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Oracle Enterprise Manager概要
10gリリース5(10.2.0.5)
B53905-01
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1 Enterprise Manager 10.2の新機能

Enterprise Manager 10gには次のような多くの新機能が組み込まれ、エンタープライズの監視および管理機能が強化されています。

Enterprise Manager 10gリリース5(10.2.0.5)の新機能

最新のEnterprise Manager 10gリリース5(10.2.0.5)では、次の新機能や拡張機能を使用できます。

Enterprise Managerフレームワーク

  • 監視テンプレートの拡張: Enterprise Managerへの追加時に、ターゲットに対してカスタム監視設定を指定できます。また、即時利用可能な新しいレポートおよびレポート要素により、テンプレート・アプリケーション履歴操作をより簡単に確認できます。

  • アラート管理の拡張: アラートのオンデマンド評価により、管理者は、アラートに対して実行される修正でアラートがクリアされるかどうかを迅速に検証できます。また、管理者は、定期的にこれらのアラートをクリアする期間ベースの通知ルールを設定するか、これらのアラートの一括クリアをサポートするEMCLIの新しい動詞を使用して、アラート・ログ・アラートなどのログベースのアラートを簡単に管理できます。

  • 通知の拡張: 繰返し通知が、OSコマンド、PL/SQLプロシージャ、SNMPトラップなどのすべての通知メソッドでサポートされるようになりました。管理者は、Enterprise Managerから送信される電子メール通知の形式を実際の運用要件に合うようにカスタマイズできます。カスタマイズでは、内容を変更することや、アラートに関する業務および運用コンテキストの詳細を提供するターゲット・プロパティなどの情報を含めることができます。

  • グループ機能の拡張: グループとそのメンバーの権限管理を効率化するため、権限伝播グループという新しいタイプのグループを定義できます。このタイプのグループに属するユーザーに付与された権限は、そのメンバー・ターゲットに自動的に適用されます。グループの作成機能も拡張されており、ビジネス基準に基づいてメンバー・ターゲットを選択できます。

  • Enterprise Managerのバックアップおよびリカバリの拡張: EMCTLユーティリティが、Enterprise Managerコンポーネントのバックアップおよびリカバリ操作をサポートするように拡張されています。これには、リポジトリの再同期化、OMS構成のエクスポートとインポート、およびリポジトリの情報に基づいたエージェントの再同期化の機能が含まれます。

  • 管理パックのライセンスの拡張: Enterprise ManagerコンソールまたはEMCLIユーティリティを使用して、複数のターゲット全体で管理パックのライセンスを一括更新できます。

  • セキュリティ機能の拡張: Enterprise Managerでは、次の機能がサポートされるようになりました。

    • 最小権限の原則をサポートするために、新しいファイングレイン・ターゲット権限が追加されました。新しく追加された権限は、「ブラックアウト・ターゲット」、「ターゲット・メトリックの管理」、「ターゲットの構成」および「ターゲットのアラートの管理」です。これらの新規権限は、相互に独立してロールおよびユーザーに付与できるため、管理者は必要な最低限の権限のみを付与できます。

    • Oracle管理サービス、Oracle管理エージェントおよびWebブラウザ間のセキュアな通信のために、サード・パーティの証明書を構成できます。

    • 拡張ユーザー・インタフェースにより、権限委任設定を管理し、ユーザー定義メトリック、修正処理およびデータベース・リプレイ機能の権限委任に対応できます。

    • 拡張監査レコード、監査データ検索、監査データを外部ストアに外部化する組込みの外部化サービス、およびOracle Audit Vaultとの統合を可能にするOracle Diagnostic Logging(ODL)形式との互換性が含まれる拡張監査機能が提供されます。

データベースの管理

  • Oracle Database 11gリリース1の管理サポート: ADDM for RAC、リアルタイムSQL監視、パーティション・アドバイザ、自動SQLチューニングなどのOracle Database 11gの新機能をサポートする拡張された管理および監視機能が提供されます。

  • データベース・リプレイ: 包括的な自動化機能により、本番ワークロードの取得、テスト・システムへのワークロードのコピー、ソフトウェアとテスト・データベースの取得時点への設定、リプレイ・クライアントのデプロイ、リプレイ・プロセスのオーケストレート、およびリプレイ結果の分析を行うためのわかりやすい単純なワークフローが提供されます。

  • データベース・クローニング: 既存のデータベース・バックアップからデータベース・クローンを作成できます。

  • データ・マスキングの拡張: データ・マスキングでは、次の拡張機能がサポートされるようになりました。

    • 条件ベースのマスキングにより、指定した条件に基づいて、異なるマスキング・フォーマットで特定の列の機密データをマスキングできます。

    • 複合マスキングでは、表の関連列のセットをグループとしてマスキングし、表の複数の列にわたる機密データを一貫してマスキングできます。

    • セキュアなクローンおよびマスク・ワークフローにより、データベースのクローニング時に1つ以上のマスク定義を適用できます。

  • データベース変更の伝播: Change Management Packのディクショナリの同期化機能により、ディクショナリ・ベースラインまたはデータベースからターゲット・データベースにスキーマ変更を伝播できます。

  • UNDOおよびTEMP表領域のアラートの無効化: すべてのUNDOおよびTEMP表領域のアラートを無効化する効率的な方法が提供されます。特定の名前付きUNDOおよびTEMP表領域のアラートは、引き続きサポートされます。

  • Real Application Clusters管理の拡張: Enterprise Managerでは、次のReal Application Clusters(RAC)用の拡張機能が提供されます。

