リコンシリエーション・フィールド・マッピングを作成します。
「Process Management」を開きます。
「Process Definition」をダブルクリックします。
「Process Definition」表から、「Exchange User」リソース・オブジェクトを検索して開きます。
「Reconciliation Field Mappings」→「Add Field Map」をクリックします。
「Field Name」フィールドで、追加するフィールドの値を選択します。
たとえば、Telephone Numberを選択します。
「Field Type」フィールドで、事前移入されているフィールドのタイプを選択します。
「Process Data Field」フィールドをダブルクリックします。プロセス・データ列のリストが表示されます。リストから、プロセス・データ・フィールドに対応するプロセス・データ列を選択します。
たとえば、Telephone Number = UD_EXCHANGEUSER_TELEPHONE_NUMBERを選択します。
「Save」アイコンをクリックします。図4-5に、プロセス・フォームの「Process Data Field」への新しいリコンシリエーション・フィールドのマッピングを示します。
リコンシリエーションの参照定義で、次のようにして、フィールドのエントリを作成します。
「administration」を展開します。
「Lookup Definition」をダブルクリックします。
AtMap.Exchange参照定義を検索して開きます。
「Add」をクリックし、フィールドのコード・キー値とデコード値を入力します。コード・キー値は、この手順の最初に特定した、ターゲット・システムのフィールド名である必要があります。
たとえば、「Code Key」フィールドにtelephoneNumberと入力し、「Decode」フィールドにTelephone Numberと入力します。
「Save」をクリックします。図4-6に、プロセス・フォームの参照定義に追加されたコード・キー値およびデコード値を示します。
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注意: この項ではオプションの手順を説明します。この手順は、プロビジョニング用に新規フィールドを追加する場合にのみ実行します。 |
表1-6「プロビジョニングに使用されるメールボックス・フィールド」にリストされているフィールドは、デフォルトで、Oracle Identity Managerとターゲット・システム間のプロビジョニング用にマップされています。必要に応じて、追加のフィールドをプロビジョニング用にマップできます。
プロビジョニング用に新規フィールドを追加する前に、次のようにしてMicrosoft Active Directoryスキーマのフィールド名を確認する必要があります。
Microsoft Active Directoryにログインします。
Microsoft Active Directoryスキーマを開きます。
「Console Root」フォルダを開いてスキーマを開き、「Attributes」をクリックします。
追加するフィールドを探して、その名前をメモします。
たとえば、リコンシリエーション用にTelephone Numberフィールドを追加する場合は、telephoneNumberをメモします。図4-7に、「telephoneNumber Properties」ダイアログ・ボックスに追加されたTelephone Numberを示します。
プロビジョニング用に新しいフィールドを追加するには、次のようにします。
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関連項目: これらの手順の詳細は、『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Identity Manager Design Consoleにログインします。
新しいバージョンのプロセス・フォームを作成します。
「Development Tools」を展開します。
「Form Designer」をダブルクリックします。
UD_MSEXCHGプロセス・フォームを検索して開きます。
「Create New Version」をクリックします。「Create a new version」ダイアログ・ボックスで、「Label」フィールドに新しいバージョンを入力して「Save」アイコンをクリックします。図4-8に、プロセス・フォームに作成された新しいバージョンのフォームを示します。
プロセス・フォームに新しいフィールドを追加します。
「ターゲット・リソースのリコンシリエーション用の新規フィールドの追加」の手順3を実行してプロセス・フォームにフィールドを追加した場合は、再度フィールドを追加する必要はありません。フィールドを追加していない場合は、次のようにします。
「Add」をクリックします。リストにフィールドが追加されます。フィールドの詳細を入力します。
たとえば、Telephone Numberフィールドを追加する場合は、「Name」フィールドにUD_MSEXCHG_TELEPHONE_NUMBERと入力してから、このフィールドのその他の詳細を入力します。
「Save」をクリックし、「Make Version Active」をクリックします。図4-9に、プロセス・フォームに追加された新規フィールドを示します。
「Adapter Factory」セクションに新しい変数を作成します。
「Development Tools」を展開します。
「Adapter Factory」をクリックして、すべてのアダプタが取得されるように問合せを行います。アダプタ・ファクトリ表が表示されます。
「MEXC Set User Properties」をダブルクリックします。
「Variable List」タブに移動し、「Add」をクリックして、プロビジョニングする値に対応する新しい変数を作成します。
