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Oracle Enterprise Manager System Monitoring Plug-in Oracleミドルウェア以外のためのメトリック・リファレンス・マニュアル
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7 Microsoft Commerce Serverのメトリック

Oracle Enterprise ManagerのためのMicrosoft Commerce Server 2002 Enterprise Edition管理プラグインは、パフォーマンス・カウンタおよびアプリケーション・イベントを使用して、Commerce Serverのハードウェアとソフトウェアのパフォーマンスを監視します。これらのカウンタは、データの流れを制限している可能性があるハードウェアおよびソフトウェアのボトルネックの検出に役立ちます。

この章では、Microsoft Commerce Serverのすべてのメトリック・カテゴリについて説明し、各カテゴリに関連するメトリックとその説明を表に示します。これらの表では、特定のカテゴリのメトリックでユーザーの処理をサポートしている場合、そのユーザーの処理についても説明しています。

Active Server Pagesメトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用して、Internet Information Services(IIS)6.0 Serverのパフォーマンスに関する情報を提供します。これらのカウンタは、サーバーのパフォーマンスを監視するために設計されており、サイトごとに構成することはできません。

表7-1 Active Server Pagesメトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

エラー/秒(Errors Per Sec)

1秒当たりに発生したエラー数の平均。

リクエスト実行時間(Request Execution Time)

最新のリクエストの実行に要した時間(ミリ秒)。

このカウンタの値はかぎりなく0に近い値になります。0に近い値ではない場合、コードを確認して、実行時間の消費が多すぎるボトルネックの原因を究明します。

リクエスト待機時間(Request Wait Time)

最新のリクエストがキューで待機していた時間(ミリ秒)。

この値は、処理を開始する前にリクエストがキューで待機する時間を表すため、かぎりなく0に近い値(100ミリ秒未満)になります。チェックアウト・トランザクションの処理にユーザーが長時間待機することは望ましくありません。このカウンタの値が高い場合、コードを確認して、実行時間の消費が多すぎるボトルネックの原因を究明します。

実行中のリクエスト(Requests Executing)

現在実行中のリクエストの数。IIS 6.0にはリクエストを同時に処理できる多数のスレッドがあります。この値は安定している必要があります。経験により、特定のサイトに対してしきい値を設定できます。

リクエスト/秒(Requests Per Sec)

Active Server Pages(ASP)がリクエストを処理している割合。成功したリクエストと失敗したリクエストの両方が含まれます。

このカウンタは、アプリケーションの使用状況を示します。この値が高い場合、増加する負荷に対応するためにハードウェアをアップグレードする必要があります。

キューで待機中のリクエスト(Requests Queued)

キューで実行を待機しているリクエスト。ピーク時を除き、重要なキューはありません。

このカウンタの値が高くならないようにします。リクエスト・キューの制限を超えないようにします。

成功したリクエスト(Requests Succeeded)

正常に実行されたリクエスト数。値が高い場合は、システムの状態が正常であることを示します。

セッションの合計(Sessions Total)

サービスの開始以降に実行したセッション数。


認証フィルタ(Authentication Filter)メトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用して、サーバーで受信したすべてのリクエストに対して開始されるチェックの情報を提供します。

表7-2 認証フィルタ(Authentication Filter)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

AuthFilter: 失敗したNT認証チェック/秒(AuthFilter: Failed NT Authentication Checks Per Sec)

1秒当たりに失敗したWindows認証チェックの数。このカウンタは、サーバーの特定のインスタンス用です。

このカウンタの値は名目上のものであり、成功した認証チェックの数よりも少なくなります。値が高い場合は、システムに資格証明の問題がある可能性があります。

AuthFilter: 成功したNT認証チェック/秒(AuthFilter: Successful NT Authentication Checks Per Sec)

1秒当たりに成功したWindows認証チェックの数。このカウンタは、サーバーの特定のインスタンス用です。

このカウンタの値は高くなります。Webサイトのトラフィックが多いにもかかわらず、このカウンタの値がほぼ0のまま変わらない場合、特に低い値は懸念事項になります。このカウンタと一緒に、失敗した認証カウンタの値を確認して、失敗した認証カウンタの値がこのカウンタの値よりも低くなるようにします。

AuthFilter: アクティブなトークン・キャッシュ・エントリ(AuthFilter: Token Cache Entries Active)

Windows認証モードで現在アクティブなトークン・キャッシュ・エントリの数。このカウンタはサーバーの特定のインスタンス用であり、IISRESETを実行するか、またはサーバーを再起動すると、0にリセットされます。

AuthFilter: トークン・キャッシュ・エントリの合計(AuthFilter: Token Cache Entries Total)

Windows認証モードのトークン・キャッシュ・エントリの総数。

このカウンタの値がきわめて高い場合、パスワード・キャッシュ・サイズを増やします。これは、サイトのCS AuthenticationリソースのGlobalリソースにあります。Password-Cache Sizeという名前です。デフォルト・サイズは10,000オブジェクトです。

また、プロファイル・サービスの初期設定中に接続文字列のPsObjectCacheSizeプロパティを設定する方法もあります。

これらの変更を適用後、IISRESETを実行する必要があります。

AuthFilter: トークン・キャッシュ・サイズ・バイト(AuthFilter: Token Cache Size Bytes)