    • クラスタ内の複数のRACノード全体で待機などのメトリックを監視するためのカスタマイズ可能なタイルベース・ビューがサポートされます。

    • クラスタ・キャッシュ一貫性、履歴ビューおよびドリルダウンに対応するパフォーマンスに優れたワークフローを使用できます。

    • RACサービスのワークフローおよびドリルダウンの監視を効率化するサービス集中型の監視機能が提供されます。

  • 高可用性および構成機能: 次の高可用性(HA)の新機能を使用できます。

    • 全体的なHA構成ステータスを監視して操作を開始するための新しいHAコンソールが提供されます。

    • 最大可用性アーキテクチャ構成アドバイザ・ページで、構成を評価し、コンピュータ、サイト、ストレージ、ユーザーおよびデータ破損を原因とする障害からの保護ソリューションを識別できるため、ワークフローによりOracle推奨ソリューションを実装できます。

    • データベースでOracle推奨の最大可用性アーキテクチャ(MAA)の自動構成がサポートされるため、データベースをASMに移行することや、最小の停止時間で単一インスタンス・データベースをRACに変換することが可能になります。

    • ストリーム・ダッシュボードとStreams構成の拡張監視機能により、Streamsコンポーネントに加え、待機時間およびスループット・メトリックのパスを監視できます。

    • ターゲットとしてのOracle Secure Backup管理サーバーの管理と、Oracle Secure Backupのファイル・システムのバックアップとリストアおよびレポートがサポートされます。

  • データベース・セキュリティ機能: Enterprise Managerでは、次のデータベース・セキュリティ機能が提供されます。

    • Oracle Database Vault対応のデータベース・ターゲットの監視および管理機能が提供されます。これにより、レルムやコマンド・ルールなどのOracle Database Vaultポリシーを、ソース・データベースからDatabase Vault対応の複数の宛先データベースに伝播できます。

    • 透過的データ暗号化(TDE)、Oracle Label Security(OLS)、仮想プライベート・データベース(VPD)などのデータベース・セキュリティ・オプションを監視および管理できます。

  • 共有OracleホームでのReal Application Clustersおよびクラスタウェアへのパッチ適用: Enterprise Manager 10.2.0.5以上では、共有ORACLE_HOMEでのRACデータベースおよびクラスタウェアへのパッチ適用がサポートされます。「Oracle RACへのパッチ適用(すべてのノード)」デプロイメント・プロシージャは、共有ORACLE_HOME設定でReal Application Clusterデータベースへのパッチ適用を処理できるように拡張されています。また、共有ORACLE_HOME設定でクラスタウェアへのパッチ適用を調整できるように、新しい「Oracleクラスタウェアへのパッチ適用(すべてのノード)」プロシージャが導入されています。

ミドルウェアの管理

  • BPEL管理のサポートの拡張: BPELアクティビティ統計、保留中のBPELインスタンスの統計、および最もパフォーマンスが悪いBPELインスタンスの統計に関するレポートを生成できます。BPEL 10.1.3に対する既存のサポートに加え、BPEL 10.1.2、10.1.3.3および10.1.3.4のサポートも提供されます。

  • アプリケーション診断の拡張: Enterprise Managerには、Javaアプリケーションの監視および診断の拡張サポートを提供するApplication Diagnostics for Java(AD4J)が含まれます。この製品により、管理者は、アプリケーションのパフォーマンスを積極的に監視して、アプリケーションのクラッシュや本番環境でのハングといったパフォーマンスに関する問題の根本原因を診断できます。

  • Oracle WebLogic Server管理の拡張: WebLogic Server管理では、次の機能がサポートされるようになりました。

    • デプロイ済アプリケーションでの上位Enterprise JavaBeans(EJB)およびJavaServer Pages(JSP)のパフォーマンスの監視

    • WebLogic ServerにデプロイされたWebサービスの検出と監視

    • データ・ソース、JMSサーバー、リソース・アダプタ、JOLT接続プールなどのサーバー・リソースの監視

    • JVMのベンダーとバージョン、追加のチューニング・パラメータ、クラスタ構成、JMSリソース、仮想ホスト、JOLT接続プール、構成ファイルなどの構成アイテムの表示、比較および追跡

  • Oracle Coherence管理: Management Pack for Oracle Coherenceにより、Oracle Coherenceクラスタ全体を管理および監視するための総合ツールが提供されます。この管理パックは、検出、監視、レポート、イベント管理、構成管理、ライフサイクル管理、プロセス自動化などの主な管理領域に対応しています。

    • 新規コヒーレンス・クラスタの自動デプロイまたは既存のコヒーレンス・クラスタへのノードの追加がサポートされます。

    • コヒーレンス・クラスタ全体の単一ターゲットとしての監視と、潜在的なホットスポットの識別がサポートされます。

    • WebLogic Server、コヒーレンス・クラスタおよびデータベースを単一システムとして含むコヒーレンス・インフラストラクチャ全体のモデル化および管理機能が提供されます。

    • コヒーレンス・ノード、キャッシュおよびサービスに加え、接続マネージャおよび接続のパフォーマンス監視機能が提供されます。

    • ノード、キャッシュまたはクラスタ全体の構成変更のリアルタイム伝播がサポートされます。

  • Oracle Service Busのサポート: Oracle Service Bus(OSB)インスタンスをデプロイおよび管理するための次の新機能を使用できます。

    • プロキシおよびビジネス・サービスの監視と、OSB 10gR3ステージおよびアクション・レベル・メトリックのパフォーマンス監視機能が提供されます。

    • Oracle Service Busターゲットの構成情報の収集がサポートされます。これらのターゲットの構成情報は、リフレッシュ、保存、または別のターゲットとの比較が可能です。同じOSBの複数のバージョンを比較することもできます。

    • OSBインフラストラクチャとOSBプロキシ・サービスのシステムおよびサービスの自動作成がサポートされます。

    • OSBプロジェクトおよびリソースをソフトウェア・ライブラリからデプロイする(または既存のOSBターゲットからエクスポートする)新規プロシージャがサポートされます。