「Save」をクリックします。図4-10に、プロセス・フォームに追加された新しい変数を示します。
ベクターに文字配列を追加します。
「Adapters Task」タブで、「Set User Properties」をダブルクリックします。
「Method」を開き、「Input: Vector」を右クリックします。
「Add String Type」→「Add String Array」を選択します。ベクターの最後に、新しい文字配列アイテムが追加されます。
「Input: String[ ]」を右クリックし、「Add String」を選択して、2つの文字列を追加します。
「Save」をクリックします。図4-11に、プロセス・フォームのベクターに追加された文字配列を示します。
文字列をマップします。
1つ目のアイテムをリテラルにマップします。リテラルの値は、ターゲット・システムの属性値であることが必要です。
「Save」をクリックします。図4-12に、プロセス・フォームのリテラルにマップされた文字列を示します。
2つ目のアイテムを対応するアダプタ変数にマップします。
「Save」をクリックします。図4-13に、プロセス・フォームのアダプタ変数にマップされた文字列を示します。
変数をプロセス・データにマップします。
「Process Management」を展開します。
「Process Definition」をダブルクリックします。
「Set the Exchange Related User Properties」を選択します。
「Process Task」をダブルクリックして、「Integration」タブに移動します。新しくマップされた変数には、ステータスNがマップされています。図4-14に、プロセス定義に新しくマップされた変数を示します。
「Map To」フィールドで、「Process Data」を選択します。
「Qualifier」フィールドで、フォームに入力したフォーム・ラベルの名前を選択します。
「Save」をクリックします。図4-15に、プロセス・データ・フィールドにマップされたアダプタ変数を示します。
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注意: この項ではオプションの手順を説明します。この手順は、ターゲット・システムの複数のインストールに対応するようにコネクタを構成する場合のみ実行します。 |
Microsoft Exchangeの複数のインストールに対してコネクタを構成する場合があります。次の例でこの要件について説明します。
Example Multinational Inc.の東京、ロンドンおよびニューヨークの事業所には、個別にMicrosoft Exchangeがインストールされています。最近、この会社では、Oracle Identity Managerをインストールし、これを構成してインストールされたすべてのMicrosoft Exchangeをリンクしようとしています。
このような例で示される要件に対応するには、Microsoft Exchangeの複数のインストールに対するコネクタを構成する必要があります。
ターゲット・システムの複数のインストールに対してコネクタを構成するには、次のようにします。
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関連項目: この手順の各ステップ実行の詳細は、『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』を参照してください。 |
各ターゲット・システム・インストールに対して1つのリソースを作成して構成します。
「IT Resources」フォームは「Resource Management」フォルダにあります。ITリソースは、コネクタのXMLファイルをインポートすると作成されます。このITリソースは、同じITリソース・タイプの、残りのITリソース作成用のテンプレートとして使用できます。ITリソースの作成手順の詳細は、「ITリソースの作成」を参照してください。
ターゲット・システム・インストールごとにリコンシリエーションのスケジュール済タスクのコピーを作成します。スケジュール済タスクを作成する際に、スケジュール済タスクの作成対象となるターゲット・システム・インストールに対応する属性値を指定します。
スケジュール済タスクの属性に指定する値の詳細は、「リコンシリエーションのスケジュール済タスク」を参照してください。
Oracle Identity Managerの参照定義をターゲット・システムの参照フィールド値と手動で同期させます。
管理およびユーザー・コンソールを使用してプロビジョニングを実行するときは、ユーザーをプロビジョニングするMicrosoft Exchangeインストールに対応するITリソースを指定できます。
コネクタのコピーを作成するには、次のようにします。
属性マッピングを保持しているITリソース、リソース・オブジェクト、プロセス・フォーム、プロビジョニング・プロセス、スケジュール済タスク、参照定義のコピーを作成します。
Lookup.Exchange.Configuration参照定義のコピーを作成します。作成したコピーの中で、次のエントリの値を変更し、作成したプロセス・フォームのコピーの詳細に一致させます。
ROExgInMsgSizeCol
ROExgOutMsgSizeCol
これらのエントリの詳細は、「Lookup.Exchange.Configuration参照定義の構成」を参照してください。
新しいプロセス・タスクを、Lookup.Exchange.Configuration参照定義のコピーにマッピングします。
Lookup.AD.Configuration参照定義のコピーを作成する場合は、Lookup.Exchange.Configuration参照定義のAD Configuration Lookupコード・キーの中に、このコピーの名前を入力する必要があります。