Windows認証モードでのトークン・キャッシュ・サイズ(バイト単位)。

AuthFilter: 失敗したNT認証チェックの合計(AuthFilter: Total Failed NT Authentication Checks)

失敗したWindows認証チェックの総数。

AuthFilter: 失敗したリクエストの合計(AuthFilter: Total Requests Failed)

フィルタ・キャッシュが一杯か、またはエラーが発生してフィルタがエラー・ページにリダイレクトしたことに起因する失敗の数。

AuthFilter: 成功したNT認証チェックの合計(AuthFilter: Total Successful NT Authentication Checks)

認証Internet Server Application Program Interface(ISAPI)フィルタによって成功したWindows認証チェックの総数。これは、フィルタにより資格証明がInternet Information Services(IIS)6.0に渡されて、正常に返された合計回数です。

AuthFilter: Windows認証キャッシュ・ヒット(AuthFilter: Windows Authentication Cache Hits)

Windows認証モード・フィルタのインスタンスに対するユーザーIDとパスワードのキャッシュ・ヒットの総数。このカウンタはサーバーの特定のインスタンス用であり、IISRESETを実行するか、またはサーバーを再起動すると、0にリセットされます。

AuthFilter: Windows認証キャッシュ・ヒット/秒(AuthFilter: Windows Authentication Cache Hits Per Sec)

Windows認証モード・フィルタのインスタンスに対する、1秒当たりのユーザーIDとパスワードのキャッシュ・ヒット数。このカウンタは、サーバーの特定のインスタンス用です。

キャッシュ・ヒット率とキャッシュ・ミス率のカウンタを監視する必要があります。キャッシュ・ミス率がキャッシュ・ヒット率よりも高い場合、接続文字列パラメータを使用してキャッシュのサイズを増やす必要があります。

AuthFilter: Windows認証キャッシュ・ミス(AuthFilter: Windows Authentication Cache Misses)

Windows認証モード・フィルタのインスタンスに対するユーザーIDとパスワードのキャッシュ・ミスの総数。キャッシュ・ヒットの後に常にキャッシュ・ミスが続きます。このカウンタはサーバーの特定のインスタンス用であり、IISRESETの実行後、またはサーバーの再起動後に0にリセットされます。

AuthFilter: Windows認証キャッシュ・ミス/秒(AuthFilter: Windows Authentication Cache Misses Per Sec)

Windows認証モード・フィルタのインスタンスに対する、1秒当たりのユーザーIDとパスワードのキャッシュ・ミス数。このカウンタは、サーバーの特定のインスタンス用です。


認証マネージャ(Authentication Manager)メトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してASPページ内からコールされる認証マネージャに関する情報を提供します。

表7-3 認証マネージャ(Authentication Manager)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

AuthMgr: 認証オブジェクト/秒(AuthMgr: Authentication Objects Per Sec)

特定のサイトで1秒当たりに作成された認証マネージャ・オブジェクトの数。このカウンタの値が高い場合、サーバーの負荷が大きいことを示します。

AuthMgr: 失敗した認証チェック/秒(AuthMgr: Authentication Checks Failed Per Sec)

特定のサイトで1秒当たりに失敗した認証チェックの数。

このカウンタの値は名目上のものであり、成功した認証チェックの数よりも少なくなります。値が高い場合は、システムに資格証明の問題がある可能性があります。

AuthMgr: 成功した認証チェック/秒(AuthMgr: Authentication Checks Succeeded Per Sec)

特定のサイトで1秒当たりに成功した認証チェックの数。

このカウンタの値は高くなります。Webサイトのトラフィックが多いにもかかわらず、このカウンタの値がほぼ0のまま変わらない場合、特に低い値は懸念事項になります。このカウンタと一緒に、失敗した認証カウンタの値を確認して、失敗した認証カウンタの値がこのカウンタの値よりも低くなるようにします。

AuthMgr: 認証チケット/秒(AuthMgr: Authentication Tickets Per Sec)

特定のサイトで1秒当たりに設定された認証チケットの数。

AuthMgr: カスタム・プロパティ/秒(AuthMgr: Custom Properties Per Sec)

特定のサイトで1秒当たりに設定されたカスタム・プロパティの数。

AuthMgr: Get_Customプロパティ/秒(AuthMgr: Get_Custom Properties Per Sec)

特定のサイトで1秒当たりに設定されたGet_Custom_Propertiesの数。GetProperty()カウンタは、ユーザーのCookieからカスタム・プロパティ値を取得します。

AuthMgr: 失敗した認証チェックの合計(AuthMgr: Total Authentication Checks Failed)

特定のサイトで失敗した認証チェックの総数。

AuthMgr: 成功した認証チェックの合計(AuthMgr: Total Authentication Checks Succeeded)

特定のサイトで成功した認証チェックの総数。

AuthMgr: 作成された認証オブジェクトの合計(AuthMgr: Total Authentication Objects Created)

特定のサイトで作成された認証マネージャ・オブジェクトの総数。

AuthMgr: 認証チケットの合計(AuthMgr: Total Authentication Tickets)

特定のサイトで認証されたチケットの総数。

AuthMgr: カスタム・プロパティの合計(AuthMgr: Total Custom Properties)

