Coherence for C++をインストールして環境を設定した後、サンプル・アプリケーションを実行してみることができます。付録A「C++アプリケーションのサンプル」を参照してください。
データ・クライアントでCoherence for C++を使用するには、次のものが必要です。データ・クライアントの詳細は、『Oracle Coherenceスタート・ガイド』の「Coherenceのエコシステム」を参照してください。
Coherence Standard Edition、Enterprise EditionまたはData Grid Edition(3.4以降)
サポートされているC++開発環境
サポートされているC++ランタイム・ライブラリ
リアルタイム・クライアントでCoherence for C++を使用するには、次のものが必要です。リアルタイム・クライアントの詳細は、『Oracle Coherenceスタート・ガイド』の「Coherenceのエコシステム」を参照してください。
Coherence Standard Edition、Enterprise EditionまたはData Grid Edition(3.4以降)
サポートされているC++開発環境
サポートされているC++ランタイム・ライブラリ
Coherence for C++の現在のリリースは、表1-1に示すプラットフォームとオペレーティング・システムでサポートされています。
表1-1 Coherence for C++がサポートされているプラットフォームとオペレーティング・システム
| オペレーティング・システム | コンパイラ | アーキテクチャ |
|---|---|---|
|
Microsoft Windows 2000以降(注意1を参照) |
MSVC 2005 SP1以降(注意3を参照) |
x86 |
|
Microsoft Windows Server 2003以降(注意2を参照) |
MSVC 2005 SP1以降(注意3を参照) |
x64 |
|
Solaris 10 |
SunPro 5.9(注意4を参照) |
SPARC |
|
Solaris 10 |
SunPro 5.9(注意5を参照) |
x86 |
|
Solaris 10 |
SunPro 5.9(注意5を参照) |
x64 |
|
Linux |
GCC 3.4以降(注意6を参照) |
x86 |
|
Linux |
GCC 3.4以降(注意6を参照) |
x64 |
|
Apple OS X 10.4以降 |
GCC 3.4以降(注意6を参照) |
x86 |
|
Apple OS X 10.4以降 |
GCC 3.4以降(注意6を参照) |
x64 |
注意:
32ビット・バージョンのWindows XP、Vista、2000、2003および2008が含まれます。
64ビット・バージョンのWindows XP、Vista、2003および2008が含まれます。
具体的には、MSVC 2005 SP1(14.00.50727.762以降)とMSVC 2008、およびそれらのExpress Versionがサポートされています。
具体的には、Sun C++ 5.9 SPARC Patch 124863-12以降がサポートされています。
具体的には、Sun C++ 5.9 x86/x64 Patch 124864-12以降がサポートされています。
具体的には、GCC 3.4.6-4以降およびGCC 4.xがサポートされています。
アプリケーションのビルド・プロセスにCoherence for C++を統合する場合は、コンパイラとリンカーのいくつかの設定を有効にすることが重要です。これらの設定の中にはオプションのものもありますが、それらも含め、有効にすることを強くお薦めします。
*MSVC(Visual Studio)*
表1-2 MSVC(Visual Studio)向けのコンパイラの設定
| 設定 | ビルド・タイプ | 必須 | 説明 |
|---|---|---|---|
|
/EHsc |
All |
はい |
C++の例外のサポートを有効化 |
|
/GR |
All |
はい |
C++のRTTIを有効化 |
|
/O2 |
Release |
いいえ |
スピードの最適化を有効化 |
|
/MD |
Release |
はい |
マルチスレッド化したDLLに対してリンク |
|
/MDd |
Debug |
はい |
マルチスレッド化したデバッグDLLに対してリンク |
g++ / SunPro
Coherenceには、Coherence APIを使用するコードをコンパイルするときにアプリケーションで必要となる一連のヘッダー・ファイルが付属しています。このヘッダー・ファイルは、インストール先のincludeディレクトリにあります。使用しているコンパイラのinclude検索パスで、このincludeディレクトリを指定する必要があります。
Coherence for C++には、Coherenceライブラリのリリース・バージョンが付属しています。アプリケーション・コードのデバッグ・バージョンとのリンクでも、このライブラリが適しています。このライブラリは、インストール先のlibディレクトリにあります。リンクの際、リンカーのライブラリ・パスでこのディレクトリを指定する必要があります。
Coherence対応アプリケーションを実行しているときは、そのアプリケーションのライブラリ検索パスからCoherence for C++の共有ライブラリを利用できる必要があります。そのためには、この共有ライブラリが含まれているディレクトリを、オペレーティング・システム固有の環境変数に追加します。各ライブラリは、インストール先のlibサブディレクトリに格納されます。
表1-5 Coherence for C++のライブラリ名と環境変数
| オペレーティング・システム | 環境変数 |
|---|---|
|
Windows |
PATH |
|
Solaris |
LD_LIBRARY_PATH |
|
Linux |
LD_LIBRARY_PATH |
|
Apple(Mac)OS X |
DYLD_LIBRARY_PATH |
たとえば、WindowsでPATH環境変数を設定するには、次を実行します。
c:\coherence\coherence-cpp\examples> set PATH=%PATH%;c:\coherence\coherence-cpp\lib
JavaバージョンのCoherence同様、C++バージョンでも、構成のデフォルト設定より優先するシステム・プロパティの概念がサポートされています。C++で使用するシステム・プロパティは、OSの標準的な環境変数を使用して設定します。使用するプロパティの名前は、Javaバージョンと同じです。tangosol.coherence.cacheconfigシステム・プロパティを使用して、キャッシュ・コンフィギュレーションの場所を指定できます。このコンフィギュレーション・ファイルの場所は、アプリケーション・コードでのプログラム処理(CacheFactory::configure())で設定することもできますが、この例ではその方法は採用していません。
表1-6 様々なオペレーティング・システム向けのキャッシュ・コンフィギュレーションのシステム・プロパティの値
| オペレーティング・システム | システム・プロパティ |
|---|---|
|
Windows |
tangosol.coherence.cacheconfig |
|
Linux |
TangosolCoherenceCacheConfig |
|
Solaris |
TangosolCoherenceCacheConfig |
|
Apple(Mac)OS X |
TangosolCoherenceCacheConfig |
|
注意: UNIXのbashシェルのように、OSによっては、シェルで指定する環境変数にピリオド文字(.)を使用できないものがあります。この場合はキャメル・ケースを使用して、先頭の文字と各ピリオド文字(.)の後の1文字を大文字で記述します。つまり、tangosol.coherence.cacheconfigはTangosolCoherenceCacheConfigとします。 |
たとえば、Windowsでこのコンフィギュレーション・ファイルの場所を設定するには、次のコマンドを実行します。
c:\coherence\coherence-cpp\examples> set tangosol.coherence.cacheconfig=config\extend-cache-config.xml
Coherence for C++には、専用のデプロイメント・コンフィギュレーションは必要ありません。目的のアプリケーションをCoherenceライブラリにリンクし、構成に関する指示に従うのみです。ビルド・スクリプトとコンフィギュレーションの例は、付録A「C++アプリケーションのサンプル」でサンプル・アプリケーションを参照してください。
|
注意: Microsoft Windowsにデプロイする場合は、Visual Studio 2005 SP1 C++の再配布可能なランタイム・ライブラリが必要です。このサンプルをビルドするには、Visual Studio 2005 SP1以降が必要です。 |