  • アダプタ・メトリック: 様々なアダプタについて、スループットおよびエラーのメトリックをグラフィカルに表示できます。

  • Composite Application Monitor and Modeler: Enterprise Managerには、JavaEEおよびSOAアプリケーション用のモデル駆動型のインテリジェントな監視およびモデル化プラットフォームであるComposite Application Monitor and Modelerが含まれます。

サーバー管理

  • Oracle Virtualization Management(Oracle VM): 仮想化管理には、エンタープライズ内の仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンの監視、管理およびメンテナンスが含まれます。Enterprise Managerでは、物理インフラストラクチャとともに仮想化エンティティを監視し、仮想サーバーとそこで稼働するソフトウェアの完全なライフサイクル管理を実行できます。新機能は次のとおりです。

    • Oracle VMを管理するために統合された機能の完全なセット

    • 仮想化インフラストラクチャの管理性の向上と、構成収集および追跡による仮想サーバー・スプロールの低減

    • Oracle VM仮想サーバーおよび物理サーバーを対象とする単一コンソールからのパフォーマンスおよび可用性の監視

    • 複数の仮想マシンの作成とそれらのクローニングおよび構成を可能にするOracle VMゲスト仮想マシンの高速デプロイ

    • 実証済のOracleクラスタウェア・テクノロジに基づくフェイルオーバー・サポート

  • RPMリポジトリおよびチャネルの管理: 次のLinux管理機能が追加されました。

    • Enterprise Managerは、Unbreakable Linux Network(ULN)と統合され、オラクル社が提供する最新の更新との自動パッチ・コンプライアンスに対応します。

    • RPMリポジトリは、EMコンソール内から作成可能で、自動的にリフレッシュされます。

    • 様々なチャネルでのパッケージの視覚化および検索がサポートされます。

    • カスタム・チャネルの作成、コピーおよび管理がサポートされます。

    • オラクル社が提供するセキュリティ・アドバイザおよび他の不具合情報も表示されます。

  • ベアメタル・プロビジョニングの拡張: Linuxベアメタル・プロビジョニング用に次の拡張機能が追加されました。

    • 複数のデフォルト・イメージを同じサブネットでプロビジョニングできます。

    • 自動DHCP構成がサポートされます。

    • ユーザー作成などのプロビジョニング後のステップがサポートされます。

アプリケーション管理

  • Siebelサポートの拡張: Application Management Pack for Siebelの新規バージョンにより、Siebel 8.1.1の動作保証、Siebelワークフロー・プロセスおよびポリシーの監視、Siebelイベント・ログの分析、Siebel HIサービス・テストおよびアプリケーション検出の拡張機能が追加されます。Siebelワークフロー・プロセスおよびポリシーの監視により、Siebelワークフロー・プロセスおよびポリシーの各インスタンスの監視が可能となり、実行が失敗または遅延した場合にアラートが送信されます。イベント・ログの分析は、問題の解決を支援します。Siebel HIサービス・テストには、ステップ・レベルのタイミング測定の詳細が含まれ、主要なビジネス・フローの実行が大きな粒度で監視されます。

  • Real User Experience Insight: この製品では、ネットワークを介してリクエストおよび生成されるユーザー通信量に関するレポートを通じて、実際のエンド・ユーザー体験に対する洞察を提供することで、ビジネスに不可欠なアプリケーションの価値を最大化します。この製品により、パフォーマンス分析と使用分析が単一の機能に統合されるため、ビジネスおよびITの関係者は、独自アプリケーションのユーザー体験に関する共通の理解を得ることができます。SiebelとE-Business Suiteがデフォルトでサポートされます。

  • Real User Experience Insight Accelerator for Siebel: この機能により、ユーザー・セッションの追跡、エンド・ユーザー・パフォーマンス問題の検出、Siebelアプリケーション問題の識別など、Siebelアプリケーションを即座に監視できます。

  • Real User Experience Insight Accelerator for E-Business Suite: この機能により、ユーザー・セッションの追跡、エンド・ユーザー・パフォーマンス問題の検出、EBSアプリケーション問題の識別など、EBSアプリケーションを即座に監視できます。

  • Application Testing Suite: このアプリケーション品質管理(AQM)ソリューションにより、自動機能テストと負荷テストに加え、Web、パッケージおよびSOAベースのアプリケーションのテスト管理を行うことができます。これは、統合型の完全なライフサイクル・ソリューションであり、アプリケーション・テスト・プロセスを定義および管理し、アプリケーション機能を検証すると同時に、一定の負荷の下でアプリケーションが稼働することを確認できます。

  • Oracle Beehiveの管理: Oracle Beehiveサービスは、概要レベルから個々のコンポーネント・レベルにわたり管理できます。Oracle Beehiveにより、電子メール、時間管理、インスタント・メッセージングなどの一般的だが連携のとれていないコラボレーション型のアプリケーションを統合し、標準的なプロトコル・クライアント、統合型のWebサービス、およびMicrosoft Outlookなどのクライアントを通じてそれらのアプリケーションを提供できます。

ライフサイクルおよびプロビジョニング管理

  • ソフトウェア・ライブラリ管理: 次のように多くのソフトウェア・ライブラリ管理機能が提供されます。

    • 物理ディレクトリからのソフトウェア・ライブラリ・エントリ(コンポーネント/イメージ/ディレクティブ/スイート/ネットワーク)のパージ。

    • ソフトウェア・ライブラリ領域と、複数のOracle管理サービス・インスタンスからのアクセス可能性に関する前提条件のチェック。

    • ソフトウェア・ライブラリ・エントリ(コンポーネント/イメージ/ディレクティブ/スイート/ネットワークなど)のエクスポートとインポートのサポート。交換は、プロビジョニング・アーカイブ(.par)ファイルの形式で実行されます。