特定のサイトで設定されたカスタム・プロパティの総数。

AuthMgr: Get_Customプロパティの合計(AuthMgr: Total Get_Custom Properties)

特定のサイトで設定されたGetCustomプロパティの総数。


Commerce Serverレスポンス(Commerce Server Response)メトリック

このカテゴリのメトリックは、Commerce Serverのステータスに関する情報を提供します。

表7-4 Commerce Serverレスポンス(Commerce Server Response)メトリック

メトリック 説明

ステータス(Status)

DMLService、リスト・マネージャ、予測サービスおよびWWWサービスのステータスに基づいて、値1は起動(「実行中」)、値0は停止(「停止中」)を示します。


Commerce Serverエラー・イベント(Commerce Server Error Events)メトリック

このカテゴリのメトリックは、Commerce Serverによって生成されたアプリケーション・ログのエラー・イベントに関する情報を提供します。

表7-5 Commerce Serverエラー・イベント(Commerce Server Error Events)メトリック

メトリック 説明

説明(Description)

エラー・イベントの説明。

Windowsのイベント重大度(Windows Event Severity)

イベントの重大度。


Commerce Server警告イベント(Commerce Server Warning Events)メトリック

このカテゴリのメトリックは、Commerce Serverによって生成されたアプリケーション・ログの警告イベントに関する情報を提供します。

表7-6 Commerce Server警告イベント(Commerce Server Warning Events)メトリック

メトリック 説明

説明(Description)

警告イベントの説明。

Windowsのイベント重大度(Windows Event Severity)

イベントの重大度。


データ・ウェアハウスおよび分析(Data Warehouse and Analysis)メトリック

このカテゴリのメトリックは、データ・ウェアハウスと分析に関連するカウンタの情報を提供します。データ・ウェアハウスのパフォーマンス・カウンタは、DTSタスク、ユーザーおよびカタログなどのデータ・グループのインポート時にのみ使用されます。そのため、データ・ウェアハウスのパフォーマンス・カウンタを匿名サーバーとして設定する必要があります。

表7-7 データ・ウェアハウスおよび分析(Data Warehouse and Analysis)メトリック

メトリック 説明

カタログ・インポート: カタログの合計(Catalog Import: Total Catalogs)

このDTSインポート・タスク中にインポートされたカタログの総数。

カタログ・インポート: カテゴリの合計(Catalog Import: Total Categories)

このDTSインポート・タスク中にインポートされたカテゴリの総数。

カタログ・インポート: 製品の合計(Catalog Import: Total Products)

このDTSインポート・タスク中にインポートされた製品の総数。


ダイレクト・メーラー(Direct Mailer)メトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用して、ダイレクト・メーラーとリスト・マネージャのシステムに関する情報を提供します。ダイレクト・メーラーは、高性能なメール生成エンジンを使用して、リスト・マネージャで管理するリストを使用したパーソナライズ・メッセージを作成します。リスト・マネージャは、メーリング・リストのインポートと管理に使用されます。

表7-8 ダイレクト・メーラー(Direct Mailer)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

DML: ダイレクト・メール・エラー/秒(DML: Direct Mail Errors Per Sec)

ダイレクト・メーラーから返された1秒当たりのエラー数。このカウンタの値はかなり低くする必要があります。

DML: 実行中のダイレクト・メール・ジョブ(DML: Direct Mail Jobs Running)

特定のインスタンスに対して現在実行中のダイレクト・メーラー・ジョブの総数。このカウンタの値が高い場合、サーバーの負荷が大きいことを示します。

DML: 送信済メール・メッセージ/秒(DML: Mail Messages Sent Per Sec)

ダイレクト・メーラー・ジョブによって送信された1秒当たりのメール・メッセージ数。

DML: ダイレクト・メール・エラーの合計(DML: Total Direct Mail Errors)

すべてのダイレクト・メーラー・ジョブから返されたエラーの総数。

DML: 送信済メッセージの合計(DML: Total Messages Sent)

ダイレクト・メーラー・ジョブによって送信されたメール・メッセージの総数。


式エバリュエータ・エンジン(Expression Evaluator Engine)メトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用して、式エバリュエータ・エンジン(EEE)のパフォーマンスに関する情報を提供します。EEEは、評価コア(ロジック)、ExpressionStoreオブジェクトおよびExpressionEvalオブジェクトで構成されています。EEEには、ロードされた式、オブジェクト・プロパティおよび式の結果をキャッシュする式キャッシュがあります。

表7-9 式エバリュエータ・エンジン(Expression Evaluator Engine)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

EEE: 評価/秒(EEE: Evaluations Per Sec)

1秒当たりに評価された式の数。

注意: 広告または割引を表示すると、複数の評価が発生する可能性があります。

EEE: 式キャッシュ・サイズ(EEE: Expression Cache Size)

式キャッシュにある現在の式の総数。

EEEエンジンには、式キャッシュと式結果キャッシュという2つの内部キャッシュがあります。これらのEEEキャッシュのサイズは、アイテムがキャッシュに追加されると動的に大きくなります。これらのキャッシュは動的であるため、カスタマイズできません。

