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Oracle Coherenceクライアント・ガイド
リリース3.5
B56041-01
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1 Coherence for C++の要件、インストールおよびデプロイメント

Coherence for C++をインストールして環境を設定した後、サンプル・アプリケーションを実行してみることができます。付録A「C++アプリケーションのサンプル」を参照してください。

パッケージの要件

データ・クライアントでCoherence for C++を使用するには、次のものが必要です。データ・クライアントの詳細は、『Oracle Coherenceスタート・ガイド』の「Coherenceのエコシステム」を参照してください。

リアルタイム・クライアントでCoherence for C++を使用するには、次のものが必要です。リアルタイム・クライアントの詳細は、『Oracle Coherenceスタート・ガイド』の「Coherenceのエコシステム」を参照してください。

サポートされている環境

Coherence for C++の現在のリリースは、表1-1に示すプラットフォームとオペレーティング・システムでサポートされています。

表1-1 Coherence for C++がサポートされているプラットフォームとオペレーティング・システム

オペレーティング・システム コンパイラ アーキテクチャ

Microsoft Windows 2000以降(注意1を参照)

MSVC 2005 SP1以降(注意3を参照)

x86

Microsoft Windows Server 2003以降(注意2を参照)

MSVC 2005 SP1以降(注意3を参照)

x64

Solaris 10

SunPro 5.9(注意4を参照)

SPARC

Solaris 10

SunPro 5.9(注意5を参照)

x86

Solaris 10

SunPro 5.9(注意5を参照)

x64

Linux

GCC 3.4以降(注意6を参照)

x86

Linux

GCC 3.4以降(注意6を参照)

x64

Apple OS X 10.4以降

GCC 3.4以降(注意6を参照)

x86

Apple OS X 10.4以降

GCC 3.4以降(注意6を参照)

x64


注意:

  1. 32ビット・バージョンのWindows XP、Vista、2000、2003および2008が含まれます。

  2. 64ビット・バージョンのWindows XP、Vista、2003および2008が含まれます。

  3. 具体的には、MSVC 2005 SP1(14.00.50727.762以降)MSVC 2008、およびそれらのExpress Versionがサポートされています。

  4. 具体的には、Sun C++ 5.9 SPARC Patch 124863-12以降がサポートされています。

  5. 具体的には、Sun C++ 5.9 x86/x64 Patch 124864-12以降がサポートされています。

  6. 具体的には、GCC 3.4.6-4以降およびGCC 4.xがサポートされています。


注意:

MSVCに基づくアプリケーションとしてMicrosoft Windowsにデプロイする場合は、対応するMSVCランタイム・ライブラリをデプロイメント・マシンにインストールする必要があります。Coherence for C++の場合は、x86またはx64向けに用意されているVisual Studio 2005 SP1 C++の再配布可能なランタイム・ライブラリがこのライブラリに相当します。Visual Studio 2008で開発する場合でも、2005 SP1の再配布可能なランタイム・ライブラリを開発マシンとデプロイメント・マシンの両方にインストールする必要があります。

Coherence for C++のインストール

  1. Coherence for C++のパッケージをターゲット環境にダウンロードします。

  2. アーカイブを抽出します。

Coherenceベースのアプリケーションのビルド

コンパイラの設定

アプリケーションのビルド・プロセスにCoherence for C++を統合する場合は、コンパイラとリンカーのいくつかの設定を有効にすることが重要です。これらの設定の中にはオプションのものもありますが、それらも含め、有効にすることを強くお薦めします。

*MSVC(Visual Studio)*

表1-2 MSVC(Visual Studio)向けのコンパイラの設定

設定 ビルド・タイプ 必須 説明

/EHsc

All

はい

C++の例外のサポートを有効化

/GR

All

はい

C++のRTTIを有効化

/O2

Release

いいえ

スピードの最適化を有効化

/MD

Release

はい

マルチスレッド化したDLLに対してリンク

/MDd

Debug

はい

マルチスレッド化したデバッグDLLに対してリンク


g++ / SunPro

表1-3 g++向けのコンパイラの設定

設定 ビルド・タイプ 必須 説明

-O3

Release

いいえ

スピードの最適化を有効化

-m32 / -m64

All

いいえ

コンパイラを明示的に32ビット・モードまたは64ビット・モードに設定


Coherenceのヘッダー・ファイル

Coherenceには、Coherence APIを使用するコードをコンパイルするときにアプリケーションで必要となる一連のヘッダー・ファイルが付属しています。このヘッダー・ファイルは、インストール先のincludeディレクトリにあります。使用しているコンパイラのinclude検索パスで、このincludeディレクトリを指定する必要があります。