  • 新しいFormsおよびReportsのプロビジョニング・デプロイメント・プロシージャ: すでにインストールされている検出済のFormsおよびReportsリリース9.0.4.xの選択したホストに対するクローニングがサポートされます。

  • データベース・プロビジョニング機能: 単一インスタンス・データベースのプロビジョニング・プロシージャは、次のオプションを処理できるように拡張されました。

    • NFSマウントされたステージングの場所(ゴールド・イメージのソースとして)。これは、帯域幅の狭いネットワークで複数のORACLE_HOMEをプロビジョニングする際に使用できます。

    • ソフトウェア・デプロイメントをカスタマイズするための追加オプション。

    • ユーザー指定のテンプレートとレスポンス・ファイルを使用する改良されたデータベース作成オプション。

  • RACクラスタのスケール・アップの前提条件チェックの分離: 「ワンクリックでクラスタ・データベース拡張」デプロイメント・プロシージャは、スケール・アップ操作とは独立して前提条件チェックを行うように拡張されました。これにより、ユーザーは、新規マシンのRACを簡単に拡張できます。

  • デプロイメント・プロシージャによるノードまたはクラスタ全体の削除: 「Oracle Real Application Clustersの削除/縮小」プロシージャは、次の処理を実行できるように拡張されました。

    • クラスタの部分的に構成されたノードをスケール・ダウンまたは削除できます。これは、失敗したノードのスケール・アップ操作をロールバックする際に特に便利です。

    • 部分的に失敗したデプロイメントを含め、RACクラスタ全体の設定を削除できます。

構成管理

  • コンプライアンス管理: 次のコンプライアンス管理機能が提供されます。

    • ユーザー定義ポリシーの簡易インタフェースが提供されます。このインタフェースでは、運用上のベスト・プラクティス、管理および業界標準の要件に基づいて、構成ポリシーを定義および実装することで、システムの脆弱性を軽減できます。この新規インタフェースでは、ユーザー定義ポリシーとポリシー・グループを作成、編集、テスト、削除、エクスポートおよびインポートできます。

    • 単一のインタフェースを使用したITコンプライアンスに関連する詳細の追跡、分析、レポートおよび表示がサポートされます。情報をフィルタするための即時利用可能なレポートおよび機能の豊富なセットと、エンタープライズ全体にわたる柔軟な検索機能も提供されます。

    • 環境に対する構成変更をリアルタイムで検出する構成変更コンソールが提供されます。

  • アセット検出および追跡: 構成情報は、一定の間隔で自動的に収集され、リポジトリに格納されます。その後、この情報は、データ・センターのすべての異機種間コンポーネントの包括的なビューを提供するEnterprise Managerのセントラル・コンソールで使用できます。

拡張フレームワークの拡張機能

Enterprise Managerの拡張フレームワークにより、デフォルトではEnterprise Managerで管理されないアプリケーションを管理および監視するためにEnterprise Managerを拡張できるカスタム・プラグインを作成できます。プラグイン・フレームワークの拡張機能の概要は、次のとおりです。

  • カスタマイズ: 主要なチャートまたはグラフを追加してプラグインのホームページをカスタマイズできます。

  • プラグイン・レポート・ナビゲーションの拡張: プラグイン・レポートにURLリンクを挿入できるため、プラグイン・レポート要素を簡単にナビゲートできます。

新しいシステム管理プラグインおよびコネクタ

新しいターゲット監視プラグイン

Enterprise Managerのターゲット監視機能は、次のプラグインの追加を通じて拡張されています。

  • System Monitoring Plug-in for Dell Change Automation

  • System Monitoring Plug-in for Oracle Exadata Storage Server

  • System Monitoring Plug-in for VMware ESX Server

新しい管理コネクタ

アラートのチケット生成に加え、ヘルプデスク・コネクタでは、ジョブ・ステータス・イベントのチケット生成がサポートされます。また、チケット・テンプレートでターゲット・プロパティを使用することで、生成されたヘルプデスク・チケットに運用およびビジネス上のコンテキストをより適切に提供できます。

  • ヘルプデスク・コネクタ

    • Management Connector for BMC Remedy Service Desk

    • Management Connector for HP ServiceCenter

    • Management Connector for HP Service Manager

  • イベント・コネクタ

    • Management Connector for HP OpenView Operations

    • Management Connector for IBM Tivoli Enterprise Console

Enterprise Manager 10gの機能

Enterprise Manager 10gの以前のリリース(10.2.0.4以下)では、次の機能や拡張機能を使用できます。

グリッド管理機能

  • システムの監視: Oracle Ecosystemのすべてのコンポーネントを完全自動で、包括的に監視します。アラート処理の柔軟性が、繰返し通知により改善されます。また、必要に応じたアラートの評価もサポートされます(オンデマンド・メトリック収集)。オンデマンド・メトリック収集では、問題の解決後にアラート条件を再評価して、Enterprise Managerでアラートをクリアすることができます。カスタム監視設定は、監視テンプレートを通じて新しく検出されたターゲットに自動的に適用されます。

  • 権限委譲プロバイダ: Enterprise Managerからのジョブの実行およびターゲットに対するパッチ適用で権限委譲プロバイダがサポートされているので、管理上のセキュリティおよび柔軟性が強化されています。権限委譲プロバイダを使用すると、認可対象の自分のアカウントを使用してログインした管理者は、別のアカウントから委譲された権限のサブセットに基づいて、特定のアクションを実行することができます。スーパー管理者は今回、通常の管理者アカウントを設定することにより、サポートされている2つの権限委譲プロバイダ(sudo、PowerBroker)を利用できるようになっています。