式エバリュエータのパフォーマンスを向上するには、ExpressionEvalオブジェクトのLoadExprメソッドまたはLoadAllメソッドを使用して、式キャッシュに式を事前にロードすることをお薦めします。

ランタイムの式のロード操作を回避するには、サイトのGlobal.asaファイルのloadAllメソッドをコールすることをお薦めします。

EEE: プロパティ・キャッシュ・ヒット(EEE: Property Cache Hits)

サーバーの起動以降のプロパティ・キャッシュ・ヒットの総数。

Commerce Server 2002には、式キャッシュの他に、式結果キャッシュと式プロパティ・キャッシュもあります。これらのキャッシュは、アイテムがロードまたは削除されると、動的に拡張または縮小します。

EEE: プロパティ読取り/秒(EEE: Property Reads Per Second)

サーバーの起動以降に式エバリュエータによって読み取られたプロパティの総数。

EEE: 評価エラーの合計(EEE: Total Evaluation Errors)

返された評価エラーの総数。


マーケティングおよびカタログ(Marketing and Catalog)メトリック

Commerce Serverには、商品カタログ・システムがあります。このシステムは、商品を管理して、多言語および複数通貨のカタログを作成し、必要な商品やサービスを迅速に検索する様々な検索メソッドを備えています。

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用して、商品カタログ・システムのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-10 マーケティングおよびカタログ(Marketing and Catalog)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

カタログ問合せ/秒(Catalog Queries Per Sec)

商品カタログ・システムに対して行われた1秒当たりの問合せ数。問合せとFreeTextSearchは、パフォーマンス・モニター・カウンタの値を記録します。他にカウンタを記録するメソッドはありません。

Commerce Server 2002は、商品カタログ・システムのアクティビティを表示するために、基本カタログと索引付きビューの仮想カタログに同一の利用状況プロファイルを使用しました。

LRUキャッシュ・フラッシュ/秒(LRU Cache Flushes Per Sec)

キャッシュに追加する新しいアイテムのための領域を確保するために、1秒当たりにキャッシュからフラッシュされたアイテムの数。LRUアルゴリズムでフラッシュされたアイテムと、手動でフラッシュされたアイテムを記録します。

最も長い間使用されていないLRUキャッシュ・カウンタは、カタログ・キャッシュの使用時のカタログ・キャッシュの実行度を示します。実行度の高いLRUキャッシュは、失敗率とフラッシュ率が低く、ヒット率が高くなります。

LRUキャッシュ・ヒット/秒(LRU Cache Hits Per Sec)

キャッシュの1秒当たりのキャッシュ・ヒット数。

最も長い間使用されていないLRUキャッシュ・カウンタは、カタログ・キャッシュの使用時のカタログ・キャッシュの実行度を示します。実行度の高いLRUキャッシュは、失敗率とフラッシュ率が低く、ヒット率が高くなります。LRUキャッシュ・カウンタを監視し、ヒット率が90%になるようにキャッシュを調整します。

LRUキャッシュ・ミス/秒(LRU Cache Misses Per Sec)

キャッシュの1秒当たりのキャッシュ・ミス数。

最も長い間使用されていないLRUキャッシュ・カウンタは、カタログ・キャッシュの使用時のカタログ・キャッシュの実行度を示します。実行度の高いLRUキャッシュは、失敗率とフラッシュ率が低く、ヒット率が高くなります。

LRUキャッシュ・サイズ(LRU Cache Size)

キャッシュ内のエントリの総数。キャッシュ・サイズが、ユーザーが設定したサイズの10%増になると、事前設定した制限値にキャッシュ・サイズを戻すためにフラッシュが発生します。LRUキャッシュ・カウンタは、キャッシュごとではなく、サイトごとにグループ化されます。

最も長い間使用されていないLRUキャッシュ・カウンタは、カタログ・キャッシュの使用時のカタログ・キャッシュの実行度を示します。実行度の高いLRUキャッシュは、失敗率とフラッシュ率が低く、ヒット率が高くなります。

プレディクタ・クライアント平均予測時間(Predictor Client Average Prediction Time)

予測が返されるために必要な平均経過時間。

プレディクタ・クライアント・モデル・ロードの合計(Predictor Total Client Model Loads)

最後にサービスが再起動してからロードされたモデル数。

プレディクタ・クライアント予測の合計(Predictor Total Client Predictions)

予測の総数。


メモリー(Memory)メトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してメモリー関連のパフォーマンスの情報を提供します。

表7-11 メモリー(Memory)メトリック

メトリック 説明

使用可能なバイト(Available Bytes)

プロセスへの割当てやシステムにすぐに使用できる物理メモリーの量(バイト単位)。スタンバイ(キャッシュ済)、空きおよびゼロ・ページの各リストに割り当てられているメモリーの合計と同じです。

この値は4MBよりも多くなります。

コミット済バイト(Committed Bytes)

コミットされた仮想メモリーの量(バイト単位)。コミットされたメモリーとは、ディスクのページング・ファイルで予約された領域を持つ物理メモリーです。各物理ドライブには、1つ以上のページング・ファイルがあります。このカウンタは、平均値ではなく、最後に計測された値のみを表示します。

このカウンタの値は、物理メモリーの75%以下になります。

ページ・フォルト/秒(Page Faults Per Sec)