リンク

Coherence for C++には、Coherenceライブラリのリリース・バージョンが付属しています。アプリケーション・コードのデバッグ・バージョンとのリンクでも、このライブラリが適しています。このライブラリは、インストール先のlibディレクトリにあります。リンクの際、リンカーのライブラリ・パスでこのディレクトリを指定する必要があります。

表1-4 リリース・バージョン向けおよびデバッグ・バージョン向けのリンク・ライブラリの名前

オペレーティング・システム ライブラリ

Windows

coherence.lib

Solaris

libcoherence.so

Linux

libcoherence.so

Apple OS X

libcoherence.dylib


ランタイム・ライブラリと検索パス

Coherence対応アプリケーションを実行しているときは、そのアプリケーションのライブラリ検索パスからCoherence for C++の共有ライブラリを利用できる必要があります。そのためには、この共有ライブラリが含まれているディレクトリを、オペレーティング・システム固有の環境変数に追加します。各ライブラリは、インストール先のlibサブディレクトリに格納されます。

表1-5 Coherence for C++のライブラリ名と環境変数

オペレーティング・システム 環境変数

Windows

PATH

Solaris

LD_LIBRARY_PATH

Linux

LD_LIBRARY_PATH

Apple(Mac)OS X

DYLD_LIBRARY_PATH


たとえば、WindowsでPATH環境変数を設定するには、次を実行します。

c:\coherence\coherence-cpp\examples> set PATH=%PATH%;c:\coherence\coherence-cpp\lib

JavaバージョンのCoherence同様、C++バージョンでも、構成のデフォルト設定より優先するシステム・プロパティの概念がサポートされています。C++で使用するシステム・プロパティは、OSの標準的な環境変数を使用して設定します。使用するプロパティの名前は、Javaバージョンと同じです。tangosol.coherence.cacheconfigシステム・プロパティを使用して、キャッシュ・コンフィギュレーションの場所を指定できます。このコンフィギュレーション・ファイルの場所は、アプリケーション・コードでのプログラム処理(CacheFactory::configure())で設定することもできますが、この例ではその方法は採用していません。

表1-6 様々なオペレーティング・システム向けのキャッシュ・コンフィギュレーションのシステム・プロパティの値

オペレーティング・システム システム・プロパティ

Windows

tangosol.coherence.cacheconfig

Linux

TangosolCoherenceCacheConfig

Solaris

TangosolCoherenceCacheConfig

Apple(Mac)OS X

TangosolCoherenceCacheConfig



注意:

UNIXのbashシェルのように、OSによっては、シェルで指定する環境変数にピリオド文字(.)を使用できないものがあります。この場合はキャメル・ケースを使用して、先頭の文字と各ピリオド文字(.)の後の1文字を大文字で記述します。つまり、tangosol.coherence.cacheconfigTangosolCoherenceCacheConfigとします。

たとえば、Windowsでこのコンフィギュレーション・ファイルの場所を設定するには、次のコマンドを実行します。

c:\coherence\coherence-cpp\examples> set tangosol.coherence.cacheconfig=config\extend-cache-config.xml

Coherence for C++のデプロイメント

Coherence for C++には、専用のデプロイメント・コンフィギュレーションは必要ありません。目的のアプリケーションをCoherenceライブラリにリンクし、構成に関する指示に従うのみです。ビルド・スクリプトとコンフィギュレーションの例は、付録A「C++アプリケーションのサンプル」でサンプル・アプリケーションを参照してください。


注意:

Microsoft Windowsにデプロイする場合は、Visual Studio 2005 SP1 C++の再配布可能なランタイム・ライブラリが必要です。このサンプルをビルドするには、Visual Studio 2005 SP1以降が必要です。