  • Enterprise Manager監査フレームワーク: 標準的な即時利用可能な属性に加えてカスタムな監査属性もEnterprise Managerの管理者が定義できるようになっていて監査機能が強化されているので、追跡の柔軟性および実用性が向上しています。ユーザーは、作業命令番号などのテキスト文字列を、アクションを実行する前にEnterprise Managerで入力し、該当するアクションに関連する全監査レコードとそのカスタムな文字列を関連付けることができるようになっているので、より充実した監査証跡を作成することができます。

  • 監視テンプレートの比較: テンプレートに定義されているメトリックおよびポリシーの設定と、比較対象のターゲットに定義されている設定との差異を一目で確認できます。

  • ベアメタル・プロビジョニング: オペレーティング・システムやソフトウェア・イメージなど、完全に構成済の新しいシステムを自動的にデプロイします。既存のインストールおよびソフトウェア・イメージ(Oracle Cluster Ready Services(CRS)、Oracle Real Application Clusters(RAC)、Oracle Application Serverなど)をクローニングします。

  • Oracle Real Application Clustersのプロビジョニングおよび変換: ニーズに対応するため、Oracle RACデータベース・インスタンスを自動設定し、動的にデータベース容量を増やします。また、RAC以外のデータベースをOracle RACデータベースに変換します。

  • クローニング: 完全にパッチ適用済かつテスト済のOracleホームを複数のホストへクローニングすることによって、Oracleソリューションのデプロイメントを簡素化します。データベース・インスタンスをクローニングして重要なデータベースのバックアップの作成、または既存のRAC Oracleホームをクローニングして新しい単一ノードのOracle RACの作成を行います。

  • 完全自動のパッチ適用: エンタープライズ内のコンポーネントに使用可能なパッチを迅速に特定します。適用されていないパッチとクリティカルなパッチを検出します。数回クリックするだけで、コンポーネントを最新のパッチ・レベルに引き上げます。

  • ポリシー・ベースの監視: ポリシーと管理のテンプレートを使用して、エンタープライズ全体で一貫した事前対応型の管理方法を適用します。

  • ポリシー・グループ: ポリシー・グループは、ターゲットを測定する標準です。ポリシー・グループ内のルールは、グループというコンテキストで表示、維持、評価およびレポートされ、セットとして管理されます。一方、ポリシー・ルールはセットとしては評価されません。ポリシー・ルールは、スタンドアロン・エンティティとして表示、維持および評価されます。Oracleデータベースのセキュアな構成、Oracle Real Application Clustersのセキュアな構成、およびOracleリスナーのセキュアな構成というポリシー・グループが用意されています。

  • ユーザー定義ポリシーとユーザー定義ポリシー・グループ: 組織に固有の要件を監視するポリシーを定義できます。ポリシーの作成ウィザードを使用すると、セキュリティおよび監査コンプライアンス要件を満たすポリシーを簡単に作成できます。また、ベスト・プラクティス、データ・プライバシおよび構成の要件により適合した独自のポリシー・グループを作成できます。

  • セキュリティの評価: クリティカル・パッチ機能を使用して、エンタープライズにおけるセキュリティの脆弱性を自動的に評価します。この機能では、Oracleサポートへの通知および直接リンクが提供されます。拡張セキュリティ・ルールによって、インフラストラクチャ・データベースおよびホストが強固になります。違反スコア・レポートは、管理者がセキュリティ操作の優先順位を付ける場合に有効です。

  • ジョブ・システム: より強力で機能が豊富なジョブ・システムでは、通知を受信するだけでなく複数のターゲットにわたるマルチタスク・ジョブを計画して実行できます。

  • グループの管理: 拡張グループ管理機能により、管理者は多数のコンポーネントを1つのものとして管理できます。各グループ・ページは、全体のステータスおよびグループのステータス履歴、オープン・アラートおよびアラート履歴、オープン・ポリシー違反およびポリシー傾向概要グラフ、即時利用可能なグループのパフォーマンス・グラフなど、重要な管理情報をまとめて表示します。ジョブ実行、カスタムSQLまたはホスト・コマンドの実行およびメンテナンス・ウィンドウのスケジューリングなど、一般的な管理タスクを簡素化します。グループの「ダッシュボード」によって、アラートの発生時にすべてのグループ・メンバーのステータスとアラートについて事前対応型監視を行うことができます。

サービス管理機能

  • サービス: エンタープライズ内で実行するビジネス機能またはアプリケーションを表すサービスを定義します。このようなサービスのパフォーマンスと可用性を測定し、問題がある場合はアラートを受信し、共通の問題を識別して、障害の原因を診断します。

  • サービスとシステム・トポロジ: 主要なビジネス機能および機能が依存する資産を簡単に定義、視覚化および管理します。

  • 品質保証管理: 可用性とパフォーマンスの品質保証目標を定義できます。また、ルール、レポートおよび履歴の監視を使用して、より迅速に問題を解決できます。

  • ダッシュボード: サービスおよびシステムの全クリティカル・インジケータを一目で監視できます。

  • 根本原因分析: 根本原因分析エンジンを使用して、サービスに関する問題を迅速に診断します。

エンタープライズ・レポート作成機能

  • 即時利用可能なレポート: 簡単にアクセスできる、すべてのOracleコンポーネントに対する即時利用可能なレポート。構成、パフォーマンス、サービス・レベルおよび監査に関するレポートがあります。

  • グラフィカル・レポート作成: カスタム・レポートを作成するための使いやすいツールです。

  • 完全なリポジトリ・アクセス: 管理リポジトリに収集および格納されたデータを使用してレポートを作成します。

  • レポートの公開: 即時利用可能なレポート、カスタム・レポートおよびセキュアな公開機能を使用し、すべてのレポート作成製品でアクセス可能なビューを使用して、ユーザー、管理者および経営者に専用の管理情報を事前に配信します。