1秒当たりにフォルトされた平均ページ数。各フォルト操作では1ページのみフォルトされるため、1秒当たりにフォルトされたページ数で測定されます。そのため、ページ・フォルト操作の数と同じ値になります。このカウンタには、ハード・フォルト(ディスクへのアクセスが必要なフォルト)とソフト・フォルト(フォルト・ページが物理メモリー内のどこかに存在する)の両方が含まれます。

ほとんどのプロセッサは、重大な影響を受けずに多くのソフト・フォルトを処理できます。ただし、ディスクへのアクセスが必要なハード・フォルトでは、深刻な遅延が発生する可能性があります。

ページ読取り/秒(Page Reads Per Sec)

ハード・ページ・フォルトを解決するためにディスクが読み取られた割合。このメトリックは、各操作で取得されたページ数とは関係なく読取り操作数を示します。プロセスが作業セットや物理メモリー内に存在しない仮想メモリーのページを参照するときにハード・ページ・フォルトが発生します。ハード・ページ・フォルトは、ディスクから取得する必要があります。

1秒当たりの値は1ページ未満になります。システムのメモリーが実際に不足すると、問題を示す最大のインジケータとなります。このカウンタは、システム全体の遅延の原因となるフォルトを示す主要インジケータです。このページ読取りには、ファイル・システム・キャッシュ(通常はアプリケーションによってリクエストされる)と、未キャッシュのマップされたメモリー・ファイルのフォルトを処理するための読取り操作が含まれます。Memory\\Pages Reads/secの値とMemory\\Pages Input/secの値を比較すると、各操作中に読み取られる平均ページ数がわかります。


ネットワーク(Network)メトリック

「ネットワーク(Network)」カテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してネットワークのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-12 ネットワーク(Network)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

受信済バイト/秒(Bytes Received Per Sec)

このネットワーク・アダプタを経由して受信する1秒当たりのバイト数の割合。カウントされたバイト数には、フレーミング文字が含まれます。このカウンタは、Network Interface\Bytes Total/secのサブセットです。

ネットワーク・カードが最大容量に達した場合、他のネットワーク・カードを追加する必要があります。この値がネットワークの容量に達した場合、よりバンド幅の広いネットワークが必要です。

送信済バイト/秒(Bytes Sent Per Sec)

このネットワーク・アダプタを経由して送信する1秒当たりのバイト数の割合。カウントされたバイト数には、フレーミング文字が含まれます。このカウンタは、Network Interface\Bytes Total/secのサブセットです。

ネットワーク・カードが最大容量に達した場合、他のネットワーク・カードを追加する必要があります。この値がネットワークの容量に達した場合、よりバンド幅の広いネットワークが必要です。

バイトの合計/秒(Bytes Total Per Sec)

フレーミング文字を含む、各ネットワーク・アダプタを経由して送受信するバイト数の割合。Network Interface\\Bytes Total/secは、Network Interface\\Bytes Received/secとNetwork Interface\\Bytes Sent/secの合計です。

ネットワーク・カードが最大容量に達した場合、他のネットワーク・カードを追加する必要があります。この値がネットワークの容量に達した場合、よりバンド幅の広いネットワークが必要です。

現在のバンド幅(Current Bandwidth)

ビット/秒(BPS)で示す、ネットワーク・インタフェースの現在のバンド幅の推定値。バンド幅が変化しないインタフェースや正確な推定値が得られないインタフェースの場合、この値は名目上のバンド幅になります。

出力キューの長さ(Output Queue Length)

出力パケット・キューの長さ(パケット数で表示)。

この値が2よりも大きい場合、遅延が存在します。可能であれば、ボトルネックを見つけて解消します。この実装でリクエストがNetwork Driver Interface Specification(NDIS)によってキュー待ち状態になると、この値は常に0になります。

廃棄されたアウトバウンド・パケット(Packets Outbound Discarded)

送信を妨げるエラーが検出されなかった場合でも、廃棄の対象として選択されたアウトバウンド・パケットの数。

パケット廃棄の理由の1つとして、バッファ領域の確保が考えられます。

アウトバウンド・パケット・エラー(Packets Outbound Errors)

エラーが原因で送信できなかったアウトバウンド・パケットの数。

廃棄された受信済パケット(Packets Received Discarded)

送信を妨げるエラーが検出されなかった場合でも、廃棄の対象として選択されたアウトバウンド・パケットの数。

パケット廃棄の理由の1つとして、バッファ領域の確保が考えられます。

受信済パケット・エラー(Packets Received Errors)

高層プロトコルへのパケットの配信を妨げるエラーを含むインバウンド・パケットの数。


物理ディスク(Physical Disk)メトリック

「物理ディスク(Physical Disk)」カテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してディスク・パフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-13 物理ディスク(Physical Disk)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

平均ディスク・キューの長さ(Average Disk Queue Length)

ディスク・キューの長さの平均。ディスクが読取りおよび書込みリクエストの速度に追いつけない場合、リクエストはキュー待ち状態になります。

受け入れ可能なキューの長さは、アレイのスピンドル数の機能です。他にディスク・トラフィックの計測に使用できるカウンタには、「物理ディスク: ディスク読取り/秒(Physical Disk: Disk Reads/second)」および「物理ディスク: ディスク書込み/秒(Physical Disk: Disk Writes/second)」があります。

必要に応じて、読取りおよび書込み可能なスピンドル数を増やして、データ転送速度を上げるには、Redundant Array of Inexpensive Disks(RAID)システムなどの物理ドライブの追加を検討します。

ディスク読取り/秒(Disk Reads Per Sec)

物理ディスクでの1秒当たりのディスク読取りの数。

このカウンタは、ディスク・デバイスの最大容量を下回ることが好ましい状態です。このカウンタを有効にするには、コマンド・シェルからdiskperf -yを実行して、コンピュータを再起動します。

ディスク書込み/秒(Disk Writes Per Sec)

物理ディスクでの1秒当たりのディスク書込みの数。

このカウンタは、ディスク・デバイスの最大容量を下回ることが好ましい状態です。このカウンタを有効にするには、コマンド・シェルからdiskperf -yを実行して、コンピュータを再起動します。

ディスク時間(%)(Percent Disk Time)

選択したディスク・ドライブが読取りまたは書込みリクエストの処理でビジー状態になっている経過時間の割合。


パイプライン(Pipelines)メトリック

パイプラインとは、ビジネス・プロセスの1つ以上のステージを定義およびリンクして、それらのステージを順番に実行して特定のタスクを完了する拡張可能なソフトウェア・フレームワークです。このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してパイプラインのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-14 パイプライン(Pipelines)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

平均実行時間(Average Execution Time)

パイプラインの特定コンポーネントの平均実行時間(マイクロ秒)。

実行時間は、クライアントとのサービス・レベル・アグリーメントによって異なります。数値が高くならないようにします。

エラー/秒(Errors Per Sec)

特定のパイプライン・コンポーネントによって生成された1秒当たりのエラー数。

エラーの合計(Errors Total)

特定のパイプライン・コンポーネント(PIPEERRORLEV_FAIL)よって返されたエラー・レベル3のエラー、またはFAILED HRESULTの総数。

警告/秒(Warnings Per Sec)

パイプライン・コンポーネントによって返された1秒当たりの警告の数。

警告の合計(Warnings Total)

特定のパイプライン・コンポーネント(PIPEERRORLEV_WARN)よって返されたエラー・レベル2の警告の総数。


プロセス・メトリック(Process Metrics)

表7-15 プロセス・メトリック(Process Metrics)

メトリック 説明およびユーザーの処理

作成プロセスID(Creating Process ID)

そのプロセスを作成したプロセスのプロセスID。作成プロセスが終了すると、この値は実行プロセスを特定できなくなります。

ハンドル数(Handle Count)

このプロセスで現在オープンになっているハンドルの総数。この数はプロセスの各スレッドで現在オープンになっているハンドル数の合計と同じです。

IOデータ・バイト/秒(IO Data Bytes Per Sec)

プロセスがI/O操作でバイトを読取りおよび書込みする割合。このカウンタは、プロセスで生成されたすべてのI/Oアクティビティ(ファイル、ネットワーク、デバイスI/Oなど)をカウントします。

IOデータ操作/秒(IO Data Operations Per Sec)

プロセスが読取りおよび書込みのI/O操作を発行している割合。このカウンタは、プロセスで生成されたすべてのI/Oアクティビティ(ファイル、ネットワーク、デバイスI/Oなど)をカウントします。

プロセッサ時間(%)(Percent Processor Time)

すべてのプロセス・スレッドがプロセッサの使用に費やす経過時間の割合。命令はコンピュータの実行の基本単位であり、スレッドは命令を実行するオブジェクトです。プロセスはプログラムの実行時に作成されるオブジェクトです。ハードウェア割込みやトラップ状況を処理するために実行されたコードは、このカウントに含まれます。

このカウンタの平均値は約70%になります。

プライベート・バイト(Private Bytes)

このプロセスが割り当てた、他のプロセスとは共有できない現在のメモリーのサイズ(バイト単位)。

メモリー・リークは、プライベート・バイト数が長時間にわたって一貫して増え続けることによって特定されます。これはメモリー・リークの検出に最適なパフォーマンス・カウンタです。値が物理RAMの合計の60%を超えると、パフォーマンス(特にアプリケーションやプロセスの再起動時)に影響を与えます。このカウンタの最適値は、物理RAMの60%以内および800MB以内のいずれかの最小値です。

スレッド数(Thread Count)

このプロセスで現在アクティブなスレッド数。命令はプロセッサの実行の基本単位であり、スレッドは命令を実行するオブジェクトです。実行中のすべてのプロセスには、少なくとも1つのスレッドがあります。

多くの場合、負荷が大きすぎるとスレッド・カウントが増加します。最適値は次の計算式で表します。

75 + ((maxWorkerThread + maxIoThreads) * #CPUs)

仮想バイト数(Virtual Bytes)

プロセスが使用中の仮想アドレス領域の現在のサイズ(バイト単位)。仮想アドレス領域の使用は、必ずしも対応するディスクまたはメイン・メモリー・ページの使用を表すわけではありません。仮想領域には限界があるため、ライブラリをロードするプロセスの機能が制限されます。