Database管理機能

  • Oracle Real Application Clusters管理: 相互接続監視、クラスタ・キャッシュ一貫性診断、CRS監視、グラフィカル・トポロジ・ビューを含む、Oracle RACデータベースとクラスタの拡張監視機能です。また、Oracle RACデプロイメントのプロビジョニング、単一インスタンスの変換、既存クラスタへのノードの追加を行います。

  • トランスポータブル表領域: 管理者によるデータベース間での表領域の移動が可能になります。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバー: Data Guardが迅速かつ自動的に、手動での確認なしでスタンバイ・データベースにフェイルオーバーし、システム・インフラストラクチャに対する障害対応性だけでなく可用性を大幅に向上できます。

  • リストア・ポイント: フラッシュバック・データベースまたはフラッシュバック表で使用された場合に、特定の時点のデータベースへのリカバリが保証されます。

  • 拡張バックアップ管理: ドメインのデータベースに対して実行されるすべてのバックアップが1つのビューで表示されます。

  • アクセス・アドバイザの拡張: テンプレートのサポート、単一文のチューニング、ジャーナル、推奨実装ステータス、処理実装ステータスなど、アクセス・アドバイザのより強力な機能が公開されています。

  • 自動セグメント・アドバイザ: データ断片化のため大幅に領域を浪費しているセグメントを事前に特定します。データの断片化に対しては、オンライン・セグメント縮小が必要です。セグメント・アドバイザを実行して、データ断片化が発生しているセグメントを確認する必要はありません。

  • オンライン・セグメント縮小の拡張: オンライン・セグメント縮小機能の対象を、ラージ・オブジェクト(LOB)セグメントおよび索引構成表(IOT)のオーバーフロー・セグメントにまで拡張しています。オンライン・セグメント縮小機能の対象は、現在すべてのタイプのセグメントにまで拡張され、オンライン再定義などその他の拡張再編成方式を実行する必要性が減少しました。

  • Oracle Streams: 1つのデータベース内で、またはデータベース間でメッセージ情報を共有します。ストリームに入れる情報、データベース間のストリームのフロー方法、ストリーム内のメッセージに発生する現象、ストリームの終了方法を制御します。

  • 適応アラートしきい値: 静的(ユーザー定義)または動的(自動調整)ベースラインを使用し、統計のアラートしきい値を計算します。動的な統計のベースラインにより、パフォーマンス・アラートの精度を大幅に改善できます。一方、固定しきい値方式で通常発生する誤検出のリスクは減少します。

ミドルウェア管理機能

  • 拡張中間層管理: 管理者は複合ターゲットとしてOracle Application Serverファーム、Oracle Application Serverクラスタ、Oracle HTTP Server高可用性グループおよびOC4J高可用性グループを検出し、ターゲットに対して管理および管理操作を実行できます。Oracle BPEL Process ManagerターゲットとOracle BPELプロセスの検出および管理もサポートされています。インフラストラクチャ・サービスおよび集約サービスの作成が可能です。BPELプロセスに関連付けられたパートナ・リンクの表示や、それらのリンクの可用性をテストするためのSOAPテストの追加もできます。

  • BPELプロセスのプロビジョニング・デプロイメント・プロシージャ: 選択されたBPEL Process Manager上でBPELプロセスのデプロイをサポートします。BPELプロセス・スーツケース・ファイルは、汎用コンポーネントとして、ソフトウェア・ライブラリにデプロイされます。そして、デプロイに利用できるようになると、デプロイメント・プロシージャを実行して、BPEL Process Manager上でプロセスをデプロイできます。

  • Oracle Service Bus(OSB)のプロビジョニング・デプロイメント・プロシージャ: ソースOracle Service BusからターゲットOracle Service Busドメインへのプロジェクト・リソースのデプロイメントがサポートされます。また、ある環境から別の環境への構成の移動もサポートされます。プロジェクト・リソースは、プロジェクト・レベルまたはリソース・レベルでエクスポート可能で、ソースOracle Service Busドメインから直接デプロイするか、(リソースが汎用コンポーネントとして格納されている場合は)ソフトウェア・ライブラリからデプロイすることができます。また、変更された(ターゲット)環境で、カスタマイズ・ファイルを使用して環境変数をカスタマイズすることもできます。

  • Oracle BI Suite Enterprise Editionの管理: Oracle BI Suite Enterprise Editionのコンポーネント(主にOracle BI Presentation Server、Oracle BI Cluster Controller、Oracle BI Analytics ServerおよびOracle BI Scheduler)の検出および管理をサポートしています。また、Informaticaサーバー用のETLタスク・フローの作成およびスケジューリングに使用されるData warehouse Application Console Server(DAC Server)の検出および監視もサポートしています。

  • ログ・ファイル・ローテーション・ジョブ: デフォルトまたはユーザー定義の場所に対する、OracleASコンポーネントのログ・ファイルのスケジュール済ローテーションがサポートされています。マルチタスク・ジョブの一部としてログ・ローテーション・ジョブを追加することや、そのジョブをライブラリに保存することができます。

  • MQSeriesのサポート: IBM WebSphere MQのQueue ManagerおよびIBM WebSphere MQクラスタの検出と監視がサポートされています。キューやチャネルなどの論理オブジェクトの監視も可能です。

  • JBoss Application Serverの管理: JBoss Application ServerとJBossパーティションの検出および管理がサポートされています。JBossパーティション・メンバーシップをリフレッシュして、現在のデプロイメント状態を反映することも可能です。

  • Microsoft Exchange Serverの管理: Microsoft Exchange組織、Microsoft Exchangeルーティング・グループおよびMicrosoft Exchange Serverの検出および管理をサポートしています。