このカウンタの値は、仮想アドレス領域サイズ(1.4GBまたは2.4GB)に満たない600MBにする必要があります。

仮想バイト・ピーク(Virtual Bytes Peak)

プロセスが常に使用する仮想アドレス領域の最小サイズ(バイト単位)。仮想アドレス領域の使用は、必ずしも対応するディスクまたはメイン・メモリー・ページの使用を表すわけではありません。ただし、仮想領域には限界があるため、ライブラリをロードするプロセスの機能が制限されます。

このカウンタの値は、仮想アドレス領域サイズ(1.4GBまたは2.4GB)に満たない600MBにする必要があります。

作業セット(Working Set)

このプロセスの作業セットの現在のサイズ(バイト単位)。作業セットは、プロセスのスレッドによって最近使用されたメモリー・ぺージのセットです。コンピュータ内の空きメモリーがしきい値を超えると、ページが使用されていない場合でも、プロセスの作業セットに残ります。空きメモリーがしきい値を下回ると、ページは作業セットから削除されます。ページが必要な場合は、メイン・メモリーを解放する前に作業セットにソフト・ページ・フォルトで返されます。

このカウンタは、各プロセスが使用するメモリー・ページ数を測定します。システムに十分なメモリーがある場合、IIS 6.0がほとんどディスク操作を実行する必要がないように、作業セットに十分な領域を維持できます。メモリーの充足度を判断するには、プロセス作業セットのサイズが、サーバー上の一般的なメモリー利用可能率に対してどの程度変動するかを確認することが1つのインジケータとなります。著しく変動した場合、使用可能なメモリーが不足していることを示します。


プロセッサ・メトリック(Processor Metrics)

このカテゴリのメトリックは、プロセッサのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-16 プロセッサ・メトリック(Processor Metrics)

メトリック 説明およびユーザーの処理

プロセッサ時間(%)(Percent Processor Time)

すべてのプロセス・スレッドが命令を実行するためにプロセッサを使用した経過時間の割合。命令はコンピュータの実行の基本単位であり、スレッドは命令を実行するオブジェクトです。プロセスはプログラムの実行時に作成されるオブジェクトです。ハードウェア割込みやトラップ状況を処理するために実行されたコードは、このカウントに含まれます。

このカウンタの値は、サーバーで実行中のアプリケーションで使用されたプロセッサ時間を示します。このカウンタの値が常に高い場合、コードに問題がある可能性があるため、アプリケーションのリファクタリングが必要です。


SQL Serverメトリック

このカテゴリのメトリックは、SQL Serverのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-17 SQL Serverメトリック

メトリック 説明

トランザクション/秒(Transactions Per Sec)

データベースに対して開始されたトランザクションの数。トランザクションはデータを交換する任意のアクティビティです。このカウンタは、SQL Serverによる実際のアクティビティの実行度を示します。


SQL Server統計(SQL Server Statistics)メトリック

このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してSQL Serverのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-18 SQL Server統計(SQL Server Statistics)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

SQLコンパイル/秒(SQL Compilations Per Sec)

SQL Serverが実行している問合せの効果を示します。SQL Server上のCPU負荷を軽減するには、この数を減らします。

SQL再コンパイル/秒(SQL Recompilations Per Sec)

SQL Serverが実行している問合せの効果を示します。SQL Server上のCPU負荷を軽減するには、この数を減らします。


システム(System)メトリック

「システム(System)」カテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してシステムのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-19 システム(System)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

コンテキスト・スイッチ/秒(Context Switches Per Sec)

コンピュータ上のすべてのプロセッサが1つのスレッドから別のスレッドに切り替えられる複合割合。コンテキスト・スイッチは、実行中のスレッドが自発的にプロセッサを解放する、優先度の高い、準備ができているスレッドによって先に取得される、または実行サービスやサブシステム・サービスを使用するためにユーザー・モードと特権(カーネル)モード間で切り替わるときに発生します。これは、コンピュータのすべてのプロセッサで実行中の全スレッドのThread\\Context Switches/secの合計であり、スイッチの数で計測されます。システム・オブジェクトとスレッド・オブジェクトにはコンテキスト・スイッチ・カウンタがあります。このカウンタは、最後の2回のサンプリングで計測された値の差をサンプリング間隔の時間で割った値を表示します。

このカウンタは、製品カタログ・システムのアクティビティを示します。カタログ問合せが多い場合、フロントエンドWebサーバーとバックエンド・カタログ・サーバーの両方に負荷をかけられます。Commerce Server 2002の最も長い間使用されていない(LRU)キャッシュを使用して、過負荷状態のCommerce Server 2002製品カタログ・システムのパフォーマンスを向上できます。

プロセッサ・キューの長さ(Processor Queue Length)

プロセッサ・キューのスレッド数。ディスク・カウンタとは異なり、このカウンタは、実行中のスレッドではなく準備が完了したスレッドのみを表示します。

プロセッサごとの、持続されているプロセッサ・キューが10スレッドに満たない場合、ワークロードにもよりますが、通常は受け付けられます。コンピュータに複数のプロセッサがある場合でも、プロセッサ時間のキューは1つです。そのため、コンピュータに複数のプロセッサがある場合、ワークロードを処理しているプロセッサの数でこの値を割る必要があります。


ユーザー・プロファイル管理(User Profile Management)メトリック

ユーザー・プロファイル管理(UPM)システムは、Commerce Serverアプリケーションの構築に使用できる、使用しやすいユーザー管理およびパーソナライズAPIを提供します。このカテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してUPMのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-20 ユーザー・プロファイル管理(User Profile Management)メトリック

メトリック 説明およびユーザーの処理

UPM: アクティブな接続(UPM: Active Connection)

接続プールで現在アクティブな接続の総数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: アクティブなヒープ・カウント(UPM: Active Heap Count)

ヒープ・プールで現在アクティブなヒープの総数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: キャッシュ・ヒット率(UPM: Cache Hit Rate)

任意のSQL Serverベースのプロパティに関する1秒当たりのキャッシュ・ヒット数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

キャッシュ・ミス率がキャッシュ・ヒット率よりも高い場合、接続文字列のPsObjectCacheSizeパラメータを使用してキャッシュ・サイズを増やす必要があります。

UPM: キャッシュ・ミス率(UPM: Cache Miss Rate)

任意のSQL Serverベースのプロパティに関する1秒当たりのキャッシュ・ミス数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

キャッシュ・ミス率がキャッシュ・ヒット率よりも高い場合、接続文字列のPsObjectCacheSizeパラメータを使用してキャッシュ・サイズを増やす必要があります。

UPM: キャッシュ・オブジェクト(UPM: Cache Objects)

キャッシュ・オブジェクトの総数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

この値は、常にシステム上の同時ユーザー数以上である必要があります。時間に対してこのカウンタの割合が増えた場合、バックエンド・データ・ストアのディスク・キューを監視する必要があります。

UPM: プロファイル作成の待機時間(UPM: Create Profile Latency)

1秒間に作成されるすべてのプロファイル・オブジェクトの累計待機時間。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

このカウンタの値が高くならないようにします。値が高いと、ユーザーがすでにドメインに存在していても、すべてのドメイン・コントローラにレプリケートされていない場合、ユーザー認証の速度が遅くなるためです。

UPM: プロファイル削除の待機時間(UPM: Delete Profile Latency)

1秒間に削除されるすべてのプロファイル・オブジェクトの累計待機時間。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: プロファイル取得の待機時間(UPM: Get Profile Latency)

1秒間に取得されるすべてのプロファイル・オブジェクトの累計待機時間。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

このカウンタの値が高くならないようにします。値が高いと、ユーザーがすでにドメインに存在していても、すべてのドメイン・コントローラにレプリケートされていない場合、ユーザー認証の速度が遅くなるためです。

UPM: プロファイル変更の待機時間(UPM: Modify Profile Latency)

1秒間に更新されるすべてのプロファイル・オブジェクトの累計待機時間。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: オブジェクトの作成/秒(UPM: Object Creations Per Sec)

1秒当たりに作成されるプロファイル・オブジェクトの数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: オブジェクトの削除/秒(UPM: Object Deletes Per Sec)

1秒当たりに削除されるプロファイル・オブジェクトの数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: オブジェクトの変更/秒(UPM: Object Modifies Per Sec)

1秒当たりに変更されるプロファイル・オブジェクトの数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。

UPM: オブジェクトの読取り/秒(UPM: Object Reads Per Sec)

1秒当たりに取得されるプロファイル・オブジェクトの数。このカウンタはサーバー用で、インスタンス用ではありません。


Webサービス(Web Service)メトリック

「Webサービス(Web Service)」メトリック・カテゴリのメトリックは、次に示すパフォーマンス・カウンタを使用してWebサービスのパフォーマンスに関する情報を提供します。

表7-21 Webサービス(Web Service)メトリック

メトリック 説明

CGIリクエスト(CGI Requests)

WWWサービスが同時に処理している現在のCGIリクエスト数。

現行接続数(Current Connections)

HTTPサービスで確立された現在の接続数。このカウンタのしきい値は、リクエストのタイプ(ISAPI、CGI、静的HTML、CPU使用率)などの様々な変数によって異なります。

GETリクエスト(Get Requests)

WWWサービスに対して行われたGETメソッドを使用するHTTPリクエストの現在の数。

HEADリクエスト(Head Requests)

WWWサービスに対して行われたHEADメソッドを使用するHTTPリクエストの現在の数。

ログオン試行数/秒(Logon Attempts Per Sec)


POSTリクエスト(Post Requests)

WWWサービスに対して行われたPOSTメソッドを使用するHTTPリクエストの現在の数。

CGIリクエストの合計(Total CGI Requests)

WWWサービスの開始以降に行われたすべてのCGIリクエストの総数。

接続試行数の合計(全インスタンス)(Total Connection Attempts (All Instances))

WWWサービスの開始以降にWWWサービスに対して試行された接続数の合計。

GETリクエストの合計(Total Get Requests)

WWWサービスの開始以降に、GETメソッドを使用していたHTTPリクエストの総数。

HEADリクエストの合計(Total Head Requests)

WWWサービスの開始以降に、HEADメソッドを使用していたHTTPリクエストの総数。

POSTリクエストの合計(Total Post Requests)

WWWサービスの開始以降に、POSTメソッドを使用していたHTTPリクエストの総数。