  • システムおよびサービスの自動作成: 依存性の確認後に、J2EEまたはWebアプリケーションからシステムおよびサービスを自動作成できます。新規または既存のシステムで、使用可能な依存性マッピングに基づいてサービスを作成できます。既存のサービスおよびシステムの更新も可能です。

  • 構成管理: OracleASデプロイメントの拡張構成管理をサポートします。すべてのOracle Application Serverハードウェアおよびソフトウェア・インストール構成に関して、収集、検索、追跡、比較およびレポートします。また、すべてのOracle Application Serverインスタンスに対するコア・コンポーネントのソフトウェア構成データの中央インベントリをメンテナンスします。

    構成管理タスクの一部として、BPELプロセス、その一連のバージョンおよび各バージョンに関連付けられているスーツケース・ファイルを表示することもできます。さらに、様々なバージョンのBPELプロセス・スーツケース・ファイルを比較し、各バージョンでの変更点を追跡することもできます。そのため、変更を追跡し、BPELプロセスの動作が変更された原因を特定することができます。

  • トポロジ・ビュー: ASファーム、クラスタおよびASは、現在のステータス、アラートおよびポリシー違反、パフォーマンス・メトリックとともにグラフィカル・トポロジ・ビューに表示されます。ホスト別、ルーティングの概要リクエスト別、またはルーティングの詳細リクエスト別に表示されます。

  • カスタム集計の監視: クラスタ・メンバーの各メトリックの統計的な集計に基づくカスタマイズ可能な集計メトリックを使用して、OracleASファームおよびクラスタの監視基準を定義します。各メトリックの「最大値」、「最小値」または「最大しきい値」のオーバーレイとして集計メトリックが表示されます。

  • J2EEアプリケーション監視: OracleASクラスタ・レベルの階層型J2EEアプリケーション・ビューにより、デプロイされているOC4Jインスタンス全体のパフォーマンスが表示されます。顧客のアプリケーションJMX MbeansをGrid Controlに接続する機能です。

  • バックアップおよびリストア: 中間層インストールの全体および増分オンライン・バックアップをサポートします。インスタンスを自動的に直前の全体バックアップにリカバリしてから増分バックアップが適用されます。

  • OPMNジョブ: Grid ControlからのOPMN管理コンポーネントの即時またはスケジュール済の完全なプロセス制御(起動、停止、再起動)をサポートします。

  • ゴールド・イメージのプロビジョニング: アプリケーション・サーバーのターゲットの標準参照イメージを中央ソフトウェア・ライブラリに保存し、ターゲット位置にデプロイします。エンタープライズにおけるアプリケーション・サーバーのターゲットのデプロイメントを統一します。新しいクラスタを作成するか、既存のクラスタにノードを追加し、OracleASクラスタ環境を作成して拡張します。

  • クローニング: WebCache、J2EEとWebCache、PortalとWireless、FormsとReports Services、Business IntelligenceとFormsなど、中間層インストールの様々なタイプに対する拡張クローニングをサポートします。

Collaboration Suite管理機能

  • 集中管理: Collaboration Suiteの単一ターゲットのサブタブで、ここからCollaboration Suiteのデプロイメントを表示して特定のコンポーネントにナビゲートできます。

  • 自動検出: Collaboration Suiteサーバーのターゲット(たとえば、SMTPサーバーとカレンダ・サーバー)は、Grid Controlで自動的に検出されて監視されます。

  • サービス監視: Grid Controlでは、サーバー・コンポーネントの監視以外に、エンド・ユーザーの視点からのCollaboration Suiteサービスの監視も行います。

  • カスタム・サービスのモデリング: 単純なカスタマイズ・ユーザー・インタフェースを使用し、サービスを高速に設定します。

  • トポロジ・ビューア: Collaboration Suiteの各種サービス間の関係を示す、Collaboration Suiteデプロイメントのサービスのトポロジ・ビューです。

  • 根本原因分析: サービス停止の潜在的な根本原因を検出します。

  • ダッシュボード: サービスの可用性、パフォーマンス、使用状況および品質保証コンプライアンスを監視するためのサービスのダッシュボード。Collaboration Suiteシステムの例外監視用システムのダッシュボード。

  • クライアント・システム・アナライザ: Windowsのクライアント・データを収集してCollaboration Suiteの最低要件をチェックします。

広範なシステム・カバレッジ

  • ホスト管理: アプリケーションとサービスが格納されているホストの、即時利用可能なオペレーティング・システム、ハードウェアおよびソフトウェアの監視。ハードウェアの監視、プロセスとファイル・レベルの監視、リモート・コマンド・シェルおよびリモート・ファイル編集に対するカバレッジが拡張されました。

  • Linuxホスト管理: RedHatおよびSuSE Linuxのホスト管理機能を使用すると、最も重要なホストの機能を簡単に管理できます。中央コンソールを使用すると、サーバーの設定または問題のトラブルシューティングをより迅速に実行でき、エラーも発生しにくくなります。適切な権限を持つユーザーは、個々のサービスの開始と停止などのシステム・サービスや、NFSクライアント構成などのネットワーク設定を設定および管理できます。

  • エンタープライズ・ストレージ・レポート: 割当て、使用率、場所別に1つにまとめた表示、取扱い商品、アプリケーション、ベンダーに関するレポート。

  • ネットワーク・デバイスおよびストレージのサポート: F5サーバー・ロード・バランサやNetAppネットワーク・ストレージなどのネットワークおよびストレージ・デバイスを監視します。

  • Oracle以外のミドルウェアのサポート: IBM WebSphereやOracle WebLogicなどのサード・パーティのアプリケーション・サーバーおよびアプリケーション・サーバーのクラスタの検出、パフォーマンス監視、レポート作成、アラート、プロセス制御および統合的トランザクションのサポートを行います。

  • 外部製品統合: コマンドライン・インタフェース、通知および双方向メッセージを使用して外部製品を統合します。

  • E-Business Suite管理: E-Business Suiteの一部であるOracle Applications ManagerをGrid Controlで管理できるようにするために使用可能なプラグイン。

新しいターゲット監視プラグインおよびコネクタ

新しいターゲット監視プラグイン

Enterprise Managerのターゲット監視機能は、次のプラグインの追加を通じて拡張されています。

  • System Monitoring Plug-in for Hosts

  • System Monitoring Plug-in for Non-Oracle Databases

  • System Monitoring Plug-in for Non-Oracle Middleware

  • System Monitoring Plug-in for Network Devices

  • System Monitoring Plug-in for Storage

新しい管理コネクタ

Enterprise Managerでは、次の管理コネクタを使用できるようになりました。

  • Management Connector for BMC Remedy Service Desk

  • Management Connector for HP OpenView Operations

  • Management Connector for HP ServiceCenter

  • Management Connector for HP Service Manager

  • Remedy管理プラットフォーム用の管理コネクタ

Oracle Business Intelligence Management Pack

Oracle Business Intelligence Management Packは、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionのパフォーマンスと可用性を高めるための統合型ソリューションです。このパックを使用すると、次のことが行えます。

  • アプリケーション上で発生する可能性のある問題について事前のアラートを受信する。

  • ランタイム統計を調査して、パフォーマンスに関するトラブルシューティングやチューニングを行う。

  • 異なる複数の環境間で構成を比較する。

  • 構成の変更履歴を記録する。

  • 構成に関するポリシーを施行し、構成関連の問題発生を防ぐ。

このパックは、Oracle Enterprise Managerの他の管理パックやプラグインと併用できます。これにより、データベース(OracleおよびOracle以外)、オペレーティング・システム、記憶域、ネットワーク・デバイスなどを含むアプリケーション環境全体にわたる包括的な管理を実現できます。

製品の主要な機能は、次のとおりです。

  • アプリケーションのパフォーマンス管理

    • ダッシュボードとレポート

    • アラート通知

    • 履歴メトリック

    • ブラックアウト

    • O/S管理

  • 構成管理

    • 自動検出

    • 構成スナップショット

    • 構成の比較

    • 変更履歴

    • 構成ポリシー

診断パックおよび管理パックの拡張

Oracle Diagnostics Pack for Non-Oracle Middlewareの強化点

Oracle Enterprise Manager 10gでは、新たにDiagnostics Pack for Non-Oracle Middlewareが導入されています。このパックの機能は次のとおりです。

  • Oracle以外のミドルウェア(Web Logic、Web SphereおよびJBoss)の検出

  • パフォーマンス、負荷および使用状況に関する主要なメトリックを対象としたシステム監視

  • そのまま利用可能な、しきい値、イベント、通知、監視テンプレート、および自動修正処理

  • リアルタイム監視と履歴監視

Service Level Management Packの強化点

Service Level Management Packでは、次の機能が新たにサポートされました。

  • Formsトランザクションを記録できます。Forms Server 6iをベースとするアプリケーションの管理に役立ちます。

  • DHTMLレコーダでWebトランザクションを記録できます。高度な動的コンテンツを使用するアプリケーションの管理に役立ちます。

Application Management Pack for Siebelの強化点

Oracle Application Management Pack for Siebelは、Siebelアプリケーションのパフォーマンスと可用性を高めるための完全な統合型ソリューションです。

  • Siebel EnterpriseおよびSiebelサーバー: Siebel EnterpriseとSiebelサーバーの検出および監視がサポートされます。

  • Siebelワークフロー・プロセスおよびワークフロー・コンポーネント・グループ: Siebelワークフロー・プロセスとSiebelワークフロー・コンポーネント・グループの検出および監視がサポートされます。

  • Siebelアプリケーション・サービス: 様々なサーバーにデプロイされたSiebelアプリケーションの検出および監視がサポートされます。

  • アラート: アプリケーション上で発生する可能性のある問題について事前のアラートを提供します。ランタイム統計を調査して、パフォーマンスに関するトラブルシューティングやチューニングを行うことができます。

  • イベント・ログ監視: ユーザー・セッションに関連するイベント・ログのリストを表示できます。

  • 構成管理: 構成変更を追跡し、異なる環境間で構成を比較できます。構成に関するポリシーを施行し、構成関連の問題発生を防ぐことができます。

  • サービス・レベル管理: アプリケーションが提供するサービス・レベルを監視してそのレポートを生成します。また、ユーザーとサーバーのパフォーマンスを診断できます。

  • トランザクションの記録: Siebelトランザクションと関連ステップのグループを個別の論理エンティティに記録できます。

  • Siebel Transaction Diagnosticとの統合: このパックでは、Siebel Application Response Measurement(SARM)フレームワークを通じて取得されたデータを使用する、統合型のSiebel Transaction Diagnosticが新たにサポートされています。このツールを使用すると、次のことが行えます。

    • 各ユーザー・リクエストのリクエスト処理状況を分析する。

    • リクエスト処理に伴うCPUとメモリーの消費状況を、様々なSiebelサーバー・コンポーネントごとに分析する。

    • SARMメトリック・データをグラフィカルに表示する。

    • パフォーマンス・プロファイルを時系列で比較する。

    • パフォーマンス・レポートを作成した後、パフォーマンスを他の担当者と協力して診断できるよう、レポートを共有する。

    Siebel Transaction Diagnosticツールでは、Siebel 7.7および7.8に対するサポートが追加されており、またSiebel 8.0との互換性もサポートされています。Oracle Enterprise Managerと完全に統合されているため、インストールやユーザー・メンテナンスを別途に行う必要がありません。また、Oracle Enterprise Managerがサポートしているすべてのオペレーティング・システム・プラットフォーム上で動作します。